ひっそりと群生

ひっそりと持ってるCDの情報やゲームの感想上げたり。購入物の記録など。気ままに。飽きっぽいので途中で止まったらご愛嬌。

【水夏 ~SUIKA~】感想

【男性向け18禁】



2001年07月27日発売
CIRCUS』※リンク先公式HP
水夏 ~SUIKA~】(PC)(18禁) ※リンク先wiki
以下ネタバレ含めての感想です。








10作に一個は名作と呼ばれている作品を挟んでプレイしないと心が死ぬと2019年は学びました。
というわけで、この感想がいつ投稿されるかは分かりませんが、2020年の70作目は「水夏」に。
…と言っても、70作目を「水夏 全年齢版」予定なので実質69作目。
プレイ時間は約12時間くらい。


水夏に関しては昔どこかで何故かアダルトアニメ版をチラリと見てて…
なので真相というか肝の部分は既におぼろげに知ってはいました。
2001年の作品なのでそこは仕方ない。
全部しっかりと見たという訳ではないので、世界観とキャラをほのかに知ってる…くらいでスタート。
ゲームは初見プレイですが、色々と懐かしい気持ちに。


まずはシステム面で言うなら7でもインストール、起動可能。
ディスクレス起動は不可。
7以降だとおそらく「d3drm.dll」が無い~とか言われるので、コチラを参照すると良いと思います。
挙動はちょっと怪しめ…起動しても起動しない時もあったので、最初に「システム設定」をすると起動しやすくなったような気が。
ゲーム画面を離れると音もなにもかも止まります、若干不便。
インストール後に「musicフォルダ」に全BGMファイルを、「GameDateファイル」に「voice.dat」ファイルを入れるとゲーム中でカタカタ止まるのを回避する事が出来ます。
インストール後のフォルダに無いと、毎回読み込みで一瞬止まるので…
四章のみウィンドウメッセージ、一~三章はフルスクリーンで文字が表示されますが、基本、システムの「シナリオ情報」はオンにしておいた方が良いです、でないと履歴が見れないので…
自分はこのシステムクリア後に気付きました(プレイ中履歴無いなとずっと思ってました(笑))。
あ、あと四章主人公のみ名前変更可能なのですが…ぶっちゃけ要らなかった気はします。


話は、夏!田舎!そして…死…という夏の田舎物の古典名作エロゲの扱いを受けている本作。
雰囲気は間違いなく素晴らしかったです、背景や文章から感じる夏がたまりませんでした。
ただの夏の明るい部分だけでなく、お彼岸とかお盆とか…そういう夏の持つ死の側面も全ての章であり、生を持つものが夏の太陽の下元気に駆け回る所から、死にゆくものが夏の絡み付く熱さを纏いながら夜の深い闇に解けていく所まで…夏を全編に渡り感じる事が出来ました。
個人的に文章の読みやすさは、
一章>四章>三章>>二章
話や雰囲気の好みは
一章>>>二章>三章>四章
主人公の好みは
一章>四章>>>三章>>>>>二章
ヒロインの好みは
三章>>一章>四章>二章
こんな感じ。
文章はクリア後に某所で確認したら、なるほど…という感じで。
自分は呉さんの方が文章読みやすいみたいです。


音楽に関しては流石のCIRCUS。
主題歌は流石に存じ上げていました、ゆらり ゆれる 夏の陽炎~♪ 「Fragment」名曲です。
BGMもどの曲もクオリティが高いのと、起用されている声優さんも全員良かったです。
ただ、wikiでは金田まひるさんとか北都南さんとか草柳順子さんとか書いてあるのに居ないので何でかな?と思っていたのですが、どうやらコチラの初代の水夏はメインヒロインのみにしか声は無く、移植版からの追加要素みたいで…
なるほど、それは仕方ないなと。
正直今は一部声優さんは変わりましたがリメイク版の「水夏A.S+ ~SUIKA~」もありますので、挙動などを考えてもそちらが良いとは思っています。


