ひっそりと群生

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【強盗、娼婦のヒモになる↑↓】感想

【男性向け18禁】



2013年06月22日発売
Loser/s』様 リンク先公式HP(18禁)
強盗、娼婦のヒモになる↑↓】(PC)(18禁) ※リンク先DLsite.com(18禁)
以下感想です。








薀蓄と心理学を交えた風俗嬢のお姉さんとの軽快な掛け合い。



『金欲しさに強盗したら、デリヘル嬢のヒモになってしまった。以上。』
(公式より引用)



プレイ時間は約2時45間分くらい。
分岐は最後に一箇所有り。
リンク先はDLsiteを貼りましたが、FANZAのみで販売の『Sessions!!~少女を監禁する事情~』には「強盗、娼婦のヒモになる↑↓」のフルセットが付いて販売されているので、サークル追いをされる方はFANZAの方をご購入が良いと思います。


主人公、椎名宗吾は特殊な実家が嫌で逃げ出した先で強盗に入る。
家の持ち主の女性を拘束するが金目の物は全く無く。
途方に暮れた時、やけに冷静な女性は提案した。
「職が見つかるまで家に住めば?」と。


ひょんな事から始まった強盗とデリヘル嬢、トラ子との共同生活。
主人公はとある事情で実家に帰れない中、料理掃除洗濯などトラ子の身の回りの世話をする事で家に置いて貰える事に。
まるでトラ子に飼われるかのように手に入れた住処。
主人公の事情も複雑で、でもデリヘル嬢のトラ子の事情も複雑で。
複雑な二人が出会い、お互いの寂しさを穴埋めするかのように気が合い。
トラ子は主人公を甘やかす事で、主人公はトラ子に甘やかされる事で満たされて行きます。


心理学に詳しい主人公、主人公の実家は何なのか。
彼は何から逃げて来たのか。
徐々に明かされていく過去、彼は過去を清算する事が出来るのか。


でも、どんな境遇でも大丈夫。
トラ子さんは拒絶する事無く、ただ聞き入れてくれます。
年上お姉さんにヨシヨシナデナデされたい!
娼婦のお姉さんにからかわれながらリードされたい!
お姉さんと呼んで飼われたい!!
そんな欲望を叶えてくれるトラ子さん。
年上スキーにはたまらない一作だと思いました。



『システム、演出』
ADV+++製。
このツールには久しぶりに触れました。
基本性能は全部有り。
ただ、履歴のみ綺麗に反映されないので困りました。


『音楽』
素材曲、ノリの良い曲を使う箇所が合っていたと思います。
独特なテンションと軽快な曲がマッチしていました。


『絵』
顔は可愛いのですが体のバランスはまぁ同人的。
ポーズは一つのみで表情は可愛いのですが、差分が少なくは感じました。
独特な色彩の塗りが非常に好みでした。
エロシーンでの男性器がDICKと書かれた棒だったのには非常に笑いました。


『物語』
瞬間瞬間でスッと入ってくる読みやすい文章ではあるのですが、テンポとノリがとにかく独特でした。
トラ子さんと主人公の掛け合いは軽快で面白いのですが、ギャグとシリアスの差が激しく。
ギャグのノリかと思わせて急にシリアスが来るのでグッピーが死にそうなほどの温度差がありました。
ギャグのノリも独特で人を選ぶと思います、ノリ切れないと置いてけぼりくらうタイプ。
個人的には独特で個性があって良かったと思います。
薀蓄ゲーとあるように、所々で入る色んなジャンルの薀蓄は読んでいて非常に興味深かったです。
あとエロシーンで上記の独特の掛け合いを入れてくるので雰囲気が盛り上がった所で笑わせられて良い意味で非常に困りました。


『好みのポイント』
トラ子さんのお姉さん&風俗嬢の余裕がたまらんです。
お姉さんキャラに手篭めにされたい、グイグイ引っ張られたい人にはたまらん作風ではないかと。
自分は二次元ではお姉さんキャラが好きなのですが、トラ子さんのお姉さんパワーに完全にやられました。
その上風俗嬢とか…好きの二乗でした。





