ひっそりと群生

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【鎖のカンケイ ~翼をもがれた籠の鳥~】感想

【男性向け18禁】



2014年07月25日発売
CYCLET』※リンク先公式HP(18禁)
鎖のカンケイ ~翼をもがれた籠の鳥~】(PC)(18禁) ※リンク先Getchu.com(18禁)
以下ネタバレ含めての感想です。








CYCLETの「蜥蜴の尻尾切り~切れないしっぽ~」のパッケージが欲しく「CYCLET5周年記念No.2 血どろパック」を購入。
本編である「蜥蜴の尻尾切り」はパッケージがありますが、「蜥蜴の尻尾切り~切れないしっぽ~」の方はDL販売のみでこちらのパックのみディスク有りだったので。
その中に入っている『劣等姦 ~優良種の身も心も壊す劣等種~』『復讐の死霊魔術師 ~望むのは死の痛み~』(※リンク先感想)に続き「鎖のカンケイ ~翼をもがれた籠の鳥~」をプレイ。


さて、このゲームかなり楽しみにしていました。
何故なら無自覚ビッチヒロインが出てくると聞いていたので。
ビッチ大好き!
しかし…プレイして分かったのはこの作品「実はビッチだった彼女に復讐する」を前提に置きながら実は「主人公の秘められた狂気性、凶暴性が浮き彫りになる話」でした。


この物語、彼女である灯が主人公、辰弥の親友と浮気する所から始まります。
確かにそれは世間一般の価値観で言えば良い事ではありません。
でも…それは絶対悪なのかと言われたら、私にはYESとは言えないです。
何故なら灯も、そして世の中にいる様々な他の男女も、どういう感覚で相手と付き合うかの基準は各々であるからです。
軽い気持ちで付き合う人間も居れば、重い気持ちで付き合う人間も居る。
今作のヒロインの灯は軽い方の人間だった、多分ただそれだけ。
辰弥と「付き合う」の感覚も「肉体関係」の感覚もズレていたただそれだけだったのだと思います。
この作品の悲劇の始まりは付き合う前の段階で価値観のズレをお互いが認識出来なかった、ただその一点だけなんだろうなぁと。
辰弥の視点では灯が圧倒的悪で描かれていますが、正直、灯との価値観のズレを把握できなかった…
「自分を好きだと言ってくれる人が傷付く行為はしない」という人として思いやりのある行為を出来ない灯の本質を見抜けなかった辰弥の見る目の無さもある意味問題があると思います。
拷問陵辱系が前提のゲーム会社の作品にこんな事を言うのは野暮かもしれませんが、たとえ浮気をしようがその後の辰弥を正当化出来るものでは無いです。
そもそも結婚していない男女に浮気という物で法的に裁けるかはかなり無効になる事が多いんですよね…
そんな法でも裁けないような状況で、監禁、陵辱、拷問は一般的に見れば完全に辰弥の方が頭おかしい存在です。


始めは自分を正当化し、復讐を遂行していく辰弥ですが、後半に行くにしたがって、怒りからの復讐よりもその加虐行為そのものを楽しむようになっていきます…
この辺りでですね…お?って思いました。
もしやこれは…いや、このタイプのゲームなのと、こんな状況を作っていたので察していたのですが主人公がヤバいパターンか??と胸が高鳴りました。
予想通り、主人公の秘められた加虐性が顕になるタイプで…この辺りから大変楽しかったです。
正直前半は無自覚で性格もどことなく気持ち悪さを感じるヤバい男が復讐を建前にヤバいことをするくらいの印象だったので、この自分の加虐性と向き合って、自分を自覚していく辺りから楽しくて楽しくて。
こう…秘められた物が顕になる、みたいな展開大好きなんですよ…


灯も灯でどこまでも快楽主義で「自分が他の男に抱かれる事は辰弥が傷付く事と同義である」という事に気付く事が出来ない、どこまでも自分主体の生き方の女で最高でしたね…
いや、結構ラストのギリギリになって謝って来ますが、ここまで無自覚だったのなら最後の最後まで全EDで無自覚でも良かったな~とも思いました。
無自覚ビッチ大好きなので…


今までのCYCLET作品と比べると拷問的な部分では見劣りしますが、今までの作品よりも心理描写というか…心象の部分が上手く描かれていてかなり好きでした。
何よりも無自覚ビッチヒロインと、どこまでも純粋で友人想いのヒロインの親友が居る時点で最高でした。
最低の灯も、清純な棗もどちらも好きです。


