【午前零時の讃美歌】感想
【男性向け18禁】
2004年12月17日発売
『雨傘日傘事務所』様 ※リンク先公式HP(18禁)
【午前零時の讃美歌】(PC)(18禁) ※リンク先DLsite.com(18禁)
以下感想です。
独特な雰囲気の世界観、暗いと見せかけて、小夜子さんとひらすらにイチャイチャのラブラブで楽しい掛け合いをするお話。
2004年の作品とは思えない程に瞬きするわ立ち絵がコロコロ動きに動きます。
『ある日、主人公は駅の地下街で一人の少女に出会いました。
ふとしたことがきっかけで、彼はその少女にいたく気に入られてしまい、成り行き上、後の人生を彼女のシモベとして生きてゆくことになります。
そしてその日以降、手を変え品を変え、あらゆる手段で彼にあまえる少女!
そんな彼女をしかたなくかまってやる主人公!
淫欲と怠惰、被虐に満ちた少女の『かまって♪』責めに、主人公はどこまで付き合ってやれるのか!』
(公式より引用)
プレイ時間は約3時間ほど。
選択肢無しの一本道。
演出が凄いと巷で噂の雨傘日傘事務所さん初プレイ。
初めにmidi感溢れるBGMに凄い懐かしさを感じましたがそりゃ当然ですね、コレ2004年の作品でした。
背景がイラストと写真の混同など諸々で気になりましたが、まずこの作品が2004年という事を踏まえて考えると正直凄いです。
音楽と背景の懐かしさを抜かし、まず、イラストですが、コレが本当にコロコロ動きます。
瞬きは当たり前、その上で一枚絵までも瞬き…
2004年ですよ…2004年の吉里吉里で瞬きしてた作品って商業以外に見かけたかな?となりました。
その上一枚絵までもパチパチ瞬きをするのが凄い、しかも瞳もウルウルさせて。
今の時代の同人…ひょっとしたら商業でも中々に一枚絵で動きを入れるってしないかと。
あとはその一枚絵の見せ方。
フレームを動かして、例えば文章で、
「肩、背中、首筋」
など書かれていたらその文章の通りにポイントを当てて画面フレームを動かして見せていく細かさを全ての一枚絵でしていたのには驚き。
スクリプト絶対に大変でしょうコレ。
確かに、噂に違わない演出力を見ました…
ただ声が…
声質はとても合っているのですが演技力が若干不足していたのを感じたのと、その部分が気になるくらいに音質が良くなかったです。
2004年での仕方無さを感じつつ、気になったので最初以降、声無しでプレイしました…
話に関してはゲームの長さ的にほぼネタバレ満載になるので下記に
『システム、演出』
吉里吉里製。
台詞はメッセージウィンドウ、地の文は全画面などとても分かりやすくて好きです。
とにかく瞬きや瞳ウルウルなど、時代的に見たら凄い事をしているなぁと感じました。
『音楽』
声に関しては上記に書きましたが、声質は合いつつも若干の演技力と音質が悪く聞きづらかった点が気になりました。
音楽は懐かしのmidi製素材曲。
実はかなり無音が多かったのですが…仕様でしょうか?
本当は鳴っていたけども今の時代のスペックでは鳴らない…だったり(midiあるある)。
その可能性も含めて無音であっても何というか…世界観の構築に合っていたと思います。
夜や地下街の独特な雰囲気が凄く出ていました。
基本クラッシクっぽいですが「賛美歌」のタイトルらしい曲ばかりで合っていたと思います。
『絵』
背景は写真とイラストの混同が若干気になったり…
2004年らしさはありますが、やっぱり気になりました。
絵柄はムチムチ可愛い系。
所々同じ人物でも若干違和感やポーズに違和感を感じましたが、表情や立ち絵の枚数が多く、瞬きなど変わる度に楽しく、飽きさせませんでした。
『物語』
最後にドンと実は主人公は人狼!実は凄い!!系。
その辺りに驚きと勢いと若干の納得の出来なさを感じていました。
でもメインは小夜子さんとの掛け合いですね。
ご丁寧にメモ帳にプラモデルの用語集まである。
プレイ前に開いて「なんじゃこりゃ」でしたが、会話が始まるとなるほどでした。
独特の暗めの世界観に、明るいキャラと会話で雰囲気は楽しかったです。
『好みの部分で思った所』
部長さんがマシな人間に見えないですが、なんというか主人公が頑張り過ぎなだけで、本当はもう少しゆっくりしていい仕事なのでは?
