ひっそりと群生

ひっそりと持ってるCDの情報やゲームの感想上げたり。購入物の記録など。気ままに。飽きっぽいので途中で止まったらご愛嬌。

【MINDCIRCUS】感想

【男性主人公15禁】



2018年05月07日配信
Summertime』様 ※リンク先公式HP
MINDCIRCUS(規制対象イラスト(臓器、自傷)を削除した修正版)】(PC)(15禁) ※リンク先ふりーむ!
MINDCIRCUS】(PC)(15禁) ※リンク先夢現
以下感想です。








出られない孤島で巻き起こる殺人事件に遭遇した一癖も二癖もある人々、殺人事件があっても何も変わらない人々と日々、日に日にどこかズレていく世界。
酒を飲むと狂い出すアル中寸前主人公は、果たしてお酒が入る前にこの真相に辿り着く事が出来るのか?
神曲芸。
歪みくねった精神の、楽しい曲芸の始まり始まり。



『主人公:院府はアル中寸前の落ちこぼれ医大生。
 元来の暗い性格から鬱々とした生活を送っていたが、夏休み前にとうとう留年の危機を迎えてしまう。
 そんな中、クレジットカード会社の抽選で南国旅行のチケットが当選する。全てを捨てて意気揚々と旅行へ向かう院府だったが、その先で不可解な連続殺人事件に巻き込まれてしまう。
 果たして院府は事件の真相を解くことができるのか?そして島から脱出することはできるのか!?断酒の禁断症状が出る前に急げ!』
(公式より引用)



とにかくこのドットの様な(というかドット?)イラストで目を惹きまくる作品。
孤島、集まった人々、連続殺人、しかし殺人が起こっても生活を変えない独特な変人達や世界観。
何が現実で何が虚構なのか日を追う毎にズレていく世界に翻弄されました。
ジャンルが「ミステリーADV風味」とあるように、ガッツリミステリーを望まれるとコレジャナイ…となりそうですが、サスペンスでは間違いないです。
主人公含め独特の価値観を持つ人達が殺人事件の中で個性を発揮しながら奔走し、反発したり影響し合う姿は必見。
明るい南の島で、踊りだすように明るく、楽しく世界が歪んで行きます。


夢現版のみでプレイなので確認は出来てませんが、夢現版は修正無し(?)、ふりーむ版は過激描写修正有らしいので、その辺りが苦手な方はふりーむ版で。



『システム、演出』
まさかのツクール製。
操作性の問題で、最初の解剖シーンでかなり何度も固まりました。
移動の時なども矢印クリックでアイコン動かなくても、クリックしたら即行けた方が楽だったと思ったり。
ED後ですが、救済処置としてBADは後からギャラリーで見る事が出来るのですが、何らかのTRUEクリア後にNEWGAMESにしてもオートセーブかかってるのか数日目の事件からスタートになるので自力でBAD回収が出来なったので、自力回収したかった自分にはそこは辛かったです…
このNEWGAMEのスタート地点はバグなのか、それともあえて狙って演出でこのスタート地点なのか…
正直どちらにも取れるので、なんとも言い難いです。
ただ、ツクールでよくある「セーブデータを経由しないと辿ったルートが記録されていない」という事は無く。
最初からプレイしなくてもセーブからTRUEの1か2を見ると3を見れるみたいで有り難かったです。
よって、こまめなセーブ超大事。
ツクールでノベルゲーム作ってるので、そこは凄いとは思ってます。
…が、でも何でツクール…?
あ、でもイラストの雰囲気で考えるとツクールというツールは合っていたとは思います、昔のゲーム感が出てて操作性含めてレトロゲーマーにはたまらないかも。
途中のドット絵アニメーション演出は本当に素晴らしく、レトロゲームを想像しました。
あと、ギャラリーのBADENDの場所はTRUE3クリアすると行けるようになるので、「BAD見たけど出ない!」と焦らなくて大丈夫です(私は焦りましたw)。


『音楽』
選曲が良いです。
どこか日本離れした曲が「謎の海外っぽい島」を凄く強調していたり。
狂った時にかかる曲がラリっているような曲で、フワフワとした気分になったり。
「フリゲでよく聞く素材曲」ではなく、海外の素材曲仕様で他では聞いた事が無い曲を選別されていらっしゃり、とても新鮮でした。
ただ、森のSEで風の音と一緒に虫の羽音も入っているのですが、文字通り耳障りな羽音で…
森のSEだけのシーンで常に耳元に蚊や蝿がいるような感覚に陥り、集中力が減り、困りました…
精神を揺さぶるSEとしては効果的でしたが、虫の羽音が耳元で鳴るのは別の意味で精神が乱れました。


