ひっそりと群生

ひっそりと持ってるCDの情報やゲームの感想上げたり。購入物の記録など。気ままに。飽きっぽいので途中で止まったらご愛嬌。

【Eternal Sky ~悠久の空の彼方~】感想

【男性向け18禁】



MANYOさんの担当されたゲームをクリアしていく企画第11弾。



2009年12月18日発売
『TSUKASA(解散)』
Eternal Sky ~悠久の空の彼方~】(PC)(18禁) ※リンク先Getchu.com(18禁)
以下ネタバレ含めての感想です。








ずっと前に終わってたゲームですが感想を書いてたので掲載。



「天使達」というのがたとえ比喩表現でも天使はいなかった…


とにかく「何もかもが分からなかった」の一言に付きます。
「天使」も居なければ「天使」に比喩されるヒロインも居ません。
時間だけが取られたという気持ちしか無く、絵も酷いので画集としても活用出来ませんでした。
初回版にはサントラが付いていますが、音楽もMANYOさんの音楽の中では比較的に平均以下の為、サントラコレクター、MANYO信者以外には本当にオススメしません。
片霧烈火さんの「未明空の下で」は初回のサントラにしか収録されていない(と思う)のでMANYO信者、コレクターの方でどうしても探してる方だけはご購入しても大丈夫です。
主題歌はサントラCDには無くシングルCD収録です、主題歌で気になった方はシングルのみご購入でいいです。


物語の破綻っぷり、そして設定の放り投げっぷりが凄い。考察系かと思い考察しても矛盾点ばかり出る始末。
日常も楽しいイベントがあればいいのですが9月1日~10月15日くらいまで毎日描かれており、学校の楽しさのイベントや物語が動き出すイベントもありません。
毎日毎日同じようなことの繰り返しで、これなんて現実?となります。日常会話も単純に面白く感じない。
物語が動き出すスイッチになる夢も本当に同じ夢の繰り返しです。
繰り返すことがスパイスになっている夢でもなく、少しでも色々進んでいく夢でもなく、本当に意味のない同じ夢ばかり見せられます。
日常描写のいらない部分、夢のいらない部分などいらない部分を削れば3分の2ほど無くなるのではないでしょうか?
主人公も重要な位置にいるように見せかけておいて、重要なのは主人公ではありません。
重要な空ルートでの解決する人は友人の立空だったり、見ていると立空が主人公でもいいと思ってきます。
色々と材料は普通なのに普通の材料ですら料理を失敗している典型的なパターンです。
「時の住人」「闇の番人」「交わりの禁忌」
など語句としては出ますがどういう種族なのか、何故禁忌なのかは説明無し。
犯した罪や禁忌の罪人の運命の力とやらも何もかも全く分からないです。
分からなくても文章力や勢いで押していく作品もありますがこの作品には全く無く…
話、展開、キャラクター全てがプレイヤーの共感を得ようとしていませんでした。


その上、面白いイベントもなく退屈です。
文体も違和感があった部分も多く、りえるルートの、
「突然柔らかな何かに抱きしめられ、驚いて目を見開き見てみると、俺はなぜか北条先輩に抱きしめられていた。」
って文おかしくないですか?
途中コロコロ俯瞰視点になり空と立空の会話が入ったり、立空と朔音の会話が入ったりします。
でも、主人公は居ない事は分かって、誰の視点か分からないという事は無く、良くも悪くも分かりやすかったです。


謎になっている部分も考察系という訳でもなく描かれず伏線回収はしません。
材料は普通でいいと思うのですが、とにかく料理に失敗している感が…
普通に料理していれば普通になったのに途中で材料の正しい調理方法を間違え、最後に作る事を諦めた感じがありました。
笑い所は正直ありません。


