ひっそりと群生

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【サナララ】感想

【男性向け18禁】



MANYOさんの担当されたゲームをクリアしていく企画第26弾。



2005年04月29日発売
ねこねこソフト』※リンク先公式HP(18禁)
サナララ】(PC)(18禁) ※リンク先wiki
以下ネタバレ含めての感想です。








銀色 完全版』『朱 -Aka-』『ラムネ』(※リンク先感想)と続きねこねこソフトは4作目。
今回は片岡ともさんがディレクターではない初の作品だとか。


一生に一度、人にはある程度の願いを叶えられるチャンスがやってくる。
チャンスを与えられた者と、チャンスを与えるナビゲーター、運命のように出会った少年と少女、4組の暖かくも優しい物語。


システムはディスクレス起動可能、有り難い。
そして、ねこねこの、ボーイミーツガール物は、良いものだ。
4作(+同人では「冬のポラリス」を)やって来て思ったのは、自分はねこねこの現代物が好きだなーとハッキリと思いました。
時代物とかファンタジー色とかも嫌いではないですが、ねこねこの現代物や学園物が好きだなーと。
そう言ってる癖にこの企画の流れで「みずいろ」やってないんですが…一番やるべきだと思いつつも作曲家追いで担当されてないのでやるとしてもまだ先だなと、でもプレイしたら絶対に好きなんだろうな…
更に今回は全4章オムニバス方式の上に固定カプゲーという…固定カプ厨(主人公とヒロインのカップリングが固定されている物が大好きで拘りがある厨な人)大歓喜な物になっています。
章の中で更に短く区切ってある構成も読みやすく大好きな作りで。
雰囲気好き、話好き、構成好きと全体的に好きな要素しかなく…好きの雁字搦めでした。
どの章も綺麗に起承転結収まっていたと思う中で、個人的にシナリオの読みやすさは、
希未>由梨子>涼>あゆみ
シナリオの好みは、
希未>涼>由梨子>あゆみ
エロシーンの好みは、
希未>由梨子>涼>あゆみ
という感じでした。
いや、あゆみの章も悪くは無いのですが…他が好みにドヒット過ぎた…


ボイスは女性のみ有り。
夏野さんに茶谷さんに岩田さんにまきさんに…全員名前を確実に聞いた事がある方ばかりで全員本当にお上手なのですが、特に岩田さんが良かったです。
途中の銀河鉄道の夜の朗読や、鏡の演劇のお話語りなど、ヒロイン4人の中で一番声優としての力量が試される役どころだったと思います。
かなり難しそうな表現が多い中で、見事に演じきり、ラストの美しさを飾って行かれたので、やっぱり凄い方だなぁと思いました。
音楽は大変素晴らしい。
ねこねこは音楽の使い所が本当に上手く、歌唱曲の入り方など毎度神がかってます。
全曲良いのですが、やっぱりMANYOさん作曲の「春の終わり」は…未プレイでも一聴の価値有りのBGMです。
まさにMANYOさんの曲の真骨頂!と言わんばかり曲で、この曲だけは未プレイでも聞いたことがありました。
「春の終わり」をお供にこの感想を書いていますが…最高です、絶対にMANYOさん好きなら聞いて頂きたい一曲です。


CGはプニ絵で大変可愛らしく。
今回はうめてん………アプリてんてーに合わせた絵柄になっています。
闇野さんの絵もu-rさんの絵もプニッと可愛らしく。
メッセージウィンドウの名前の隣に各ヒロインのちっちゃな表情が表示されるのが愛らしく。
様々な所でうめてん…アプリてんてー絵の可愛らしさを堪能できました。


願いを叶える存在にアプリてんてー…おや、どこかの魔法少女を思い出すような…
いやいや、今作は全く例の魔法少女のような要素はなく。
最初から最後まで暖かで優しくも登場人物達が自分たちの過去や本当の気持ちなど様々な物と向き合い前に進む、とても柔らかなボーイミーツガール物でした。



『第1章:のぞみ』
シナリオは片岡ともさん。
章を全体的に見て総合的に好きな物語でした。
やっぱり文章とか展開とかがお上手な方だと思います。
あとがきでもありましたが、最初の物語なので設定の説明なども入れないといけなかった所が難しかったそうで…
難しい物だからこそトップバッターが片岡さんで良かったなと。
この章のみ主人公側がチャンスを与えられた側になります。
チャンスを与えられながらも希未の恥ずかしがり屋っぷりに「この子大丈夫か?」となり。
願いを叶える立場なのに心配ばかりされてしまうのが希未らしいなと思いました。
「彼氏が欲しい」という願いが描かれがちなので、恋愛的な思考が中心になると苦手になりがちなのですが、希未はゆうこが彼氏を得て一人になったから彼氏を欲しがっていて…要は孤独や今の性格をどうにかしたいという一環で「彼氏が欲しい」と思っているので恋愛脳苦手な自分もそんなに違和感無く読み進める事が出来ました。
一点だけ気になるとしたら「のぞみがどんな願いをしたのか」が本編でキチンとは描かれなかったような…
プレイヤーが察するような構成だったら…やっぱりあの時計が欲しいとか…でしょうか?
キッチリ描かれないと察せない鈍感人間なのでそこは凄く気になりました。
のぞみのナビゲーターだったお姉さんの冷やかしなどもお姉さんとの会話を見るとなるほど…で。
時計や虹など様々な要素が綺麗に繋がっていき、再び二人が再開出来る流れは王道ながらもやっぱり良いものでした。


