ひっそりと群生

ひっそりと持ってるCDの情報やゲームの感想上げたり。購入物の記録など。気ままに。飽きっぽいので途中で止まったらご愛嬌。

【銀色 -完全版-】感想

【男性向け18禁】



MANYOさんの担当されたゲームをクリアしていく企画第1弾。
私は作曲家のMANYOさんがとても好きなのですが、サントラは持ちつつも、作曲された作品を殆どプレイしておらず…
「ゲームをプレイしない事には曲単品は勿論素敵でも、その曲の良さ、深みや曲名の意味はきっと分からない!」と思い始めてみました。



2001年08月31日発売
ねこねこソフト』※リンク先公式HP(18禁)
銀色 -完全版-】(PC)(18禁) ※リンク先wiki
以下ネタバレ含めての感想です。








起動後いきなり英語で始まるので「え、英語!!?」と驚いてしまいました。
和風伝奇で英語って前衛的ですね…


一言で言うなら鬱ゲー。
しかし色々と丁寧な描写が多く、鬱だけれどもどこか暖かくなる章分けのお話でした。
ヒロインが娼館に居た事があったり、妹の為に身売りするヒロインが居たり、バッドエンドではヒロインが他の男に犯されたり…
今の時代のねこねこソフトだったら叩かれそうな事をしている所に時代を感じました。
でも、個人的には意味さえあれば、こういう設定大好きなので、プレイできて良かったと思います。
ギャグもなくラストは四章以外は非常に陰鬱ですが、その陰鬱な中でも、どこか暖かな所があり、優しさがあり、繋がりがあり。
非常に出来が良く、発売された時代を考えると凄いなぁと思いました。


章毎に主人公一人、ヒロイン一人で「二人の世界」みたいに話が展開される所もカプ厨的にはgood。
ゆっくりと、しかし確実に仲が深まっていく男女カプに、カプ厨的には大変嬉しい時間を過ごさせて頂きました。


一つ不満というか…
おまけ要素が、みずいろ(?)をプレイ前提に語られるので、未プレイだと若干置いてけぼりをくらいます。
あとおまけが本編の鬱クラッシャーで、本編のしんなりとした雰囲気をぶち壊して来るんので好き嫌い分かれそうです。
まぁなんというか…ノリが同人的。
あの時代の、内輪ノリを表しているというか…これもまた、時代を感じました。


音楽は、サントラでは個別に作曲家名が無かったのですが、ゲームの音楽鑑賞モードにはしっかりと記載されていました。
これでどの曲が誰担当なのか分かったので良かったです。



『一章』
一番好きなお話でした。
無理にエロのリソースを主人公とヒロインにあてて無かったのが好感が持てます。
この辺りの好感は、「主人公とヒロインとのエロが見たいんだよ!!」派とは真逆の感想だとは思いますが…
でも、私は、無理に二人の関係に肉体関係が描かれなくて非常に嬉しかったです。
(その分、ヒロインが元娼館に居た娘なので、好き嫌いは間違いなく分かれそうですが…)
どんどん名無しの少女に惹かれていく主人公…その二人の関係がとても丁寧だったと思います。
最後の「墓を作ろうにも名前がないじゃないか」みたいな台詞は本当に印象深かったです。


『ニ章』
狭霧…狭霧…
村人が企てた事だと知っていても、それでも身を捧げる狭霧には聖女性と同時に狂気も感じました。
普通、人柱にあんなにニコニコして身を捧げられませんって…
エロゲだから仕方ないと思いつつも、この二人のエロは見れて嬉しいような…あえてこういう関係にならなくても良かったような。
カプ厨としては凄く悩みどころです。
主人公が偉い所の人だと告げてれば何かが変わったのかもしれませんが…
いえ、逆にお偉いさんに不満を持っている村人からしたら逆鱗に触れるだけで終わったかもしれませんね。
時代も考えて、最善の方法が「二人で逃げる」しか思いつきません。
でも、狭霧がそれを望まない限り…もうあの結末は決まっていたのでしょう。
「変な味の吸い物を作る娘が居た事を忘れないで下さい」…凄く印象に残っています。