キャラクターは空ルートと言い、キャラ性といい立空が主人公でいいんじゃないかな?
という感じです、声優さんといい彼が主人公だと思って何も問題ありません。


システムも商業としてはどうかと…
「画面表示:ウィンドウ/フルスクリーン」「画面効果:ON/OFF」「オート時の音声待ち:ON/OFF」「未読スキップ:ON/OFF」「BGM、効果音、音声、文字速度を10段階」で選べます。
ですがスキップはCtrl押しっぱなし、キーボドスキップしか出来ずキーボドから離れられません。
履歴でボイス再生がボタンなど無く、セリフ文字を押す事で再生など分かりづらい。
その上、ロード何度かフリーズ…私のパソコンはそんなにフリーズしませんでしたが、酷い人はもっと酷そうです。
既読文字の色が勝手に変わりますが、色変化のON/OFFも欲しかったです。
タイトルに戻るなども無くタイトルに行くためには一度ゲームを止めるしかありません。
一応最後までは行けるので2点。行けてしまうのがまた辛いところですが。


演出関係は2009年のゲームなのにOPムービーもありません。
主題歌はタイトル画面で流れているだけです。


選択肢は女の子のご機嫌取りの為にあるような選択肢。
それだけならまだいいのですが、空とありすのルートでの選択肢の傾きっぷりは異常。
空方面を選ぶとありすに、ありす方面を選ぶと空になります。
そういう部分に意味があればいいのですが、そういう訳でもなさそうです、そして無駄な選択肢が無駄に多く回収に手間がかかり萎えました。


正直サントラの為に買った所がありますが、MANYOさんの中でも品質は…
主題歌などはMANYOさんだと思いますが、BGMはどうなんでしょう…
主題歌とMANYOさんは好きなので点数を付けますが、主題歌目的ならシングルがあるのでそちらで全然構いません。
SEは次の場面や、切れるべき場面まで続いていたりします。
ボイスは空(声だけ)や立空など好みな方は多いです。
ただ、りえるの声だけ他と浮いていて…商業でこのミックスは酷いです。
BGMは「遥かな空へ」「鳥居朔音」「立花望愛」「初恋」は好みでした。
ただ、音楽鑑賞モードで歌は聞けません、ショートだけでも乗せるべきかと…

絵はCGの落差がありすぎます、商業としてはちょっと無いです。
おそらく公式にサンプルとして上げていたであろう絵やパッケ裏の絵はまともなのだと思います。そのまともな絵の分で2点です。
背景はどれも商業としては平均以下ですが、グラウンドなどは本当に酷かったです。
立ち絵は一枚絵よりマシ…それでも違和感ある絵はわんさかあります。
りえる先輩の正面絵と朔音の斜め立ち絵などは好きでした。
雰囲気はそもそも感動できるポイントや雰囲気がないのですが、絵で魅せる感動も違和感バリバリでした。
エロシーンもそのシーンの内容、シチュ、文章もですが絵も酷いです、統一性がなく違和感しか無いです。


キャラ萌えしようとしても可愛い部分が描かれておらず、可愛い可愛いも出来ない上に、逆に不快な部分が目立ちすぎる程(特に空)。
フルプライスでご購入された方の怒りが分かります。
私の場合は中古で他の方が見つけた地雷に自ら飛び込む形となりましたが、世に言う地雷を理解しました。



『主人公』
典型的何もしない主人公。
性格は普通すぎるくらい普通、逆にクズでダメ過ぎる部分があった方が面白いくらいに。
そして空の好意に気付かなかい鈍感、あれに気付かないという設定は鈍感では済まされません。
周りのヒロインから優しい優しいマンセーされますが、やってることは普通じゃない?という気持ちに…
むしろ子供の頃に空のぬいぐるみをイジメた挙句に首をもぎ取った逸話を聞き、子供の頃にコレされて優しいとは思えないとなりました。
どのヒロインのルートも何もしません。
行動をおこしたのは物語に全く関わらないりえるルートで猫を探したくらい。

ネタバレとしては自分の前世「闇の番人」として「時の住人」の空と結ばれた罪のせいで閉じ込められ、そこから逃れる為に「禁忌の罪人」という悪魔みたいな存在と魂が融合しています。
「禁忌の罪人」という存在は世界破壊を何故か望んでいて、前世からの縁である空と結ばれると禁忌の罪人が復活するのに、物語の中心であろう空ルートでは何一つ活躍しません。

