ひっそりと群生

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【好きだ!】感想

【乙女全年齢】



2020年05月02日配信
『塩原しのぎ』様
好きだ!】(PC&ブラウザ) ※リンク先ノベルゲームコレクション
以下感想です。








漢前乙女ゲー主人公、流行れ!!!



『「男女逆転少女漫画」をコンセプトにした、平和的な乙女ゲームです。
 男子をお姫様抱っこしたり、転びかけた男子を抱きとめたり、男子をおんぶしたりできます。

■あらすじ
 あなたは高校2年生だ!もうすぐ文化祭だ!
 …それだけだ!』
(公式より引用)


プレイ時間は約1時間30分くらい。
分岐有り。
攻略は公式に有り。


主人公は同じクラスの津田、文化祭前に出会った先輩の桐島、後輩の小野寺と文化祭までの約一週間、交流を深める。
コンセプト通りまさに「男女逆転少女漫画」。
最初はイケメンっぽく登場した攻略キャラ達が主人公の上回るイケメン力にタジタジになり赤面していく姿は必見。
語らず!強く!逞しく!
ここぞという時にドンと押す!
主人公の寡黙の美と、攻略キャラ達の乙女チックな挙動を楽しめる騎士系女子×姫系男子好きにはたまらない最高の乙女ゲーでした。



『システム、演出』
ティラノ製。
基本性能有り、カスタマイズも丁寧でした。
一周すると攻略開始日の20日から始められるのでストレスはかなりフリー。
スキップも早く一日も短い為、サクサクとプレイ出来ました。


『音楽』
オシャレな曲が多く、ED後には音楽鑑賞もありとても良かったです。
「pleasant morning」「振り返らないで」が特に好きです。
告白ポイントで聞けたりEDで聞けたり、盛り上がりました。


『絵』
メイン攻略キャラの立ち絵が豊富で一箇所でしか使われない立ち絵がわんさかあり見てて飽きませんでした。
津田のインクが付いた顔、桐島先輩の体調が悪い顔、傘を指した小野寺など。
こういう細かさがある作品、とても好きです。
立ち絵のあるキャラもですが、背景もまた凄く。
背景自体は既存の素材ですが、背景に映るモブがほぼ書き下ろしという。
文化祭前らしく背景にキャラが沢山居るのが面白い上に、モブだけど背景で目立つ委員長などが印象深かったです。
そして、モブである事を上手く利用したキャラも居たり。
飽きさせない工夫が至る所にありました。


『物語』
主人公の武士のような語らなさよ。
主人公が本当に全然、全く話しません。
乙女ゲーだと結構主人公も一人のキャラクターとして性格付けされる事が多いのですが、本作は顔も表示されず無個性を貫いていて。
選択肢で一応の行動の選択は出来ますが、「どう言って行動したのか」は表記されず。
主人公の行動をプレイヤーが想像で補完する作りになっていました。
見た目の印象は無個性ではありますが、この語らない所が余計に漢前度を上げていて。
まるで武士のように、まるで岩のように。
背などは男性キャラよりも小さくとも存在感はどんな男性陣よりも大きく見えるという独自の風格を持たせていました。
いや、まぁ、背格好は小さくても所々のイベントでどの男性陣よりも筋力があるのが分かるのですが。
そういう、ここぞという時にパワーを発揮する部分も含めて非常に漢を貫いていました、格好良かったです。


『好みのポイント』
基本上記で語ったように寡黙で漢前だけど無個性寄りの主人公ですが、お母さんとの会話だけが個性たっぷりで笑いました。
分岐選択肢イベント前にお母さんとの会話があり、選択肢が出るのですが、全選択肢を見てしまいました。
全く姿が登場しないのにお母さんも漢前で、まさに「この母にしてこの娘あり」。
「ババア!!!」選択肢が好き過ぎます。
主人公もお母さんも姿が全く登場しないのにキャラが濃かったです。
コンセプトである「男女逆転少女漫画」はもう…最高で、騎士系ヒロイン×姫系男子は性癖に刺さりまくるので全てのイベントが好きでした。
もっと流行れ!寡黙で武士で漢前系ヒロイン!!





以下ネタバレ含めての感想です





好感度がかなりひょいひょい上がるので、地味に友情EDが難しかったです。
上げないように上げないように調整しました。


全員の登場シーンが床ドンから始まるの、天丼ネタ大好きなので初っ端から笑わせて頂きました。
津田、小野寺、桐島とメイン攻略キャラが3人居ますが一番謎にツボってしまったポイントは彼らの名前が作中では全く登場しない事。
ED後のオマケでしか名前が明らかになりません。
作中ずっと名字呼びだったので「名前は…?」と思っていましたが、クリア後のオマケだけで明かされた所で笑ってしまいました。
こういう「作中では全く呼ばれない本名」とかに弱いので、ひたすらに名字だけなの、好きです。


津田、小野寺、桐島。
同級生、下級生、先輩と属性が分かれている上、お姫様抱っこ、抱きとめ、おんぶ。
汚れを気にせず探しものを手伝い、壁ドン、花かんむりを逆にプレゼントとヒロイン責めで欲しい要素も振り分けられているのも最高で。
満遍なく漢ポイントを上げていく主人公が本当に格好良かったです。
桐島ルートの書道で選択出来る文字の雄々しさよ…
そして謎のアスパラ推し。
津田の告白EDでも前で自転車漕いだり、部活をやっている津田よりも筋力が高そうで。
攻略キャラVS主人公で腕相撲したら圧倒的に主人公が圧勝しそうな所が最高。
主人公絶対に毎日筋トレ欠かしてないタイプ。
最初はイケメンとして登場した男性キャラ達を尽く持ち前の逞しい言動で徐々に陥落させ、文化祭の時には乙女化させていく過程が見ていて楽しく。
短い期間のお話ですが、過程がとても丁寧な作品でした。


隠しキャラの広瀬も面白く。
声だけのモブとして登場したキャラがまさかの攻略キャラという。
そして、攻略キャラになっても顔が表示されず、モブなのを前提として攻略が進み。
「モブをモブとして攻略出来る」というタイプの作品が大好きなので滾りました。
「モブですら落とされる漢気を見よ!」という熱いメッセージと主人公の"強さ"を感じます。


最後はタイトル通り「好きだ!」と主人公が告白するというタイトル回収を見せ。
ラストのキスシーンも同じ構図で3人分のパターンがあったり(特に小野寺のネクタイを引き寄せる所に主人公の漢っぷりを再確認しました)。
EDロールでは作中で攻略キャラが言っていた「プール」「水族館」「花火」のデートをスチルで回収し。
クリア後のオマケも満載+オマケ絵で決して顔を見せない主人公のおんぶと両腕だっこという最後の最後までパワーを見せつける徹底っぷり。
「女攻め最高 風花雪月 つらい ずっと 夏休みならな」。
隅々まで行き渡った漢前系主人公の主人公責めと作者様の「女攻め」への熱いパッションを感じる一作でした。
ヒロイン×男性キャラ、騎士系女子×姫系男子、男女逆転少女漫画、女攻め。
流行れ…もっと流行れ…!!
自分の求めていた好み、性癖にドヒットの作品でした!