ひっそりと群生

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【キスから始まるギャルの恋 ~くるみのウワサとホントのキモチ~】感想

【男性向け18禁】



2021年12月24日発売
プレカノ』※リンク先公式HP(18禁)
キスから始まるギャルの恋 ~くるみのウワサとホントのキモチ~】(PC)(18禁) ※リンク先Getchu.com(18禁)
以下ネタバレ含めての感想です。








プレイ時間は約2時間30分くらい。
7でもインストール可。
ディスレス起動可。


ヒロインが固定されてるタイプの作品に触れたくプレイ。
プレカノ作品は「経験ゼロなクラスメイトπ」に続きプレイは2作目。


タイトルに「ギャル」と付くのでオタクの大好きな「オタクに優しいギャル」モノ…と思いがちですが、今作は「今どきの優しい男の子と今どきの優しい女の子が今どきの恋愛するとても今どきな作品」になっていました。
主人公はクラスの中心では無いけれど勉強をしっかりとして面倒見が良く、人への押し付けにならない範囲で常に「自分にか出来る事は無いだろうか…」と自分に出来る事を探しており人のお願いを快く引き受ける、そんな純粋に「優しい人」で
ヒロインのくるみは見た目が派手で過去のクラス行事のちょっとした事から女子の中で悪い噂が立ってしまったけれど本当は全部勘違いでありむしろ人助けで、本当は父親の仕事の手伝いをしたりしっかりと将来を見据えていて勉強は苦手だけれど教えれば即座に理解したり周りの機敏を感じ取れる「敏い人」で。
そんな二人が偶然が重なりどんどん親密になって行く優しい物語でした。
特に二人とも「漫画を読んでゲームをする」という描写があり一緒に少年漫画家の原画展に行くシーンがあるのですが、それがオタクチックに描かれる事が無く。
「今どきの子はどんな子でも普通に漫画を読む」「ギャルっぽい見た目の子が好むのが少女漫画よりも少年漫画」というキャラクターの描き方というか年代の解像度がかなり高く。
「漫画を読んでゲームをするのはオタク~www」みたいな展開がスパッと無くなり、年代にしっかりと合った「今の若者」が描写されていたので、「タイトルにギャルが付くからオタクとギャルモノにしよう!」みたいな安易な作りになっていない事が逆に好感が持てました。
「オタクとギャル」のテンプレも好きではありますが、こういう今どきの子と今どきの子が今どきの優しさでくっつく作品はとても爽やか若々しく好きです。
方向性としては着◯恋に近いかも?
「地味な方だけどとても優しい男の子と見た目が派手なだけで明るく元気な女の子が恋をする」というのはシンプルに優しい気持ちになれます。


そんな中でギャル要素というか「クラス内で見た目が地味な側と見た目が目立つ側同士の気持ちの葛藤」という一種の「自分のテリトリーや属性の違いを感じるが故の思いのすれ違い」というのはしっかりと描かれていたのがGOOD!!
主人公は「くるみはこんなに地味な自分に好意を寄せる事は無いだろう…」と思っていますし、くるみは「こんな派手で遊んでそうと思われてる自分は真面目な彼の恋愛対象じゃ無いだろう…」と思っているすれ違い描写が何度か挟まるので見ていてニヤニヤしました。
今作は所々でヒロインの視点に切り替わるのですが、唐突な視点切り替えが苦手な自分でも「ここでヒロインの視点になるのは納得出来る」という箇所で挟まるので違和感が無く。
そしてヒロイン視点になった際に傍から見れば分かっては居るけれど本人の視点で見たかった恋愛での悩みや主人公への想いをダイレクトに感じ取る事が出来、「想い合ってるのが丸わかりな二人のすれ違いモノ」が大好きな人にクリーンヒットする描写がてんこ盛りでした。


