ひっそりと群生

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【キミのとなりで恋してる!】感想

【男性向け18禁】



2014年11月28日発売
ALcotハニカム』※リンク先公式HP(18禁)
キミのとなりで恋してる!】(PC)(18禁) ※リンク先wiki
以下ネタバレ含めての感想です。








10作に一個は名作と呼ばれている作品を挟んでプレイしないと心が死ぬと学びました。
というわけで、この感想がいつ投稿されるかは分かりませんが、2021年の90作目、そして、おぅんごぅる(おるごぅる)さんの単独作に触れるのは8作目、「キミのとなりで恋してる!」に。
プレイ時間は、約11時間30分くらい。
システム面は7でもインストール可。
ディスクレス起動可。


おぅんごぅる(おるごぅる)さん×ALcotハニカム(シトラス)作は『死神の接吻は別離の味』『リアル妹がいる大泉くんのばあい』(※リンク先感想)と続き3作目、ALcotハニカム作は「キッキングホース★ラプソディ」が間に入り4作目のプレイ。
元々おるごぅるさんの文章はイージーオー時代から面白かったのですが、ウィンドウメッセージ向きというよりも全画面向けの小説的な文章だったのに対し、「死神の接吻は別離の味」辺りから一気にウィンドウメッセージでの表記を意識した短い文章でサクサクと読める文体になり。
「リアル妹がいる大泉くんのばあい」で読みやすさが洗練されていましたが、「キミのとなりで恋してる!」で更に読みやすさと同時に話の区切りも細かくノベルゲームとして読みやすいものになっていました。
サクサクと小気味良く進むのに加えて全てのシーンがサビで無駄なシーンが無く。
視点が切り替わったり主人公が居ないシーンではメッセージウィンドウ色なども変わり分かりやすくUIも完璧で。
飽きる要素が全く無かったです
11時間30分、ダレる事無く常に楽しむ事が出来ました。


文章の上手さと話の面白さもですが今作は何よりもヒロインが良すぎて。
ビジュアルは萌え…等身低く可愛めの絵の方面なので当然のように可愛いし性格も素直に良い子達なのですが、そういう所よりも本作のヒロインは言葉にするなら全員「イイ女」でした。
大人しい性格ではありますが芯は強く儚いけれど弱くはないなぎさ、常に明るくどんな状況でもグイグイと引っ張り元気な友人の立場を崩さない莉奈、努力家で見た目の美しさもあるけれど生き方も美しい涼香。
攻略出来る3人のヒロインが恐ろしいくらいに「イイ女」なんですよ。
全員が本当に魅力的、彼女達は性別関係なく魅力的に映るのではないでしょうか?
だからこそ3人の中から一人を選ばざるを得ない状況が辛くて辛くて。
こんな「イイ女」達がルート分岐後に親密になるのではなく、ルート分岐前から主人公に惚れている為、選ぶのが本当に苦痛で。
三角関係物とか胃に穴を開けてくる事を前提としているような作風ではなく純粋な恋愛ゲーで「ヒロインを選択する」という行為にこんなに辛く感じたのは久し振りな気がします。
皆「イイ女」過ぎて全員を選べない事がとてももどかしかったです。
主人公も良主人公で所々の行動に格好良いと感じる所が多々有り、同時に主人公の性格からハーレムを築くタイプでは無い事も伝わる為、「全員娶れ!」とも言えず、そこもまたもどかしくありつつも一途な主人公でブレない誠実さに評価は高かったです。
お婆ちゃん命令でキスをしなければならない状況になった時、「自分を心配して嫁候補になっている」ヒロインに対して誠実に、でも落胆させないように頬にだけはキスする主人公がめちゃくちゃに良かったです。
急に唇を奪いに来る少女漫画や乙女ゲーの野郎共は見習おうな。


