ひっそりと群生

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【いつまでも… ~神長さん家の春夏秋冬~】感想

【男性向け18禁】



2000年04月27日発売
イージーオー(解散)』※リンク先公式HP(18禁)
【いつまでも… ~神長さん家の春夏秋冬~】(PC)(18禁)
以下ネタバレ含めての感想です。








商業にも沢山触れたく、シナリオライター別に面白そうなのを追って行こうと思い購入。
今回は妹キャラに定評があるらしいおぅんごぅる(おるごぅる)さんの初単独作らしい「いつまでも… ~神長さん家の春夏秋冬~」に。
プレイ時間は約9時間30分くらい。
システム面は7でもインストール可。
ディスクレス起動は可ですが音楽再生には必要になります。
強制フルスクリーンになるので『DxWnd』などのウインドウ化出来るツールを導入推奨。


まずはシステム面ですがもう2000年のゲームなので使い勝手が良いとは絶対に言いません。
メッセージ速度は早くてとても良いです。
ですが、履歴が無いのと既読スキップが一応一周目クリア後に使用可能になるとはいえ、一度選択した事のある選択肢後しか飛ばせず、未読選択肢を選択後に一度読んだ共通に入っても次の選択肢が来るまで飛ばせません。
セーブでなんとかカットは出来ますが、後半の実の母との対面や家を出る箇所などは何度も同じシーンを読む事になり大変疲れました。
そして分岐、というかEDも凄まじく40個あります。
40個のEDで基本実の母イベントは絶対に入るので、このシーンを飛ばせず40回程見るのが苦痛で苦痛で。
その辺りだけは大変苦しみました。
この部分カット出来たら30分~1時間くらい短縮出来る気はします。
あと、攻略通りに行っても一箇所CGが埋まらなかったので、全ED回収後攻略データを失礼しました。


システム面での時代での使い勝手の悪さは確かにありましたが、しかし、それがあっても今作はかなり面白い作品だと思いました。
本作は主人公が率先して様々な出来事を解決していく。
という主人公が主体の作品というよりも、数多くの様々な人物が居て、それぞれでそれぞれの出来事が動いているタイプ。
要は主人公の預かり知らぬ所で女性キャラが大変な目にあっている構成になります。
主人公が動いてどうにかコトが起こらないように阻止する!というシーンも無くはないですが、それよりも起こってしまった事に対して主人公が上手くアフターケアをしたり出来なかったりする、というシーンが多いです。
なので、某所でジャンルにNTRが入っているように、作中の女性達はそれぞれで様々な男性と関係を持っていたり持とうとしたりします。
個人的に付き合っていない男女関ではNTRと呼ばない派なのでジャンルはNTRでは無いと思ってはいますが、NTRとあるように、まぁ主人公の知らない所でコトが動く動く。
既に魔の手に落ちてアフターケアは出来ても救う事は出来ないというヒロインが多い為、「ヒロインが他の男に触れられるのは嫌だ!!」なタイプには絶対に合わない作風になっています。
というかぶっちゃけると作中で主人公とのエロで処女でのシーンがあるのは一人だけで他は非処女です。
しかもその処女ヒロインもルートによっては非処女になるという…
個人的にはここまで非処女を出すのは最早清々しく超最高!なのですが、昨今のエロゲでは非常にウケが悪いでしょうね。
非常に00年代っぽいです、そこが好きですが。


現代ウケは確かに悪そうだと思いますが、そういう主人公が知らない所、手が届かない所で数多くの人達が自分の感情や信念があって動く部分があるからこそ出せるドラマチックさもあって。
家族で兄妹という部分が一番中心にあって、でもそれがあるからこそ越えられない壁もあって。
既にちょっと微妙に男女として存在していて、自覚があったり無自覚だったり、それぞれ綱渡りの感情でギリギリ「家族」でそのラインを越えないようにしていて。
登場人物全員には揺るぎないプライドがあって、それを守る為にどんなに身を汚そうと守るべき領域を守る姿は非常に人間臭い人達の集まりで好ましかったです。
文章も読みやすく、数々の人物のブレない芯の部分も良く、非常に好みの作風だったのですが一点だけ話で物申すなら、ちょっと展開が早いなと感じた部分がありました。
一年間の物語ですが、驚くくらい季節のイベントも何も無く、初回の一周3時間くらいで終わったのでビックリしました。
春夏秋冬とサブタイトルにありますがいつの間にか季節一巡してて。
どこで季節が変わった?となるくらいのスピーディーさでビビリました(ただ、この春夏秋冬は主人公達の名前にかけてるとも思いますが…)。
なので展開の速さには慣れるまでちょっと時間がかかりました。
その部分を抜けば非常にドラマチック…というかホームドラマ的で、あまり商業では類を見ない作品でした。


