ひっそりと群生

ひっそりと持ってるCDの情報やゲームの感想上げたり。購入物の記録など。気ままに。飽きっぽいので途中で止まったらご愛嬌。

TRUE REMEMBRANCEをn週目している人のネタバレ記録 その26

※この記録は里見しば様制作のTRUE REMEMBRANCE-remake-をn週目する人間の記録です。
※軽く片手の指以上の数の周回をしているのでネタバレ込み、伏線に触れまくりの記録になります。
※好き過ぎてスクショ撮り放題です。
※また、同作者様作『送電塔のミメイ』もプレイしてるのでその辺りにも触れています。


前置きは コチラ

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TR記事まとめは コチラ






七話 雨と仔猫と終わってしまった話】その⑤



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いつも雨が降っていた街。
その街が黒目に外出を促すように晴れていて。
アナライと少女がどうしても気になった黒目は五番街の教会に一度立ち寄ります。


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彼女の祈りはおそらくアナライの事。
アナライの病の事。
きっと、もう、神に祈るしか出来ない状態なのでしょう。

TRの世界には教会が存在しますが、何の神を崇めているのでしょうね。
日本人的にはこの描写を見るとキリスト教を思い浮かべますが、同一世界では無いので絶対とも言えません。
TR世界の宗教、気になります。


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黒目の足音に気付き振り向く少女。



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忙しかったのは、離れられなかったのはきっと、じいじが大変だったからなのだと思います。
じいじが来て、きっと何度も倒れ、離れられなかったのでしょう。
聡い黒目ですが、上手く隠しているアナライや少女から真実を見抜く事は出来ず。
黒目はとても頭が良く、様々な悪意には気付きますが、善意での隠し通している事には中々気付かない人だと思います。
今までも悪意には鋭く気付いていましたが、優しさからの嘘には鈍感だった気がします。
きっと今までの生き方が関係しているのでしょう…器用な癖にどこまでも不器用な人です。
少女の隠し事には気付きませんでしたが、少女は元気そうな事に安心し、黒目は出かけようとします。


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きっと会いに行くまでに様々な事で悩んだのでしょう。


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少女が珍しく、わがままを通します。


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五番街の廃教会地下には外へ出る隠し通路があるらしく。
少女はここで初めてアナライの事を『じいじ』と呼びます。
ここで、今までうっすらと見えていた糸がしっかりと繋がった様な気がしました。
そう、アナライは『じいじ』なのです。
嫌なこと』とはきっと、その『じいじ』が倒れてしまう事
少女は黒目に必死に一緒に連れて行ってほしいと懇願します。


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少女の必死さを感じ、黒目は彼女と一緒に街に出る事に。


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少女には意味が伝わっていませんでしたが、黒目が今から行く所を考えると本心で一人は辛いのでしょう。


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昨日おりた外出許可。
一番街でライセンスを見せ、外への門が開かれます。


中央舎に申請していた外出許可がおりたのは昨日のことだった。


この一文から何となくですが、外出許可がおりるまでは時間を要するのを感じます。
その間に黒目は沢山『マリア』さんの事を考えたのでしょう。


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何もない街の外。
黒目は少女と合流し次の街へ。


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途中でタクシーを拾った部分で初回プレイ時は「タクシーがあるんだ!?」と驚いたものです。
この世界は電話、電車、タクシーがあるので生活水準はあまり現実の、私達の世界と変わらないのかもしれません。
ただ、この街や隣の街、そして黒目が元居た街があまりにも格差が激しいので、国としての貧富の差は激しそうです。

そしてタクシーは一件の小さな家の近くへ。


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そして『マリア』さん。
黒目の人生に多大な影響を与えた女性。
TRではそんな重大な女性が全く姿を描かれる事がありません。
どんな外見の女性かはプレイヤーに委ねる、そういう表現の仕方ニクいです…
黒目にとっては重要な人物でも、この物語にとっては『マリア』さんは過去の人だというのを感じて。


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マリアさんが口ずさむ歌。



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黒目と、そしてマリアさんと、今ここにいる少女が知る歌。


小さな家で、花にかこまれて暮らしたい


彼女の願いは叶っていました。
黒目という存在を除いて。


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少女は黒目の隣でマリアさんの歌を聴きます。



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少女と聞いたマリアさんの歌は黒目の記憶の奥底にしっかりと残り続けています。


