ひっそりと群生

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【PRAY TO SNOW】感想

【男性向け18禁】



MANYOさんの担当されたゲームをクリアしていく企画41弾。



2001年12月30日発売
『みるくかふぇ(解散)』
【PRAY TO SNOW】(PC)(18禁)
以下感想です。






古き良き時代のシンプルな同人冬エロゲ。



『幼馴染の葉弥と後輩の宇美と日常を過ごしてきた主人公、智之。
 そんな三人の元へ昔引っ越したもう一人の幼馴染、瑠奈が帰ってくる。
 瑠奈の帰郷により、四人の関係は少しずつ変化を迎えて行く。』



プレイ時間は約5時間くらい。
システム面は7でも起動可。
分岐有り。
ディスクレス起動は可能ですが音楽再生には必要になります。
7では音楽のループはしませんでした。
強制フルスクリーンになるので『DxWnd』などのウインドウ化出来るツールを導入推奨。
「PRAY TO SNOW APPEND 幸せの時間」というアペンドディスクが別売りであり、コチラを導入するとフルボイス化しますが、ウィンドウ化した際に音楽が全く鳴らなかった事と、音質や演技などの関係で導入はしませんでした。
アペンド導入で本編で増えるCGなどはありません。


OPとED曲の編曲でMANYOさんが参加をされていたので購入。
内容はまさに00年代前半のTHE・ギャルゲーという感じ。
2001年発売の商業エロゲもいくつかプレイして来ましたが、同人として2001年作の中に埋もれても違和感ないレベルの作品だったと思います。
2001年の同人で背景と音楽までオリジナルなのは凄く、どれも高品質でいくつかの同時代発売の商業エロゲは音楽、背景で敵わないのではないかな?と思います。


ただ、若干話が平坦なのが問題点かも。
物語に驚きや独自の表現力、文章力を求めると期待外れになる部分があるのでは?
2001年同人ゲームで総合力として見た場合高い水準を誇る作品ではありました。


以下、今回は同人ゲームなので同人ゲームの書き方で感想を書いていきます。



『システム、演出』
フルスクリーン固定、ウィンドウ化はゲーム内部の機能では出来ません。
メッセージ速度変更、エフェクトOnOff、サウンドエフェクトOnOff機能のみ有り。
音関係の設定は出来ないため、フルボイス化すると音とボイスの音量が反発し合うのが難点でした。
メッセージスキップは全スキップのみ有り、既読スキップ無し。
ただ、話の構成上、ほぼ共通ルートなのと所々で現在攻略キャラのイベントが少し入る作りで、キャラの物語の分岐は完全に後半のみなので、読んでない部分と読んだ部分の把握はなんとなく可能でした。


『音楽』
曲はBGMとしてどれも良かったと思います、BGMは全11曲で、2001年同人でこの曲数は破格かと。
OP曲の「Distant」とED曲の「二人」の編曲をMANYOさんが担当。
打ち込みのリズムや楽器の使い方が思いっきりMANYOさんで嬉しかったです。
ただ、サントラを購入しましたがフル版はMANYOさんが不参加という謎仕様。
フル版も担当して欲しかったです。
フルボイス化した際の声優さんは葉弥が姫羅翔子さん、瑠奈が梨本悠里さん、宇美がかもりあみさん。
全員2000年代の商業エロゲにいらっしゃった方らしいですが、自分は存じ上げませんでした。
梨本さんだけお名前をお見かけした事があるかな?くらい。
演技に関しては…正直2000年代前半という感じ。
正直、葉弥の声が音質が悪いのと滑舌の問題でギブアップしてしまいました。
他は声質はまぁ良いのですが演技方面ではちょっと厳し目。
演技に関してはどうしても現代基準で考えてしまうのと、厳しいと判断すると聞けなくなってしまうため申し訳無いです。
ただ、当時なら同人でフルボイスは凄いのと、当時基準だと上手い方だとは思います。


『絵』
背景がとにかく綺麗。
背景は2001年の他の商業よりも圧倒的な差があるのではあるのではないでしょうか。
欲しい背景は全て揃っていたと思います。
人物はこちらもまぁ2001年の絵柄。
ただ、自分がプレイした2001年のエロゲと合わせて見ると、引けは取らないと思います。
表情も多く、ポーズも多いので飽きはしませんでした。


