ひっそりと群生

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【純情セックスフレンド】感想

【男性向け18禁】



2012年12月31日発売
夜のひつじ』様 ※リンク先公式HP(18禁)
純情セックスフレンド】(PC)(18禁) ※リンク先DLsite.com(18禁)
以下感想です。








自分に童貞萌えとビッチ萌えを植え付けた一端を担う罪深き作品。
悪女、ビッチ…鷺沢透の空虚さに、墜落系女子に堕とされてイけ。



『わたしが上になってあげる。

 「ねえ、セフレにならない?」
 鷺沢透にとある弱みを握られた俺は、その誘いを断れなかった。

 「今日は一緒に帰る?」
 笑顔でそう言う彼女の未弥への罪悪感はもちろんある。

 それなのに、俺は背徳の快楽の泥沼に溺れようとしている。
 さらに透の周囲には援交オヤジの影もちらついていて――。

 刹那的な快楽に流されるか? 癒しと安らぎを護るか?
 究極の選択を迫り、あなたの心を略奪する逆レイプ浮気ADV。』
(公式より引用)



夜のひつじさん作品6作品目プレイ。
こちらは再プレイになります。
プレイ時間はゆっくり読んで約4時間くらい。
分岐有り、EDは2つ、おまけを見るためには3つEDを見る必要有り。


コチラの作品、夜のひつじさん作品で二番目に触れた作品でした。
闇ひつじでは初プレイを捧げたと同時に当時の自分に深い爪痕を残し、再プレイを何度も躊躇わせた作品でもありました。
一番最初に触れた時の衝撃を忘れる事はありません…当時は文章はあまり読んでいなかったと自覚している中でもグイグイと鷺沢透というヒロインに墜落させられていく姿は圧巻で。


唯一頑張ってきたサッカー、別に強豪校でも将来を約束されたような部活でも無かったけれどもエースとして引っ張ってきた部活。
それを膝の故障で断念せざるを得なくなった境遇。
告白され付き合っている彼女との初体験もその膝の故障もあり上手くいかず失敗してしまう。
そんな男としてのプライドが打ちのめされている中で鷺沢透に保健室で寝ていた際にしてしまった夢精がバレるという最悪の出会い方をしてしまい。
そこからグイグイと心の弱い部分に漬け込まれ、肉体関係を持ってしまい堕ちていく…
主人公がどこまでも純粋過ぎて、純粋過ぎるが故に面倒な思考をしていて、考えなくても良い所まで考えてしまい深みにハマって常にグラグラと揺れていて。
透との関係も上手に割り切れず、未弥に負い目を常に感じていて。
そういう言ってしまえば若さのある「男の子!」という部分と必死に弱みを見せないように生きている「男のプライド」が強い部分、そしてそのプライドに付属する形で「童貞」という要素が絡まり、傍から見たら凄まじく面倒臭い思考をしている主人公で…
多分同性からしたら受け入れがたい主人公寄りなのでしょうが…その部分が凄く人間的で弱くて可愛らしさがあり。
そんな童貞主人公が経験豊富過ぎるビッチに精神から肉体まで嬲られ食い尽くされていく姿が…見ていてとにかく当時ドキドキして。
肉体的な恥辱を与えるとかは結構ある中で、ガッツリここまで精神の弱い部分全てに針を刺していくような精神的責めをそれまで読んだ事が無く…確実に自分の中の童貞萌え(厨)と非処女萌え(厨)を植え付けた作品の一つでございました。


簡単に言ってしまえば今作は「優し過ぎる人間達を空虚な人間が墜落させていく」で収まるんですよ…
優しい世界からズルズルと空虚側に落とされてしまう話。
でも…自分にとってはそれだけでは無く…
鷺沢透という誰の何にも成れなかったけれども彼らからしたら道を外れるくらい大きな存在により、和解の道があったり、決別の道があったり、墜落の道があったり…彼女の言う「渋滞の先頭車両」に振り回されていくお話で。
その渋滞の中には大きな約束があった人が居たかもしれない、病気の人も居たかもしれない…数々の人に大きなダメージを与える車両のように、確実にコレをプレイした当時の自分も渋滞に巻き込まれダメージが与えられた側でした。
今振り返っても思い出補正がかかるくらいに衝撃を受けた作品でした。


