ひっそりと群生

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【紙の上の魔法使い】感想

【男性向け18禁】



2014年12月19日発売
ウグイスカグラ』※リンク先公式HP(18禁)
紙の上の魔法使い】(PC)(18禁) ※リンク先wiki
以下ネタバレ含めての感想です。








ルクルさんの作品をプレイしたいと思い開始。
この感想がいつ投稿されるかは分かりませんが、2014年の作品「紙の上の魔法使い」をプレイしました。


プレイ時間は約13時間くらい。
7でもインストール、起動可。
ディスクレス、起動可。
予約特典追加シナリオ『蛍色の光景』までプレイ。
『蛍色の光景』のプレイ時間は9分くらい。
『蛍色の光景』は最新パッチを入れている状態では起動しないので、パッチを抜いてからプレイして下さい。


ルクルさんの作品だと期待を膨らませて始めた本作ですが…なんと、プレイが終わるまで一ヶ月半掛かりました!
一ヶ月半…単純な総合プレイ時間はさほどでも無い所から察して頂けるよう、あまりにもプレイが苦痛で長時間掛かってしまいました…
何故か、それは一言で言ってしまえば登場人物全員が仄かに嫌いだったからです…
なんというか、今作、全員が全員暗いんですよ。
ネガティブにネガティブを重ねて煮詰めた感じ。
主人公もとにかく暗くて、その上でやれやれ系主人公をしており、一昔前のやれやれ系から明るさやポジティブさだけを綺麗に抜き取ったタイプ。
正直、「なんでコイツがモテるんだ?」という要素ばかりで構成されていたため、エロゲ特有のヒロイン全員から好かれるという部分に常に懐疑的でした。
主人公が合わないだけだったらまだ耐えられたかもしれませんが、今作は主人公が合わなければヒロインも合わないという悪循環。
一人も好きなキャラがいない、見ていて明るくも楽しくもない、そんなキャラクター達を眺めながら、ひたすらに陰鬱な世界にどんどん疲弊していきました…


それでも話さえよければ…どこかで「おお!」と驚かせて貰えれば…と期待していたのですが、そういう期待も章が変わる度に次々と打ち砕かれていきました。
今作、シナリオゲーに分類されるとは思うのですが、そのシナリオの部分も個人的に滑っていて…
章毎に色々とどんでん返しがあるといえばあるのですが、そのどんでん返しも『魔法の本』というものの存在によってルール無用になっていて。
記憶もイジれる、感情も書き換えられる、更には死んだ人間も生き返る、人間すらも魔法で作り出せる…正直、ここまでされたら驚くというよりも「はいはい、何でも出来て凄いですね」という感情しか沸かないというか。
どんでん返しってある程度のルールがある上で、そのルール上で行われるから「その穴を突いて来たのか!凄い!!」となる中で、今作はルール無用で「はい、どんでん返し~」が連発される始末。
その上で「実はこういう真相でした!」があると思ったらその後に「実はその真相は嘘でした~」を定期的に繰り返されるので、後半からは「いや、その真相もどうせ嘘だろ」と飽き飽きしてきて。
せめてそういう「嘘でした~」は一回くらいに留めておいて下さいよ、と。
何でしょう…SNSで見かけたとあるミステリー作品に対する辛口評価で、『恐らくトリックから先に考えて作ったのだろう、登場人物がその状況を作り上げる為だけに動いている。何年もその為に準備してきた人間がこれほど感情が無いのはおかしく思う。~』という端折った後半がかなり火力の高い評価を見かけたのですが、抜粋失礼した前半部分の評価と同じような気持ち。
言ってしまえば今作、ジャンルがミステリーなんですよね…
で、ミステリーというのはトリックありきになるので、キャラは後回しになる…それは別に良いとは思うんですよ、トリックの部分で驚かせて頂ければ読み手としても大満足します。
ただ、ミステリーをする上でのトリックもルールの上にあるから面白いものだと思っていて。
本作はミステリーをしながらルール無用をしているので、面白く無くなってるという感じがしました。
作中に何度もミステリー論が出て来るのもあり、「ミステリーをやりたい」のと、「そのミステリーすらを超えたい」というのは何となく伝わるのですが、「超える為にルールを無視しちゃダメだろ…」という。


