ひっそりと群生

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【StarTRain】感想

【男性向け18禁】



2006年09月22日発売
mixed up』※リンク先公式HP(18禁)
StarTRain】(PC)(18禁) ※リンク先wiki
以下ネタバレ含めての感想です。








10作に一個は名作と呼ばれている作品を挟んでプレイしないと心が死ぬと2019年は学びました。
というわけで、この感想がいつ投稿されるかは分かりませんが、2020年の60作目は「StarTRain」に。


まずはシステム面、ディスクレス起動は不可。
システムは…これ…吉里吉里ですよね、多分。
商業にも使われると聞いてましたが…流石です。


今作からプレイ時間測定器を導入したのでプレイ時間をしっかりと計測はじめました。
自分のプレイ時間は約15時間くらいでした。


話は「ふたつめ、みっつめがある。だから初恋なんだ。」というキャッチフレーズから察するようにかなりの恋愛物。
超絶恋愛物、主人公もヒロインも恋愛中心に物事を考えます。
良く言えば青春物、悪く言えば恋愛脳。
主人公が「自分の弱さ」や「一人の寂しさ」について常に考えているのであまり明るい思考を持ってはいません、主人公でまず人を選ぶかも。
幼馴染である先輩の藍田奈美と付き合い、そして分かれる所から始まります。
先輩と主人公が付き合っては居ますが、主人公は先輩が大好きなのに対して先輩には別に好きな人が居て…でも先輩は他人に嫌われる事を恐れていて、主人公に嫌われたくない、振ると友人をもやめる事になるかもしれないから付き合っているという、双方想いがチグハグな状態なのがプレイヤーからはアッサリと見て分かります。
そんな関係が長く続くはずもなく…開始後2時間くらいで速攻で別れる事になります。
そこでも人を選ぶかも…
そこから始まる恋愛物…なわけなのですが、この主人公がかなり駄目というか…人を選ぶというか。
人間らしい駄目さを持っていて。
上記で書いたように常にネガティブな思考を持っています。
そこに共感出来るか嫌悪するかでかなり印象が分かれそう…
個人的には「自分の弱さ」に対しては「別に弱い事が悪ではない」という思考なのと、「一人の寂しさ」に対しては「一人で行う趣味が多い為、一人を寂しいとあまり思った事がない」というタイプなので共感がかなり出来ませんでした。
「あー、そういう悩みもあるよなぁ」くらいの認識で…
その上、傍から見てると主人公の周りってかなり恵まれてるんですよ…家族と仲が悪いのも別にネグレクト受けてる訳でもなく食事も部屋もちゃんと与えられていて見方によっては自由もある、そして自分の事を本当に心配してくれる友人や教師が居る。
正直プレイ中はその視野の狭さに頭を抱えていました。
まぁね、「貴方には貴方の、私には私の地獄がある」という言葉があるように、主人公が今の自分の状況を不幸だと思っていればそれは間違いなく不幸で地獄なんだとは思うのですが…ヒロインの一人である飛鳥の家庭の事情とかを見ると…流石に近くにこういう子が居るのに「不幸だー」「弱いー」「寂しいー」とか言ってらんねぇぞとは正直思いました。
その部分を恋愛で誤魔化そうとする部分があり…でも気持ちがある訳ではなく。
色々と重く考える癖にこう…言ってしまえば重いくせに軽いんですよ…
まぁ別に世の中には「とりあえず付き合ってみる」の人間も沢山居るのでそれに対しては有りだとは思うのですが、「とりあえず付き合ってみる」を各ヒロインでしてても重く考えるくせに妙に軽いというか。
一言で言えば青い…まぁある意味では青春です。
自分が「恩義があるから側に居て共に居る」というタイプが好きなので、あまり「恋を先に置いて付き合おうぜ!」が好みなタイプではなく…
そういう意味では凄まじく合わなかったという気持ちです。
でも、ある意味ではそれが主題で。
最終章では誰とも付き合わないからこそ得られていく皆との友情が描かれ、「自分の周りには良い人間が沢山居て彼らに頼っても良い」という結論が描かれ。
そういう「身近な幸福」が描かれていて良かったと思います。
確かに各々の地獄はあるけれども、思っている以上に世界は優しい…そんな最後を見れたので良かったです。