『絵』
このイラストが、一言で言うなら「ズルい」です!
勿論良い意味で。
このゲームの紹介などを見て即プレイされた方はこのイラストの雰囲気で真っ先に食いつかれた事だと思います。
それだけ「一目惚れ力」そういうのが高いイラストで、他では殆ど見かけない唯一無二の絵力を感じるイラストです。
たまに動くアニメーションもGOOD、かなりアレなシーンで動く事が多いのですが、動いたり狂気でノイズが走る事によってヒヤッとした演出でたまりませんでした。
ただ、数人、会話シーンで立ち絵が無かったのが残念。
会話シーンで立ち絵の表示が無く、タイトル画面くらいでしかお目にかかれない人が居ました。
あと、この会話シーンで立ち絵見たかったなーという時に画面真っ黒だったり…
折角素敵なイラストなので、主人公との会話シーンでは必ず立ち絵表示で様々な表情が見れたら嬉しかったです!!


『物語』
文章がとにかく読みやすく分かりやすく、サクサクと読めました。
狂っていく時の描写も本当に素晴らしく…
一文前と後で言ってる事が全く違うのに、納得しながら読み進めてしまう文章力。
主人公が酒を飲むと本当に文字通り(性格が)気持ち悪くなり、お酒がトリガーになっててBADENDなのですが、主人公の狂いっぷりの描き方が凄まじいです。
R15と表記があるようにBADは血と惨劇と倫理観崩壊の嵐。
R15CGは少なめですが、文章が匠で読みやすい文章で人の嫌な所ばかり狙って突いて来ます、ピンポイントです。
心臓の弱い方にはオススメ出来ませんが、その辺りの「読みやすくスルスル入って、理解出来ないけど納得してしまう絶妙な狂った描写」を読みたい方には是非オススメしたいです。
酒と、薬と、狂気と、最後の一線を超える瞬間を文章で体感しました、でもやっぱり理解は出来ません、しちゃいけません。
キャラクターは全員曲者ばかり、個性的な名前と同様、性格も個性を尊重し過ぎなキャラクター達に作中振り回されっぱなしでした。
だからこそ、もう少し全員均等に掘り下げが欲しかった部分もあります…若穂さんや僧裏さん、良いキャラだっただけに、もう少し出番が欲しかったです…
あと、攻略出来そうな女性キャラが5人居ますが、実質メインヒロイン格が固定なのが残念…


『好みのポイント』
世界観、イラスト、一瞬の見た目でグイグイ来る作品でした。
とにかく雰囲気とそして読みやすくもナチュラルに狂っていく文章が素晴らしい。
ドット(?)イラスト、動き、雰囲気、レトロゲーム感、そしてラストの一つの希望…
そういうのがミッチリ詰め込まれてるので、好きな人には是非オススメです。
ただ、某有名推理小説のネタバレをかましていくのは頂けませんw
もう事項と言える程の古典作品ですが…私はタイトルのみしか知らなかったので、今作で色々とネタバレに触れてしまい残念でした。
別作品のミステリーや核心に迫るネタバレをするのは宜しくないと思います。





以下ネタバレ含めての感想です





真相の話をするなら、正直、予想通りでした。
というかそうじゃないとかなりトリックや展開に辻褄が合わない部分や無理があったので…
その真相を含めて、某3くらいまで出てるミステリーゲームと、某超有名ミステリー映画を思い出しました。
だから同時に今作をミステリーとして扱う事は個人的に出来なくなったり…
サスペンスではありましたが。
その某2つのミステリー作はこの真相…というか設定の中でその設定を使わず世界の物理法則に従いミステリーをしていましたが、今作はトリックそのものがこの設定に関わって来ていたのでミステリーとしてカウントすると若干のズルさがあり…
なので、上記でミステリーではない、と記載しました。
いや、ミステリーだと思って、トリックそのものが電脳世界の設定を使ってたら流石に「これはミステリーでは…」と思う人も出てきそうなので、というか私自身がミステリーカウントしない派なので。


