TRUE REMEMBRANCEをn週目している人のネタバレ記録 その9
※この記録は里見しば様制作のTRUE REMEMBRANCE-remake-をn週目する人間の記録です。
※軽く片手の指以上の数の周回をしているのでネタバレ込み、伏線に触れまくりの記録になります。
※好き過ぎてスクショ撮り放題です。
※また、同作者様作『送電塔のミメイ』もプレイしてるのでその辺りにも触れています。
前置きは コチラ
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TR記事まとめは コチラ
【三話 オセロゲーム】その②
ここでセーブを取ると『三話 懐古蝶』というセーブタイトル。
『懐古蝶』はこの屋敷の中で一番会いたい人の記憶を見せる為のデバイスでした。
屋敷の中でただ静かに時計の針の音だけ鳴り響き恐怖を誘うホラー(?)回。
屋敷に見合ってたからなのか、個人の趣味なのか、アナライは調度品収集してたみたいです。
貰い物かもしれませんが。
ココ、最初は黒目が意地悪言ってると思ってたのですが、本当に監視されてるみたいです。
恐らく蝶のシステムか何か??
ラからはわざとに見え不評を買いますが。
ラの髪に絡みつく蝶。
蝶により見えた面影を追い、彼女は走り出します。
一枚絵アップのラが美しい…
ラがここで黒目を止めたのは、アナライの事と自分の事が結びついてしまうとどうしても記憶を封じるのに影響が出るからかなと思ってます。
それでも、彼女は無視してアナライの影を追わない事は出来ませんでした。
この
『泣いているラを見るのは、残念だけどたくさんあることだ。
けれど、あんな悲しそうな顔を見るのは初めてだった。
早く見つけてあげなければいけない気がした。』
という所が本当にさり気ないですが好きです。
「残念だけど」な所に黒目の泣いてるラを見るのは嫌だという素直な気持ちが隠れていて。
黒目の特技その1、ピッキングが出来る。
封士が皆出来るのかと思いますが、そうでも無さそうなのでこれは黒目の特技かと。
一話でもあったソファでも眠れるのくだりや後から出てくる黒目の特技でもですが、彼の出自が様々な所で仄めかされます。
語ってくれるのはまた少し先。
部屋に入ると置いてあるレポート。
『trigger device』として蝶のイラストがあり、この屋敷がこの現象の引き金となる事だけは分かります。
全文掲載すると
『『記憶とはどのように、この脳という狭い小部屋のなかに収まっているのだろうか。
また、それを任意に呼び出し、実物と同じように再現することは可能だろうか。
全ての受容器からの刺激は神経を通じて脳に至り、脳によって現実として認識、再構成される。
この再構成プログラムに侵入することができれば、記憶の再現は可能だろう』
『しかし、脳内においての記憶データの収納の方法が、未だ明確ではない。
概念による区別や省略を重ねているのだろうが、不確定なことが多い』
『現時点で可能なのは、被験者の個々の記憶と最も多くネットワークが通じている、たったひとつの記憶を引き出すことだ。
つまり、被験者が最も深く意識に刻み込み、忘れたくないと思っている記憶を、現実と寸分違わずに再構成することが可能である』
『私は、自分の記憶が信用できない。
この記憶の、どこまでが私の悲しみや喜びで、どこまでがそうでないのか。
まったくわからない。
このシステムが完成したなら、一番に私が被験者になるだろう。
何が現実で、何が幻なのか、はっきりと晒されるなら本望だ
と、思ったが、やっぱり面倒になったのでやめた』』
という文章です。…正直初回だと全く意味が分かりませんでした。
後に黒目がかいつまんで語ってくれるのと何周もしてようやく、
「記憶を全部再現する事は難しいが、蝶というデバイスを使い一番記憶に残っている一番大事な人の記憶を再現するのは可能である」
という事と、
「アナライは沢山の記憶を封じてきた事により自分の記憶が信用出来なくなっているので、自分の一番大事な記憶を知りたい、呼び覚ます為にこのシステムを作った」
という事が分かりました。
い、一周目ではなんのこっちゃなのでは…?
もしかしたら頭の良い方は分かるかもですが…私は三話はとにかく雰囲気だけで読んでました。
黒目は蝶の影響を受けていませんが、もしかしたらここで一瞬だけでもデバイスが起動して黒目の記憶の奥底のラと現実のラが交わっていたらと思うと胸熱です。
黒目はマリアさんの事は悲しい事だけれど、デバイスで記憶が復元しないくらいにはしっかりと受け止められているんだなとも思います。
『ヒモのようなヘビのような字』
ここは数周してようやくこの意味に気付きました。
結局、蝶がどのような構造で起動、作用していたかは分かりませんが、消し方もちゃんとあるみたいです。
適当に見えるけれど作りっぱなしではない所が少しアナライらしい。
黒目が分かりやすく教えてくれますが、初回では私の頭ではレポートが難しく「そういう意味だったの!?もっと難しくなかった!!?」となってた記憶があります。
このシステムが報告されたらきっと『セツナ病』の治療に役立つかもしれないけれど…それではまた悲しい子供達が増え、消えていくだけです。
きっと、これで良かった。
黒目、貴方が一瞬でも見たのはもしかしたら隣に居る少女の…
二人は歩み出します、夕暮れの中手を繋ぎ。
現実を、前を、ただ見つめながら。
そしてアナライのレポートの続きが語られます。
『『それに、きっと私の悲しみも喜びも、あるのはこの狭い小部屋の中ではなくて……』』
セーブデータを消し、一周目としてのプレイなのでこうなってますが、二周目だとここにCGが追加されます。
ここで二周目にしてようやく、この屋敷の、アナライがこの研究を辞めた理由が分かりました。
彼はラに出会った事により自分の記憶に向き合い不安を抱かなくても、外の世界にもっと大切な存在が居る事に気づけた。
自己分析をもうしないというのが彼の能力としては致命的かもしれませんが、彼はラと出会った事でもう苦しむ事は無くなったのだなと思っています。
物語は次話へ……。
ホラー回に見せかけて実は胸に色々と染み渡るものがある回でした。
新しく追加された話ですが、違和感はなくむしろ更に物語が掘り下げられていく所に脱帽します。
アナライはラと出会った事でようやく自分の中の「誰のものか分からない記憶への恐怖」を拭う事が出来たんだなと。
ラの優しさ、無垢さ、存在が沢山の人を救っているのを感じます。
次回 →→→