それに加えて辛口評価の『登場人物がその状況を作り上げる為だけに動いている』も追加されて…これに関してはお見かけした他の方の感想でも同じように「キャラが駒として使われている」というのを多々見かけたので、今作の共通認識なんだと思っています。
いや、別に、駒として使うの否定派じゃないので、使えば良いとは思うのですが、本作はノベルゲームなんですよ…ノベルゲームって絵があって可愛い、格好良いキャラが見える以上、最低ラインのプレイヤーからキャラへの好感度って必要だと思っていて…
本作は『魔法の本』が開かれ、キャラが『魔法の本』のシナリオ通りに動いてしまうというお話なのですが、キャラが自主的に、自分の感情で動くというのが一部を除きほぼ無いので、「キャラの上っ面だけしか見れない」みたいな状況になっていて。
キャラの背景は少しだけ語られる過去回想のみでしか知れないので、「結局あのキャラの事、よく分からなかったな」となってしまったというか。
そういうノベルゲーとして最低ラインのキャラクター性を構築出来ていないので、どんでん返し的なのをされてもキャラへの愛着が無い以上、「可哀想…」とか「えぇ!」などの感慨も無く、「…で?」くらいな感想になってしまった所がありました。
プレイヤーとしての感情を揺さぶられる事も無く、どんでん返しでも滑って滑って…最終的に恋愛至上主義過ぎるキャラクター達のドロドロした恋愛模様を見せられただけ。
愛って恋愛感情だけでなく、もっと他にも友愛だとか親愛だとか、大事に出来る感情は沢山あると思うのに、共感出来ないくらいどこかネガティブで仄かに嫌いなキャラクター達の「恋愛しないと死んじゃうぅぅぅう」を見せつけられる始末。
そんなの面白いと思う方が無理です、疲弊します、ゲームを始める度に「また、今作のキャラを見ないといけないのか…」とテンションが下がりました。


今作は途中下車形式なのですが、前半の二人があまりにも救われないのも、うぅん…
話の構造上、後半キャラの為の物語だとは理解しつつも、どうしても切り捨てられるヒロインが不憫でなりませんでした。
せめて分岐するなら分岐先で幸せになって下さいよ、幸せにさせて下さいよ…みたいな。
本筋ルートでも可哀想で、分岐先でも救われないのなら、分岐…必要だったか?という気持ち。
ヒロインを不幸にする為に分岐が成された感じがして…「『魔法の本』があっても抗ってヒロインを救う!!」みたいな展開が見たかった身としては、どのルートも『魔法の本』の傀儡になってばかりで…
やりたかった事や主張が「結局キャラクターは物語から抜け出す事は出来ない」だとは思いましたが、それでも、現実に「キャラが勝手に動く」という現象がある以上、抗って欲しかった部分がありました。
あと、主張の一つに「現実を見ろ」があるとは思うのですが、なら、現実はもっと摩訶不思議で奇想天外で予想通りや思い通りにならないものだよ!それこそ物語が定められた『魔法の本』に抗ってくれよ!シナリオライターの思惑すらも飛び越えてくれよ!!となり、主張と作品の状況がチグハグに感じた部分が大きかったです。


システムは普段はよほどじゃないと語らないのですが、言わせてください。
ちょっと誤字脱字が多すぎるのでは???
気にならないタイプの自分ですら気になったのでよっぽどかと。
パッチがありますが、パッチを入れても多いのと、パッチを入れると予約特典のゲームが起動しないのも酷すぎる…
商業でやるならもうちょっとこの辺り頑張って欲しかったです。


