ひっそりと群生

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TRUE REMEMBRANCEをn週目している人のネタバレ記録 その30

※この記録は里見しば様制作のTRUE REMEMBRANCE-remake-をn週目する人間の記録です。
※軽く片手の指以上の数の周回をしているのでネタバレ込み、伏線に触れまくりの記録になります。
※好き過ぎてスクショ撮り放題です。
※また、同作者様作『送電塔のミメイ』もプレイしてるのでその辺りにも触れています。


前置きは コチラ

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TR記事まとめは コチラ






終話 TRUE REMEMBRANCE】その①



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ここでセーブを取ると『終話 TRUE REMEMBRANCE』というセーブタイトル。
TRUE REMEMBRANCE
本当の記憶
ラとの本当の出会い、そして過ごした日々を思い出した黒目。


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ラの歌声を必死に拒む黒目。
黒目を癒そうとするラ。
けれど、真実を思い出した以上、黒目はラの癒やしを受け入れるわけにはいきません。


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だから、黒目はラに嘘を吐きます。
それは、ラを忘れたくないから吐く優しい嘘。
そして、その嘘を信じるラ。


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眠ると言った黒目の唇はラに重ねられます。
私はTRのこのキスシーンは美しく素敵だと思うのですが、同時に最初のプレイでは「キスしちゃうの!!?」という気持ちがあったのも事実です。
この二人が恋仲になる事に対して、
「この二人が恋仲になった理由が分からない」
という意見と、
「この二人は恋仲になって欲しくなかった」
という意見を見かけました。

後者は少し分かります。
二人の兄妹のような関係が好きで、あえて恋愛関係に成ってほしくはない。
そういう複雑な気持ちは痛いほど分かります。
恋愛に成らないからこそ映える関係、そういう関係も間違いなくあるからです。
そういう後者の気持ちが私にもあり、初回プレイ時は、二人が結ばれた嬉しさと同時に結ばれてしまったという複雑な心境にもなりました。
もちろん、今では大祝福ですが。

ただ、前者の意見に関しては…え?何で??という気持ちです。
黒目が、ラが、積み重ねてきた本編の日々。
二人で居る事の安心感が描かれ、ゆっくりと構築されていった時間。
それに加えて、隠されていた真実はこの穏やかな関係を築く前にアナライという二人にとって大切な人物がいた記憶。
出会う前から出会っていたという、切っても切り離せない運命と呼べるような関係。
そして、少女とアナライが居る、居た事により、ゆっくりと癒やされていた黒目の『錆色の記憶』。
そんなアナライの願いや最後の秘密、マリアさんの歌を知る唯一の二人。
記憶を失う前も、記憶を失った後も、
「一緒に居ると穏やかな気持ちになれる」
という変わらない関係を構築していた二人。
「二人だけの秘密」「一緒にいると安心する」「お互いの傷を自然に癒せる」
そんな二人が、結ばれた…それはそんなに不思議な事なのでしょうか?
「その人と一緒なら自分の辛い記憶を過去の事に変えられる」
「一緒に居た時間は幸せなだけではなく、辛い記憶も確かにあるけれど、その人の記憶だからどんなに辛くても受け止められる」
ラと黒目はそういう関係で…それほどまでに大事な人と一緒になる事の何が不思議なのか。
私は、二人が結ばれる、共に歩む流れはとても自然だと思います。

ここではキスをしていますが、正直上記に書いたTRのキスシーンは素敵だけれども違和感を覚えるのは二人の関係がそういう、「男女の恋愛」という一言には収まらない所があるからだと思っています。
ラは黒目が黒目であれば黒目を選んだし、黒目はラがラであればラを選んだ。
そこに男女は関係が無く、恋愛以上の親愛で結ばれているから感じる違和感なのかなと。

ですが、二人が結ばれたのは納得出来ます。
黒目はマリアさんに気持ちを伝えなかった事を後悔しているのです。
そして、黒目はラを好きだと思った。
その想いを今度こそ後悔しないために言葉にして伝えた。
そしたらラの気持ちも一緒だった…それだけで十分なのではないでしょうか?

二人の封士としての能力、『錆色の記憶』の根源は、ラは実の家族のネグレクト、黒目は最初から気が付いたら一人で生きてきた人生。
「大事な人が側に居なかった」「居てくれた相手とも離れ離れになった」所。
大好きで大切な人に好きだと伝え、想いが叶い、結ばれ、今度こそ離れない大切な人を得る、きっと、ただそれだけの事なのでしょう。


「ラと黒目がどうして恋人として結ばれたのか」という部分の私の解釈はこんな感じです。


まぁ解釈とか、そんな事関係なく、このTRの雰囲気を味わってさえいれば、「ここで二人が結ばれた!!おめでとう!!!」だけで大満足なんですけれど。


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そして、黒目からの告白。
きっと人生で初めての告白。
ここで『「愛している」』と言わないのは、アナライの想いとは違うという事を無意識に示しているからでしょうか。
「愛している」』はアナライの言葉なので。


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マリアさんに『一度も言葉で気持ちを伝えたことがなかった。』、ずっと後悔している事。
ちゃんと自分の気持ちを言葉で伝えられなかった後悔を繰り返さない為に、今度こそ言葉に出来た黒目は安心します。


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えぇ、黒目はずるいです。
自分の後悔をちゃんと繰り返さない道を選んだ上で、一番良いタイミングで告白するのですから。
黒目の事を好きなラはもう、受け入れるしかありません。


そして何故、ラが黒目の記憶を消そうとしたのかが明かされます。
一つは右手に言われたから。
けれど決めたのは、ラ自身。


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黒目に忘れられても平気なはずがないのに、それでも黒目を傷付けた、黒目に『錆色の記憶』を与えてしまった自分が癒やさなければならないと、ラが決めた事。
たった一言、『「来るな!」』という言葉に彼女はここまで思いつめていました。

けれど、黒目がラに感じていた思いはそうではなく…


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黒目は、アナライの最後の『錆色の記憶』を受け取り、それを忘れずに抱えて生きていくラの生き方に傷付き、同時に嬉しさを感じました。
マリアさんとは違う選択をしたラ。
今まで知らなかった『忘れない道』という選択の可能性の存在を知ってしまった辛さ。
それと同時に、その道を知る事が出来た嬉しさ。
もしマリアさんが忘れない道を選択していたら…と思う過去を変えられない辛さと、けれども、ラとの未来は忘れずに抱えていける嬉しさ。
「辛い記憶は『錆色の記憶』として消すことが出来る」。
そんな常識がある世界だからこそ、今まで知る事が出来なかった「忘れない」という道。
黒目も、その道を選択します。


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そして、これが一番大切な事。
黒目は、誰にも、記憶処理を頼んでいない事。
黒目の記憶は黒目のものであり、誰にも侵されて良いものではない事。


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黒目の願いはラを忘れたくない事。
ラと一緒に、忘れずに生きていきたい事。


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ラは黒目の本当の想いを受け取り、記憶処理を止める道を選びました。

そして、緊張の糸がほどけ、抱きしめたラの暖かさを感じ、眠気に襲われた黒目。


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この眠りは今度こそ、優しい穏やかな眠りでありますように…

今話はセーブタイトルが変わる事は無いのですが、長いのでここで一旦〆ます。
全ての秘密は解かれ、二人にはもう隠し事はありません。
穏やかな日々を手に入れる為に、あともう少しだけ頑張らなければいけない二人。
そんな二人を最後まで見守りたいと思います。



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