と若干思いました…自分で自分を急かして、忙しい、忙しいと慌てている余裕がない日常で自分を心から心配してくれる人に出会う。
その出会いから小夜子さんと語り合う穏やかな日々を手に入れる…そういう雰囲気は凄く好きですね。
疲れている自分を無条件肯定してくれる、姉さん女房系の女性っていいなぁと思いつつ。
ただ、その雰囲気は楽しいと思いつつも、男女二人の世界系大好きですが、何故かピンと来なかったというか…
男女コンビ、男女二人の世界スキーなのにヒットせず自分でも不思議ですが。
おそらく初っ端から距離感0で、距離を詰めていく楽しみが無かったので自分の好みにはヒットしなかった感じです。
あとは、戦闘が来るか!!?と思いきや来なかった部分に期待してたのが来なかった悲しさを感じました。
ただ、世界観や雰囲気、独特な空気の作り方は好みでした。
【以下ネタバレ含めての感想です】
年代を踏まえての演出の凄さは確かに感じました。
故に、この作品に戦闘が無かったのが残念だった!!
最後の最後でこう…主人公の手が相手に伸び、
「来るか!!?」
と思わせた所でフェードアウト…
その噂の演出見たさに始めたので生殺し感半端ないです!!
戦闘がメインで来なかった部分にかなり残念感がありました。
話ですが掛け合いに関しては楽しいです。
文章もサクサク読めて、一日の区切りも良く。
エロもエロイといえばエロいですが、小夜子さんのドM妄想やボンレス妄想などで笑わせに来るタイプ。
ダークで暗めな雰囲気を漂わせつつも明るい掛け合い、そして所々に入る賛美歌で、独特の雰囲気がありました。
ただ、これは私の好みなのですが、男女コンビ物は徐々に距離を詰めて行く感じが好きなので若干好みと外れました。
違和感はないですが、初っ端から初対面なのに距離感0でノリノリの掛け合いなので、若干好みに合わず…
「絆創膏が嬉しかったから」
でも全然理由としてはOKなのですが…
なんでしょう、もう少し「吸血後には発情する」くらいの理由付けが欲しかったです。
まぁ数年ぶりで盛っちゃったでも良いのですが、ここは好みの問題、ほんの少し好みに掠らなかっただけです。
あと、実は主人公が…の部分がいきなりで驚いたというか…
最初、主人公は血を吐くし、健康診断スル―するしで、
「何か持病が…?」
とか思ってたのですが、その辺りは全く触れられず、それよりも実は吸血鬼をも圧倒できる人狼で…
って最初の虚弱体質な主人公は何処へ!!?となりました。
人狼でも何か病気を患っているかもですが、全くその話題は出ず、主人公ツエーで終わったのでビックリ。
2があるのでその辺りで語られるのかもしれませんが、コレは物語がどうの~ではなく、完全に小夜子さんとの掛け合いや夜の地下街の空気を楽しむ作品でした。
ですが、演出は確かに年代を踏まえると凄さを感じたので、これから順に持っている作品の発売順を遡ろうと思います。
以下作中に出る賛美歌を少し調べてみました。
単にネットでの調べですのでしっかりとした物ではありませんが、気になる方がスッキリしたりもっと深く調べる要素になれば。
<>はセーブ時のタイトルです。
<オープニング>
『主、家を建てたもうにあらずば、
建つる者の勤労はむなしく、
主、城をまもりたもうにあらずば、
衛士の覚めおるはむなしきことなり。
汝ら早く起き、おそくいねて、
辛苦の糧をくらうはむなしきなり。
主をおそれ、その道を歩むものはみな幸いなり、
そは汝おのが手の勤労をくらうべければなり。』
【旧約聖書 詩篇127、128篇】
<会社で>
『安息日をおぼえてこれを潔(きよ)くすべし、
六日のあいだ働きて汝のすべての業(わざ)をなすべし、
七日は汝の神エホバの安息なれば、
何の業をもなすべからず、
汝も汝の息子娘も、
汝のしもべしもめも汝の家畜も、
汝の門のうちにおる他(よそ)国(くに)の人もしかり、