主人公の「誰かの為になにか出来る事をしたい」という行動理念もまた、過干渉過ぎずお節介過ぎないのがとても良く。
相手が本当に困っている事を感じ取った時に、丁度良い距離から本当に必要な分の手を差し伸べる距離感がめちゃくちゃに「出来た主人公」してて。
くるみがクラスの女子から浮き変な噂が立っている件の解決も、昭和の熱血主人公のように教壇に立ちクラスメイト全員に「彼女は本当はこういう子で~」みたいなアホな事はせず(こういうのも作風によっては嫌いでは無いですが、最近の空気を持つ学園モノだと絶対に合わない)、ちゃんと過去の状況を把握し、誰が関わったのかを聞き取り、関わった人間の間でまず勘違いを訂正するという、根回しがしっかりと行われているので読んでいて「相手のためになる事をしたい」という、一つ間違えれば上から目線になりがちな行動原理が全く上から目線になって居ない描き方が本当に良く。
「一生懸命誰かの為に、ヒロインの為に勉強を教えたり、偶然とはいえアルバイトで父親のお店を手伝ったり、今まで話せなくなっていた女子の勘違いを解いてくれたり、離婚した両親を引き合わせてくれたり」こんな事されて惚れるなという方が無理でしょ!!という本当に欲しい事をくれる優しさの連続で、くるみが主人公に惚れていくのも大変納得出来る程の主人公で満足度が高かったです。
ヒロインが惚れる事を理解出来、納得出来る主人公が居る恋愛物は名作。


そういう主人公の優しさが丁寧に描写され、くるみが徐々に惚れていくのも手に取るように分かるので、今作は告白シーンが最後に来るタイプで、告白前に肉体関係が入るタイプの作品ではありますが、途中で既に「これはお互い惚れてる」という圧倒的な確信が持てる為、全く違和感が無く。
「ちゃんと順序を保って告白後に肉体関係があるタイプ」の作品が好きな自分でも納得出来る「ラストの告白」でした。
やっぱり途中の主人公とヒロインの「自分はきっと相手の恋愛的好みとは違う」という、お互いタイプやコミュニティが違う人間だからこそ出てくる恋愛の悩みがしっかりと描写されていたので告白がラストになっても納得出来たんだなーと。
そういう意味では本作の「ギャル」要素はしっかりと「今どきのギャルモノ」として活きていたので色んな描写がとても時代に合わせた丁寧な作品だったと思います。


シナリオを確認すると和泉さんで納得。
文章や展開の流れがとても読みやすく、流石の手腕でした。
企画は違う方なので世界観やコンセプトは和泉さんの作風では無いのですが、サクサク読める文章に違和感の無い流れるような展開はストレスが全く無く、和泉さんのお力を感じました。
いつか和泉さんのブサイクの作品には触れなくてはと再確認。
一部主人公と主人公の友人の良助のセリフが逆なシーンがありましたが…ロープライス、ミドルプライス作品ではよくあるのでそんなに気にはなりませんでした。


絵はもねてぃさん。
プレカノ作品3作品目でプレカノ作品にしか参加されていらっしゃらないみたいですが、とてつもなく好みです!
少女漫画からの正当進化というような絵柄で、話だけでは無く絵もまた「今どき」。
この絵柄を見て一瞬で「エロゲ!」と言える人は今作を知ってる人だけなのでは?というくらいにエロゲのエロゲらしさを絵柄と塗りから取っ払ったような絵です。
正直パッケージの絵を見て「話が良く無くてもこの絵の立ち絵や一枚絵があって絵崩れがなければそれだけで満足かなー」という絵買いの気持ちで買った所はあるのですが、話も良く、立ち絵も洋服が制服、私服、バイト着と3パターンに加えポーズの差分も有り、一枚絵での崩れも無かった為、とっても良い買い物をしたと思えるくらいに満足度の高い一作でした。
個人的にはこういう系統の絵柄が好きなのでもっと流行って欲しい…
むしろ終わった後、絵無し声無しのキャラで濃いキャラが多かったので「サブキャラにも立ち絵ほしいな…」とワガママになったくらいに全体的に良かったです。
違和感のある一枚絵があるとしたら、誕生会の一枚絵での左に立つバイトの制服を着た女性は誰?みたいになった点。
バイト先に女性はヒロインしか描写が無いので、私服で立っていたら友人だと思いますが、制服だった為、誰?となりました。
おそらく指定ミスな気はしますが…
あとはヒロインのくるみが制服時にでも下着が透けているので、タンクトップとか着ないんだ!!と思ったり。
エロゲ的には有りですが…今どき若者、制服の下にタンクトップなど着ないのでしょうか…
ファッションに関しては全く分からないので着ないのがデフォルトかもですが、老人心として少し気になりました。
違和感はそれくらいです。