絵は綺麗ですが、一枚絵が表示される箇所で「ここで一枚絵?」となった所が多々ありました。
しかもその一枚絵もさほど場を盛り上げてくれず…
キャラは可愛く色などは綺麗なのですが、ゲームとして溶け込む感じに機能はしていなかった印象。
森の中にある図書館など、背景や世界観の雰囲気は良かった分、一枚絵の使い方が残念でした。
エロは、あって無いようなもの…というか、下手したら要らないかな…
まぁ、この辺りはルクルさんの作品なのでやむなし。


音楽は全体的に品が良かったです。
図書館という世界観に合っていたと思います。
最後にかかる「静かな決意」は好きなタイプの曲です。
ただ、OPEDの歌唱曲は無くても別に良いですが、スタッフロールくらいは欲しかったです。
声は全員良かったと思います。
特に妃役の御苑生さん、かなた役の花澤さん、クリソベリル役の小倉さんが上手く。
妃はキャラが好みかと言われるとそうでもないですが、あの、独特な蠱惑的演技は流石。
数多のエロゲでお見かけするだけの技量を感じました。
花澤さんは「頑張って元気に振る舞ってる」感がそのままかなたの内面らしい演技で、声からかなたの去勢でありつつも必死に笑顔で居続ける頑張りを感じました…ご引退されたのが惜しい方です。
ちなみに特典の『蛍色の光景』ではワンシーン、花澤さんのNGセリフがカットされずに収録されています。
商業作品でNGカット忘れは珍しいと思うので、必聴です。
小倉さんは今までも上手い方だとは思っていましたが、楽しそうに人を翻弄する演技とっても良かったです。
ラブリケ2の天童を思い出すテンションで…天童の演技が楽しく、とても好きだったので、クリソベリルの演技もとても好みでした。



プレイ順は
理央→妃→夜子→ノーマル(かなた)→クリソベリル(TRUE)
の順で攻略



『伏見理央 ルート』
『魔法の本』で作られた存在で、本の内容、設定的に絶対に主人公と結ばれる事が出来ない少女。
そういう「『設定』で生きている」ようなヒロインは好きですが、そういうヒロインを救う!という方向にならなかったのは非常に残念…
結局『魔法の本』の『設定』に打ち勝つ事は出来ずに、どのルートでも主人公とは結ばれません…不憫だ…
ただ、不憫に思いつつも、理央の性格は好きでは無かったので、悔しさみたいなのは無かったです。
性格を一言で言ってしまうと「性格の悪いさ◯らちゃん(カードをキャプターする系の)」。
「ほえほえ」「ふええ」「はわわわ」しながら、腹黒いというなんとも…
善良で優しく無い以上、そういうヒロインは腹黒ぶりっ子に分類されると思うのですが…いや、別に、ぶりっ子キャラ嫌いじゃないんですよ。
ただ、「全部私の思い通りになぁれ」系の自覚系腹黒ぶりっ子は好きですが、悪い事を悪いと思っていない系の腹黒ぶりっ子は苦手というか…
本の『設定』がある上での行動なので、仕方無さや可哀想さはありつつも、それに抗いに抗って頑張ろう!みたいな…要するに本当に善良系のヒロインだったらやるようなポジティブな方向で頑張ろう!みたいなのが見えなかったのがこう…
『紅水晶の本』を開いて行動する部分はありますが、そうやって『紅水晶』を開けるのなら頻繁に開いてでも『設定』に抗ってくれよ!!みたいな気持ちにさせられました。
そういう抗いが無い以上、まぁ、彼女と結ばれるルートが無いのは可哀想ですが順当な気はします。