今作はシナリオがおるごぅるさんではありますが、構成は「しにきす」「大泉くん」の2人のヒロインを攻略後に最終ヒロインを攻略出来るようになる構成とは異なり、別ライターさんの作品ではありますが「キッキン」と同じ構成でした。
メインヒロインのルート大きな軸があり、そこから途中で選択肢により他ヒロインに分岐するという物、一種の章構成型。
なぎさが軸にあり、一章は涼香、二章は莉奈、一章二章で分岐をしなかったらなぎさへ直行というような構成。
この構成の為、EDで歌が流れるのはなぎさのみで、大筋を見ると超なぎさゲーでした。
ですが、今作は上記で語ったようになぎさ以外のヒロイン2人も超絶に魅力的で「イイ女」なのが魅力的ではありますが非常にネックで。
「キッキン」は軸になるヒロインがのばらで、そののばらが強いヒロイン力を発揮しており、他ヒロインを圧倒していた所があるので「まぁこの子が最終ヒロインで超メインヒロインなのも納得かな」と思わせる要素が強く、そういう分岐方法なので「やっぱりのばらに落ち着くよねー」となったのですが、今作は全員が華麗に魅力的なので「なぎさが最終ヒロインなのは分かる、分かるけど、じゃあ涼香は…莉奈は…」となってしまう所が良い所でもあり悪い所でもあったと思います。
魅力的なのは大変良い事、でもこれだけの魅力を詰め込まれると章構成型では無く並列分岐型の流れで全員平等のEDにならないと辛い…みたいなそんなジレンマ。
そんな全員良過ぎるが故のジレンマが起こっていました、これは難しい。


ヒロインの魅力が凄まじい作品ですが、サブキャラも負けじと良く。
主人公の嫁探しの発端となるお婆ちゃんや、常に主人公の乳首を狙うナルシストの妹、女嫌いで主人公の陸上の才能に心酔している友人。
誰もが濃い、濃くて最高。
お婆ちゃんは主人公の両親関係があって縁談など色々と物申して来ますがただの迷惑婆さんになっておらず、我が強いけれど嫌味では無く過去の話を聞いていくとお婆ちゃんの考えも分かるような描かれ方がされ。
友人もおるごぅるさんお得意のホモネタがあり、所々で「アッーーー!!」な雰囲気っぽく描かれ笑わせて頂きましたが根底には「主人公が楽しんで走っている姿好きで一緒に走りたい」を一貫しておりホモっぽくは描かれつつもブロマンス止まりなのも分かる為とても爽やかで。
そして何よりも妹、妹の恵ですね。
自分がプレイした作品内でおるごぅるさん作品の中の妹キャラで初の非攻略キャラだったと思います。
最初は「おるごぅるさんの妹が攻略出来ない…だと…」と驚きましたが、進んでいく内に恵のノリを見て「あ、このノリはサブキャラじゃないと確かに無理だ」と思える程にギャグ特化型というか、サブキャラで攻略出来ないキャラだからこそ醸し出せるギャグの空気を纏っていて、進めば進むほどに攻略対象外なのに納得して行きました。
イージーオー時代での「いつまでも」や「雨やどり」でもだったのですが、「「うち妹」よりもおるごぅるさんは妹をサブや脇役に添えた方が印象に残る良いキャラを描くなぁ」と思っていたり「「大泉くん」で妹メインの話は書かれたし、前回で燃焼されて今回は落ち着かれたのかも」と思っていました、思っていたのですが…が…
クリア後のエクストラのサイドストーリーでやられました、やられましたね。
今作タイトル「キミのとなりで恋してる!」という言葉は全ヒロインのどこかの要素に掛かっている言葉なのですが、まさかサイドストーリーで恵も主人公への想いを自覚し、妹にも掛かっていると思わず。
サイドストーリーを最後まで読んで、なぎさルート後の中、他のヒロインとは違う「キミのとなりで(決して叶わない)恋してる」という作りになっており「やられた」と頭を抱えました。
他ヒロインがどんな立ち位置であれ「キミのとなりで(ようやく叶った)恋してる」のに対して恵は「叶わない」んだなぁと。
「となりで恋してる」「となりで見続ける恋」は恵なんですね。
これは非攻略キャラじゃないと出来ない作りでした。
「おるごぅるさんの妹キャラ、今回は攻略できないんだ」と軽く思った奴誰だよ…自分だよ。
攻略出来ない事がここまで重い要素に繋がって来るとは思わず。
最後の最後で「自分の妹萌えを見ろーーー!!!!」というおるごぅるさんの本気のパッションを味わいました。
正直、恵のサイドストーリーまでは「面白いけど要素的には「キッキン」にはそんなに敵わないかなぁ…「キッキン」は出穂さんのラストが凄かったしなー」と思っていましたが、サイドストーリー後に一気に同位置に来ました。
ラストで別の角度から主題を見せて来たり実は別に主人公が居た、みたいな展開を見せて来るのが大好きなので大いにやられました。
サイドストーリー後にタイトル画面も変わり、真の意味になりますし。
恵は主人公が陸上選手を辞める発端になった人物であり、そして狂言回しだったのだと強く思いました。
最後の最後ででやられました、最高でした。