『物語』
良く言えば穏やか、悪く言えば起伏が無い。
「起、日常、日常、結」という進みなので、物語が始まった後、全く話の導入は無いですし、事は転がらず、いつの間にか結を迎えていました。
大きな事件も無ければ、心理的に響く出来事も無く。
幼馴染の瑠奈の帰郷が発端でヒロイン達が各ルートで主人公に思いを寄せたり関係がぎこちなくなっては行きますが、心理描写が挟まらず会話も普通なまま何故か事が進んでいくのでプレイヤーとしては心情が掴めないまま置いて行かれました。
最後はノーマルでは友情のまま、ハッピーでは結ばれてエンディングを迎えますが。
「何も起こらないままいつの間にか関係が気まずくなって結ばれてたなー」という印象。
そういう穏やかな日々を描く際の独自性の高い文章や繊細な文章などがあれば良いのですが、そういう事は無く、文章は普通なのでひたすらに「普通」を見ていた感じたのと、えらく抽象的に過去や心情を語り、それが明かされる事が無いので始終モヤモヤしていた気持ち。
印象に残ってるのは彼らがずっと料理していた事と、猫、友人の和人の奇行くらい。
背景や音楽はとても良く、その部分で総合力は上がっていますが、物語だけを見た場合は正直印象薄めの話ではありました。


『好みのポイント』
MANYOさんで追っていたOPとED曲。
あとは音楽と背景で同人の歴史が垣間見えた所でしょうか。
2001年の同人作品に触れられた事は良かったです。





以下ネタバレ含めての感想です





プレイ順は
葉弥→瑠奈→宇美
の順で攻略



『南葉弥 ルート』
上記でも書いた通り、抽象的に描かれるばかりでしっかりとは描かれないのですが、なんとなく瑠奈が引っ越してから一回だけ関係があって、一度付き合って別れてるのでは?みたいな空気があり。
そういう過去が描かれないので、最後に「やっぱり葉弥先輩が好き」という結論になっても「はい…(やっぱりとは?)」みたいな空気にはなりました。
どうやらアペンドで語られるらしいので続けてプレイしますが、もし予想通り葉弥と一度関係があったのなら今作は完全に葉弥ゲーだなとは思います。


『松岡瑠奈 ルート』
帰ってきた幼馴染。
彼女が帰って来る事が発端なので、メインヒロインな気はしますが、メインヒロイン感は薄い。
むしろ、主人公と葉弥は瑠奈が居ない時間の中で築いた関係が強固に見えて、かなり不遇な感じでした。
葉弥ルートでも告白して主人公にフラれた後もキスだけして去ったり、メインに見えてピエロ感があるなぁと思いました。


『柴田宇美 ルート』
印象に残ってない。
ロリ担当なのは分かります。
彼女だけ葉弥と瑠奈の二人のルートから浮いてる感じ。
過去に何らかの事情からスレ気味だった主人公を持ち直させたような人物ですが、恋人というよりも小動物的な愛らしさがある為、ハッピーエンドよりもノーマルエンドの関係の方が好きだったりしました。



別の感想でも語ったのですが、自分は「純愛系で物語開始前に主人公と関係を持っていたヒロイン」という設定がかなり苦手だったりします。
その「関係を持ったヒロイン」が一人だけスタート位置が違いますし、特別感、スペシャリティが上がるからです。
今作、なんとなくですが葉弥だけ関係を持っていたのでは?と思われる部分が多々あり。
エロシーンでの瑠奈と宇美の破瓜描写はあるのに葉弥だけは無かったり、そういう部分に描かれていない過去が予測出来る所がありました。
スタート位置が違い、スペシャリティがある事が重要な作品なら良いのですが、今作は帰ってくる瑠奈がメインの作品なのでそれをされると…という気持ちに。
アペンドプレイしないと分からないのですが、ちょっと色々と予想してプレイしないといけないなと思いました。



※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
参考攻略サイト様:東方で紅く萌える家 様(現在閉鎖)
http://www5.plala.or.jp/moe/
 PRAY TO SNOW ページ
http://www5.plala.or.jp/moe/kouryaku/co_platy_to_snow.htm