あと、恐ろしい程にこの作品はサブキャラの麻衣子ゲーで。
麻衣子が居ないとこのStarTRainという作品は成り立たないと断言出来る程に麻衣子ゲーです。
セリフ量、ひょっとしたらどのヒロインよりも多いのでは?
完全に作者の動かしやすいキャラだというのが分かり…そういう部分でも好みが分かれるかも。
攻略したいとは全く思わず、大樹と幸せになって欲しいのと、正直この主人公に麻衣子は攻略して欲しくないくらいの名キャラでした。
他のヒロインとのその後よりも、麻衣子が主人公のスピンオフとかあったら見たいくらいだったので。
麻衣子のノリとテンションを最後まで華麗に演じられた涼森さん、流石でございます。
ヒロインを殺さず、でもある意味ヒロイン殺しをしている恐ろしいキャラでした。


エロは…薄い方ですが、女の子の方からグイグイ来るのが純愛物としては珍しかったです。
あまり純愛物で女の子の方から「Hしよう!」とか見かけないので中々に面白い物が見れました。
あと、先輩とのエロシーンで最初失敗したり、体が繋がっても心は逆に離れていく表現なんかはエロ有りでないと表現出来ない物だとは思いました。
こういうエロシーンありきの流れ好きです、そして初体験失敗大好き教にはたまりませんでした。


音楽は主題歌で同タイトルの「StarTRain」は知っていました。
「もしも 願いが 一つ叶うなら」
曲単品でド名曲だと思います。
でも…今作をプレイして歌詞を見るとこの曲は奏の曲なのだなと…
BGMは「星降る夜 揺れる心」が好きです。
声優さんは皆さんお上手で不満は無いのですが一点だけ。
大樹の中の方、森秀さんと同じ方ですよね…
ちょっとお声が独特なので直ぐに分かりましたが…何故件役なのだろう?とは少し思いました。


青臭い自分ととにかく向き合うという、どこまでも青春を描いた作品でした。
願わくばあと10歳くらい若い時にプレイしたかったかも(笑)
20代前半や大学生でプレイするとかなり印象が変わる作品だと思いました。



プレイ順は
奏→飛鳥→蓬→七美
の順で攻略



『遠日奏 ルート』
実はキャラで一番好みではないという…
分かってるんです、今作の始まりと終わりを見ると今作は裏は奏の物語であるのが分かってるんです。
でも…こう…理不尽ツンデレ好きじゃないんですよ…
自分の気持をウヤムヤに伝えないまま主人公が他の女性と付き合うと勝手にブチ切れてて、自分が動かない癖に勝手に当たり散らして。
それが人間らしいと言えば人間らしいのですが、主人公からしたらとんでもない理不尽で。
現実的ではありますが、物語のキャラクターとして見た時にどうしても好みではなく。
いや、まぁ、主人公もラノベ主人公も真っ青の超絶鈍感で奏の逆ギレの被害に合って気付かない度に「大丈夫かコイツ?」となり主人公も好みのキャラではないので見ててある意味でお似合いの二人だとは思いますが、うん。
主題歌の歌詞といい、今作のキャッチフレーズに抗い初恋をオールエンドで叶える所といい、勝ち組ではありますが。
…でもやっぱ好みじゃないんだよなぁ……(ラストのイメチェンは可愛かったですが。)


『夢原飛鳥 ルート』
一番ヒロインでキャラが好きです!
前向きで一生懸命で優しくて…正直、今作の主人公には勿体ない娘だと思ってます。
「不幸な主人公を見たくないから告白する」というトンデモな行動を取りますが、ある意味で自己犠牲的というか。
「(恋などでは無いけれど)貴方の幸せの為に身を差し出します」系のヒロイン…正直好きなので、気持ちが先に無く告白したという本音には大変悶ました。
健気で健気で…気持ちが後から好きになっていくのも分かります。
…が、受け入れ難かったのはまぁ…彼女の母親ですね。
お前よぉ…自分が男で失敗しておいて産んだのに「嫌い」とはなんぞや?と。
完全に持論なのですが「親は子を生む選択を出来る、子は生まれる選択を出来ない」を信条をしている身としては母親を引っ叩きたくなりました。
「アンタのため」が全く子供の為になってないし、「貧乏だから」も貧乏で子が働く事になるのが分かっているのなら最初から生む選択をするなとしか思えず。
なので途中で飛鳥が反抗した時にはスカッとしたというか。
でもラストで「実は好きだった」とか「実は良い母親」など良い話で母親の事を纏められたのは正直解せません。
母親の身勝手や計画性の無さで子供が働く状況に追いやってるのだから最後は母親と関係をブッチしても良かったくらい。
いや、まぁ、それは飛鳥自身が望まないと思うので無いとは思いますが…
正直キャラは好きなのに話の展開が好きではなかったというルートでした。