絵はもとみやさんの絵柄は初めて触れました。
HOOKとかで書かれていた方みたいです。
絵柄は分かりやすく等身低い可愛い系で好みかと言われると普通ですが、女の子の髪がそれなりに長く、髪型にバリエーションがあるのも大変好きなのと、お尻から太もものラインがとても良いなと思いました。
「陸上」というのが結構メインに入っている話で女の子の足のラインが良い絵柄は作風に合っていて良きです。
足から健康美を感じました。
あと、純愛で可愛い系統の絵柄でありながらも主人公が性豪でレイプ目が多いという。
レイプ目は当然黒パケに多い表現なのですが、純愛エロ×レイプ目が好きな層も絶対に居ると思っていて。
そういう若干コアな物が好きな層に突き刺さる表現だったと思います。
自分も純愛エロでのレイプ目が大好きなので、今作で拝めるとは思っておらず。
予想外の供給で大変嬉しかったです。
逆に今作で純愛エロのレイプ目に目覚める人も居ると思っていて、ようこそ、新しい性癖の世界へ…という気持ちでした。


音楽はALcot系列なので流石。
BGM担当のproject lightsさんは同人で良くお見かけしていましたがそっと静かに良い曲が多いです。
最終タイトル曲の「はじまりの唄」も良いのですが、「追いかけて 追いついて」「契り」はピアノ曲好きとしてビビッと来ました。
OPとEDは茶太さん。
曲としては個人的には普通の曲、シンプルに良いエロゲソング。
ですが、久し振りに茶太さんの歌声を聞きましたがやっぱり最高の歌声だなーと。
柔らかくフニャっとなる声質で最高です。
声はALcotなので安定。
なぎざ役の歩さんは自分が聞くのは3作目。
「家の彼女」でサブで妹役と同人ゲーム「ハグとも!」でメインヒロインでお聞きしました。
しかし、今回含めそのどれも違う演技で驚き。
他2作はヒロインが明るい系だったので結構ハキハキと話すタイプでしたが、なぎさはおどおどした性格で。
細々と自信なさげに話す話し方が上手く、演技達者な方だなぁと。
あとはあまりにもなぎさの声の出し方、ウィスパーボイスな声が好みで好みで。
ウィスパーボイス大好きなのであの話し方はたまらなかったです。
莉奈役の秋野さんは初聞きでしたが、良いですね、とても好きです。
キャラの声の出し方だとは思いますが、あの鼻にかかったような出し方が最高。
所々で主人公達の声色を真似るシーンで少年っぽい声に切り替わりますが、女性声優の少年声スキーなので一瞬の少年声にドキッとしました。
高い声も出せる方だとは思いますが、少年声も出せそうなお方で。
こちらも幅が広い方だなぁと、お名前だけは数々の作品でお見かけしていたので出演量に納得しました。
涼香役の香山さんも品があるお声で好きです。
ただ、上記2名の方が声質的にかなり好みだったので、自分の中では普通な印象。
他作での役も聞かないと判断出来ないのですが、個人的に品があるけれどあと一歩更に品が欲しいとなった声質でした。
演技はお上手だったのでそこは問題無しです。
サブキャラは勝彦役の古河さんが格好良い声だなとは思いました。
THE・絵に書いた(?)ようなイケボ。
お名前だけはお見かけしていましたが、なるほど、このお声は間違いなく格好良いです。
BLや乙女ゲーでもメインでいらっしゃるのが納得。
所々のシリアスっぽくなった演技も良く、とても聞きやすかったです。
今回お名前を沢山お見かけしていた方の声を初聞きする事が出来て良かったです。