なので某2つのミステリー作とは違い、今作はミステリーとはカウントしていない分、その後、現実に帰ってからが本番!!というタイプだろうとは思ってたんですが…
まぁ、そういう事でもあまりなく…
現実に帰還後はED直前の主人公の心境の選択肢によって分岐するのみで、若干の肩透かし感がありました。
いや、折角いいキャラが多いので、もう少し分岐を増やして各キャラにスポットを当てても良かったんじゃないかなーとも思ったり。
僧裏さんとか比丘さんとか若穂さんとか、良いキャラなのにただの通行人すぎて。
江州さんとトーニ、駒込さんと盤上さん等、掘り下げるとカプ厨大歓喜になりそうな良い男女カプが揃っているのに、あまり掘り下げがなく終わったのが本当に残念で残念で…


あと、紫苑、塀徒さん、トーニ、瑠雨駒、盤上さんと攻略出来そうな女性キャラが居る中で、あまりにも紫苑がメイン過ぎるのがどうも…
塀徒さんとか面倒くささを突き詰めて欲しかったし、盤上さんももっと駒込さんと絡めて欲しかったし、トーニEDや瑠雨駒さんEDとかも欲しかったです…あぁ!もっとこのキャラ見たい!!な部分が多く終わります。
妄想の余地があるというよりも、「もっとキャラに偏り無く描いて欲しい」というタイプの描かれ無さなのが悲しいです、盤上さんとか好きなので…
盤上さんと駒込さんのお話、経緯…気になります…
個性的なキャラが多い中、分岐があっても紫苑至上主義!みたいな部分が若干ありました。
紫苑至上主義!な所と、キャラの掘り下げがあまりにも少ない為、キャラゲーにも若干なって無く感じ。
なので、ミステリーでもない、キャラゲーでもない、雰囲気を楽しむゲームになっていたのが個人的に残念ポイントです。
ただ、その雰囲気やBADの時のトチ狂った描写があまりにも秀逸なのでそういう部分はもう100点満点でした、読みやすい文章での狂気、たまりません。


EDは…どのBADも凄まじく、どのTRUEも納得のいくものではありました。
以下、各EDについて。


『BAD END-1[誤謬推理]』
推 理 ミ ス!!
まぁミスったらBADだよね…という気持ち。
BADの中で一番平和だった気もします(笑)


『BAD END-2[よそわれた無知]』
『BAD END-3[欺瞞]』
紫苑BADEND。
紫苑のモツ祭り。
どちらも紫苑との勝負が引き金ですね。
この辺りのBADを回収した時に、「主人公が一番ヤバいんじゃ…」と思い始めました。
一部CG、表現は確かにR15です。


『BAD END-4[偽装した悪徳]』
(ある意味)塀戸さんEND。
塀徒さんの地雷女っぷりが炸裂!
いやぁ、塀戸さん、良いキャラだと思うんですよね…
精神的地雷や盤上さんとの百合要素だったり、美味しい要素満載!
ただ、あまりにも掘り下げがないのが本当に残念…
彼女の掘り下げがあったらMINDCIRCUSにどっぷりハマる人も居ただろうなぁと思うくらいに様々な要素が詰め込まれた人でした。
リストカットならぬフトモモカット、痛そうだけどどことなくエロいですね…
しかし主人公は紫苑の時といい、塀戸さんの時といい、モツを弄る際に子宮をとことん掴みますね。
別の意味でタマ(卵)ヒュンしました。
これは女性へのトラウマというか劣等感というか執着というか…そういうのが絡んでるのでしょうか…
そういう所もありそうだなぁと、垣間見える過去からは感じました。


『BAD END-5[良心の呼び声]』
END4を回収したらおそらく行けなくなるので、ギャラリーから回収しました。
(ある意味)トーニEND。
他の女子は自業自得な部分もある中で、彼女はなんだかある意味一番周りに振り回されて可愛そうだなと思いました。
現実世界で自由に…成れると良いけど…無理なのかな……
主人公の初体験が語られますが…結構可愛そうな…でもきっと世の中ではありふれている初体験ですね、彼。
トーニは8歳でペッティングもエロいですが、それ以上が無いってのもまたエロい、妙にエロいお嬢様。
僧裏さん、ご自分のご本を「お嬢様が読む本じゃない」って言ってたけど、全然読めるんじゃないかな?(R18G的なご本なら無しかw)
トーニ、死に際は一番美しかったと思ってます。


