ひっそりと群生

ひっそりと持ってるCDの情報やゲームの感想上げたり。購入物の記録など。気ままに。飽きっぽいので途中で止まったらご愛嬌。

【WHITE ALBUM】感想

【男性向け18禁】



なんとなくLeafのノベルゲーム作品を最初からプレイしたくなったので購入part6。



1998年05月01日発売
Leaf』※リンク先公式HP(18禁)
WHITE ALBUM】(PC)(18禁) ※リンク先wiki
以下ネタバレ含めての感想です。








儚く溶けそうな冬の雰囲気を背負いながら、どこかに孤独を抱えたキャラクター達が織りなす物語でした。
この作品、ハキハキと物申すキャラクターがあまりおらず、「…」や「あの…」という言葉などで言い淀む人物が多いのですが、そういうハッキリとしない部分もまたどこか消えそうな淡い雰囲気を構成する一つだったと思います。
皆、孤独を抱えて人肌を求めている、そんな物語。


既に由綺という彼女が居るスタートで、当時としては珍しい三角関係ゲーだったと思います。
ただ、由綺とすれ違う日々の中で他の女性との交流が盛んになり由綺の気持ちよりも他の女性への気持ちが増していくゲームで。
由綺が怒り女性2人が対峙するルートは理奈ルートくらいなので、三角関係というよりは浮気ゲーと言った方が正しい気がしました、どっちもどっちと言われたらそれまでですが。
主人公のどっちつかずというか…ちゃんと関係を清算せずに他の女性と親しくなっていく姿は確かにクズ野郎にも見えますが、芸能界で華やかに生きて人気者になっていく由綺との関係に悩み苦しみ、その差で生まれていく確かな距離を感じ離れていく。
由綺との間に生まれた壁に耐えられず目を背けていく。
現実のすれ違いもこんな物なのかもしれないと思う所もあり、リアルだったなと思います。


ただ、物語や雰囲気、そしてそれを彩る雪の演出や背景と表情豊かで味のあるイラストはとても良いのですが、物語を阻害するレベルのシステムは頂けませんでした、
パネル会話システム、あれ、いります?
攻略見ながら全ED自力回収はしましたけれども。
行動選択式で移動先にランダムでキャラが配置される上に、そのイベントは好感度と直結してその後のイベント進行に大きく影響を及ぼすタイプ。
しかも一週間の行動全部を前の週の終わりに全て決めるタイプでキャラが一人も出なかった場合は出ない確定。
キャラが一人でも出れば誰かには会える仕様なので目当てのキャラが出るまでセーブロードの繰り返し。
その一週間で一人でもキャラに会えないと前の終末の予定決めからやり直しになるという鬼仕様という。
主人公には次の日の予定は前日に立てて欲しい…
本当に、ランダム配置止めて下さい…お目当てのキャラが出るか出ないかの方に心を左右されて、キャラとの会話よりセーブロードしてる記憶の方が残りました。
しかもパネル会話は沢山の話題からはあまり選べない上に、キャラによって好きな話題は決まってるので選ぶ意味は殆ど無いという。
文字を読むだけなら一人2、3時間で終わる物語が5、6時間かかりました。
なんだこれは、拷問か???
正直このシステムによって浸っていた物語を阻害されたのでかなり残念でした。
現在ではシステムが改善された「WHITE ALBUM -綴られる冬の想い出-」というフルボイスリメイク全年齢作品がPS3とPC版はDMMダウンロード販売のみで販売中らしいので、エロ無しで物語だけを追いたい方はそちらが良いと思います。
ランダム行動選択は苦行だと思うので…
でも、文字表示画面がウィンドウ形式になっていたのは大変有り難かったです。
全画面表示の時、どこに選択肢が出るか分からず、間違って選択肢を押した事が多々あったので。


システム面で思う所はありますが、冬の真っ白な世界観や雰囲気は本当に美しく、素晴らしかったです。
こちらのゲームをプレイして感想を書いている時期が2019年12月の最後の方、完全に冬なのですが、良い時期にプレイ出来たと思います。
冬の真っ只中、吐く息も白い中、年の終わりにプレイできて大変良かったです。
パッケージも本型でタイトル通りアルバムのような仕様なのも含めて、とても拘りを感じました。


