ひっそりと群生

ひっそりと持ってるCDの情報やゲームの感想上げたり。購入物の記録など。気ままに。飽きっぽいので途中で止まったらご愛嬌。

【RE.++】感想

【乙女全年齢】



2004年12月04日配信
『KUMYS』様 ※公式HP閉鎖
RE.++】(PC) ※リンク先Vector
以下感想です。








3人の男性にいきなり告白されて、根暗なヒロインがリア充爆発(物理)。



『自分を変えたい、と願う女子高生三神蛍。
 陸上部では万年補欠、好きだった先輩には振られ
 抜け殻のように日々を過ごしていた。

 そんなある日彼女は3人の男に告白される。』
(公式より引用)


こちら公式はもう閉鎖していますがVectorにて【RE.++】として配布されています
クリスマスとバレンタインのゲーム同梱版での感想です


上記の説明から分かるようにいきなりヒロインが告白を受ける所から始まります
しかし、このヒロイン、陸上部関係で捻くれてしまいとても根暗です
プレイヤーから見ても、彼女の何処に惹かれたか分からず、3人の男性に何故告白されたのか分からないまま
単純に「好意」の一点での告白というような雰囲気ではない…一筋縄では行かない雰囲気の中、物語は進んでいきます
構成が面白く、陸上部関係での捻くれた性格から立ち直った…と思った先に色々なことが待ち構えていました


3人の男子が居ますが、その中でも五代先輩が曲者で
彼の天然を通り越して電波な所に何度「先輩…お脳に支障が…」と思ったか
彼の言動に付いていけないと結構辛いです


立ち絵がそんなに差分が無かったり、攻略キャラの話に偏りがあったり
バレンタインの話は作業感が強かったり、クリスマスの話は文字と音楽だけだったり
色々と思う所はあります
本編は正直構成は面白い中でゴリ押しな感じが凄かったです


ですが、ここまで上げたのはクリスマスの話がとても良く
本編で立ち絵すらないサブキャラが主役という乙女ゲーとしてはとんでもない配役の中で
エンディングに行く毎に少しづつ選択肢が増え、理不尽な出来事が起こっていた原因がどんどん分かっていく構成がとても好きでした
「この子が主人公かよ!?」と突っ込みつつも正直構成と流れはクリスマス話がとても好みでした


フリーらしい本編も番外も少し変わった構成の乙女ゲー
予想以上にハードボイルドな展開だったので最後の方は突っ込みながらも面白かったです



『システム、演出』
ツールは吉里吉里
右クリックからでは設定は無理ですが、ツールバーにて基本的な設定、セーブロードは出来ました。
演出は全攻略キャラクリア後の展開の盛り上がり方が楽しかったです。
選択肢は、基本追っかけていれば普通にルート分岐します。
ただ、後半の方で引っ掛けが一つあります。
なぜその分岐になるのかフラグが今一つよく分からない引っ掛けでした。
クリスマス番外編の選択肢が増えて展開が明らかになっていくのが好みでした。


『音楽』
素材曲。
コレといって強い印象は無かったです。
ただ歌唱曲はテンションなど色んな意味でインパクトが…
SEは、最初のアレは分かりにくかったです。
雰囲気は、日常の気だるげな感じが主人公の心境と合ってました。
ただ、EDはちょっとハイテンション過ぎかと…


『絵』
立ち絵はオリジナル。
ポーズは一つ表情差分も無かったのが残念です。
雰囲気は、同じ素材サイト様の背景だったので統一感はありました。


『物語』
サクッと読みやすく。
サクッと根暗女子な感じが伝わってきました。
構成は、流れ的には一部無理があるな~という感じです。
でも、ただイケメンに告白されるだけじゃない所は良かったです。
短くサクサク進むのと分岐が分かりやすいので途中で飽きることは無かったです。
人を選ぶかもしれませんが、主人公から発せられるとにかく気だるげな空気は好きです。
本編は結構普通な印象でしたが、クリスマス本当にズルいです、笑いました。
キャラクターは立ち絵すらもないけれど、三輪谷さん。
貴女はズルい!!


『好みの部分で思った所』
クリスマスの話の選択肢分岐や分岐により徐々に明らかになる真相が好みでした。





【以下ネタバレ含めての感想です】





ヘタすると本気でリア充爆発…


…で、コイツら爆薬使いすぎじゃねぇ?
何でこんなにポンポン爆弾使うのよ!
ボンバーマンか!!


しかしOPのガッという音が伏線だとは…
音の後に普通に登校してるので、後の先輩との会話で、
「え!?その時の音だったの!!?」
となりました。
記憶喪失は分かるけど、殴られた事は分かるんだから主人公もっと警戒しろよ!!


『RE START』
からが本番ですが、ここで五代先輩と付き合ってる所からスタートなので、
「え…他の男性陣は??」
みたいな気持ちに…
五代先輩は爆弾には無理があるとしても犯行理由は分かりますが、他の二人が最後にはほぼ出ないので犯行理由がイマイチ分からず…
江藤はクリスマスの時に再犯しようとした。
「面白い事が起こるかも」
で木下は、
「イジメ関係」
で良いのかな?


