ひっそりと群生

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【イモウト及第点】感想

【男性視点全年齢】



2016年08月19日配信
さつき晴れ』様 ※リンク先公式HP
イモウト及第点】(PC) ※リンク先ふりーむ!
以下感想です。








我が人生、二人の妹の為に有り!



『成績優秀で品行方正、人当たりもいいと評判の妹・七瀬が自慢の隼人。
 しかし、隼人は七瀬が自分に対して明らかに距離を置いており、兄妹間でギクシャクしていることに悩んでいた。
 昔のように普通に話せる関係に戻りたいと、もう一人の妹・茉里奈の協力のもと、隼人は七瀬と仲直りするために奮闘する――。』
(公式より引用)


プレイ時間は約40分くらい。
分岐無し。


いつの間にか妹の七瀬とギクシャクした関係になってしまった主人公。
もう一人の妹、茉里奈に協力してもらい七瀬と再び昔のように仲良くなりたいと頑張ります。
近付いて、近付いたかと思ったらまた離れて、でもめげずに七瀬と向き合って。
何度もから回ったりしてしまいますが、妹と仲良くなりたい気持ちと妹への愛は本物で。
七瀬との問題に向き合う内に過去、幼少期の出来事が思い出されて…


果たして兄は妹の本心に気付く事が出来るのか!
一生懸命に奮闘する兄の妹愛と三人の兄妹愛が感じ取れるお話でした。



『システム、演出』
YU-RIS製。
細かい所まで設定出来、欲しい機能は全て揃っていました。
話もサクサクと進み使いやすかったです。


『音楽』
素材曲。
ほのぼのとした日々での選曲もですが、主人公が七瀬に良い所を見せたい!と思った際に流れる曲が疾走感があり、場面場面で合った選曲がされていて良かったです。


『絵』
七瀬と茉里奈、二人の妹にのみ立ち絵が有り。
立ち絵の表情が豊かだったのと、重要な場面でCGが挟まったりギャグシーンではミニキャラがチマチマと動いたり、絵でも楽しく元気な兄妹仲を見る事が出来ました。
現在の立ち絵だけでなく後半に少ししか出ない幼少期の立ち絵もある所にこだわりも感じました。
少しだけ関係が回復した際の七瀬の微妙な笑顔が本当に微妙で好きです。


『物語』
妹との関係の為に一生懸命頑張る兄の姿の良さや、妹との距離が出来た原因などがしっかりと有り、起承転結綺麗でした。
関係修復を手伝ってくれるもう一人の妹、茉里奈もただのサブキャラになる事無くちゃんとスポットライトが辺り、満遍なく3兄妹の兄妹仲が描かれていて良かったです。


『好みのポイント』
こういう恋愛ではなく情愛で進む兄妹物が好きなので、妹の為に頑張る兄の行動を見ていてニヤニヤしました。
色々と空回り逆に迷惑をかける事も多かったですが、「妹と仲直りしたい」という熱い気持ちは伝わり、見ていて清々しかったです。
作者様のサイトを見ても思うのですが、作者様の兄妹愛、兄妹萌えが強く感じられて。
コンパクトな作品でしたが、作者様の「兄妹が好き!兄妹の関係性が好き!!」というのが感じ取れて、熱量を感じた一作でした。





以下ネタバレ含めての感想です





優等生敬語妹、七瀬が可愛い!
一生懸命手伝ってくれる末妹、茉里奈が可愛い!!
妹は妹であるだけで可愛い!!!
つまりはそういう一作。


ギクシャクしていた理由に過去が関係する所が幼馴染物や妹物だからこそ出来る特有の「強さ」があり、過去の積み重ねで主人公と七瀬の今があるんだなーという事を感じ取れて。
そしてその過去にもしっかり茉里奈も居て。
3兄妹の真ん中だからこその微妙な位置での七瀬の疎外感などが丁寧に描かれ。
その疎外感から来る悲しみを満たしてくれて居たのが昔は七瀬よりも優秀だった兄で、その兄に「頑張った」と認められたくて今まで頑張って来たという。
兄から貰える「花丸」を「頑張った証」を、「頑張ったら花丸をあげる」、そんな何気ない約束を今でも覚えているという。
その約束を兄が忘れていても尚、頑張り続けていて。
そんな七瀬との儚い約束を思い出し、七瀬にしっかりと向き合って仲直りをする。
兄妹物の凄く綺麗な流れが整っていました。
最後の「頑張ってなくても、ダメでも、妹なんだからそれだけで良いし、妹と笑いあって楽しく過ごしたい」こそが兄妹の姿で。
まさに兄妹愛!で、情愛を感じとても良かったです。


茉里奈もまた「妹」として省かれる事は無く。
主人公と七瀬のギクシャクした理由を知っては居て、関係修復の手伝いはしたけれど「本人が自力で思い出さないと意味が無い」と真実を伝える事はしなかった事を少しだけ後悔していて。
茉里奈もまた板挟みに合いながらも「頑張って」いて。
そんな頑張っていた茉里奈に、ちゃんとラスト主人公と七瀬から「今まで有難う」の言葉がかけられた所にサークル様の「妹を無碍にはしないから!妹はすべからく幸せになるべき!!」という強い「意志」を感じ、全員がしっかりと報われるラストはとても爽やかで嬉しかったです。
今作のメインヒロインは七瀬ですが、タイトルが「イモウト及第点」である以上、茉里奈もまたヒロインだと思っています。


勉強が出来なくても、頑張っていなくても、そういうので仲が悪くなるより兄妹は明るく笑って過ごした方が良い。
所々から作者様の妹愛を感じる一作でした。