エロは純愛にしてはエロいと思われ…というかおるごぅるさんの性癖がダダ漏れているのが最高。
初っ端から色気の無い妹とのお風呂で始まり当然のように童貞主人公。
その上で3人のヒロイン全員に童貞をイジられるシチュ有り。
いや、もう分かってます、おるごぅるさんが童貞を馬鹿にされたりイジられるシチュが好きなのは。
「いつまでも」からでしたし、絶対に性癖だと確信しています。
そういう性癖をダダ漏れにしつつも、主人公は性豪で一回のエロに付き2発3発は当たり前でヒロインを抱き潰して行くのもエロく。
童貞時にはイジられる系のMさがありつつ、エロが始まるとS寄りになるという。
8作単独作に触れてきて「これが氏の性癖か…」と深く納得しました。
主人公童貞率9割(「雨やどり」だけ非童貞描写も童貞描写も無く判別が難しいので9割に)。
自分も初体験同士大好き厨で童貞厨なのでおるごぅるさんのエロには圧倒的信頼を寄せています。
そういう性癖の被りもですが、こういう性癖がダダ漏れになってるのが見て分かる熱いパッションの表現大好きなので、読んでてエロさとエロに対する矜持を感じ、どのエロも大変楽しめました。
純愛のエロはさほどエロいと感じないのですが、ここまで性癖を見せ付けられると「参りました」ですね。
おるごぅるさんのエロ表現、やっぱり好きです。


話、キャラ、エロ、タイトル回収、全てが神がかっており、噂に違わぬ出来でした。
名作の方に入っていたり、あまり賞は意識していないのですが賞を取る作品は合う合わないはありながらも上質であるとは思っているので、「萌えゲーアワード」で受賞したのも納得しています。
ただ、全てが高水準の中ででも気になる箇所は有り。
一つは下記の個別ルート感想で書きますが、莉奈の扱いがあまり良くないと思った所。
そしてもう一つは勝彦の女嫌いの原因の一端になった「クソ男に逆らえず妊娠してしまった女子」のエピソードがあまりにも重いと感じた所です。
勝彦の女嫌い、正直父と母の件を見ると「愛人であった母を捨て、自分だけを引き取った父が嫌いなのは分かるけど、むしろその場合は母の方に肩入れする為、女嫌いよりも男嫌いにならないか?」と思い不思議だったのですが、女子の一件を見て「あーなるほど、こういう「自己主張の弱い不幸体質の女性」に母を重ねてしまい、そういう女性に惹かれてこの女子が居なくなり一度辛い目を見てるので「女は面倒臭い」と言って関わるのを避けているのか」と、母を想いながらも母の自己主張の弱さに対してもどこか憤りを感じているのが「女嫌い」になっている所もあるんだなーと納得しつつ。
でも、女子の一件で「クソ男の子供を妊娠→子供は子供を育てられないから堕胎」の流れを組み込みながらも主人公とヒロインはバンバン中出しセックスかますので「お、おいおい大丈夫か???」みたいな妙なリアルが生まれたというか。
「子供が子供を育てられないから堕ろせ」という勝彦の凄く真っ当な意見がある中で、主人公とヒロインは危機感ゼロなので現実を受け取ればいいのかフィクションを受け取れば良いのかを悩むというような作品内での距離感を感じました。
主人公とヒロインのエロはエロゲーである以上間違いではないと思っているので、勝彦と女子の一件、もう少し「クソ男の暴力」までで止めておいて、何もこんなに重くしなくても…と。
あと勝彦が良い奴なので自己主張が弱いとは言いつつも自己管理が出来ず孕むような女子とフラグが立つのは嫌だともなりました。
まぁ母の面影を追っていると言われたらそこまでですが、勝彦には「イイ女」が側に居て欲しいとも願ってしまいます。