絵も、2001年にしては立ち絵もCGも崩れなく綺麗かと。
流石の七尾奈留氏&いくたたかのん氏。
男性キャラのみ他の方というのが分かりますが…まぁ学園エロゲとかだったら違和感あったかもですが、水夏の作風だとあの男性キャラの絵も有りです。


全体的に夏!を全面に描きつつ、死が必ず纏わり付くのと、各章で数々の人が「隠し事」をしている状態にあるので、雰囲気的に若干ホラーとミステリーの空気も感じました。
とにかく主人公やヒロインよりも視点が無く何を考えているか分からない周りの大人や他の人物がどことなく怖い…
ただの田舎の夏というわけではなく、そういう暗い空気や作風が独特な世界を形成していました。
ツボを突かれたか?という所ではまぁ若干苦手な部分もあったので微妙なのですが、読みやすさや世界観、雰囲気、空気などなど、とても良質な作品だったとは思います。
あと、一つの村の中で巻き起こる章区切りのオムニバス群像劇形式で、主人公が毎回変わっていたのも個人的に好みで良かったです。
選択肢によって地味だったり重要だったりする箇所で各登場キャラが影響し合うのが上手だなと思いました…こういうの最近では当たり前に多いですが、当時にしては珍しかったのでは?
同年発売の別作もでしたが、章区切り別主人公物は個人的に読みやすく大変好きです。



プレイ順は
一章→二章→三章→四章
の順で攻略
ルートは固定



『一章』
一番好きな章です。
なんだかんだ一番最初で引き込みも上手いし、ホラーとしても若干のミステリーとしても好き。
双子の内、どっちかは~というのはアダルトアニメ版(だったと思う)で知っていましたが、どっちかは覚えておらず。
なので、「どっちだ?」みたいな意味では楽しく読む事が出来ました。
助かったのは…そうか、そうかぁ…
でも、仕方ないかな、だって伊月の方は殺人未遂してますし…彼女がハッピーになってもなぁという。
最後に主人公が小夜に名前を明かさない所も…ハッピーエンドには成れない所がジクリと胸を締め付けられたり、でもそこが好きだったり。
主人公が若干クセの強いタイプで好みが分かれそうですが、個人的にどんな状況でも助けたり明るくしようとしたりしてて好きです。
そんな彼に双子は救われてたの思うので。
なんだかんだプレイ時間が一番長かった気がします。
過去を交えながら今が進んで行く構成は良いですよね…そういうの好き。
全章で唯一ヒロインと添い遂げるEDが無い所が若干自分の中で特別感があります。


『二章』
雰囲気とか絵によって死に向き合う所とかは好きなのですが…いかんせん主人公が合わなかった。
幼馴染なのに前カノが居るとはどういう事だ!!!
いや、別に良いんですよ、クソ面倒くさい幼馴染厨じゃないので居た事は。
先輩は特別だったからこそ、そういう関係に今までなって居なかったというのが良いなと思う所ではあるんですよ。
でもね、ちょっと主人公、先輩を抱いたり意識し出した辺りで前カノと比べすぎじゃない???と。
結構な頻度で「前付き合っていた女性は~」みたいな地の文が入るので見ていてイラつくというか、失礼というか…
「前カノと先輩は違う」という部分は分かるし、それが重要なのも分かるけど、誰かと誰かを比べるのって凄く失礼な事だと思ってて。
そういう所があるのに作中では告白されたりモテてたっぽい描写があったり…いや、まぁ地の文だから心の中のモノローグだから表には出して無くて、表に見せてる顔は好青年っぽいのでそういう部分でモテるのかもだけど…いやでも、そういうの気付く人は気付くからなぁ…
とにかく、「コイツがモテるの癪に障る系主人公」でどうにも合いませんでした。
でも、先輩と先輩の母を取り巻く死の世界観は好きだったり。
空気は好きです、ただ、若干展開が分かりづらいと感じた箇所が多かったです。
先輩のお父さんの死もですが、先輩が悪漢に襲われて倒れた時に主人公が助けてくれる描写が「え!?いつ来たの???」みたいな描写で…文章読んでて置いて行かれる事がありました、読み込み不足かな?でも空気で読ませる所が多かった気がするのでもう少し文章で表現してほしいなとも思いました。
先輩もまぁ…好みのキャラとは違ってて…
空気感や雰囲気は好きだったけど、主人公とヒロインが合わなかったなと思った章でした。