『第2章:Sweet days,Sour days』
シナリオは中森南文里さん、ラムネでは仲里ひかりルートを担当されていらっしゃったみたいです。
幼馴染スキーには最高のお話かもです。
素敵な出会い…結局は幼馴染に辿り着く…みたいな。
そういうのが好きな人にはたまらないかと。
繰り返す一日の中でお互いどんどん惹かれていく姿は素晴らしいものでした。
ただ一点、料理教室で材料をぶちまけるシーンは主人公の心情を考えると分からなくもないですが…自分の食材への倫理観的に受け付けず。
その後、あゆみもぶちまけて良いシーンのように描かれますが…
食べ物を粗末にした後に良いシーンのように描かれてもちょっと感情移入出来ず、受け入れ難かったです。


『第3章:センチメンタル・アマレット・ネガティブ』
シナリオは海富一さん、ラムネでは石和多恵ルートを担当されていらっしゃったみたいです。
全4章の中で唯一の全力ハッピーではないEDを迎えるこのルート。
でも、章タイプなのでこういうEDが一つはあっていいと思います。
夜の学校の一日、二人だけの授業。
涼が体が弱そうだというのは察していましたが…もう既に…とは。
予想の範囲内では確かにあったのですが、あってほしくはないとは思っていました。
記憶の中に無い同級生の女の子、彼女の最後の願い。
靴紐や「よーい、どん」、最後に屋上で思い出すなど細かい要素は一番好きです。
この章だけ一度タイトルに戻るのもズルい。
BGM「春の終わり」はこの章の印象が強く、岩田さんの演技もありオーソドックスながらも最上級の演出や雰囲気になっており、王道な物語の中、ジワリと響きました。


『第4章:Summer Holiday』
シナリオは木緒なちさん、今作で初めて文章に触れました。
逃げ回るナビゲーターの主人公とお試しで世界から人を消してしまう問題児二人の物語。
主人公の行動がかなり倫理的にアレなのですが、まぁナビゲーターの立ち位置と行動に問題がある主人公というのが明確に分かるのでそこまで気にはなりませんでした。
主人公もヒロインもどちらも難ありで…本当に問題児二人の町での珍道中という感じです。
でも、その中でも絵に対する姿勢や成りたかった物、成れなかった物という各々の悩みと、絵によって繋がっていく関係。
今作は「色」をタイトルに入れないとあとがきで言われていましたがしっかりとオリジナルの色を入れタイトル回収する…
サクラ、ナタネ、ラベンダー、ライトブルー…サナララ
タイトル回収の流れと、そのタイトルがラストで二人だけが知っていて失った記憶の中の海の緑に繋がる流れは美しく。
記憶を失った二人が絵によって再び惹かれ合うという構図はとても良かったです。
あと、さり気にラストの章なので今までのキャラの家の背景が出た時には、おお!と思いました(不法侵入ですが(笑))。


『おまけ』
希未だけエロシーンがある所に流石中央ヒロイン、Aヒロインの貫禄!という気持ちで。
願いを叶える期間の記憶を失うのでブルマ姿が前世の記憶呼ばわりされてるのには笑いました。
今回のおまけではなんとラムネのひかりとのエロシーンで…
ひかりが今作の学校の制服を着るという…超優遇待遇でした。
ラムネでのねんど人形劇のおまけもあり、ラムネプレイ済なので置いて行かれる事は無くて良かったです!
スタッフのコメントでもありましたが、ねんど人形作り、お疲れ様でした…可愛かったです。



今作、突飛つして「これは凄い!」と思う部分は個人的には無かったのですが、どの章もどの要素もそれぞれで好きなツボを的確に抑えられ、全体的に好きで埋め尽くされたような作品でした。
ねこねこの現代物はやっぱり良きです…色んな流れが終わったら「みずいろ」もプレイしたいのと、今作のリメイク?リニューアル?どちらかは分かりませんがフルプライス版の「サナララR」もあるので、この企画の流れで必ず触れたいと思っています!



※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
参考攻略サイト様:Enjoy Game Life 様
https://tryspace.net/
 サナララ ページ
https://tryspace.net/game/sanarara/