ひっそりと群生

ひっそりと持ってるCDの情報やゲームの感想上げたり。購入物の記録など。気ままに。飽きっぽいので途中で止まったらご愛嬌。

【ぽちとご主人様】感想

【男性向け18禁】



MANYOさんの担当されたゲームをクリアしていく企画52弾。



2011年08月26日発売
SkyFish poco』※リンク先公式HP(18禁)
ぽちとご主人様】(PC)(18禁) ※リンク先Getchu.com(18禁)
以下ネタバレ含めての感想です。








プレイ時間は約7時間30分くらい。
7でもインストール、起動可。
ディスレス起動可。
修正ファイルもですが、ソフマップ特典だった「縞パン&犬耳 EXシナリオパッチ・青」というファイルが『公式』(※リンク先公式)に有り。
追加シナリオでのCGなどは回想モードには追加されませんがオリジナルのCGがあるのでファイルを当ててた方が良いかと思います。


SkyFish姉妹ブランドSkyFish pocoの処女作。
SkyFish系列は今作で7作目プレイになります。


ジャンルは「らぶいちゃエスエム系・恋愛ADV」とあるように「俺の犬になれ!」「はい!ご主人様!わんわん!!」のような軽いイチャイチャSM系…と思いきや、何か予想以上に濃い要素が多く、「軽い」とはあまり言えない代物になっていました。
パッケージのピンク系の表紙を見て買うと「いや、ニッチだよ!濃いよ!!」となり、SM系と思って買うと「いや、SMというにはプレイが甘すぎるな…」となる独特の立ち位置にあったような作品。
中途半端と言うよりは「どこの層を狙ったの!!?」感が強かった気がします。
らぶいちゃで間違いは無いのですが、らぶいちゃを求める層が買ったら「これは地雷なんだが…」の部分が多すぎるのはメーカーらしいと言えばらしい…かも。


話は幼馴染であり両親同士が再婚する為、時期に妹になる千羽と「兄妹は結婚出来ないけど、ペットとしてならずっと一緒に居られるよね!だからペットとして扱う&ペットにして下さい!」というちょっと(ちょっと?)頭のネジが外れた所からスタート、流石エロゲ。
千羽を調教しながら両親が再婚する約一ヶ月間を過ごす事になるのですが、間に他の女性陣が入って来たり、将来の為にSM小説を執筆し始めたり、一ヶ月の間で主人公と千羽の二人の世界に沢山のものが割り込んで来て…果たして二人の関係はどうなるのか!!?とうのが今作の流れ。
固定カップル好きな自分としては超個人的にヒロインは千羽一人で良かったのでは?と思いつつも、他のヒロインが関わる事で一人のヒロインと関係を持ちつつも他ヒロインとも関係を深めて行く…「明るい浮気物」という独自の作風を確率していたと思います。
どのルートを辿っても千羽と別れる~や女同士の恐ろしいリアルキャットファイトは一切無し、あるとしても明るい主人公の取り合いくらい。
明るくても一応は浮気物を書きながらも嫌な流れは一切無く、なんとなく納得出来てしまう空気や流れを描くの、本当にSkyFishさんは上手いなぁといつも思います。
SkyFishというかどちらかと言えばひろもりさんの作風な気がしますが、固定カプが好きでハーレムルートなどが苦手な自分でも「まぁこの関係も良いよね!」とハーレムが納得出来てしまうので、そういう空気感の作りの上手さは唯一無二なメーカーだと思いました。


あとは安定の世界観と演出の良さ。
SkyFishは桜を舞わせる演出は本当に美しいですし、どこか淡く透明な空気を作り出すのがとんでもなく上手いです。
作中はほぼ緩めの調教ターンでエロが8割9割を締めるのにどこか謎の透明さがあるのが不思議。
なんなんでしょう、この空気。
この空気を意図的に生み出せるメーカーは中々に無いので、現在停滞気味ですがSkyFishさんには永遠に空気感ゲーを作って頂きたい気持ちが強いです。
そしてMANYOさんを採用され続けて下さい、お願いします。


色々と独自の要素が強くその独自性が好きな為褒めている部分が多いですが、一点難点を上げるなら、操作性の悪さ。
「選択肢後もスキップ」をコンフィグで選んでいてもスキップが途切れるのが本当に面倒でしたし、千羽の調教は強めの面倒さがありました。
特に「アナルプレイ」と「千羽に任せる・調教プレイ」でのオールプレイを回想に出すのとハーレムEDを出すのがかなり手間で…
コツを掴めば行けたのですが、一周では全部を埋める事は不可能でしょうし、周回プレイ必須+全ED到達しても調教回想が埋まらない気がします。
雰囲気の良さや内容の一部で面白い要素があったりするのはいつものSkyFishの長所がありましたが、今回は調教ターンが加わった事でテンポが悪くなっていたなとは思いました。