『三章』
好みがかなり分かれる章みたいですね、ちょっと分かる、ヒロインにクセが強い。
主人公も陽の気質は無く、精神科に通ってたりひたすら陰の気質なので、合わない人には合わないだろうなぁ。
個人的に文章も読みやすくて日常も嫌いではなかったので、自分は好きな方です。
最後の真相もミステリー調で…若干急展開ですが好み。
好みが分かれそうなヒロインのアクの強さが…自分的には最高でした、最高。
地雷女というかヤッバイ女というか…そういうヒロイン、大好き。
結局主人公は透子にも茜にも勝てなかったんだなと思うとニヤニヤします。
透子の主人公の後を歩いてるように見えて実は主導権握ってる所も、茜のお兄ちゃん大好きっ子に見えてリードを握ってそうな所も…どっちのヒロインも華麗に良い性格してて素敵です。
透子を選ぶEDも良いですが…茜を選んで主人公がフェードアウトするEDが個人的にヒットでした。
え…百合じゃん…百合じゃん…茜の願いが叶ったEDじゃん…
一章の三角関係が爽やかに見えるほどの泥沼三角関係で大変美味しかったです(と言っても一章でも普通に死人が出るから怖い…)。


『四章』
全ての纏めであり、「死」と向き合う章…に見えて基本都合よく終わったように見えて…
途中までは良かったのですが、各ED、お嬢もちとせも助かるので…なんだかなーみたいな。
助からないEDがBADなのですが、BADがあまりにもあっけないというか…
正直BADも一つのEDとして存在してる上で、BADに行ったら即フェードアウトするのではなく、細かい描写を入れて「死」を描いて欲しかったという気持ち。
なんかサクッと終わったので、え???みたいな印象でした。
こちらも二章と似てて、最後何故お嬢が助かったのかがイマイチ分からず…
いや、多分アルキメデスが犠牲になったからだとは思うのですが…いつの間にかアルキメデスが散って、お嬢も主人公もちとせも助かったような。
千夏も、お嬢の感情の一部だというのは分かるのですが、どうやってお嬢と別れたかの描写はサクッと台詞で語られるだけで終わるので、「お嬢の感情なのか!?」という驚きよりも「ふーん、お嬢の感情かぁ…」くらいに受け取ってしまい、なんか、ノるにノり切れなかった部分がありました。
BAD以外では全員綺麗に生還しますし…なんで…なんで四章はハッピーが多いのに一章は…みたいな、一章が好きだった分、その贔屓と不遇さに悲しくなりました。
ますます一章が逆に好きになったのと、四章…ご都合主義過ぎない…?みたいな気持ちに。
死神とか約束とか、あとキャラクターの性格とかは好きでしたが、他の章と比べると幸福度が高く、死生観が一番下地にある四章ならもう少しBADなEDがあればなとは思いました。
あ、でも、子供の頃の約束を果たすのと、最後のタイトル回収はとても美しいと思います…なるほど…だから水夏なのか…
(しかしお嬢と主人公…どれだけ見た目の年の差あるんでしょうね…お嬢かなりロリィだし、作中でも犯罪臭がすると言われてるのでかなり差がありそうですが………でもロリっ娘と添い遂げるの良いですね。)



好きな章と合わなかった章に綺麗に別れた感じです。
章物なのでそこは仕方ないかな…と。
でも夏の空気は間違いないです。
プレイ中7月半ばなのですが、丁度良い時期にプレイできたと思っています。
水夏はとある方のベストオブエロゲだとお聞きして…プレイできて良かったです。
次は全年齢版をプレイ予定なのですが、その方のオススメは全年齢版の方なので…移植版にどういう変更があるのか、楽しんで行こうと思います。



※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
参考攻略サイト様:愚者の館(アーカイブ) 様
http://sagaoz.net/foolmaker/
 水夏SUIKA~ ページ
http://sagaoz.net/foolmaker/game/s/suika.html