そはエホバ六日のうちに天と地と海とそれらのうちのすべての物をつくりて、
七日目に休みたればなり、
これをもてエホバ安息日を祝いて聖日としたもう。』
【十戒】
<磯貝小夜子という女に会った>
『我をあわれみたまえ、神よ、我をあわれみたまえ、
わが魂はなんじを避け所とす。
われ災いの過ぎ去るまでは、
汝の翼のかげを避け所とせん。』
【旧約聖書 詩篇57篇】
<小夜さんに怒られた夜>
『主よ、汝は我をさぐり、我を知りたまえり、
汝は我が坐るをも立つをも知り、また遠くよりわが思いをわきまえたもう。
汝はわが歩むをも我が臥すをもさぐりいだし、
わがもろもろの道をことごとく知りたまえり。
そはわが舌にひとことありとも、
みよ、主よ、汝ことごとく知りたもう。』
【旧約聖書 詩篇139篇】
<新太、ストーキング被害>
『悪しき者の計略にあゆまず、罪人の道に立たず、
あざける者の座にすわらぬ者は、さいわいなり。
かかる人は主の法をよろこびて、
昼も夜もこれをおもう。
かかる人は、流れのほとりに植えし木の、
期にいたりて実をむすび、
葉もまたしぼまざるごとく、
そのなすところみな栄えん。』
【旧約聖書 詩篇1篇】
<巧みの極限へ>
『汝、己れのために、何の偶像をも刻むべからず、
また上は天にあるもの、
下は地にあるもの、
ならびに地の下の水のなかにあるものの、
何の形をも作るべからず、』
【十戒】
<新太帰る>
『われ山にむかいて目をあぐ、
わが助けはいずこよりきたるや、
わが助けは天(あま)地(つち)をつくりたまえる
主よりきたる。
主は汝の足の動かさるるを、ゆるしたまわず、
汝を守るものは、まどろみたもうことなし。
主は汝を守るものなり、
主は汝の右の手をおおう蔭なり。
ひるは日なんじをうたず、
よるは月なんじをうたじ。
主は汝を守りて、もろもろの禍いをまぬかれしめ、
また汝のたましいを守りたまわん。
主は今よりとこしえにいたるまで
汝の出ずると入るとを守りたまわん。』
【旧約聖書 詩篇121篇】
<お留守番小夜子>
『幸いなるかな悲しむ者、
その人は慰められん。』
【マタイ伝5章】
<月夜>
『わがために人なんじらをののしり、また責め、偽りてさまざまの悪しきことを言う時は、
汝ら幸いなり、
喜び喜べ、天にて汝らの報いは大いなり、
汝らよりさきにありし予言者たちをも斯く責めたりき。』
【マタイ伝5章】
<部長の贈り物>
『わが魂よ、主をほめまつれ、
わがうちなるすべてのものよ、そのきよき御名をほめまつれ。
わがたましいよ、主をほめまつれ、
そのすべての恵みを忘るるなかれ。』
【旧約聖書 詩篇103編】
<犬と首輪>
『夜は驚くべきことあり、
昼は飛びきたる矢あり。
暗きには歩む疫病あり、昼にはそこなう激しき病あり、
されど汝、おそるることあらじ。
千人は汝の左にたおれ、万人は汝の右にたおる、
されどその災いは汝に近づくことなからん。』
【旧約聖書 詩篇91篇】
<午前1時のプロレス観戦>
『汝、殺すなかれ。』
【十戒】
<ある日の夜>
『主はわが光、わが救いなり。
われ誰をか恐れん。
主はわが生命の力なり、
わが恐るべき者は誰ぞや。
たとい軍人、営をつらねて我を攻むるとも、
わが心おそれじ。
たとい戦いおこりて我を攻むるとも、
我になお頼みあり。
われ一つのことを主に請えり、我これを求む、
われ主のうるわしきを仰ぎ、
その宮を見んがために、
わが世にあらんかぎりは、主の家に住まんとこそ願うなれ。』
【旧約聖書 詩篇27篇】
<日常風景(白い木馬編)>
『おのが道を直くして、
主の律法を歩む者は幸いなり。
主のもろもろの証をまもり、
心をつくして主を尋ね求むる者は幸いなり。
若き人は何によりてか、その道をきよめん、
御言葉にしたがいて、つつしむのほかぞなき。
われ汝にむかいて罪をおかすまじきために、
汝の言葉をわが心のうちにたくわえたり。』
【旧約聖書 詩篇119編】