絵と音楽に関しては…うん、まぁ…
00年代の中の中くらいな感じ。
年代を考えると可もなく不可もなく。
声が無いのが時代を感じました。
エロも普通。
純愛物としてもNTR物としてもエロさは微妙かも。
ただ、展開上必要ではあります。
主人公がどちらかと言えばNTRタイプの主人公で鈍感…という程では無いですが周りで起こっている出来事が多すぎて気付かない事が多いので、鬱なタイプで挟まる事が多いのと、主人公が地味に性格面で気持ち悪さを兼ね備えているのでザマァとなる事が結構ありました。
悪い奴では無いのですが、普段の思考がちょっとアイタタタな所が多かったです。


シリアスに見えて失踪した父親方面でギャグがあったり、暗くなりそうに見えてEDによってはとんでもないギャグが入ったりと、結構不思議な作風ではありました。
テンションをどこに置いていいか分からないと感じながらもそれが不快なわけでもなく。
うーん、独特な雰囲気で進む作品だったと思います。
中々に面白い作風の作品に出会えて良かったです。



プレイ順は
春香→夏樹→冬美→涼子→渚→律子→尚志→直宏→冴子→父→母→自分→ミト→BAD→真→なぜなに神長
の順で攻略
ED数が多いので、各ヒロインの所感をそれぞれ。



『春香』
母親聖女系お姉ちゃん、に見えて実は「母親に見える」「母親を重ねられる」事にコンプレックスを持つ女性。
父親の事を親子と割り切りながらも完全に男として異性として見ているので、彼女も危うい橋に居たなぁと。
母親を重ねられるのを嫌がりながらもこの家を守る為、お金の為なら金持ち系の男と付き合ったり男に身体を開いてお金を稼いだりする辺り、「こんだけ守ってて母親を重ねないのは無理があろうかと…」とはなる。
でも、彼女が家を守るのはおそらく父親の為で、信念に基づいた色んな行動がコンプレックスに繋がるのが悲惨だなと思いました。
彼女のED2では放心するけど、男としての父親が完全に自分の手の届かない位置に行ったからだよねアレ。
主人公との関係も、父親を重ねてそうだし、あとは重ねながら男としての主人公に縋ってそうだし。
強くありながらも脆々な所が更に聖女性を増してて個人的には結構好みのお姉さんでした。


『夏樹』
唯一処女で抱けるEDがあるし、ルートの流れを見るとメインヒロインだとは思うんだけど…ぶっちゃけ苦手でした。
理不尽暴力系だからだろうなぁ。
ここまでバカスカ殴らんでも、という。
主人公への気持ちが完全に異性で恋愛感情でスタートしてる唯一のヒロイン。
主人公の恋を叶える為に涼子と付き合ってる尚志の気を引いて自分と突き合わせたり、主人公の想いの為になら何でもする子。
そういう部分は好きなんだけどなぁ、もう少し暴力が少なかったらry
尚志との行為の間に割り込まないと非処女になるという、唯一主人公の行動で運命を変えられるのでこの辺りもメインヒロインっぽいかも。
彼女とのルートでは所々で挟まる過去回想が非常に良い味を出してました。


『冬美』
四兄妹の一番下で唯一の妹。
人気無いっぽいけど個人的には好き。
というか見た目は全然好みじゃないけど、ここまで庇護欲を掻き立てる数々の描写にライターさんの妹キャラが上手いという部分に納得しました。
イジメられ、飼い犬を守る為に身を差し出してる。
他キャラもだけど本当にこのゲームは信念の為に身を差し出す女性が多いな…そういうの好きだ。
彼女に関しての話は彼女をイジメていた相手でありいつの間にか本気で惚れて告白したけれど断られ犬を楯にして関係を強要した村井が最低最悪なんだけど、面倒くさい感情持ってて大変好ましかった。
イジメ仲間には「いつかお前らにも使わせてやる」とか言っておいて本当は冬美に骨抜きにされて誰にも渡したくなくて冬美の事ずっと独り占めして抱いてんの、お前どんだけ面倒くさい奴なんだよ…と見ててニヤニヤした。
まぁ、最低最悪ではあるのですが。
庇護欲があまりにも掻き立てられるキャラ過ぎて、冬美とのエロシーンは個人的に違和感がありました。
なんだろう…エロゲとしては正しいけど、冬美はエロよりもワシャワシャ撫でてたいタイプで。
とにかく庇護欲をそそられるヒロインでした。
それ故に唯一自殺EDがあって地味に凹みました。