ちなみに、旧版…オリジナル版の方ですが、おそらく7以降だと起動というかインストールが難しいかと思います。
さおりんといっしょ!!」「初音のないしょ!!」辺りからインストールが難しくなったのですが、とうとうメインパケージでインストール出来なくなるとは思いませんでした。
(「雫」「痕」「ToHeart」のオリジナル版は7での起動可能でした。)
正直、XPモードやXPを起動できる仮想モードなどが無いと厳しいです。
現在リニューアル版があり、おそらくそちらはインストール可能だとは思います(未確認なのであくまで多分です)。
ただ、WHITE ALBUMのリニューアル版は今現在微妙にプレミアが付いてます。
全年齢リメイクを出してLeafがオリジナル版を現在のプラットフォームで再販する予定も無さそうなので仕方ないかもですが…
オリジナルをインストールするのは地味に難しそうです。
起動自体は7でも可。
ただし音楽再生にはゲームディスクが必要で、BGMループはしませんでした。



プレイ順は
由綺→理奈→美咲→はるか→マナ→弥生
の順で攻略
主人公の名前はデフォルト名。



『森川由綺 ルート』
一途ルート。
誰にも転ぶ事もなく、ただひたすらに由綺を選び続けるルート。
一生懸命で健気で良い子だなと思う反面、どこか笑顔が寂しそうな子という印象でした。
理奈ルート以外だと引き際が良すぎて…本当に寂しそうで…だから他ルートに行きにくくなるというヒロイン。
途中、緒方さんも出てきて由綺を取り合う方面での三角関係にも発展して、中々に緊張感があったお話でした。
由綺が緒方さんにキスされる展開にモヤモヤする方も居そうですが、由綺ルートでは確かに「緒方の野郎!!」と思いますが、他のヒロインのルートだとこの時点で主人公は他ヒロインを抱いているのでキスくらいでは何とも言えない状況になっている構図が面白かったです。
一番行動範囲が広いので会えない時はまさに「すれ違い」を体験できますが、前半大学、後半TV局をセーブロード繰り返せばそこそこ会えるのと、攻略記載よりも少ない交流回数でもEDに行けたのでそんなに苦労はしなかった印象です(初回プレイなのでシステムの把握の為には戸惑いましたが…)。
由綺との壁について思い悩んだり、それでも一途に突き進んだり。
どこまでも真っ直ぐな物語でした。
三角関係ゲーとして、浮気ゲーとしてはこのルートは一味足りない気はしますが、一番穏やかに何も起こらずに終わったルートだと思います。
クリスマスの日にさぁ致そう!として由綺が寝てしまうシチュエーションは最高だと思います。
寸止め大好き。
このルートで明らかになりますが、主人公と由綺に今まで肉体関係は無く。
主人公もおそらく童貞な所を考えると他のヒロインのルートで由綺以外に初めてを捧げるんですよね…個人的にそちらの方のエグさというか興奮が凄かったです。
彼女以外に主人公の初めてが捧げられる逆NTRというか、そういう主人公の初めてを主体にして考えた時に導き出されるシチュエーションに正直テンションが上がりました。


『緒方理奈 ルート』
行きにくさ2番目くらい。
彼女の誕生日プレゼントを買う日と彼女の尾行に付き合う日が最初被ったのが大変でしたが、何とか調整すれば行けました。
コンセプト的にも展開的にもある意味でこのゲームの正史だと思っています。
唯一キャットファイトが繰り広げられるルート。
兄の緒方さんの「由綺はお前が浮気するのは構わないと思っているけれど、由綺が浮気相手の場合は容赦はしない」を体現したルートでした(というか他のルートでは引き際が良いので由綺が感情を出すのはこのルートくらいかと)。
嫌味なライバルキャラと思っていたのですがそんな事はなく。
この世界に居る事で様々な物を失って、失った物を土台にして成功してきた寂しい女の子でした。
「私、冬弥君と寝たの――」
「どうしていつも…いつも人のものなの…?いつも、いつも…」
この台詞だけは何故かプレイ前から知っていました、おそらく有名な台詞。
主人公も実の兄も全部、由綺の物である。
何もかも成功して華やかそうに見える少女が実は何一つ欲しい物は手に入っていないという姿は凄く惹かれる物があります。
そんな彼女が成功した何もかもを捨てて主人公の元に来るEDは、もうこれ以上引き裂くものは無いのだと、由綺にも誰にも文句を言われる筋合いは無い程の決意にも見えてとても良かったです。
ただ、「私、冬弥君と寝たの――」に関しては…初体験あそこで良かったのかな?という気が若干します。
唯一ベッドの上じゃないので。
TV局で初体験というのが理奈らしいと言えば理奈らしい…か…?