『三章』
姉ちゃんがヤバイ!!!
とにかくその一言に付きます…
2000年前半、当時はヤンデレという言葉も無かったであろう中で、とにかく異彩を放っていただろうなぁと。
とにかく何か少しでも悪い嘘だけでなく、誰かを想った良い嘘を吐くだけで裏切りだの何だのと言ってきます。
…というかヤンデレを通り越して、今の時代の言葉だとメンヘラですよねコレ。
銀糸の願いを叶える影響で銀糸に植え付けられた性格だったとしたら、副作用ならまぁ仕方ないとは思いますが。
銀糸は願いを叶える際にただ少し色々と悪い事を後押しするだけだったとしたら…
彼女の本質は、常に妹の上に立たないと気が済まず、自分が不利になるのを認めないとんでもない女という事になります。
EDで切られた際に、どうにか妹を思いやってるので、あの時に銀糸の副作用の呪い(?)が解け、普通の姉に戻った…と思いたいです。
銀糸の副作用のせいだと思っていないと、流石にあの性格が素では…アレなので。
あと、主人公が空気読めない男だったと思いました。
言わなくていい所でいらん事を言うし、いらん行動を起こす起こす…
「今の姉妹の空気読めば分かるでしょ!!?」となるくらいに鈍感です。
主人公に始終イライラし、お姉ちゃんに始終ヒヤヒヤさせられて、朝奈ちゃん可哀想可哀想となるお話でした。
(しかし姉の方が「夕」奈で妹の方が「朝」奈なのもなかなかに逆な感じな名前付けだなぁと思ったり。姉が「朝」じゃないんだ…とプレイ中思ってました。)


『四章』
唯一、幸福な終わりを迎える章。
大井跡とあやめ、三井とあやめの並行して描かれる物語の構図がけっこう好きです。
この章で今までの歴史の人物達の想いが昇華されたのかなと思ったり。
でも、他の章がBADだった分、この章だけ幸福な所に若干違和感を感じたりもしました。
別に、現代だからと言って、幸福で終わらなくても良いかなぁと…いや、終わり方と言ってはスッキリしましたけど。
銀糸の効力が切れたからなのかもしれませんが、「銀糸の効力が◯年後に消える」みたいな設定は特に無かった…ですよね?多分…覚えて無かったのなら申し訳ない。
なので、若干他の章の終わりの陰鬱さを考えると唯一幸福なのに首を傾げたりもしました。勿論、終わり方としてはコレで良かったとは思いますが。
その分、BADエンドの方がヒロインが凌辱されて終わるので、ある意味では一番陰鬱な終わり方も併せ持っていると思うと幸福と陰鬱の配分的には納得しています。
凌辱描写は殆ど無いですが、おそらく凌辱を受けたであろうあやめちゃんの儚い笑顔のCGとともに終わる後味の悪さは、BADも好きな自分としては最高でした。


『五章』
この章は完全版追加ストーリー…らしいですね。
この物語によって、各章の空白が若干埋まります。
おそらく、一章の名無しの少女の母の物語。
これにより、名無しの少女の本当の名が「あやめ」であると分かります。
陰鬱度がとにかく高く、あと少し早くに儀式が始まっていて雨が降っていたら…彼女達の父母の心中を防げたと思うと、とても鬱です。
お姉ちゃんが着物を広げ、病気を見せるシーンですが…すいません、作中で一番エロいと思いました。
着物を広げる艶やかさと病気のエグさの相乗効果でそこはかとなくエロいです。
こずえも、さいしょは守られるだけで、見ててイライラとしましたが、姉の子の為に、今度は自らも身を捧げる所を見て、あぁ、姉妹だと思い、同時にこういう生き方しか出来ない時代なんだと感じました。
ただ、ひたすらに鬱で、鬱度では追加ストーリーとは思えないくらいですが、一章に繋がる物語と、旱魃がどういう被害を与えていたのかを知れる物語でもあったので、完全版でプレイできて良かったです。
いや、本当に、着物を広げるCGが本当にエロエグかったので個人的には満足です。


『幕間』
すいません、一番印象が薄かったです。
石切が銀糸を琴に隠し、神社に置いた…事はとても印象に残ってます。
銀糸の流れを追う物語としての印象しか残ってなくて…やっぱり濃い物語の間に挟まると、余程じゃない限り印象には残らないなと思いました。



そして、和風伝奇な中、始まりと終わりが英語なので凄く違和感というか…不思議な気持ちで始まりと終わりを迎えました。
おそらく石切は、銀糸の力で瀕死から回復し、不老不死的な物になった…という事でいいのでしょうか?
彼女、石切は最後に砂漠に旅立ってますが…調べると「朱-aka-」に続くみたいですね。
こちらも作曲でMANYOさんが参加されているのでいつかプレイしたいです。



※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
 参考攻略サイト様:Funny Tiny Company 様
http://ftcom.skr.jp/index.htm
 銀色-完全版- ページ
http://ftcom.skr.jp/game/t3ken/nekoneko/giniroPFK01.htm