絵も今までよりもかなり好みな方の絵柄でした。
等身高い淡めの塗りの絵はとても好きです。


音は…正直エロシーンでのバック音声は今回は切ってました、話が好みだったので。
話に集中したい時にはあの音声は邪魔だなと悟りました。
BGMもかなり好きです。
最初の方で流れる明るい曲とか好きなのですが、あいも変わらずBGMモードが無いので曲名が分からないのが残念。
あーでも、シリアス目の時の曲…これは過去作品でも流れてたのですが、その曲がどうしても、すごいよ!!マ○ルさんのアニメでセクシー○マンドーのシーンで流れたイントロと出だし似ててアニメ思い出して集中出来ませんでしたね…
あんまり似てるとか言いたくないのですが、思い出してしまったので仕方ない。


その点を抜かせば、正直今までのCYCLETの作品よりも楽しめたので良かったです。



プレイ順は
灯個人「人」END→灯個人「悪」END→棗同時腕切りEND→棗同時親友END
の順で攻略



『灯 ルート』
最後の選択肢で「灯も人である」「灯は悪である」と出た時はヒエッとなりました。
こういう選択肢、好きです。
「人」の方は…因果応報というか…最後まで無自覚だった彼女も狂い、そして彼女の餌食になる。
個人的にこの作品で一番ヤバいのは主人公だと思っていたので世間様の為には良いルートだなと思いました。
「悪」の方は…まぁ、拷問ルート。
CYCLETらしさが一番漂ってるのはこのルートかもしれないので、今までのCYCLETを求めている人は一番好きかもです。
首を切って身体に乗せるCGはどこだったか「衝撃的なエロゲのシーン」みたいな所で見た記憶があります。
このゲームのCGだったんですね…一つ謎が解けました。


『棗同時 ルート』
棗さん、正直めちゃくちゃ好きです。
自分の事を「棗さん」呼びもかなり好きなのですが、何よりも友人がどんな性格であろうとも信じ続けて友人の為に純粋を貫き通す姿がもう好きで好きで…そういう友情を重んじるキャラ、たまらないです。
「親友」END…二人で仲良く一緒に堕ちるENDはどこまでも切れない友情と性欲だけの二人だけが共有できるある種の新境地、男に抱かれながらも二人だけの世界に達したような美しさがあり肉奴隷という醜い絵面ながらもどこか二人だけの美しさを感じたENDでした。
…が、とにかく「腕切り」の方が物凄く、好きです。
棗の事を信用できず棗を殺す道を選ぶ灯。
けれど、信用出来なくさせ、灯を逆上させるような言動は全て灯の為、「このままでは二人殺される手前で永遠に生かされる。自分が死ねば、自分の死体が外に出れば、ただ事じゃなくなるから灯に殺してもらう。そして死ぬなら灯に殺して欲しい」そんな願いを抱えて灯に殺される棗…
え、ズルくないですか?私、友情の為に自分の死を使うキャラに弱いんですよ…たまらなかったです。
棗さんの計画は露と消えてしまうけれど…それでも彼女が灯の為に死を選んだ姿は輝いていました…
まぁ正直、このルート、全く関係ない棗を計画に引き込んだ時点で主人公のヤバさが際立つわけですが。
「自分は親友を失ったから灯にも親友を失ってもらう」
その感覚は分からなくはない、巻き込もうとするのも分かる。
でもね、「目には目を」ってあるじゃないですか、あれ、「目をやられたら目まではやり返すまではしていい」って意味なんですよね…
友人、巻き込んだり、灯と同じく棗を抱くまではギリギリ分からなくもないですが、物理的に失わせる方向で行くのは頂けませんわ。
棗と浮気的な意味で関係を縮めて、灯と親友の時のように和姦で行くかなーと思ってたら、思いっきり陵辱だったので「オイオイ、それは…」でしたね。
ちょっと計画、雑すぎひんとじゃないですか?
まぁそれだけ棗さんは灯との友情を重んじて絶対に浮気には靡かないような人なのかもしれませんが。
そう思うと棗さん、さらに好きですね…絶対に堕ちない女性、大好きです。



気付いたらCYCLETの中で一番感想を書いたような気がします。
それだけ楽しかったんだろうなぁ…
正直、今までのCYCLETはある意味物語皆無だったので、今作は心理描写の要素が今までよりあって、個人的には楽しめました。
ただ、ヒギィ!系で期待してた人からしたらそういう要素は薄めなので不満度は高いかもです、眼窩姦無かったですし(基準がおかしい)。
あ、でも演技に関しては腕をぶった切った際の灯の悲鳴は良かったと思います、こういう演技は黒パッケージの醍醐味ですね。
物語的には中々に両立は難しいのかもなーと思いつつ私はコチラの方面好きなので満足でした。


次はついに目的の「蜥蜴の尻尾切り」です!
周りが好評だったので今から楽しみです!!