良いところがあるとすればメシマズ設定のヒロインの飯は不味いと指摘する所、それくらいです。
あ、あと無駄設定でとにかくカレーパン食べます。


『空』
ボクっ子の幼馴染。
ウザいヒロインです、幼馴染属性好きですがそれでも庇護出来ない程に。
主人公好きをアピールしていますが、メインヒロインだからなのか他ヒロインルートまで出しゃばります。
出しゃばり方も気持ちのいい、納得する出しゃばり方ならいいのですが、とにかく不快。
自分の事しか考えておらず、設定は破綻してますが要約すると、
「主人公と空が結ばれると前世の契約により主人公の中にいる「禁忌の罪人」の運命の力という巨大な力によって世界がヤバイ」
のですが、それを知りつつ自分優先で結ばれようとします。
最初は記憶が無いから仕方ないとはいえ、朔音と主人公の出会い後、記憶が戻ってからも躊躇しますが結局は本能に従います。
そして何故かありすルートでも一度付き合うのが絶対条件。
その際に「禁忌の罪人」の力により目が見えなくなって弱っていくありすを殆ど心配しません。
「まだありすちゃんの具合よくならないの?」「今日も出かけたりできないよね?つまんないな…」「何でボクよりありすを優先するの」
と自分は健康な癖に言う始末、妹が目が見えなくなって心配するのは当然です。
物語の中心人物で前世からの縁があっても流石にこの性格はどうかと思いました。
エンディングも「生きたい」と願うとBAD「諦める」を選ぶとTrueに行きますが、普通は逆ではないでしょうか?
しかも辿り方が間違ったのかもしれませんが、Trueのエロシーンではフェラのみの本番なし、舐めてるとしか思えませんでした。
メシマズ設定があるのですが、物語中で努力の描写もなく普通に改善されました。


『ありす』
家庭的な義妹。
彼女も最初から主人公の事が好きなヒロイン。
ですが好きになった理由は良く分かりませんでした。
ずっと一緒にいる内にいつの間にか好きになってしまったなら仕方なしという感じでしょうか?
彼女のルートでは何故か空と付き合う事を回避できません。
主人公が空と付き合ってありすの大切さに気付くといえば気付きますが、むしろ空のあまりの自己中さに呆れた感じで。
その上でありすは最初から主人公が好きです。
「空と付き合う事でお互いの気持ちに初めて気付く」
みたいなシチュエーションを書きたかったのかもしれませんが、ありすは最初から好きな上で逆にメインヒロインの悪い性格が更に表に出ただけに感じました。
むしろ中途半端に付き合った分、空も報われず、中途半端に付き合う主人公もなんだかなぁと思いました。
そういう中途半端さや、他のヒロインを落として別ヒロインを上げるのが物語の趣旨でもないのに、それを入れるのは頂けません、メインヒロインなら尚更です。
ラストも空と中途半端に付き合ったことで中途半端に「禁忌の罪人」の力が漏れ、ありすの目に影響を及ぼしますがトゥルーエンドでは何事も無かったかのように見えています。
空寄りの選択肢を選ぶとありすに、ありす寄りの選択肢を選ぶと空に進むのもまた意味不明。
空寄りルート、BADではありすはたった一人残されます。
ありすの性格は嫌いではないのと、ありすルートでの空がウザかった分、BADとはいえ主人公本当になにやってるんだという気持ちになりました。


『りえる』
成績優秀な先輩。
このゲーム中もっとも「この人要らないのでは?」キャラ。
外見が一番好みな分、悲しいです。
動物の気持ちを読める能力など、絡みそうな要素がありますが、前世からの因縁に全く絡まない唯一の人です。
やった事は猫を探して、探したことで気持ちが結ばれエンディングくらいでした。
動物の気持ちが分かる要素で色々膨らむかと思いましたが全くなく、そういう悩みで進むのかと思いましたが全くないです。
主人公がりえるの父に会う想像をする所で何故か一枚絵が入ったり、特に必要のない所で一枚絵が出ます。
エンディングも結局りえるの父に認められまいまま結婚する約束をしてオシマイという意味不明さで終わりました。


