ひっそりと群生

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【サルテ】感想

【男性向け18禁】



2020年01月31日発売
Soiree』※リンク先公式HP(18禁)
サルテ】(PC)(18禁) ※リンク先FANZA(18禁)
以下ネタバレ含めての感想です。








おぅんごぅる(おるごぅる)さんの単独作…ではありませんが、おるごぅるさん作品に触れるのは10作目、「サルテ」に。
プレイ時間は、約3時間45分くらい。
システム面は7でもインストール可。
DL販売のみ。


スミレの姉妹会社であるSoireeの処女作。
おるごぅるさんとななみななさん、2人のライターさんの作品ですが、片側であるななみななさんが某所の情報では本作しかライターを担当されていらっしゃらなかった+本作の見た目の作風が好みだったため、おるごぅるさん追い2021年の〆にさせて頂きました。
内容は国の力量を決めるほど劇が重要視された架空の国の話。
サルテは王女であり劇団の一員として主演女優を勤めるが、最後の舞台が迫ったある日、他国から侵略を受けてしまう。
サルテは囚われ敵国の兵士からの凌辱に合い命を落とした…はずだった。
が、目を覚ますとそこは舞台の上で、クルーンと名乗る道化師から「ここは死と生の狭間の世界である」と告げられる。
サルテが生き返る方法は一つ、クルーンの描いたサルテが囚われ凌辱されてから死ぬまでの脚本を演じ、サルテの死の原因を突き止める事。
一度死んだ事で死の原因を覚えておらず記憶が曖昧のサルテは生き返る為、そして行き帰り最後の劇の舞台に立つ為に自分の死を追体験する。
という物語。
物語的には女性主人公物の謎追い系になります。
おるごぅるさんの作品は自分の今までのプレイした作品の中で女性主人公物は初めてだった為、とても新鮮でした。
情報を見る限り女性主人公物はあまり無いのでは?
複数ライター作品ですが同人作品の「魔法少女マジカル☆ドルチェ」は変身ヒロイン系らしいので女性主人公物かも…未プレイなので未確認ですが。
謎追い系も初めてで、更に凌辱物もプレイは初めてだった為、色々と新しい要素での氏の作品を見る事が出来ました。
今までNTRはあったけどガッツリ凌辱は無かったんですよね、とは言っても「いつまでも…」とか「雨やどり」の最初の方の作品でのNTRルートがかなり強めのダークさがあり、本質的にはコチラを書く事もお上手だと知っている為、胸クソ展開を上手く書ける方だとは信じてはいましたし、実際に胸クソ展開は胸を掻きむしりたくなるくらいに胸クソだったので安心しました。
根本的な世界観や話の流れ、「やりたかった事」などはななみななさんが企画、原案、演出など殆どの重要部分を担当されていらっしゃるので、毛色はななみななさん色が強い作品なんだろうなぁと思うのと、自分が文章でライターを判断出来るほどに文を読めるタイプでは無い為、「この文章はコッチ!」などは言えないのですが、一部のシーンで「もしかして…」となる場面があったりはしました。


話自体は結構真相が分かりやすい部分もあり、分岐しますがBAD分岐のみで基本は一本道。
BADではクルーンの求めていない、本来の死に方ではない分岐が多々ありエッグい死に際を見せ付けてくれるためBAD分岐判定はありますが一種の死にゲーになっていました。
アイアンメイデンや苦悩の梨など中世の拷問器具が出て来て悲惨なBADを迎えて専用のCGがあるので拷問器具スキーには見応えがあるかと。
そういうBADを回避しながらサルテの本来の死の瞬間まで辿り着きEDロールが流れて生還…と見せかけて「終わらねぇから」となったのは良かったです。
作中でいくつか違和感があるシーンが出て、序盤の方で「いや、これはもう一人居る…」というのが示唆されて居たので、ちゃんとそこも回収されました。
本番はその違和感があった部分の謎の開示からですね。
ネタバレすると言っているので言ってしまうと、サルテは本当は王女ではなく、サロメという本当の王女の影武者だったというお話。
サルテの人生は孤児から始まり王女と顔がそっくりだった為、たまたま孤児が住む教会に迷い込んだ王女と知り合いその流れで宰相のガルニエに目をつけられ影武者に。
サロメの影武者になるがサロメよりも器用で出来が良かった為、サロメから疎まれてしまう。
サロメの気まぐれで代わりに舞台に立たされた時、才能が発揮され主演女優を貰うがその事でサロメの八つ当たりが過激化。
肉体的に精神的に、そして性的にいたぶられ続ける日々の中でガルニエの反旗を知り、共謀しそして本編へ…という物。
最初は国を統べる気高き王女が誇りの為にどんなに汚されても生き抜こうとする話…に見えましたが、真相が開示されると登場人物全員がものの見事に自己中心的で我儘で自分勝手な人間が揃った、まさに喜劇。
皆自分のやりたい事をやりたい放題やって訪れた喜劇でした。
サロメはサルテの立場から分かりやすくクズ女ですが、ガルニエも一応は王の駄目さとかサロメの駄目さとかを見つつも自分の野望の為に動き、恋人で近衛兵士のジャンも良い男に見えて流されまくる優柔不断な男で。
同じ孤児院出身のマリーだけは孤児院の子供を一番大事にしていて善良では確かにあるけれど、「自分だけが背負えば良い」と思っている自己犠牲の固まりで裏で教会維持の為に身売りをしていて、BADの流れのいくつかでは主人公が折角開いた道を「見捨てられないから」と戻って来て自分も捕まるという、その自己犠牲が同時に自己満足でもある子で。
主人公のサルテは悲劇のヒロインでは確かにありますが、そういう悲劇の境遇からもう全てを諦めて全員を斜めから見ていて見下している部分もあり、今回の悲劇を自分の悲惨さを含めて鼻で笑ってもいて。
「救いようが無い奴らだなぁ…」と思うキャラクターばかりでした。
生き返った後に結局は優柔不断でサルテもサロメからも選べなかった癖に中途半端な正義感はあるジャンからサロメの敵と国の裏切り者として切られて死に、生涯に幕を閉じたサルテ。
今作のコンセプトであった「悲劇的であり喜劇的」というのをちゃんと回収していて良かったと思います。
中でも、今まで幼少期、城に引き取られてから影武者として生き、自分の人生を生きられなかったサルテが最後、クルーンの舞台で最後の最後に自分の人生を「演技」として演じられたのは、彼女の唯一の幸福で救いだったと思います。
結局サルテは舞台の上でしか自分を表現出来ない人生だったのだから、最後が自分の舞台で締められた人生だったのは良かったです。