『澤倉美咲 ルート』
めちゃくちゃ行きやすかったルートその①。
基本大学を回っていればいいのと、パネル会話回数が少なくても行けるので楽でした。
最初から主人公の事を好きで、主人公の押しに流されてしまうちょっと不憫で可愛そうに見える人。
彼女の「拒まなければいけないのに、大好きな人に迫られたら拒むことは出来ない」という状況は女性の心境として凄くリアルだったと思います。
まぁ分かる。
でもそこで拒むか拒まないかが由綺との友情というか…どこまで既に恋人として成立している二人の関係を壊さない常識や自分の強さがあるかという部分だと思いますが、美咲さんは性格から何からどこまでも弱く描かれているなぁと。
どこまでも弱く、だから守ってあげたくもなるのも分かります。
でも彰の告白を断っていたり、ちゃんと自分を持ってる強さもあるんですよね…主人公の前では弱さだけ見せてる所がある意味したたかにも感じ。
一番キャラクターの中でしたたかなのはこの人かもしれないと思いました。
狙っても利用してもいないけれども、人を手篭めにする弱さ…EDでは主人公手に入れますし。
一人だけエロシーン2回あるし。
弱そうに見えて実はしたたかなんじゃ…?系のキャラ好きなので、中々に好きでした。
彰との三角関係がもう少し描かれるかな?と思っていましたが、最後の最後で殴られるシーンくらいでしか発生せず。
もう少し彰との接点があって欲しかったです。


『河島はるか ルート』
めちゃくちゃ行きやすかったルートその②。
彼女も大学を回っていれば行けるのと、パネル会話回数少な目で行けるので楽でした。
彼女とのマイペースな会話好きです。
お兄さんの過去が解決するわけでもなく、何か大きく物語が動く訳でもなく、ただ二人幼馴染のままいつも通りの中でただ肉体関係を築くルート。
こういう特に昔からの関係が大きく変化するわけでもないけれど、肉体関係は持つみたいなの好きなので見ててとても穏やかな気持ちでした。
由綺からすれば穏やかも何も無いでしょうが…
これから由綺との関係の清算が待っているだろうとはいえ、EDでは幼馴染のまま一番落ち着ける場所に落ち着いて穏やかな空気を纏っていたのが好きです。
気負いせず、壁を感じる事無く、それでも由綺の事を背負い生きていけばいいんじゃないかな?
見た目が完全にボーイッシュを超えた男の子で、最初主人公の男友達かと思いました(彰の方が確かに女友達っぽい)。
ボーイッシュ萌え持ちの方にはたまらない見た目なんだろうなとも思ったり。
ただ、髪が長かった時の姿を正面から見たかったです。


『観月マナ ルート』
めちゃくちゃ行きやすかったルートその③。
行動が自由行動しかないので行きやすいように見えて自由行動では殆ど会えなかったのが大変でしたが、おそらく家庭教師がパネル会話と同じ効果を生むっぽいので、家庭教師を入れていればそれなりに行けると思います。
自由行動で1回パネル会話をして、あとは家庭教師を入れて家庭教師イベントで留守ではなく会えていればOKかと。
話的にはアンジャッシュ現象。
由綺の親戚の子供の話を聞いた時にプレイヤーはなんとなく察するんですよね…
すれ違って勘違いのお話でもあるので共感性羞恥の方は辛い物がありそうだとなんとなく思ったり。
思いのすれ違い現象を除けば…話の中では一番腑に落ちない物がありました。
なにより主人公がマナを好きになった過程があまり無く…マナが勘違いして傷付いて逃げて追いかけた先でいきなり初体験するので、主人公が唐突に抱いた感が否めませんでした。
それまで兄妹くらいの仲だったのにいきなり!!?みたいな。
あまり男女の関係には見えず、そういう流れも無かったので、男女の関係になるのが違和感があったルートでした。
あと単純に年下で偉そうなキャラが得意じゃなく…
彼女の孤独からこういう性格になったのは分かるとはいえ、好みのキャラではありませんでした。