以下ネタバレ含めての感想です





主人公の実家、鬼のように治安悪くてビビリ散らかしました。
幼少期から妹に恋を抱くように洗脳に近い教育を受けた挙げ句、クスリで妹と無理矢理関係を結ばれてしまうとか…完全に虐待の領域。
まぁ妹の咲耶の好意が常軌を逸していたので何かありそうだと思っていましたが、まさか親に無理矢理近親相姦するように洗脳されていた挙げ句、もう既に関係持ちだとは。
主人公の実家…母親の居る場所は新興宗教の家系ですが、個人的に新興宗教が絡む流れあまり好みでは無く。
わりと新興宗教絡むと完全閉鎖空間を作れる上、金銭面でも苦労なく、異質な空間をサクッと作れるのでちょっとしたズルさを感じてしまい。
最近自分の中で気付いた事なのですが、新興宗教が中心や真相に出てくる作品は苦手だなーと思うようになりました。
なのでその部分が苦手だったのと、「最終的にお母さんも可愛そうだったんだよ」みたいに過去を見せつけてくる手法がどうも合わず。
自分はどうしても子供の人権を奪う毒親を絶対に許せない倫理観をしているので、「お母さんも母親だった」みたいに締めたのには違和感を覚えました。
主人公の過去関係とそれに関しての結論や清算はどうしても納得出来かねます。


ただ、好きな部分もあって。
やっぱりトラ子さんは本当に大好きです。
どんな時でも余裕綽々に見えて主人公をグイグイと引っ張り困惑させ、それを楽しみ。
飼い主のように振る舞い可愛い可愛いと撫でてくれて。
過去、親が犯罪者になって一人になっても一人で逞しく生きていて。
でもどこか弱くて少し押すと泣きじゃくり。
風俗嬢で男性経験自体は豊富でも好きな人に抱かれた事はなく、「好きな人とは初めて」といつもの余裕は何処へやら、予想外に恥ずかしがって。
肉体関係はあってもキスは初めてで。
…どんだけ年上風俗嬢スキーの好きポイントを攻めて来るんですか!
こんなん好きに決まってますよ、好き!!
とにかくトラ子さんの一挙一動に萌え殺される、そんな最高のヒロインでした。


妹二人も、切り捨てられず実家から連れて来たのは良いことだと思います。
妹には罪は無いので。
咲耶とも妹として関係を清算したのも良し。
だからこそもう一人の妹の知流が若干薄く感じた所もありました。
妹と関係を持っていたり予想以上にエロゲ的な背景を持っている主人公だったので、分岐して妹二人のルートもあって良かったのでは?と思う部分もあったり。
トラ子さんを抜きにしたく無いので、トラ子さん含めて4Pするルートあっても良かったんじゃないかな?と思ったりしました。


お母さんも最低で最悪なお人ですが、一人の男を待つ姿と、その男の「人ではなく常軌を逸した者に惹かれる」という言葉を追いかけて実際に化け物になったりした背景はまぁ心が揺さぶられなくもない、かな?
そういう約束に縛られる所は好きです、やった事は最低ですが。


心理学ゲーと聞いていたので、心理学の部分を期待していたのですが、細かく丁寧に心理学の説明が入ってきて学問として色々知れるのかなーと思っていましたが、断片的な心理学の要素でサクッと性格判断みたいな事をして場を逃れたりするだけで学問と言うにはちょっと一方的な要素が多く。
出てくる用語や引用や逸話などがちょこちょこと間に挟まる雑学や薀蓄ゲーで終わってしまっていたのが聞いていたジャンルで盛り上がれなかった所は、うぅん…
確かにその要素も面白かったのですが、もう少しガッツリ入ってくると思っていたので盛り上げる箇所で盛り上げる為だけに使っていたのが残念でした。
最後の母親との対峙もジャンケンだしなぁ…
もう少し心理戦があるかと思っていたのでそこはちょっと期待外れ。
母親の過去を見るとジャンケンが重要だったとは思いますが、もっと母親との討論でグッと来る展開が欲しかったです。


トラ子のお姉さん力(ぢから)が強く、トラ子さんに沢山ヨシヨシされるゲーだったと思います。
年上の風俗嬢お姉さんに癒やされ、そして癒やす。
お互い道を逸れた者達だからこそ傷を舐め合える、心に入り込む事が出来る。
過去にケリを付け、傷を癒やし合う、そんな作品でした。