絵は蔓木さん、中乃さん、はましまさん。
三者三様に上手い方で安定感がありました。
蔓木さんはSkyFish初期の常連で担当はメインヒロインの千羽のみですが、+男性陣を担当。
独特な絵柄ではありますが男性も上手く、店長などは見ていて表情が豊かで面白かったです。
中乃さんは初めてお見かけしましたがNornなどで絵を担当されており、Norn関係の絵は好きなので好みには合致。
風花と蝶子のサブサブヒロイン担当ですが、他キャラの立ち絵と混ざっても違和感の無い上手さでした。
はましまさんは流石…上手い。
というか絵柄が多彩で他の方に合わせるのが本当に上手い方でした。
等身高めの絵が印象的ですが、アニメ調の等身低めの絵柄もお上手で、今回は蔓木さんに合わせていらっしゃるのが伝わり。
絵柄を合わせられる方の画力の高さを見ました。
凌辱系を描かれる方は上手いとは思っていますが、けっこうエグいシチュでも違和感ない構図で描かれていたので非常に見応えがありました。


音楽は全曲MANYOさん。
OPED共に調教SMモノとは思えない爽やかさ。
売り出し方はイチャラブ系ではあるのでそういう意味では合ってますが、内容が完全に抜きゲーなので抜きゲーとして考えると曲が良すぎます。
抜きゲーにMANYOさん起用とか…豪勢だなぁと思ったりはしました。
BGMは「思い出の向こう側」はめちゃくちゃMANYOさんらしいピアノ曲、MANYOさんの切ない系のピアノ曲の良さは異常。
BGMの内3曲がオマケの本編要素殆ど無しのファンタジー系シナリオで使われるというのもまた豪勢。
「剣と魔法と魔王様」は戦闘系曲のMANYOさんらしさを堪能出来て嬉しかったのですが…本編では使用箇所おそらく無く、オマケでこれを堪能出来る事に笑いました。
声は千羽役の上田さんは「美少女万華鏡」と「古色迷宮輪舞曲」が最近聞いたお声ですが、「古色迷宮輪舞曲」くらいの声質が好きで「美少女万華鏡」のロリ声が合わなかったので、ロリ声は千羽くらいまでが良いなとは思いました。
聖と柴乃はガチ双子声優の中家姉妹。
共演は多いですが、ダブルで同作のヒロイン級は珍しい気がします…特に今作は攻略的に背中合わせのヒロインなので双子の方がこの配役は面白なと思ったり。
聖は高慢でありながらどこか弱い部分がある演技で、柴乃はオドオドしていながらも品があるような声質での演技が良かったです。
個人的には柴乃の演じ方が好きでした。
風花役の秋野さんは「とな恋」で莉奈が最高に良かったのですが、やっぱり声質が単純に好み過ぎて!!
キャラは眼鏡キャラで目立たないキャラとして作られていましたが、話し方や声が好みに合い過ぎてました。
蝶子役の歌織さんはベテランという感じ。
ラストに少ししか出ませんが、年上力(ぢから)がとても出ていたと思います。
店長役のますおかさんはシンプルに格好良い声で、普段はおちゃらけながら、ふとした時に真実を言う際にイケボになるので「途端に良い声になるのやめろ!!」と何度か焦りました。



プレイ順は
千羽→聖→柴乃→風花→蝶子
の順で攻略



『雛緑千羽 ルート』
超メインヒロイン。
名前はチワワから?
彼女の調教は切っても切り離せませんが、絶対に通る固定エロを除いて任意でガン無視する事も出来るという仕様。
可愛い娘ではありますが、他ヒロインを攻略してると若干の邪魔さが出て来るのはギャルゲエロゲのお約束なのか…
あと、話しの内容は他ヒロインの方が好みな事があったので、若干の不憫さが。
もう少し「ペットとはどういう立ち位置か」「飼われるというのはどういう事か」みたいな事が描かれたら楽しかったのですが…そこまで重くはなりませんでした、作風には合ってますが残念。
それでも、他の子と居て嫉妬はしても「別れる」とは言わず、「ペットだから一緒に居れる!」と言う強かさがあったのは好きです。
SkyFish名物の絶対に引かないヒロイン、好き。