エロは回想で7回。
一回につき一発で終わるのでエロゲとしては少なめな感じはありますが、話が良かったので許容範囲。
変なシーンでいきなりエロが入る事も無く、物語の方を大事にしていたので好感が持てました。
プレイはフェラ、騎乗位、手コキ、対面座位、正常位、バッグ背面座位など欲しいプレイは揃ってる印象。
ただ、話での恋愛が最高だった為に素っ裸での正常位という超ノーマルプレイも欲しいと思ったり、あとはパイズリも欲しいとは少し思いました、せっかくオッパイ大きいヒロインなので…
あと、「キスから始まる~」というタイトルですが、キスシーンには一緒にフェラが挟まるので、シーンに違和感は無い中で「キスから~と言うよりはフェラから~では?」と少し笑ってしまいました。
プレカノ作品は全年齢化移植を前提に作られている事が多いので(というか移植前提が殆ど?)、移植版では「キスから始まる~」になるかもですが、エロゲ版だとフェラから始まる方にインパクトが有り。
エロゲ的にはフェラから始まる関係というのも間違いないのですが、タイトルを考えるとどうしても面白かったです。


音楽はどれも場面を損ねる事無くとても良いBGMをしていました。
これは!という強めの曲は個人的に無かったのですが、「Limelight」が「明るいギャル!」感があって良かったのと、「Keep your cool」がヒロインの大人しい一面を感じさせて良かったです。
OPEDにも歌があるのが流石戯画系列なのですが、個人的にEDの「Undecorated」がかなり好みでこの感想を書きながら聞いてます。
シンプルに余韻を感じさせる良い曲、ゲームにサントラが付いていて良かったです!
声はヒロインの天知さんは初聞き。
出演作を遡ると同人からの方で、いくつか知ってるサークル様がありました。
最初はちょっと対応が雑だけれど、近くなるととても優しくて、テリトリーの中に入ると距離感が近くなる、そんな演技がとても良くギャルっぽさ…というより今どきの女の子感がありました。
声質や台詞回しが本当に良く、粘液系の演技も良かったので、まだ出演作が多くは無い方ですが、今後気にかけてお聞きしたいです。


話、絵、音楽、どれも満足度の高い物を摂取出来ました。
個人的には立ち絵も声すら無いくるみの友人の絢乃がめちゃくちゃに濃く、めちゃくちゃ良いキャラしてたので立ち絵が欲しいなーと思うくらいに素晴らしいキャラでした。
絢乃が居たから今までのくるみがクラスで完全に孤立する事が無かったと思うので影の功労者だと思います。
カラオケのシーンでの真相は「やっぱりな」と納得出来る物でしたし。
主人公の友人の良助もまた良い友人であり最後に腕っぷしが実はあるのでは…?な見せ場がありますし…
起承転結の良さを含め顔も声も無いモブキャラもキャラクターが立っており、良い固定ヒロインゲーをプレイできた!ととても嬉しく楽しかったです。



※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
参考攻略サイト様:誠也の部屋 様
https://seiya-saiga.com/
 キスから始まるギャルの恋 ~くるみのウワサとホントのキモチ~ ページ
https://seiya-saiga.com/game/prekano/galkoi.html