とりあえず動機関係、急展開関係で思う所がありましたが、最後の方では主人公があり得ないくらい格好良い行動とってくれたので結構良かったです。



『以下各キャラの感想』


【三神蛍】
最初の独白から、
「あ…コイツ暗い系だ」
というのがアリアリと分かる主人公。
彼女の負の面は大事ですがコレに付いてこれるかでだいぶ変わると思います。
陸上部の件、恋愛の件、鬱々と彼女のネガティブも交えて語られるのでとにかく暗い。
クラスメイトから貰ったお菓子を捨てたり、自分の嫉妬だけで友人を殴って殴り合いをしたり…
この部分に耐えられるかどうかでかなり好みが別れる主人公です。

ただ、各ルートの最後では持ち直し、
『RE START』
ラストの五代メインルートラストでは底力を見せてくれました。
五代先輩は地味に豆腐メンタルだと思うので、その男らしさで支えて下さい。


【霧島五代】
ぶっちゃけ天然通り越して電波でした。
周りが「天然」と言ってる中で、
「いや、宇宙電波とか火星とか金星とか小○優子かよ!?」
と思ったり…
でも実際はキャラ作りでしたたか…ぶっちゃけ元のしたたかな性格の方が好みです。
なので番外編で電波少年に戻った時には、
「何故にキャラ付けに戻ったし!!」
ととても残念になりました…真っ黒先輩本編の後半しか見れないのでもっと見たかったです。

攻略キャラで完全に差がありますが、彼がメインになるのは当然かな~とも思います。
主人公って結城にも五代にも近いんですよね。
主人公は内に溜め込んだ、結城や五代は外に発散する道を選んだ。
どっちもあまり良くないですがその結果五代はとんでもない事をしようとした訳で。
結城と自分に近い境遇の彼女が、
「例え嘘だったとしても自分を持ち直してくれた相手を、今度は自分が持ち直す為に叱る」
というのが大事なのかなぁと。
つまり結城の出来なかった事を彼女が成すという感じ。
…まぁそう考えると結城はマジで何もしねぇなという。
しかし結城に近い境遇で、更に自分にも似ていて、偽ってでも「彼氏」と呼ぶ主人公の存在。
そんな彼女に叱ってもらえて番外編などを見る限り彼は持ち直したと思っています。
真っ黒先輩好きですが彼の方だと多分色々やらかしそうなので、残念ではありますが平和的に見るなら電波少年のままでも良いかなぁと感じました。


【木下隼人】
番外編で分かるオタク少年。
江藤はクリスマス話で出番がある中で彼だけ結構不憫かも。
目的が曖昧な所もあり、なんともただのいじめられっ子眼鏡少年で終わってしまった感が…
ただ、本編での彼の悩みと主人公が自分の弱さを吐き出す部分、殴り合いの部分は大分理不尽ですが、自分も木下と同じ弱い人間であると自覚する部分は結構好きでした。


【江藤志郎】
本編ではぶっちゃけ彼、よく分かりませんでした。
恐らく主人公の一番理想(結城先輩)に近かったのは彼なんだろうなという事くらい。
よく分からない内に泣いて、よく分からない内にフラグが立ってて、よく分からない内に告白OKしてたなぁという印象。

むしろクリスマスイベントでのメインで、天才故の狂気みたいな、そういうのが垣間見えて、爆発は単に、
「楽しそうだったから」
くらいなのかなぁと。
『RE START』
で完全に五代先輩ルート確定なので三輪谷さんと付き合えば良いんじゃないかな?
そんな風に思ってます。


【結城一真
主人公の意中の人…
ですが、実は一番クズ男じゃね?
嫉妬により五代先輩のブレーキ壊して走れなくしたり。
そこはまぁ嫉妬心の固まりで劣等感でしか上の相手を見る事が出来なかったと説明がありますが…

そういう部分で主人公と近い存在で、自分と似ているからという理由で、
「君が嫌いなわけじゃないんだ」
とフッてナツメと付き合っていて…でもまさか、
『RE START』
後の分岐によって主人公と付き合ってるとは思わず、
「え…ナツメは??」
みたいな気持ちに…
選択肢による分岐のおそらくメインルートで最後に来た時も、
「助ける資格が無い」
っておま…原因お前で人命かかってるんだぞと。
嫉妬方面も恋愛方面もわりと受け入れがたいキャラでした。


【ナツメ】
本編では完全に当て馬状態。
主人公の一方的な嫉妬で殴られたり、エンディングの一つでは別れた上で一真は主人公と付き合ってたり。
彼女自身は悪い子じゃないのでなんかとても可愛そうな感じです。
ところで見落としかもしれませんが彼女だけ苗字が分からなかったような…
色々と不憫な気もします。


【三輪谷恭子】
個人的に真の主人公です。
チョコの人。
クリスマスでは主人公。
番外編で脇役が主人公になる乙女ゲーとか初めてでした。
あとバス停…

>バス停を連れていく
>バス停は人間ではない

バス停を恋人にするヒロインも初めてでした。
クリスマス番外編の構成が上手かったのと負の方面も見せずに真っ直ぐで、その上でしっかり悪い事を怒り、怖いものは怖いと泣ける女性らしさもあり、何もかも掻っ攫って行った感じが凄いです。
江藤と仲良くして欲しいけど、三輪谷さんに彼氏が出来るのは残念だな~とも思ってしまいます。



色々と、ん???な所はあり、攻略キャラの話の偏りや、それぞれの犯行事情の説明がもっと深く知りたかったですが、
「いきなり3人に告白され、しかし裏には恋愛感情ではなく怪しい事情が…」
「全員攻略後に本番で、告白の真実が明らかになる」
という部分は面白かったです。