色々と語りたい事は沢山ありますが…これを上手く言語化する術を持っていない気がします。
ただ、色々な性癖を歪められた作品の一つである事と、鷺沢透という空虚型墜落系ヒロインはやっぱり凄まじいなぁとつくづく思った事。
再プレイによって再確認した事が沢山あるのと、今回はちゃんと昔よりも文章を舐め回すように読めたなと満足をしています。
ゲーム起動は4時間くらいなのですが、「当時の自分が衝撃を受けた」という思い出補正もあり、こまめに休息を挟んだので実質6時間くらい本作に囚われて居ました。
再プレイするのにも相当な体力を使う作品でしたが、今回再び触れることが出来て良かったです。



『システム、演出』
吉里吉里製。
システムではプレイ中不便に思う所は無し。
システムは完璧なのですが、夜のひつじさんは毎回ウィンドウモードで1024×731を起用されるので、そこに関してだけはパソコンの画面が小さい自分は使い辛かったりします…大きい画面のパソコンを調達しなくては。


『音楽』
音楽は安定のmadetakeさん。
今作はパッと引っかかる曲は無かったのですが、透との行為の際に流れる曲が不穏さを掻き立てたり。
「些細でつまらない最初の純情」で流れるオルゴールは透EDを迎えた後に見れる事もあり哀愁が漂っていて良かったです。
声は…涼貴さんが…涼貴さんの気怠げで感情の無さそうな声があまりにもマッチしていました、声だけで墜落してしまう、凄い。
涼風さんもまた素晴らしく、「義妹ホールと妹ホールド」でも思っていましたが、どこかハスキーなお声が可愛らしく、両者どちらもとてもお上手でした。


『絵』
ポーズは一つですが表情は豊か、透には洋服が2パターンあったり欲しい時に欲しいCGが入って良かったです。
特に主人公が上手く動けない…透が優勢になる体位は女性優位系が好きな自分としては大変良かったです。
後半の唾液を落とすCGは凄まじく好きです。


『物語』
細やかな文章は相変わらず。
今作は女性優位系で身も心も、そして一番は大事にしていた物やプライドをズッタズタに踏み躙られるのが好きな人には相当キく話なのではないかなと(ただし二次元に限る)。
身体を自由に動かせないもどかしさと、自由になれないままならなさの表現がお上手で。
常に海底に足を鎖で繋がれているかのような感覚を味わいました。


『好みのポイント』
鷺沢透…も勿論凄まじいヒロインなのですが、鴇田未弥もまた別の方向性で狂ってるタイプ。
一途過ぎたり、相手に別れを告げられてもそれでも追いかけ身も心も捧げ続ける…ある意味でヤンデレに近くて。
透が分かりやすく病んでる陰の病みキャラなら、未弥は陽の病みキャラ。
どちらのヒロインも違うベクトルのヤバさがあって大変好みでした。





以下ネタバレ含めての感想です





「未弥ED」、本作の中では地味ですが、未弥が吐き出す言葉がかなり好きで。
「主人公の一番はサッカーだったから自分が一番じゃ無くても納得できたし告白を断られても納得できた」「初めから一番じゃなかったという理由で自分を守っていれば傷つかずに済む」という部分に面倒くささを感じながらも分かりを感じて膝を打ってしまう自分が居ました。
主人公も面倒くさいけれども未弥もまた、面倒くさい。
けど二人共面倒くさいのは「優しいから」なんですよね…別に他人の事をハナから考えて居なければこんな思考になるはずがないので…
優しさで面倒くさくなって雁字搦めになって、そしてお互いすれ違ってる姿が見ていてもどかしく…
一番穏やかで和解したEDで、透は未弥からの主人公への救いの手に気付き身を引き透の魔の手から逃れるEDではありますが、その優しさに漬け込まれて行くのがもう片方のEDで…
まぁ…エピローグもある以上アチラが正史なんだと思います…


未弥をないがしろにして行くと当然「透ED」に行くわけですが…
いやぁ…後味悪くて最高ですね。
途中の未弥との関係を友人まで引き戻すか完全に断つかによってエピローグが変化します。
友人まで引き戻すと透との関係を続けながらも未弥は巻き込まれないED。
完全に断つと…タイトルに「結実」が追加されて本っ当に後味悪い道に進んで…
「未弥ED」の未弥の一番に対しての思想も相当面倒だなと思った中で、ここで更に未弥が純粋過ぎるが故に透も言う通り別の意味でのヤバさを見せて来て。
主人公に寄り添う事が出来なかったから…と主人公と同じ所まで堕ちる…オジサンに初体験を捧げオジサンのセフレになる道を選び主人公は透と、未弥はオジサンとまぐわいながらお互い堕ちた底で初めてお互いを理解し合う…という最悪で、しかし最高のEDを見る事になります。
スワッピング…おそらく本作でこの描写に初めて触れた気がする…話の流れもあり衝撃的でした。
オマケのタイトルが「結実」なのがまた…ここで初めて主人公と未弥の二人の気持ちは結ばれるんだなぁと…純粋過ぎるが故にここまで堕ちないとお互いの気持ちに気付け無いのがまた…純粋過ぎるのも罪だなと思います。