『月社妃 ルート』
良いなと思った部分と「いやそれはどうなの?」と思った部分が合わさったヒロイン。
良いなの部分は『魔法の本』の『設定』に抗い、「『設定』によって他の男と結ばれるのなら自害する」を遂行した部分。
女の情念を感じてかなり好きな部分でした。
逆に「それはどうなの?」となったのは母との不仲と妃の異様な頭いいアゲ。
正直、頭が良い女性って母親と不仲にはならないというか…そういう不仲になりそうな相手ですら上手く付き合って、周りからの印象を良くする…言い方はアレですが周りを上手く利用するのが頭の良さだと思うんですよ。
でも、妃は斜め上から見下ろすような態度で人に接して、俯瞰したように、全てを知ってるように話すので、そこが鼻に付くというか…そういう部分がきっと母親からしたら面白く無かったと思うので「そういうとこやぞ」案件でした。
同性すら味方に付けられないような女性…頭が良いか?人を敵に回しやすい行動を取る人間が頭が良いと言えるか?と言われると…うぅん…となります。
そういう部分が引っかかる上で作中何度も「妃は頭が良いムーブ」をされるので、「いや、頭が良かったらもっと上手く切り抜けられるやろ」と思ったり「そもそも頭が良かったらこんな自分にとってクソ面白くない状況で自害せず、生きる道を模索してなんとか反抗し、生き返らせた相手への仕返しや反逆をするのでは…?」となりました。
別に自害が頭悪いとは思いませんが、頭が良い行動だとも思えないので…
結局『魔法の本』の『設定』を覆す事が出来る頭の良さは無いですし…
ああやって主人公にトラウマを植え付けて主人公すら死に誘う…教会での心中エンドがメリバ的には美しいと思う反面、「頭が良いなら生きて『魔法の本』の抜け道を探して二人結ばれる道を模索しろや!!」という気持ちにもなりました。


『遊行寺夜子 ルート』
明確に嫌いだなと思うヒロイン。
エロゲ、ギャルゲをやってる以上、「俺は俺を好きな子が好きだ」マインドはあるので、始終「嫌い嫌い」を言うヒロインを好きになれないのと、結局、嫌い嫌い言いつつも無自覚で夜子は主人公が好きで、その願いが反映されて『魔法の本』が開かれ、様々な人達を巻き込んだのが本筋なので、「夜子がもう少し自覚的であればこんな事には…」が付き纏います。
図書館に閉じ籠もっても生きていける上、母親から蝶よ花よと甘やかすだけ甘やかされて…ようは子供のメンタルのまま周りを巻き込むのでタチが悪い。
そんな夜子が現実を見る話…ではあり、作品の主題になっているとは思いつつも、自覚するまでが長い上、自らの願いで人を巻き込んだ分の贖罪があったか?というと…「主人公への恋に破れただけ」で終わったのがなんとも。
その願いのせいで無自覚ではありつつも妃や主人公は死んでるので、人の死に対して贖罪すらも甘やかされてるなーと感じました。
最後、クリソベリルと対峙する部分には成長を感じましたが、今までを払拭するくらいの成長だったか?と言われるとなんとも…
散々プレイヤーの高感度を下げに下げて来てたので、せめてプラスになる分には最後高感度を上げないと均衡が取れない中、プラスになるまでは上げきれずに終わったな…と感じました。