プレイ順は
涼香→莉奈→なぎさ
の順で攻略
攻略サイト様ではなぎさからの攻略ですが、構成的になぎさがラストが良いだろうと思いラストにしました。



『知花涼香 ルート』
一目惚れの恋。
今作は「陸上」が下地にあって、「主人公が楽しそうに走る姿を見て一目惚れした」という一目惚れの土台作りは上手かったと思います。
やっぱり単に容姿だけで一目惚れよりも、そういう努力や才能を見て惚れるというのは非常に強い惚れの土台になると思うので、「主人公に走りでのパートナーになってほしい!」から始まる別の要素からのアプローチは良いなぁと。
3人の中で唯一幼馴染ではない所からのスタートからか、容姿関係でおそらく突出して美人で、エロ方面でも優遇されていたと思います。
主人公のファーストキスも奪って行きますし。
エロシーンは基本回想で一人3回ですが、涼香は一緒にお風呂に入るシーンで射精しまくるという、本番は無いですがエロ方面でのイチャラブのシーンが多かったり。
あとは名器で挿入後直ぐにイッたりなど、関係性が薄い分エロで詰めてきたなと。
ただ、個人的に3人の中では正直一番そんなに…なキャラ。
いや、勿論「イイ女」で間違いはないのですが、ちょっと幼馴染の莉奈となぎさが強過ぎました。
構成的に「キッキン」では聖のポジにあたるかと。
そういう意味では「キッキン」での聖の分岐箇所は志乃の次、二章目分岐だったのは上手かったなぁと思います。
エロで詰めてきた分、エロではかなり優遇。
だからその分、莉奈が不憫に感じたりもして…それは下記で語ります。
彼女の「キミのとなりで恋してる」は「今まで隣に居なかったキミとこれからは隣に並び合う」という意味が込められていそうです。


『小松莉奈 ルート』
友人からの恋。
正直一番好きなキャラです。
友達を優先して、自分はニコニコ笑って、友人の位置を崩さずに居てくれて、バランスを取ってくれて。
莉奈どんだけ良い子なんだよ!!と作中何度も思いました。
だからこそ、個人的に莉奈の扱いに納得出来て無くて…
なぎさは話の根幹が関わって来るので超絶メインヒロインで大優遇なのですが、涼香も唯一幼馴染では無く途中から入るヒロインで一歩遅れているように見えるヒロインではありますがその分エロ方面で大優遇されていて。
でも、莉奈だけは話的にもエロ的にもあまり優遇されていなかったように見えたというか。
「友人から始まる恋」なのでそういう色気の無さや友人の空気のままで恋人になるのが重要だとは思いますが、結構主人公からの扱いが雑に感じた所があり。
勿論、人間の心理的に雑に出来る=気を抜いているという構図にもなるのでそういう雑さもまた魅力なのは分かります。
分かるのですが、涼香となぎさは恋人としてラブラブになったのに対し莉奈はどんなシーンも男友達のようなノリのまま進んだので、莉奈ルートの始まりが「莉奈が他の男と付き合っていると勘違いし自分の気持ちに気付く」という所からスタートにしては主人公、莉奈への対応変わんねぇなぁ…とかなり残念になりました。
始まりが始まりなのでもっとベタ惚れして欲しかったというか、ヒロインの中で唯一友人のノリのまま進むのが特別感がありつつもやっぱりもっと主人公が莉奈にデレて欲しかったです。
これは莉奈が超絶に好きな性格をしていてとても好きなキャラで贔屓目に見てしまう所があるからだとも思いますが、莉奈こんなに可愛いんだからもっとデレないと本当に他の男に盗られるぞ!!と何度も思いました。
主人公良い奴なんですが、莉奈への雑な扱いだけが不満点です…もっとデレろ、デレてくれ…
あ、でもエロシーンでの純愛レイプ目と莉奈が気絶するまで抱き潰す流れは非常にエロいと思いました。
純愛レイプ目、今作で目覚めた人が沢山居ると嬉しいです。
とにかく、なぎさがメインルートと分かっていても、莉奈が自分好みの「イイ女」過ぎてルート分岐箇所で選ぶのに苦労しました。
あと、勘違いイベントの小松君ネタはめちゃくちゃ面白かったです、小松君イケボしてんなぁ、末永くお幸せに。
彼女の「キミのとなりで恋してる」は「今までもこれからも隣にはキミが居て、ずっとキミのとなりで恋してる」という意味が込められていそうです。


