【リンカーベル・アカデミア ～アルケミストは恋煩う～】感想

【男性向け18禁】

2021年12月24日発売
『Casket』※リンク先公式HP(18禁)
【リンカーベル・アカデミア ～アルケミストは恋煩う～】(PC)(18禁) ※リンク先Getchu.com(18禁)
以下ネタバレ含めての感想です。

プレイ時間は約1時間30分くらい。
7でもインストール可。
ディスレス起動可。

ヒロインが固定されてるタイプの作品に触れたくプレイ。
『落第魔女とヒミツの儀式』『龍族のフィアンセ』(※リンク先感想)と同シリーズで今度は前作、前々作ではサブキャラだった獣人族のヒビキがヒロインの物語。
エロースに召喚され「静謐部」の3人と行動し、ダンジョン探索する所までは共通、その後、ヒビキの物語に分岐します。
前作、前々作と思った以上の満足度をくれた本シリーズ。
今作もまた今までのシリーズを見て来てヒビキの事を知っているからこその「彼女らしさ」を全面に出した恋愛関係を築き上げられており、最高でございました。
ちゃんと恋愛の過程はしっかりと描かれていて、某所で抜きゲー分類にはなっていますが、個人的に超恋愛していました。

序盤はエロース、メリィ編と同じですが、中盤からヒビキとコンビを組んで行きます。
ヒビキは主人公の世界に興味を持ち、世界を移動できる「異世界接続機」を作りながら卒業試験に臨んでいくという内容。
この一年で卒業出来ないと学院を追い出される事が確定しているヒビキの事が気になり、ヒビキに寄り添うようになり、ヒビキも獣人が住まう「ホオズキ」という場所から来た事以外の自分の出自を隠しその出自関係で色々あるような事を濁しつつ、主人公との関係が築かれて行きます。
主人公の事が気になるというのは間違いなく本心ではある中で、何かを焦るかのように主人公に告白し、関係を結ぶヒビキ。
主人公はヒビキの焦りを心配しつつも、ヒビキが一番大事になっている事に変わりは無い為、ヒビキの告白を受け入れます。
他ヒロインと違い、結構早めに関係を結ぶ話にはなっていますが、ちゃんと「告白して付き合う関係になってから肉体関係を結ぶ」という流れを組んでいたので自分の中で「やっぱり抜きゲーのカテゴリじゃなく純愛じゃん！！」と両手を叩いて喜んでしまいました。
これが過程を重視しないゲームだったら告白もせずになぁなぁで肉体関係を結び「付き合ってたっけ？」みたいな描写に辿り着くので、このメーカーさんはちゃんと「告白」と「付き合う」を重視してくれて自分の好みに合うためハチャメチャに嬉しいです、好き。
ヒビキと恋人関係になりますが案の定、ヒビキのお家関係の事が出てきて。
しかもヒビキは「ホオズキ」で最も権力を持つ鬼灯家の娘だったという事が判明。
予想通りではありますが、「リンカーベル・アカデミア」はどのヒロインの物語も根底は王道だったので、王道の王道が来て逆にニッコリ。
更には親の権力で許婚も居るという超王道展開。
許婚関係はエロゲでは好みが分かれそうですが、ここまで王道が続くと逆に「良いな」と思えたのと、許婚相手がイケメンとか金持ちの獣人の姿をしていたらちょっと嫌な気持ちになったのですが相手がモロにケルベロスの風貌で、「いや、流石に女の子は引くわ…これは嫌だわ」という風貌だったのが逆に笑えて笑えて。
「決闘で勝ったら許婚を破棄させる」という更なる王道を突き進み、最後にはヒビキが「守られるだけ、見てるだけは嫌、自分も戦う」と許婚相手に最後の一撃を食らわせるという、「ヒロインが見てるだけでは無く、自分の意思で強気に出る」というとても大好きな展開を見せてくれてとてもテンションが上がりました。
決闘に出る為に訓練するシーンでエロースとメリィも助けてくれたり、「静謐部」のメンバーの協力もあったり、ヒビキの母親は確かに厳しくはあったけどヒビキが自分の意思を持ち強気で歯向かうと意思を汲んでくれたり。
ヒビキの許婚をケルベロスにしたのはヒビキが幼少期に「ケルベロスを飼いたい」と言ったのをそのまま受け取った事が判明し、子煩悩で超天然で悪気の無い人な事が発覚したり。
決闘や許婚関係も一瞬で決着が着くので「エロゲで苦手がられるシーンは速攻で終わらせて後味の良いものにする」というスタンスも見えて非常に好感が持てました。
その後、「焦ってた所があった」「普通の女の子のように普通に恋愛したかった」など、なんとなく察してはいましたがヒビキから素直な気持ちも伝えられて。
「ちょっと変わった女の子が"普通"に憧れて一生懸命恋愛をしようとする」そんなシチュやそういうヒロイン大好きなのでヒビキが可愛くて可愛くて。
最初は焦りもあったけれど、主人公を気に入ってるのは本当で。
"普通の恋人"のように甘々しい関係では無いけれど、サッパリとしつつ、でも大事合っている、そんな良質な関係で主人公と一緒に恋愛をして行き。
一緒にお祭りに行ったり、一緒に試験を受け合格したり、ヒビキとの友達の延長線のような恋人関係が心地良かったです。
ラストも「異世界接続機」を完成させて。
ヒビキが「異世界接続機」に執着していたのは「家の事を押し付けられて別の場所に逃げたかったから」と今までの経緯から納得できる理由だったり。
母親の事を本当に知れて、知れたからこそ親が子供を思う気持ちを察し。
「主人公の両親もきっと心配している…」という事に心を向けて完成した「異世界接続機」に主人公を乗せて元の世界に返そうとする感情の流れはとても上手かったです。
「主人公と離れようとする」行為そのものは好きでは無くても、ヒビキの感情は母親の件を知ると理解出来てしまうんですよね…
「主人公を許可無く元の世界に返す」という行動はちょっと独りよがりだなーとその瞬間は思いましたが、最後、結局元の世界に主人公は帰る事は無く。
「異世界接続機は乗った人間が最も行きたい場所に辿り着く」という装置で「主人公は結局この世界に、ヒビキの傍に居たいと思っている」という流れになり、ヒビキが自分の独りよがりさに気付いたので、「独りよがりだなー」と思っていた部分が綺麗に払拭されて、爽やかなラストでとても良かったです。
実際エロース編をやっていれば主人公がさほど元の世界に執着していないのも分かるので大変納得のラストでした。
エピローグでも「ホオズキ」に行き一緒に暮らすようになっていて…綺麗にトントン拍子で進み、綺麗に王道の道を駆け抜けてくれました。
決闘が終わってから、「ちゃんと関係を紡ごう」と甘くなっていく主人公とヒビキが非常に見ていてニヤニヤ出来、やっぱり最高に好きな関係の構築を書かれる作品で最後まで安心して読み進める事が出来ました。
ヒビキの焦りもあり前作の二人と違って「関係の構築」部分が早めに感じたのでその点だけは前作よりも好みが低めですが、固定ヒロインゲーとして満足度は高かったです。