色んな所で「透の掘り下げが少ない」というのを見かけましたが、これは正直夜のひつじさんお得意の描写なので仕方ないというか…
夜のひつじさんは基本一部ハッキリとは描かない読者の想像に委ねる部分を作られる方で。


『些細で重要で、ずっと囚われてしまうような一撃を誰かにもたらすことが今の私の人生の目標』
『誰にも見向きされなくなったら、私と一緒だね』
『やっぱりそうなんだ。羨ましい、頼れる人がいるなんて』


この辺りの言動から彼女の事はかなり察せられる様になっていて…まぁ…うん…そういう人生なんだと思います。
空虚になる家庭環境や虚無になる人間関係だった…のでしょう、きっと。
こういう委ねる形が夜のひつじさん節で好きなのですが…描かれないとモヤモヤする人には受け入れにくいのだろうなぁと。
透風に言えば「間にあるものが好き」になるのかも…と少し思ったり。


本作は鷺沢透という圧倒的虚無のキャラクターに色んな物を踏み躙られていくお話…であり、彼女が中心で間違いはきっとないのでしょう。
タイトルも(透の)純情(な)セックスフレンドという意味だと思ってますし要は透から見た主人公の事…ですよね、多分。
最終的に欲しかった「間」も手に入れ、主人公も手に入れ、そしておそらく予想外だった未弥にも「ずっと囚われてしまうような一撃」を与える事が出来て、透様はさぞご満悦だと思います。
綺麗な真っ白な雪原に土足で踏み込み踏み荒らし、そこに咲く花すらをも摘み取って雪も何も残らない荒野に変えていく…
でも、未弥との仲が本物だと気付くとアッサリと認めて身を引くのもまた透らしいというか…可能性があるなら執着はする、けれど可能性が無いものを深追いはしない所がどこか気怠さや空虚さを感じさせて、どこまでも透様の気まぐれによって主人公達が弄ばれる…そんな透様の圧倒的大勝利のお話でした。
…まっさらで美しいものを汚れている自分が汚していくのは楽しいですよね………なんとなく分からなくもない。
透様、二次元女子としては大好きですが、リアルでは絶対に関わり合いになりたくないです。


透が墜落系ヒロインで「結実」が正史である以上、希死念慮がある人間がこの世で生きていくのと同じくらいにどこまでも救いや明るい道は無さそうに見えるお話ですが、せめて「結実」とは逆の道を行った先の、


『人は心を持たないものを愛することができると思う?』


という問に返された言葉に少しでも光明…は無くても何らかの意味はあると…どこかで信じたいです。
(「結実」は「結実」で別の意味で理解し合えて幸せそうなのでそれはそれで良いのですが…)


長年抱えていた物をなんとか言葉として書く事はしましたが…
自分の思っている感想を全て文字に出来たか?と言われればNOと言えるくらいにはこの作品への思い入れでいっぱいです。
きっと何度加筆修正しても言葉にする事は難しいんだろうなーと思っています。
それくらいに当時の自分にダメージを与えた作品でした。
それでも、ここに何か言葉を残す事が出来、本当に良かったです、再プレイはやっぱり大事だなと思いました。


(ところで…作中主人公は未弥との初体験を失敗してますが、未弥の処女は破れなかった中でもギリ軽く挿入まではしてて…それって童貞じゃ無くね?…と思ったのですが、そこんとこどうなんでしょう?男のプライド的な意味では中で出さないと童貞なんでしょうか…難しいし、そういう所も繊細だなと思いました。)



次回、夜のひつじさん作品は「女装お嬢様への異常な愛情」になります。
こちらも再プレイですが…お国の事情とかあって難しかった記憶…
と、当時より少しは読み込めると信じて楽しみたいです。



※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
参考攻略サイト様:DLdou ~抜きゲーの批評と攻略~ 様
https://dldou.com/
 純情セックスフレンド ページ
https://dldou.com/walkthrough/18068