『涼子』
主人公の初恋の相手で想い人、なんだけど若干印象薄かったな。
どうあがいても神長家のホームドラマになるので、それ以外のキャラはまぁ、うん。
運命の相手~と言いつつぶつかって助けてくれた主人公の顔忘れて尚志と勘違いしてるし、恋に恋してた感が。
でも、彼女もまた教頭から脅され陵辱を受けているヒロインで、悲惨度で言えばかなり高い方かも。
そりゃ恋に恋もするかぁという。
彼女を救う…というかアフターケアするルートも確かにありますが、夏樹のヒロイン度が高すぎてモブで終わってしまってたような。
でも、そんな中で個人的に教頭との子供を産んで一人で育てて、逞しくなった彼女に公園で会うEDが好きでした。
強く生きてて…素直にカッコイイと思いました。


『渚』
主人公に一番最初に迫る少女。
出会った時の印象最悪な中でいきなり手コキとかされて拒否出来ないのもどうかと思うよ主人公!!
義理の兄の直宏と関係を持っていたのに直宏が春香に惚れ込んで神長兄妹を恨んでいるという、逆恨みもいいところだな。
兄と関係が絶たれた後にクラスメイトと関係を持ったり…大変ビッチで大変宜しい!!
まぁね、そういう所は好きなんだけどね。
でも涼子と同じで地味で終わってしまったのが残念。
義理だろうが実だろうが兄を好きになってた、という強い主張は好きでした。


『律子』
弟に似てるからって、理不尽過ぎるよ先生。
冬美の件も教頭なんぞに身体を開かなくてももっと上手くやれただろうとしか言えず。
全体的にやる事が後手後手に回ってた人だったなと。
うん、それくらい。
理不尽に怒られるシーンが多すぎて正直印象良くないです。


『尚志』『直宏』『冴子』
ま さ か の ホ モ!!!
最後の選択肢がプレイヤー入力型だから出来たという代物。
主人公が唐突に男への愛に目覚め走り出した時には爆笑しました。
CGは無いですがしっかりとエロシーン入って、読んでて笑い死ぬかと。
こういうの大好きだ!!
ただ、男性向けでよくやったなとは思います。
個人的には大爆笑でしたが結構描写がガチでホモなので拒否反応示す人も居そうだなと。
個人的には大好きです!!
冴子先生は…うん…フラグが立ちそうで立ちませんでしたね。
正直、前にプレイしたホモルートにかき消されてしまいました、ゴメン、冴子先生


『父』『母』
父への感謝に目覚めるルートは結構好きでした。
自分が父の代わりとして進んでいく主人公、なんか良いなと。
ただ、実の母に関しては…実の母の行動はかなり身勝手だと思うので、うーん…に。
これがメインじゃなくサブルートで良かったなと思いました。


『自分』『ミト』
この辺りは完全にギャグED。
『自分』はもっとこう…シリアスに自己愛に目覚めるかと思ったのですがまさかのギャグに。
飼い犬のミトへの愛に目覚めるのは…それはそれで良いんじゃないかな?
ミトも大事な家族だよ、うん、


『BAD』『真』『なぜなに神長』
BADは誰の事も思いつかなかったED。
真EDは、実はコレが一番腑に落ちるEDでした。
誰とも添い遂げず変わらぬまま、神長家の長男として居続ける。
「神長さん家の春夏秋冬」というサブタイトルを考えると神長家をそのまま続ける事が最もベストなEDなんじゃないかと。
ルート分岐するヒロイン物でエロゲでありながらも、現状維持が最もベストに感じる構成をしていたのが本当に類を見なくて。
だからこそ「ホームドラマ」だったと思っています。
個人的に、姉と妹、誰一人贔屓する事無く、神長家は神長家で有り続けるのが最も幸福なカタチだと。
個人的なベストEDでした。
『なぜなに神長』に関しては完全にライターさんのギャグシナリオ。
ルート分岐的な意味で攻略を作られた方が大変お怒りでございました。
まぁ…分かります。
本当に攻略お疲れ様でした、非常にお世話になりました。



彼女達の行動で起こってしまう出来事を変える事は出来ない中で、細かい所で選択肢が反映されていたと思います。
選択肢で彼女達の行動原理に触れ、上手く改善していく…という「運命を変える!」ではなく「起こってしまった出来事の後のヒロイン達の心にどう向き合うか?」を迫られる、中々に面白いお話でした。
主人公の性格は所々アレでしたが、文章自体は読みやすく、かなり良い文章だなと思いました。
初手でいい作品を引けたと思います。
次は同ライターさんで同メーカー作の「雨やどり」をプレイ予定。
雨を題材にした作品は雰囲気が良いので楽しみです。



※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
参考攻略サイト様:Undecidedness 様(現在閉鎖)
http://www.sun-inet.or.jp/~s-kudo/L_A_M/
 いつまでも… ~神長さん家の春夏秋冬~ ページ
http://www.sun-inet.or.jp/~s-kudo/L_A_M/a/itumade.html