『篠塚弥生 ルート』
一番攻略に苦労したルートでした。
行動選択で何度セーブロードを繰り返しても出てきてくれない!!
いやいや、今まで他のキャラ攻略の時には散々出てきてくれてたじゃないですか!!!
だから攻略余裕だと思っていたのに、何で狙った時には出てきてくれないんですか!?
…これはWHITE ALBUMあるあるなんでしょうね…狙った時には出てきてくれない…物欲センサーか?
TV局で何度セーブロードしても出てくるのは緒方兄妹…
理奈を狙ってた時にはあまり出てこなかったのに…弥生狙いでこの兄妹ばかり出て何度殺意を覚えたか。
前半由綺の高感度もそれなりに必要なので、本当に苦労しました。
由綺との図書館の本のイベントは発生させておいた方が良いのと、スケジュールで弥生さんが出たらとにかく水曜日には弥生さんに合うを徹底して下さい。
そしたらおそらく行けるはず。
お話は由綺の為に自分の身体すらも使うという凄まじい女性の物語。
攻略は鬼のように苦労しましたが話自体は凄く好きです。
無表情手コキ最高じゃないですか?
過去にお付き合いした男性も居て抱かれた経験もあるけれど、自分の心が動く事は無く、その後女性とも付き合ってきたけれどそれでも何も変わらず。
そんな中で唯一心動かされる由綺と出会い彼女の為に全てをかける。
弥生さんの常識を超えた由綺への献身っぷりは凄まじいものがあります。
その中で由綺の成功の障害になる、けれども由綺は決して失う事が出来ない主人公に自分の肉体で妥協案を求める。
こういうお話はエロゲだから出来るタイプで滾ります。
最後には由綺の事も好きであり、また主人公にも惹かれていて、だからこそ誰にも転ぶ事はなく主人公を由綺の元へ返す彼女の姿が凄く良かったです。
結ばれないED、好きなんですよ…
最初から最後まで彼女と真に心や身体を交わせたシーンは無かった気がします…
今まで愛撫だけの行為だったのが最後の最後で初めて肉体を繋げたシーンでようやく彼女の心に少し掠ったくらい?
どこまでも孤独でどこまでも一途な彼女を最後抱きしめるシーンはなんとも言えないものがありました。
弥生さんと結ばれる事は無いだろうし、そして、弥生さんを受け止めるには主人公では力不足な気がします。
絶対に交わる事のない平行線な二人の関係がとても良かったです。



WHITE ALBUM
「ここがあの女のハウスね…」
このネタと一部のイベントだけ知っていましたが、この台詞はどこにもありませんでした(当たり前ですが(笑))。
正直、主人公の優柔不断さや流れに身を任されやすさからどのEDに行っても「この主人公とくっついてもまたどこかで同じような状況が発生して同じような事が起こるんじゃ…」となるのがまた最高ですね。
どこまで行っても安定は決してしない、雪の上に立ち続けるような状況が永遠に続きそうな物語で、その不安定さが良かったです。
三角関係ゲーで浮気ゲーではありますが、愛撫まではあってもそのルートの最後に入るまでは肉体的繋がりは無い辺りが純愛ゲーだなとも思いました、黒パケならヤッてた。


パネル会話システム、本当に苦行だったのですが、やりようによっては由綺と交流を育みつつ、他のヒロインのイベントもこなしていく…という事が可能なのでしょうか?
そんな事する余裕は無く攻略通りに狙ったヒロイン一辺倒だったのですが…
ランダム要素をある程度廃すればそういう「どちらに転ぶか分からない落ちるギリギリ綱渡り浮気プレイ」とかも可能だったのかもしれません。
それが狙って出来たら三角関係ゲーや浮気ゲーとしてかなり楽しい要素だったのではないかな?とは思います。
ランダム配置があまりにもそのギリギリを出来なくしてたと思うのでコンセプト的に本当に勿体なかったと思います。


今回全ED達成後にLeaf恒例の「おめでとー!」のイベントが無かったのが残念ですが…世界観に合わないから仕方ないですね。
パネル会話は確かに苦行だとは感じましたが、当時の作品に触れられて良かったです。
次回作こみっくパーティーにも触れたいですが…こちらもスケジュール管理系なので、少し間を追いてプレイするかもです。



※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
 参考攻略サイト様:Ciel d'illusion ~妄想天国~ 様
http://adusa-ciel.my.coocan.jp/index.html
 WHITE ALBUM ページ
http://adusa-ciel.my.coocan.jp/white_album/white_album.htm