『BAD END-6[慈善的愛]』
こちらも条件を満たしていましたが行けなかった為、ギャラリーから回収。
(ある意味)盤上さんEND。
一番主人公のゲスっぷりが炸裂した気がします…
身体を切る、抉るもですがまさかの調理…カニバリズム有り。
一番R15…もしくはR18GだったのはこのENDかも。
でも、彼女の
「自分はれあるが好きな同性愛者」「自分が担当した男性に向けられた好意が気持ち悪かった」「その男性をフッた事で男性が死んだ事を悔やんでいる」
という一連の懺悔は胸を打たれる物がありました。
特に「自分が普通に、むしろ冷たく接しても相手から寄せられる好意が気持ち悪かった」という部分には何となく分かる部分もあったり。
自分が好きじゃない人からの好意って気持ち悪い…というよりも怖いよなぁと思ったりしました。
盤上さん、一番女性キャラで好きですね…優しさと冷たさを同時に背負っている部分や女の情念が強い所が。
接続を切って終わりでしたが、果たして彼女の精神は無事なのか…気になります。


『TRUE END-1[野蛮な事実]』
公式攻略では「上、下、下」とありましたが逆の「下、上、上」で行けました。
(ある意味)紫苑END。
結局この世では救われなかった主人公。
最後のあの世とこの世の、彼岸と此岸の境界線のような、正常じゃない思考、狂気の思考の文章、好きです。
そして、あの世で一緒になろうね感、好きです。


『TRUE END-2[輪廻]』
公式攻略では「下、上、上」とありましたが「上、下、下」で行けました。
(ある意味)塀戸さんEND(?)。
やっぱりこの世では救われなかった主人公。
廻り巡ってまた電脳世界に返って来てしまいました。
彼の輪廻はどこまで続くのか…


『TRUE END-3[予定調和]』
紫苑END。
まぁ、やっぱり、最終ENDはこう終わるよね!とは思ってました。
最後には、現実で花を持たせてやりたいじゃない!
物語的には美しいEDだったと思います。
ようやく見つけた道の先に、幸、あれ!!


個人的にはTRUEの1と2が好きです。
どう足掻いても、自殺衝動を変える事は出来ない…人の気持は簡単には変わらない…みたいな所が好きだったり。
でも、物語的にはやっぱりEND3が正史だとは思っています。
皆、生きている世界で、自分の幸福を掴んで欲しいです。





以下、需要があるかわかりませんが、僧裏さんとの会話(モールス信号)解読です。



【[探索]教会:もう一回呼ぶ?「はい」×3】
「アンタ、ダレ」(あんた、だれ)
「ソレデ」(それで)
「アンタハタンテイナノ」(あんたは探偵なの)
「アタシハカミナドシンジテナイ」(あたしは神など信じない)
「バカドモニハナシカケラレナイヨウニ」(馬鹿共に話しかけられないように)
キチガイノフリヲシテルダケ」(キチガイのフリをしてるだけ)

【江州さんとの会話】
「アタシハウマクヤルサ」(あたしはうまくやるさ)
「クスリトウマクヤルサ」(クスリとうまくやるさ)
エストカイタネコンナトコロマデキテ」(エスとか言ったねこんな所まで来て)
「モオビエテイル」(も怯えている)
「コケイダネ」(滑稽だね)

【質問】
「オジウサマガヨムホンジナイ」(お嬢様が読む本じゃない)

【盤上さんとの会話】
「モトモトムシンロンシヤダ」(元々無神論者だよ)
「ヨアアシテイルノガラクナダケサ」(ああしてるのが楽なだけさ)
「アンタガキヨウカイニカヨツテイタ」(あんたが教会に通っていた)
「タトハオモワナカツタタスケヲヒツ」(とは思わなかった助けを必要)
「ヨウトシテイルヨウニモミエナイ」(としているようにも見えない)
「マアカテニスルトイイ」(まあ勝手にするといい)
「スベテハカルトキガクル」(全て解る時が来る)
ネムイシツレイスルヨ」(眠い失礼するよ)



【人名、機関の人間とトーニ以外は英語当て字】

院府 畫利生(いんふ えりお)『Inferior:下級、劣等、二流品』
亜出狗 紫苑(あでく しおん)『Addiction:依存、中毒、熱中』
塀徒 れある(べいと れある)『Betrayal:裏切り、背信
若穂 陸(わかほ りく)『Workaholic:仕事中毒』
江州 契歩(えす けいふ)『Escape:逃げる、逃亡する』
僧裏 チウド(そうり ちうど)『Solitude:孤独』
比丘 貞牟(びく ていむ)『Victim:犠牲』

…かな?
間違っていたら訂正します。