原画担当のYU-TAさんはエロース、メリィは巨乳枠でしたがヒビキは貧乳枠で、巨乳も貧乳も描ける方で本当に素晴らしいです。
ただ、エロース、メリィの時よりもCGの体位が綺麗だったので「ひょっとしてどちらも描けるけど貧乳の方が得意なのでは…？」と思うほどアングルが良かったです。
ヒビキの薄いお腹と絶妙に膨らんだチッパイは芸術の領域。
塗りもお腹から胸にかけての光の加減にこだわりを感じました。
巨乳も良かったのですが、ちょっと貧乳の身体の描き方が上手すぎて…ビックリでした。
あと、メリィは瞳が猫目っぽく、ヒビキは瞳の中に桜が描かれているのが種族の違いを感じたのと、そういう瞳の描き方がお洒落だなーと思いました。
違和感無く桜が描かれていて瞳がとても可愛かったです。

エロはシーン回想で15個。
おっぱい成分が低い分なのか、フェラとアナルが多かった印象。
特にアナルは3回くらいシチュがあるのでお尻に興味薄い人は辛いかも、個人的にはスライムを使ったりシチュが豊富で好きです。
錬金術師らしくオナホ開発したりエロの研究に余念が無いシチュもありキャラ属性を大事にするシチュには満足。
ただ、バックの体位が好きなので、少なめだったのはちょっと残念。
なんだかんだ正常位が多いのと、若干ヒビキが攻めるシチュが多めだったので、ラブラブ女の子攻めが好きな人には満足度が高いかと思います。

音楽は前作同様。
良い曲多いんですよ…EDクレジットを見る限り素材っぽい印象ですが、どこで手に入るのか気になります。
もしオリジナルなら鑑賞モードを、なにとぞ…なにとぞ…
声はヒビキ役の花澤さんの関西弁でウィスパー系ボイスで気怠げな声はもう最高、最高。
ヒビキの怠惰でお風呂嫌いで…だけど品があるタイプの関西弁(京の方かな？)で絶妙に下品なキャラにはなっておらず。
プレイ中に何度もお声でズルさを感じていました。
気怠げ関西弁は自分に効く。
今作が終わってSNSを確認しました所…ご引退らしく…とても悲しいです。
色々ご事情があられると思うので仕方ないとは思いますが…広い業界、またどこかでお会い出来ると嬉しいです。
Casketはシリーズを合わせたパッケージ版も出るメーカーなのですが、その際に後日談を入れているっぽく。
本作はどのお話も最高だったので、後日談の収録も終わってると嬉しいなと思ってます。

「リンカーベル・アカデミア」シリーズ、全部終わりましたが、全体的に見事に期待値の上を行ってくれてとても嬉しかったです。
「まぁ抜きゲーだし」なくらいで読んでいたら思った以上にヒロインとの交流が楽しく過程を重視した作品でした。
下手に奇をてらわず王道を進み続けたのも良く、大満足です。
シリーズセットのパッケージが出たら絶対に買います！
今作が最高だったのとメーカーが常に固定ヒロインを作り続けていらっしゃるので、Casket作、今後も過去作や新作に触れていきたいです！
とりあえず後日談、楽しみにしてます！！

※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
参考攻略サイト様：誠也の部屋 様
【https://seiya-saiga.com/】
　リンカーベル・アカデミア ～アルケミストは恋煩う～ ページ
【https://seiya-saiga.com/game/casket/bellaca_03.html】