『望愛』
後輩のシスター。
学園の寄宿舎に住んでいる親なしのシスター見習い。
ありすがずっと苦手そうな態度を取るので関係があるのかと思いましたが全くそんなことはありませんでした。
実は「禁忌の罪人」の娘で母親が「禁忌の罪人」と関係を持って自分を身篭ったせいで村八分にあい自害したので、父を憎み主人公の元まで来たと言うことですが…
母親は自ら興味本位で「禁忌の罪人」と関係を持ったので完全に八つ当たりです。
母親が時の住人か闇の番人かも語られず、どうやってこの世界に来たのかも謎。
主人公と「禁忌の罪人」の魂が融合している事を知り殺しにかかりますが殺せず、何故か殺せない事で主人公の前で自害。
「禁忌の罪人」のお父さんパワーによって復活しますが、何故自害したのかも分かりません…
とりあえず「禁忌の罪人」に「お前子供いたのかよ!?」というツッコミと「「世界を無にしてやる」とか言いながらしっかりお父さんしてんじゃん」というツッコミを入れるためのルートでした。


『朔音』
不思議系の転校生。
物語の中心になる子かと思いきや、そんな事なかったです。
登場が文化祭とあり得ないくらい遅いので完全にオマケ要素。
正体は空の輪廻中の前世の一人が主人公に会うために飛ばしていた紙飛行機に乗った想いそのものという破天荒っぷり。
あれですかね?噂が一人歩きしたみたいな感じですかね?
彼女のルートは空と共通です。
おそらくその存在から主人公を最初から好きなヒロイン。
「想いは伝えたら消えてしまう」
と伝えるのを拒んでいますがBADもTrueもどちらも結局あまり悩まず伝えます。
BADらしき方では子供まで産みますが、産んだ後に想いを伝えたせいか記憶が後退しているというEND。
Trueは挿入歌「夕焼け、さよなら。」がかかる方だと思いますが、思いを伝え紙飛行機になり霧散。
足元に落ちた紙飛行機には「ありがとう」と書かれておりEND。
存在意味から仕方ないですが報われません。


『立空』
お調子者の主人公の友人。
正体は「禁忌の罪人」を殺す為にの魂を追って、主人公の元へやって来た使者。
主人公の意識が「禁忌の罪人」に乗っ取られたら殺す使命を持ってますが空と同じく忘れています。
朔音と主人公の出会い後、記憶が戻りますが友情により殺せず…というお約束キャラ。
空ルートでは「禁忌の罪人」の反撃により重症を負いますが、
「死ぬなら自分が「禁忌の罪人」の魂を一緒に連れて行く」
といい何をどうやったか「禁忌の罪人」と主人公を引き剥がします。
そして彼は死に空ENDなのですが、空ルートではどう考えても立空が主人公です。
他ルートでは重要なポジションのはずなのに全く活躍せず。
望愛、朔音ルートでも絡むと見せかけて別にそんなことはありませんでした。
中の人の演技力は素晴らしく、本当に色々無駄遣い系キャラです。


『禁忌の罪人』
闇の番人と時の住人が交わって生まれた人らしいです、そして望愛の父親。
なぜこの2つの種族が交わるのが罪なのか、どういう種族なのか全く明かされないので、どういう人か不明です。
彼が持つ巨大な運命の力も、どうして無を望んでるのかも語られません。
望愛の母親との経緯も分からず、無を望む存在のくせに望愛を最後に父親だからという理由だけで助けたりします。
ありすルート経由の空と付き合っていた時も「前世の記憶が戻れば主人公の人格を乗っ取る契約」なのに記憶が戻ってなくても、
「このままでは不味い」
とか言いつつ力を開放して、ありすの目に悪影響とか与えます。
空と結ばれないと何事も無かったかのように存在が無くなったり…本当に分かりませんでした。



※ゲームの攻略サイト様を毎回失礼していましたが、今作は攻略サイトが見つからず…
 自分で作…る……?
 検討中です…