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マリアさんにはきっともう、新しい「家族」が居て、幸せなのでしょう。
その姿を見届け、黒目は少女と共に街へ帰ります。


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二年間の訓練、封士の素質しか入る事を許されない街。
封士になり、マリアさんの願いを叶えようとする黒目。
しかし…思うのです、『記憶封士』になってしまえば、その能力故に街から出ることは安々と出来なくなってしまいます。
きっと、黒目は封士になり、お金を貯め、そのお金で『小さな家で花にかこまれた』生活を与えたかったのかもしれません。
彼女と一緒に居ることはもう出来ないけれど、彼女の夢を叶えたかった。
マリアさんの一番の願いは、黒目と一緒に居る事だと、黒目は自分がマリアさんにとってどれだけ大事な存在なのかにも気付かず。
悪意には聡く、けれど善意には鈍い所、とても黒目らしいとも思います。
でも、マリアさんも他の人さえ側に居れば自分を保てるというのもまた、酷な話です。
きっと、黒目は『忘れられる』辛さもですが、「自分で無くても良かった」という絶望も味わったのだと思います。
そう考えると、マリアさんから黒目への思いはある意味では執着に近いものにも感じるので…辛いけれども、これもまた必要な事だとも思いました。
離れてもお互いを思い合えて、心の中で支え合って居られる人と一緒の方がある意味では望ましいと個人的に思うので。


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ちょっかいをかけてくる訓練生
気遣ってくれる先生


そんな平和な存在に


自分だけが優しさに触れるのはマリアに対して悪い


そう思い接する黒目。


もっとトゲトゲした嫌な奴
生徒のだったことをよく考えてくれる先生だった。…でも苦手だった
たぶん、先生のそういうところが苦手だったんだと思う。


訓練生』も『先生』も、皆が平和で、皆が良い人過ぎて。
だから、黒目はマリアに負い目を感じていて…冷たく接してしまい。

そして、黒目が『絶対に封士にならなきゃいけない』理由もあり。

様々な要因が重なり、今とは全く違うトゲトゲした冷たい雰囲気になっていたのでしょう。

でも黒目、きっとその『訓練生』も『先生』も傷付いたなんて思っていなくて…
きっと皆が黒目の事、その器用な癖に不器用な生き方にを心配していたんだなと思います。


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そして行われたマリアへの記憶処理。



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大切にしていたものを奪った』右手。
ゆっくりと、黒目の過去のキョウへの行動や先生への想い、右手への複雑な心境と対応のぎこちなさの理由が明らかになっていきます。
この、全ての事、全ての行動に理由がある所がまさに神業。
何一つ理由が無い事が無い所に溜息しか出ません。


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少女は涙を流します。
この涙はきっと、少女が感じ取った黒目のマリアさんへの想い。
黒目が流す事が出来なかったマリアさんへの涙。
そして黒目はマリアさんを失い、路地裏でアナライに出会いました。


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この日の少女の言葉が、黒目が忘れたくないと必死に思い出した記憶の中に沢山ありました。
きっと、この日の事は、黒目の大切な思い出、大切な記憶なのでしょう。
こんなにも忘れたくなかった大事な記憶が黒目の中から消えていたと思うと、とても切なく、辛いです。


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「そうだね。……嫌われるとか疎まれるとか、そういうのもつらいけど
 「忘れられるっていうのは……。ちょっと本当に半端じゃなく、悲しかった」


TRの話題が出ると必ずと言っていいほど上がるこの台詞。
辛いけれども、とても心に残る言葉ですよね…私も辛いけれど、とても好きです。


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黒目はゆっくりと過去の辛い記憶を笑って話せるようになっていました。
キョウや先生やアナライ、そして、少女との新しい思い出が、記憶が、ゆっくりと黒目を癒やしていきます。
忘れる事を選ばない黒目にとってそれは確かに辛い記憶だけれど、それでもいつか「あんな事もあったな」と思えるような記憶になっていてほしいです。



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