ひっそりと群生

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【彼と彼女と彼女の忠義】感想

【男性主人公全年齢】



2009年10月16日配信
non color』様 ※リンク先公式HP(18禁)
彼と彼女と彼女の忠義】(PC) ※リンク先ふりーむ!
以下感想です。








ねこのおんがえし。



『主人公、貫太郎の生活は困窮している。

 ある日、ネコにつまづいて、
 六畳一間に帰ってみると、
 見知らぬ人が立っていることに
 気付いた。』
(公式より引用)



non color…はとさん作品は『Dear world -the one-』『Dear world -Re.-』(※リンク先感想)に続き3作目になります。
プレイ時間は1時間ほど。
分かりやすく「猫の恩返し」の物語なのですが、「テンポ追求型実験的ノベル」とあるように、とにかくテンポ重視の物語でした。
ほぼ会話のみで進行していくのですが、掛け合いが面白く、スルスルと読めました。
殆ど一つの部屋の中で繰り広げられる物語で…まるで舞台劇のようで。
出演者二人の小さな舞台のような物語でした。



『システム、演出』
吉里吉里製。
基本は揃っていました。
ただ、タイトル画面に戻る系のボタンが無かったのでそこは少し不便でした。


『音楽』
流石のnon color様。
曲が本当に良いので音楽鑑賞モードが無いのが毎回残念です。
non colorさん初のボイス付きだったのですが演技がとても良く、テンポのいい文章を欲しいノリで読み上げて下さいました。
声優さんのボイスのテンポがあってこそだと思います。


『絵』
「Dear world」のメインの方と同じ方…かな?
立ち絵、CGどれも綺麗でした。
一回しか出ないバスタオル姿の立ち絵もですし、欲しい時に欲しいCGが付くのもですが、ラストの「足」だけで表現されるシーンが絵の上手さもですが表現として「上手いな…」と思いました。


『物語』
文章は普通のノベルゲームと違い、おそらく狙ってト書きで書かれている部分があるので上記で書いた通りまんま舞台劇の台本でした。
このノリや文章が苦手な人には合わないかと思います。
個人的に「実験的ノベル」なので有りです。
文章の可能性を追求していくタイプは凄く好みです。
物語自体はドンデン返しや衝撃の事実なども無く男女の二人の掛け合いで、それ以上でもそれ以下でもありません。
ただひたすらに二人が掛け合いをしていくタイプが好きなので読んでいて面白かったです。


『好みのポイント』
ラスト、かなり好きでした。
ああいう描き方とノリ、最高に好きです。





以下ネタバレ含めての感想です





1時間くらいでドンデン返しなどもない物語なのでネタバレの項目が必要無い気はしますが一応。
「なんとなく15才以上推奨」というのはラストで「なるほど…」と思いました。
うん、一応致してはいるんですね…
ただ、あのシーンの文章…というか主人公の心の中での本能や理性達との脳内会議はまぁよく見かけると言えば見かけますが最高に笑ってしまいました。
あぁいうノリが好きなのとエロシーンで笑わせてくるのが好きなので。
各感情達の葛藤や勢いは…本当に独特です…「Dear world」でも思いましたが個性的な間を作られる方だなと思いました。


ラストは…どうなんでしょう。
「真相はプレイヤーの中に…」みたいな感じであやふやで終わりますが…短い話なので単純に「鶴の恩返し」と同じ感じかなと思ってます。
鶴も正体がバレると鶴に戻り帰ったように、ネコも人間と禁忌を犯したから帰ったのかなと。
そんなに深く考えなくても良いかなーとは思ってます。
短いお話でしたが、挑戦的な文体と独特なノリを楽しむ事が出来ました。