『神崎蓬 ルート』
「自分とは何か」、一番青さを感じたルートです。
「特別が欲しい」「恋人は友人より上」などなど、かなり恋愛脳…いや、青春が展開されます。
いや、でも、蓬のある程度何でも出来てしまうから何にも成れずに悩み続ける…というのはそういうタイプの人間にとってはとても苦しい悩みなんだろうなとは思いました…何も上手く出来ない人間からしたら羨ましい限りですが。
彼女にだけEDが2つ有り、BADに近い肉体関係で続くED…正直メインのEDよりも好きかもです。
エロゲらしいというか、心を伴わないというか…言ってしまえばセフレEDですが、別にそういう関係も良いのでは?みたいな。
人間関係や寂しさに強く向き合うからこそ、そういう流れや関係も悪くないのでは?という気持ちで…深く考えず生きていこーぜな流れ、好きです。
メインのEDの方が色々と解決はしますが…でも、蓬が自分を見つけたのが主人公と共に居たからではなく自分探しの旅をしたからというのが皮肉というか…主人公、お前必要だったか?みたいな。
こう…お互いを求めつつ、でも本当は必要ないみたいな、似た者同士な二人だなと。
某所で良く見かけてた「私、実は、もう経験済みなんです」を本作で拝めました。
非処女ヒロイン…良いですね、一作に一人くらい居ても良いと思っているので、良かったです。
アナルの処女は捧げますという流れがらしいっちゃらしい。
(ってかある意味で主人公が非童貞なので非処女が居てくれたのが逆に嬉しかったです。)
あと、若干、前にプレイした飛鳥ルートでの飛鳥の境遇などを考えると悩みや家庭環境などでの持ってる者の悩みというか…裕福な悩みになるので対比がエッグいなとは思いました。


『羽田七美 ルート』
オールエンド。
全ヒロイン攻略後に攻略可…なのかな?
かなり謎が多い子で…先輩とは特に接点も無く完全に他人の空似。
死にそうだとは思っていたのですが、本当に最後に亡くなって、結局魔法って何だったんだろう…
色々とファンタジーな要素が多いキャラでした。
一番こう…好きという気持ちが最初にお互いに来て関係を結ぶという流れでオーソドックスな恋愛物していたと思います。
元カノで初恋の人とそっくりな少女に出会う事といい、魔法といい、亡くなる事といい、一番運命的というか。
最初は見た目で惹かれたけれども徐々に彼女の中身に惹かれていく所とか。
ひと夏の運命…みたいな。
他のルートで主人公が「自分を大切に思ってくれてる人が居る」という事に気付かずに恋愛として落ち着いたのに違和感があったので、このルートで「結ばれたけれども一緒に歩む事は出来ないヒロイン」が登場したのは良かったなと思います。
いや、亡くなるので全力で良いとは言えないのですがこう…「気付くべき所に気付かせるヒロイン」が居る事が良いと言うか…
最後の鉄道は幻想的で、主人公が七美との夢を選びそうな中、ちゃんと現実に引っ張ってくれる友人達が居るというのが…友人物が好きな自分としては最高でした。
でも、最後の最後で奏が全部持っていくのでヒロインとしては若干弱い気がするのが残念です。
もっと別の見方をすれば凄く印象深いヒロインなのかもしれませんが最終ルートでしか出ない部分など、ちょっと自分の中では印象が薄い子でした。
あ、でも、安玖深さんの一人二役は凄いというか…
先輩で「安玖深さんの年上キャラかー」と思ってたのに対して七美で「お兄ちゃん」と呼ばれたので「やっぱり安玖深さんは"お兄ちゃん呼び"ですよね!!」と凄まじく納得しました。



StarTRain…星の列車と彼の、彼女たちのStartLine
凄まじく青春力に溢れた作品でした。
恋に真剣に向き合うという事は、とても大変な事だ。


(そういえば前にプレイしたゲームの三章でも銀河鉄◯の夜の朗読があったり、創作系は銀河◯道の夜好きですよね、自分も好きです。)



※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
参考攻略サイト様:愚者の館(アーカイブ) 様
http://sagaoz.net/foolmaker/
 StarTRain ページ
http://sagaoz.net/foolmaker/game/s/startrain.html