『星野なぎさ ルート』
長年の恋。
EDに唯一の歌有りでED後にタイトル画面が変わるので超メインルート。
昔彼女との仲をからかわれ「彼女じゃない」と言った事で起こった仲違いが一つの起点なので、まぁメインルートでメインヒロインにはなります。
話の作りとかはやっぱりメインらしく綺麗で、最後に昔と同じ状況になり今度は「付き合っている」とちゃんと言う事が出来、過去を払拭出来たシーンは対比として上手かったです。
お婆ちゃんとの話も不安を抱かせつつも全くネガティブ要素無く綺麗に纏まり、陸上を辞めた理由の恵とも話し合いケジメを付け、陸上に戻ってくるので、まさに大団円で終わります。
だからこそ、優遇されてるなーとも思ったり。
こういう構成なので最終章ヒロインが軸になるのは分かりますが…他ヒロイン(特に個人的に莉奈)があまりにも魅力的過ぎたなと。
今まで歩いていた主人公の後ろから離れ今度は隣に並び「キミのとなりで恋してる」と回収したのは上手かったです。
まぁ、このタイトル回収は上記で語ったようにおるごぅるさんの熱い妹萌えにより妹が全部掻っ攫って行ったような気がしなくもないですが、本題での回収はなぎさだと思っています。
でも、全ED見るとなぎさと結ばれるのが確かに正史ではありそうですが、他ヒロインルートに行った時のなぎさの強情さや強さも好きで。
そういう一人で走り続ける「強さ」は他ヒロインルートに行った際にしか見せない為、他ルート時のなぎさが好きだったりします。
長年後ろで恋してた少女、最終章でしか結ばれない少女ではあるので、恋が成就して欲しいとも思いますが、彼女の選ばれない事で見せる「強さ」も好きな為、他ルートでの彼女もまた捨てがたいです。



今作は正直章構成として見た場合、前作の「キッキン」の方が上手かったなーと思う部分があったり。
あと「キッキン」では主人公とヒロインの関係だけでなく、ヒロインとヒロイン同士もクソデカ感情を抱えていて概念百合になっていた所が好きで。
そういう概念百合の要素があったので主人公とのばらが結ばれても選ばれなかったヒロイン達もそれぞれで仲良く百合百合しそうだなーという安心感がありましたが、今作はそういう要素は無い為、主人公に選ばれなかったヒロインが選ばれなかったまま終わるように感じた所は見ていて辛かったです、「選ばれなかった彼女は…」みたいな気持ちになるんですよね、「イイ女」なので特に。
その分、「陸上」というものが来て、選ばれなかったヒロインは「陸上」に向かい自己を高めていく…という流れにはなるので、まぁ別の「強さ」を手に入れた姿は良かったのですが、ただ莉奈だけは「陸上」とはさほど関係無いので、全員に満遍なく選ばれなかった後に熱中できる物を用意するか、もう少し概念百合の要素が入っても良かったのにとは思いました。


ただ、やっぱり恵のサイドストーリーで一気に「キッキン」と並んだ所があるので、作者の熱量というか性癖というかパッションは大事だなと強く思いました。
ラスト、あの妹萌えを見た瞬間に「この熱量はヤバい…」と素直に思ったので、作者の性癖ダダ漏れがやっぱり好きみたいです。


次回ライター様追いは「キミのとなりで恋してる! ~The respective happiness~」を予定。
今作のFDになります。
ALcotハニカム現在での唯一のFD。
確かに「しにきす」「大泉くん」「キッキン」はもうあれで完結!なのでFDは難しいような作りで。
そういう意味で言うなら今作はかなり後日談が書きやすそうな作品だったなーと。
今作の出来が良く、ヒロイン全員「イイ女」でサブ含めてナイスキャラが多かったのでFDも楽しんで行こうと思います。



※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
参考攻略サイト様:誠也の部屋 様
https://seiya-saiga.com/
 キミのとなりで恋してる! ページ
https://seiya-saiga.com/game/alcot/tonakoi.html