エロは全部凌辱エロ。
そういう売り出し方もですし、作風がそういう作風なので中途半端さが無くて良かったです。
ジャンとガルニエとも関係を持ちますが、優しい系というかナチュラル系のエロは一切無し。
徹底的に凌辱と拷問エロでした。
むしろエロよりもサルテが死ぬシーンが印象深いかも。
BAD方面になりますが凌辱に凌辱を重ねられ、最後には拷問で死に絶えていくシーンがCGもしっかりと用意されているのでエグさがありました。
マリーとか最初は「何で王城が他国の兵士に攻め込まれた時に来てるんだよ…いくら幼馴染でもこの状況で王女に会うとか迂闊過ぎでは?エロ要因か??」と思っていましたが、真相を知ると「昔一緒に暮らしてて王女の影武者として連れて行かれて今でも定期的に会う幼馴染はそりゃ心配になるよなぁ」と納得出来たので、マリーの迂闊さにも意味があって良かったです。
ですが、マリーはエロ要因だったとも思います、そこはエロゲなので。
凌辱エロではありつつもサルテは処女をサロメによって火かき棒で貫かれてますし、サロメはジャンに抱かれてますし、マリーは身売りをしている状態なので、男との凌辱シーンで処女が散らされるみたいな展開は無く、凌辱だけで売ってるタイプのエロゲよりかはエロでの悲惨さは少ない気も…いや、まぁ、悲惨と言えば悲惨です。
ただ、拷問系の悲惨さなのと、スタート時点でサロメは別としてサルテとマリーは性的にかなりドン底から始まるので、新雪を踏みにじって汚して行く悲惨さが性癖の人には刺さりにくいかも。
個人的にはエロシーンよりもBADの中でマリーが孤児院の子供を人質に取られサルテを拷問器具で圧死させないといけない状況になるEDが好きでした。
友人が「ごめんなさい、ごめんなさい」と言って泣きながら真綿で首を絞めるように殺していく展開好きです、地獄ですが。
おるごぅるさんを追ってきた身として語りたいのは、作中で2箇所ほど男性を性的に罵るシーンがあり、「これは…」となりました。
普通この手のタイプの凌辱系って受け側…女性側を罵るシーンのみで構成される事が多いのですが、2箇所ほどまさかの男性を罵るシーンがあり。
一つはサルテとマリーが脱出を図る際に見張り番の男性を誘うシーンで「はじめてなの?」みたいな煽りが入り、もう一つはサロメがサルテをいたぶるシーンで兵士の男にサルテを犯させるのですがその際にまさかの男性側に包茎を連呼するという…兵士の男可愛そう過ぎる。
その2箇所で「もしや…」となりました、詰り方とかが今までの作風の「癖」を感じて。
絶対とは言えませんが、意地でも男性側の方を罵る所に可能性を強く感じています。
性癖が溢れ出るの、好きです、担当箇所不明ですが合ってたら嬉しいです。


