ひっそりと群生

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【月と太陽のラクシャルキ】感想

【男性向け18禁】



2008年08月16日販売
Ambivalence』様 ※リンク先公式HP
月と太陽ラクシャルキ】(PC)(18禁)
以下感想です。








絵から音楽からテキストから、砂漠の雰囲気をこれでもかと言うほど感じ取れる良雰囲気ゲー。
ただ、作品の流れが予想外だった事と、主人公のモテ度だけがどうしても受け付けませんでした…



『悠久のシルクロードを舞台に
 交易商人の若者と、美しい踊り子達が織り成す
 熱い砂漠の物語

 交易商人カリムはアルド王より魔法のランプの探索を命じられ、
 砂漠の中へとひとり足を踏み出す。期限は一年。
 それまでに戻らないと兄のラムルが処刑されてしまうという。

 そして出会う美しい踊り子姉妹アシェーナとライラ。
 この月と太陽が支配する砂漠世界で、物語は踊りだす。

 悠久の愛と踊りを描いた、熱い砂漠の踊り子ADVゲーム。』
(公式より引用)



『システム、演出』
NScripter製。
マウスロール非対応。
文字速度は速にしてもそんない早くないです。
履歴がメッセージウィンドウでの履歴なのと、履歴の記憶が少ないので、数行前までしか履歴が出ずに少し辛かったです。


『音楽』
曲数は少なめで、一曲一曲の印象は薄いですが、広大で人間では到底敵わない砂漠の過酷さが出ていて素晴らしいと思います。


『絵』
姉妹のおっぱいが本当にはみ出そうで、はみ出そうで。
あれで踊ったら絶対ポロリするよ…
そんな姉妹のおっぱいが若干気になる以外は本当に美麗です。
背景、CG全てから本当に砂漠の雰囲気が出てきており、読んでいる時も砂漠に今居るかのような気持ちになりました。
砂漠は過酷過ぎるので砂丘くらいには行ってみたいです。


『物語』
話で分かれている事もあり、読みやすかったです。
特殊横文字地名が出ると気になるタイプなのですが、そういうのを全く気にせずにサクサク読めました。
姉妹での構成での重要度の比率が偏り過ぎている部分以外は本当に分かりやすく、凄く纏まっていて、砂漠の国の童話のような物語でした(エロ以外は)。
兄のラムルの、
「必要な時に必要な者に必要な物を売る」
「砂漠があるからこそ、交易商人が儲かる」
など、最初の方の助言も良いです。


『好みの部分で思った所』
主人公のモテ度が高すぎました!!
良い作品です、間違いなく世界観、雰囲気の良い作品です。
ただ、個人的にここだけは納得出来ず…
見た目だけで初見はモテても良いのですが、活躍の場などを見てガッカリするなぁと。
作中で分かる性格だけでは何故ここまでモテるのか納得まで行きませんでした。
口先だけが威勢が良くても中身も伴ってないと辛い…それもラムルから若さとは言われていますが…
アスワドとの戦いなど、他の踊り子達や姉妹は大活躍なのに主人公ただ見てるだけだったのが何とも。
戦闘シーンで何も活躍がない主人公は辛く。
モテるのが納得出来ないのにモテモテの主人公は個人的に凄く気になります…





以下ネタバレ含めての感想です





何となくあらすじで分かりますが、この物語、千夜一夜物語の雰囲気で走れメロスです。
話は区切りよく全十話に分かれていて読みやすく、雰囲気も「THE・砂漠の物語!!」という雰囲気が溢れんばかりに出ており良かったです。