『山嶺・聖・バーナード ルート』
「良い子で居ないといけない」に抑圧されて来た少女。
そういう子が自分を開放する手段でSMのM側に行く…みたいなの好きなので展開が好きでした。
ただ、シチュとしてはAVに売られそうになり他の男に迫られる…どころか精液までかかるので、「イチャラブ」に惹かれた人からしたら超反感を買いそう。
本番は主人公が乱入し防ぎますが、そのギリギリのラインまで攻めるので、結構頑張るなと思ってました。
個人的にはこういうシチュ好きなのでもっと下さい!!
あと、乳首ピアスを付けるシーンがあるので性癖持ちとして非常に癖に刺さりました、満足です。
…が、やっぱりニッチな方だとは思っているので、自分は大好きですが「軽く」は無いよなぁとも思っては居ました。
さり気にファンタジー編での立ち絵が一番好きで、本編よりも見た目が好きだったりします。


『華円柴乃 ルート』
「引っ越しちゃう先輩との一夜の夢」や「和服での亀甲縛り」など古典正統派SMっぽい雰囲気があるルート。
好みでは無いですが、SMでの正統派っぽいシチュを入れて来るのは良かったです。
「居なくなっちゃうから…」で進展するルートですが、最後、「やっぱり来ちゃった☆」と主人公の家に上がり込むのは中々に正統派ブレイカー。
「家が厳しい」系の流れで進みますが、一気にそういう空気が崩れた瞬間でした。
ラストそういう空気が崩壊するので茶番感はありますが…作風が作風なので変にシリアスにしなかった所は良かったかなです。


『戸井風花 ルート』
味っ子にルートがあるのって良いよね!
そういう意味ではかなり好きです。
ただ、フェラがとてもお上手で「虐められてた時に本番は無かったけど口ではあった」という過去持ちでサラッと語られる重い過去にビビりました。
これ系の作品でそういうシチュ来るとは思って無くて…
聖ルートのAVシチュもですが、「イチャラブ」にしては重い設定を持って来る所、かなり好きです。
が、同時に多くの人からは苦手がられると思うので、諸刃の剣だとも思ってます。
立ち絵はそんなに…ですが、一枚絵が異様に可愛く、地味っ子可愛くて結構好きなルートやキャラでした。
あと声の補正も大きいです、秋野さん本当に好き。
オマケのファンタジー編で一人だけ出て来ないのだけが腑に落ちません…眼鏡っ娘差別、ヨクナイ。


『雛緑蝶子 ルート』
ラストにしか登場せず、千羽との関係を認めないある種のお邪魔キャラでありながらもしっかりとフラグが立つ人。
薬で発情して!とか完全に展開がエロ同人で笑ってしまいました。
このルート、ラスト速攻で父親が諦めて父親の再婚予定だった蝶子と結婚という寝取りEDになるのですが、EDを見るとどのキャラよりも幸せそうにしてるのもまた笑います。
千羽ED…というか他ヒロインですら無かったウェディングドレス来てるの、超勝ち組過ぎる。
しかし、蝶子、千羽に対しては「兄妹になるのに付き合うだなんて!」みたいな態度で否定するのに、自分は再婚予定の相手の息子とデキて一切苦悩など見せないの、倫理観ガバッガバですし自分に激甘なのが酷いですね(笑)
これに対して千羽はもっと怒っていいですし、父親はもう少し頑張れよ…というか勘当で良いんじゃね?とも思いましたが…
世界の都合が主人公にとことん良く出来てるのは抜きゲーのセオリーなのでまぁ、仕方ない。
ツッコミどころが多い…むしろツッコミどころしかないルートですが、最後一番幸せそうな一枚絵でツッコミのメーターが振り切れて「もうお前が優勝で良いよ」という気持ちになって謎の許しが発生する、そんなルートでした。



クリア後に異様に長いファンタジー編(TECH GIANに掲載されたシナリオみたいです)もあったり、間違いなく抜きゲーではあるのですが、色々と変わった要素を詰め込んだ抜きゲーだったと思います。
攻略が無くCG回収や回想回収など大変でしたが、上記で書いた通り「私は絶対に諦めないんだからね!」とヒロインがしたたかでハーレム許容世界を納得させるくらいの雰囲気作りが上手く、地味に濃いプレイが多めの面白いタイプの作風には触れられたと思います。
SkyFishらしい独特の作風が出ている作品でした。