ひっそりと群生

ひっそりと持ってるCDの情報やゲームの感想上げたり。購入物の記録など。気ままに。飽きっぽいので途中で止まったらご愛嬌。

【神討ノ機神 -deus ex machina-】感想

【百合15禁】



2019年08月12日発売
CIRCLE四季凪』様 ※リンク先公式HP
神討ノ機神 -deus ex machina-】(PC)(15禁) ※リンク先DLsite.com(15禁)
以下感想です。








世界最後の運命共同体!!



『10年に及ぶ神々との戦いの末、人類は滅びた。
 『巫女』の少女・蒼樹(あおき)イトナは誰もいない東京の生活を満喫していた。

 そこに現れるのは同じく『巫女』の少女・紅(くれない)トウカ。
 他人嫌いのイトナ。他人をからかうのが好きなトウカ。2人の相性は最悪だった。
 しかし、そんな2人でも手を取って立ち上がらなければいけない。

 なぜなら『巫女』だから。

 その身に神を宿し、全高100mを越える対神特殊兵装『デウス・エクス・マキナ』を操り、神を討つ。それが『巫女』と呼ばれる軍人――すなわち彼女たちの望みであり、唯一生き延びる術なのだ。

 コミックマーケット96にて頒布され、全49部が完売。
 強大な運命に立ち向かう百合×ロボットアクションノベル、再び始動!!』
(公式より引用)



15禁になっていますが、文章での若干のグロ描写はありますがエロ方面での描写はありませんでした。


荒振神という巨大生命体が街を襲い人類がほぼ死滅した東京。
軍人であり唯一の生き残りであり巨大なロボット「デウス・エクス・マキナ」を操れる神と契約した「巫女」のイトナはたった一人、軍事要塞となった東京に時折現れる「荒振神」を倒しながら、そして「荒振神」が現れない時はゲームをしながら引きこもるように生活していた。
ある日、東京に同じ「巫女」であるイトナが配属される。
表向きは仲良く振る舞い、けれど戦いの中で「デウス・エクス・マキナ」に二人乗りする為の共鳴が出来ない事に気付く。
二人は戦いの中でお互いの深層に触れ合っていくのだが…


ロボット!未知の生命体!戦闘!百合!!
というTHE・好きな物詰め込みました!の作品でした。
同人はこういうのがあるからとても好きです。
某世紀末ロボット(?)作品のように、戦闘する為の要塞と化した東京で二人の少女が出会い、最初は協力出来ない中どんどん近づきあっていく。
この手の展開では珍しく、表向きに「アンタの事が気に食わないんだからね!!」とつっけんどんにされる事はなく生活は普通に、むしろフレンドリーに進んでいくのが新鮮でした。
配属されてきたトウカが比較的にコミュ力が高いので日常生活でツンツンをおみまいされる事はなく。
しかしそんな明るく振る舞う中で戦闘に関しては何か思う所があり、氷のように冷たい様相を纏う瞬間などは普段とのギャップにゾクリともしました。
そんな戦闘に関して何らかの闇を抱えているトウカと、コミュ障引きこもりのイトナが二人一緒に「デウス・エクス・マキナ」に乗るためにお互いの深層を、心の内をさらけ合うようになりかけがえのない存在になっていく姿はとても健気で…
東京にたった二人しか居ないというのも相まって支え合う姿が大変良かったです。



『システム、演出』
Light.vn製。
久しぶりにこちらのツールのゲームをプレイしましたが、所々にバグ表示が出るのが気になりました。
起動と途中一部でバグ表示が出ます、一応OKを押せば進みますが進まない場合もあるので注意です。
機能はテキストスピードを変更出来ますが速にしても変わらず。
既読スキップも機能せず、Light.vnは別の作品でもでしたが、どうやらスキップを選択後に再びスキップを押さないと止まらない仕様らしく、クリックでは止まらないのが少し困りました。
実質一本道ですので、スキップは必要ないと言えば必要ないのですが…
なのでコンフィグはウィンドウサイズの変更のみしか変えられず、若干不備かと思います。
ただ、随所随所で入る選択肢は入るシーンも相まって印象的でした。
ゲームに強く影響を与えている!という気持ちになりました。


『音楽』
近未来的で良かったです。
ロボ物の熱さを表す良い選曲でした。
ED曲がとても好きです。


『絵』
イトナ視点なのでトウカの立ち絵が多いのですが、ポーズは変わらなくても表情がコロコロと変わり良かったです。
イトナが置かれている状況もあり、トウカがどんどん可愛らしく見えて行きます。
CGも欲しい所で入ったと思います。
ロボットも格好良く、「荒振神」も異質で気色が悪かったです。
戦闘の際のコクピットからの視点で「デウス・エクス・マキナ」の腕が見え腕が動き、戦っている演出が凝っていました。


『物語』
文章は普通に読みやすかったです。
物語は…イトナとトウカ、二人の関係というか繋がりが良かったです。
あらすじに無い核心になるので上手く言えないのですが、こんな目に合えばトウカを失うなんて絶対に出来ないよなぁと強く思うほどにトウカの存在が大きくなって行くのを感じて。
過酷な状況を何度も何度も切り抜けていく姿に見ていて出来る事は無いのだろうか…と唸ったりしました。


『好みのポイント』
上記でも書きましたが選択肢の出し方、アレはズルいです。
意地悪したい気持ちよりも助けたい気持ちが勝り、やっぱり正規ルートを辿りたい!と強く思いました。





以下ネタバレ含めての感想です





ロボット!未知の生命体!戦闘!百合!!…にループ物ですか!!?
本当に好きな物を詰め込んだ感じで…これぞ同人!でとても好きだなと思います。
何度も何度も繰り返す中でトウカの事が中心になっていく…そりゃ100回以上も同じ時間を繰り返せばそうなりますよ…分かります。
イトナがトウカを一番大切になっていくのも分かって、その上で今までイトナが「祝詞」を使えなかった理由、契約している神が何の神かが分からなかった理由にはかなり納得でした。
最初に「繰り返す」という単語が出たり「ゲーム」という単語が出たり、なるほど…こう絡めて来たか…とニヤリとしました。
プレイヤー介入型のゲーム、好きです。
選択肢で「いいえ」を選び意地悪をしたい気持ちもありましたが、イトナとトウカの一生懸命っぷりと、イトナが神に必死に語りかける姿を見たらやっぱり「はい」を素直に選ばざるを得なく。
名前だけ出てきた「零式」の機体がちゃんと出てきて、それに乗って神を降臨し戦うなど、起承転結の流れとしては凄く美しかったです。
守るべき人類ももう居ないけど、お互いが彼女の為に戦う…良いですね、終末世界でお互いの為にだけ戦うというの好きです。


ただ、一つ、若干残念思うのはテーマや下地にしてる物のわりには短かった印象があり、そこが残念でした。
ループの時とかサクサクしていてあまり感情移入出来ない速さだったり。
もう少しイトナとトウカの交流を見たいと思ったり、ループを細かく見たいと思ったり。
もうちょっと長めで余韻があっても良かったな~という気持ちです。


でも、本当に好きな物全部詰め込みました!!な所は本当に大好きです。
ロボット物としてロボも格好良く、コクピットからの視点が見れるのは演出として映えていたり。
短い中でスピーディーには感じましたが綺麗に纏まった話だったと思いました。