ただ、砂漠の過酷さを描いているとは思いますが、色々と都合良く事が動きすぎている感じがしました。
兄のラムルは捕まっても悠々としていてあまり危機感を感じず、魔法のランプを探す際の過酷さもランプ探し前に貴族のバハルを助けており、バハルの助けがある中で衣食住には苦労せず。
バハルのコネで金銭に不自由無く探していたのと、ランプの在り処なども、バハルの屋敷の近くに凄く珍しい物を売る商人がおり、サクッと場所が分かったり。
サファリなどとても強い…というかおそらく作中最強の護衛が居て頼れる仲間ばかりの上で。
敵のアスワドも仁義を重んじるタイプで姑息な手段など何一つ使わず真正面から向かって来るため、驚きの展開!!などは無い上で、ランプを探す為にヒロイン達と様々な町へ旅をすると思っていたので、アッサリとラクメナに腰を下ろしたので「あれ?」となりました。


登場人物も基本的に良い人ばかりで、あっと驚く裏切りなどは全くなく怖いくらいにサクサクと進み、その上で主人公がモテにモテて…実はここが若干気になりました…
イケメン設定っぽいのでイケメンで女の子からモテる入り口は良いのですが、それ以外に「どんな立場の人間にも怖じけず対等に話せる」という部分以外にあまり良い所が見つからず…
ランプの一件も、
「踊り子達が危ない」→「王に咄嗟に抗議」→「怒られ兄が捕まる」
みたいな流れで、冷静さが無いというか…あまり後先が見れない感じというか…
若い故に仕方無さがありますが、モテる度合いと、主人公カリムの格好良さの度合いが釣り合っておらず、主人公がモテモテの際にその度合いが釣り合って無いのが気になるタイプなので、若干モヤモヤしました。
そういう意味では本当に兄のラムルや護衛のサファリ、敵のアスワドなどが男キャラでの魅力を持っていて、大きく見ると他の男キャラが魅力的過ぎたのかもしれません。


あと、構成的にこの物語アシェーナから始まるのと、BAD的にもアシェーナで終わるので、ライラが若干立ち位置が薄いんですよね…
性格は濃いのですが、最初の一枚絵はアシェーナから始まり、そして恋愛描写もアシェーナの方が圧倒的に丁寧で…
2人ヒロインなのに重要比率がアシェーナとライラでは7:3くらいに違うのが気になりました。
イベントも「膝枕」「買い物」「お風呂でエロ」「エピローグ」という部分しか差異がなく。
別のヒロインで別の展開などは無いので、ライラがキャラの濃さ以外で必要だったかな?と感じたりもしました。
「二人共妻」と言ったのならいっそ、下手に分けずにエロシーンだけでのシチュエーション選択肢とかでも良かったのに…
エロもそんなに重要性が無く…「ダンサーズハレム」という別枠があるので、そっちで補完されるかもですが、ルート分岐的にライラの扱いが気になりました。


絵に関しては背景もおそらくオリジナルっぽいです。
文章と背景のマッチが凄く、雰囲気は本当に砂漠の空気を感じました。
イラストも本当に美麗で欲しい時に欲しい絵をくれるのですが、ただ、立ち絵が…若干おっぱい大き過ぎ、露出し過ぎかなと思ったり…
砂漠の大地で常にあの露出は流石に肌を痛めるかと…
あと、あの露出で盗賊のアジトに乗り込み「お手を触れるな」は無いかなと感じたり。
痴漢しか居ない電車の中にパンツが見えるくらいのミニスカートを履いて乗り込み、「痴漢するな」と言うの同じかと…
個人的に踊りの際は良いですが、踊り以外では長袖、もしくはもう少し品のある服が良かったです。


上記に書いたように話の流れが色々と都合良く事が動きすぎな感じもありました。
個人的に「命がかかっている」という部分での緊張感を期待した所と、砂漠を旅してランプを手に入れるという砂漠の様々な町が出てくるという期待もあったので、その期待からはズレた部分が多かったです。
思ってたのと違ったという感じですが、目指したのが「千夜一夜物語走れメロス」だったとしたらサクサクと分かりやすく事が進むのが好きで、ゆったりとした時間の中、踊り子姉妹とイチャイチャしながら砂漠の雰囲気を楽しむ。
そういう方向性で求めたら間違いなくドハマりするタイプで、分かりやすくも世界観で魅せる作品としては良かったと思います。
危機感を求めながらも危機感はあまり無い中で、サクサクとは読めました。