絵はビックリするくらいに綺麗でした、絵買いして良いレベル。
ライターの方もですが、メインで絵を担当された荒巻さんも本作しか情報が載っておらず。
シナリオといいイラストといい、エロゲ界隈では新しい方が来るの良いなぁと思います。
女性も男性もお上手で、凌辱らしい複数の男が絡むCGも構図も、そしてグロまでも上手く隙が無かったです。
後半に出てくる立ち絵でのサロメのゲス顔がめちゃくちゃ良かったです、超ゲスい。
一箇所しか出てこないちょっとしたCGも手抜きが無く、アクセントとしてしっかりと使用されていて。
クルーンの指パッチンが専用でCGがあったり、クルーンの仮面のドアップがあったり。
演出も良く、序盤でメインの4人が別の場所でそれぞれ「殺す」と言うシーンで4人の立ち絵が並んだり。
地味にガルニエとの戦闘シーンが良かったり、シーンの切り替えが良かったり。
おそらく吉里吉里だと思われますが、最大限に機能を使われていました。
なんだかんだツールとして強いなと思います。


音楽は品がありながら絶望感がある曲が多く、作風に合ってました。
特にOP曲の「Nothing」がとても好きです。
OPムービー初めて見た時から無限リピートかけてました、ダーク系エロゲの曲最高!!
全クリしてOPの歌詞を見るとかなり本編に忠実な歌詞だと分かります。
これはサルテの人生の歌だ…
サントラは勿論購入しました、まだ未開封ですが歌唱曲のインストも聞きたいです。
声はサルテ役の御苑生さん、凄いです。
後半サルテとサロメ一人二役でしたが、サルテの悲惨さとサロメの傲慢さを綺麗に演じ分けられていて。
「美少女万華鏡」のヒロインでお聞きしていて、そちらは可愛らしい女の子だったのですが、今回は品がある演じ方で。
「演技をしている演技」凄く良かったです。
今作はサルテの舞台でもありましたが御苑生さんの一人二役の舞台でもありました。
マリー役の瀬名さんは初めてお聞きしました、可愛いけれどどこか自己犠牲さが癪に障るような演技が良かったです。
クルーン役の葵さんは「美少女万華鏡」「無限煉姦」、同人乙女ゲーヒロインと今年かなり聞いた気がします。
今までの作品も良かったですが、クルーンの少年ボイス良すぎます…女性声優さんの少年声好きなので聞いてて幸せだったのと、「台詞を読んでいる」という設定からか独特な台詞が多く「けらけら」笑いは聞いてて嘘の笑いが溢れていて気持ち悪さがありまさに道化師で。
個人的に葵さんの演技が一番好みでした。
男性陣ではガルニエの野☆球さんが演技が好きでした、掴めない一筋縄では行かないような腹に一物あるタイプのオッサン良きです。
ジャン役のジャックさんも、序盤は誠実に見えて徐々にダメ男っぽい言い回しになって行くのが上手かったです。
主要メンバーもですが今作は凌辱する側の男性もフルボイスなのが驚き。
この手のタイプ、基本は竿役の男性キャラはボイス無しが多いのですが、まさかの完全フルボイス。
主要の男性キャラよりも竿役の男の凌辱シーンでのヒロイン煽り台詞の方が多いと思います。
凌辱系の罵り台詞をフルボイスで聞く事があまり無いのと、罵り台詞は抜き特化で面白い台詞が多い為、声付きで濃い台詞を聞けて楽しかったです。
エロシーンでの男性ボイスオンオフ機能もあるのも良いですね、邪魔な人には邪魔だと思うので。
他の凌辱作品でもオンオフ機能付きでフルボイス流行れば良いのにと思いました。


作品の雰囲気や演出、絵や美術関係などなど、かなり良いと思いました。
…が、ニ点だけ物申すなら、一つは「もう一人居る」というのが示唆され過ぎていた事と、もう一つはラスト、クルーンの正体はちょっと拍子抜けでした。
それ以外に無いとは思いますが、クルーン=サルテはちょっと、なぁ…
あっ!と言う驚きも無いし、「えぇ…」みたいな気持ちにもなりますし、仕方ないとはいえ声も違いますし。
起、承、転、までは良いけど結がちょっと尻すぼみした印象があります。
もうちょっと捻りとかが欲しかったです。
サルテからのマリーへの気持ちも、ボカすとかじゃなく「善人過ぎてどこか気に食わない」みたいな負の感情を向けてるようなしっかりとした描写があったら更に面白かったのにと思ったり。
なんか、最後の最後であと一歩だった、そんな気持ちにはなりました。
ですが、こういう作風が出せる所もまたエロゲらしくもあり、こういう作品をプレイしたくてエロゲをプレイしている所もある為、見たい雰囲気を見れた満足感はありました。


おるごぅるさんの面白そうな単独作+α、2021年8月今現在ではコチラが最後になると思います。
最後に好みの作風の作品をプレイできて良かったです。
個別ライター作品では無かったですが、「ここが担当では?」みたいな予測も出来て楽しくプレイできました。
時代になんとか追い付いたので次はまた別のライター様の単独作を追って行こうと思います。



※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
参考攻略サイト様:誠也の部屋 様
https://seiya-saiga.com/
 サルテ ページ
https://seiya-saiga.com/game/soiree/salete.html