『日向かなた ルート』
一番好きというか、彼女のエンディングが最終ルートの分岐の片割れなのは納得出来ます。
キャラクターの中で唯一ポジティブ…というか本来の性格はきっと脆くて繊細だと思われるけれど、必死に明るくあろうとしているヒロイン。
そら、好きになりますよ…だって他が酷いですもん。
最後の最後で彼女こそが最初に主人公に告白した相手であり、彼女こそが真ヒロインなのが明かされますが…プレイヤーの高感度的にも順当かなと。
そういう振る舞いが彼女の『設定』で「かなたの明るさすら『設定』なら自分は何を信じれば…」とこの作品に対して疑心暗鬼にもなりますし、プレイヤー好感度すらも作者の手のひらの上なのかもしれませんが、自分は演技をしている女性や、与えられた役を演じ続ける女性、「嘘を最後まで貫き通せたらそれは本当になる」を貫き通す女性キャラ大好きなので、まぁ、それを踏まえても好きです。
正直、彼女の真実が隠されに隠されていて、一人のヒロイン贔屓に感じる部分はありますが、「一人だけ優遇されるの…?」という不満を他のヒロインのプレイヤー高感度を下げ、仄かに嫌いにさせる事で、「かなたが最終ヒロインで良かった!」と思わせる手腕は性格が悪い好感度調整だと思いつつも見事だと思います。
まぁ、そういう他のヒロイン下げが嫌いな人も居るとは思いますが…『設定』があるとはいえあんだけネガティブ揃いだとなぁ…な気持ち。
序盤はウザヒロインですが、他のヒロインのそういう嫌ぁーな側面が見えてくるに従って、「かなたが一番マシ」になるのが面白かったです。
だからこそ、このエンディングが正史で、TRUEいらないな…と思いますし、TRUEの人気が低い理由も分かります。


『クリソベリル ルート』
最終ルートでTRUEエンド扱いなのですが、正直に言って「なんでコイツを攻略しないといけないんだ?」が先立ちました。
実質、本作の諸悪の根源はクリソベリルと闇子だと思っているので、「これだけ周りの人間を振り回したヤツのルートがあっても…」というのが本音。
クリソベリルの過去も可哀想っちゃ可哀想ですが、だからと言って、関係無い人間をここまで不幸に貶めて良いか?というとNOですし、クリソベリルの可哀想な過去が「これだけの所業を犯しても納得出来るほどの過去か?」と言われてもNOですし、「夜子が自分に似ていて夜子を幸せにしたかった」と言いますが、「夜子の幸せは他に出来る事が無かったのか?」と思いますし、とにかく、やった行いに対して納得できる程の理由が無いので、ヘイトだけが貯まる一方の上、プレイヤー的にはヘイトがたまりまくってるのに物語的には「クリソベリルにもルートがあって許されましょうね~」をやるので、ヘイトだけが積り積もって、そのヘイトを中和するような、高感度をプラスにする程のものが用意されておらず、「なんでこのルートがTRUEなんだよ!!!」となります。
予約特典の『蛍色の光景』でどうにかそのヘイトが直接クリソベリルに向けられるので、少しはヘイトが払拭はされますが…というか、マジで猫の蛍がプレイヤーの代弁者だなと。
蛍がクリソベリルを非難しますが、「ご、ごめんなさい」と怯えるばかりのクリソベリルにも苛立ちますね…
ヘイトを向けても「自分が行った所業を責められるのは当然」という構えじゃなく、泣いて震えて被害者ムーブみたいなのをするのが更に鼻に付きます。
彼女がそういう『設定』だとしても、「行った事は行った事」ではある、「それはそれとして犯した罪は罪」だと思うタイプなので、『設定』と言われても「それはそれ、これはこれ」かなと。
正直、犯した所業を考えると、クリソベリルを好きなユーザー居るのか?というレベルにヘイトだけが残っています。
序盤は一人称「妾」で語尾に「~よん」みたいに喋るので某少年漫画のラスボス系ヒロイン、妲◯ちゃんを連想していましたが、最後の最後、夜子に否定され、『魔法の本』の力を発揮出来なくなると◯己ちゃんとは似ても似つかない哀れな挙動に…
あんなに余裕綽々、悠々自適に振る舞ってたのなら最後まで強敵ムーブしてくれよ…という残念さ。
鼻に付く挙動をして人を翻弄ながら最後には自分の犯した罪によってガクブルするとか情けないにも程があります。
自分が優位な時には人を馬鹿にしくさって、自分に優位性が無くなったら「ごめんなさいごめんなさい」と震える…どこのB級ボスですか?
それが彼女の『設定』かもしれませんがそれはそれとしてやった事はやった事なので。
シンプルに敵として好きになれませんし、ヒロインとしても好きになれず…気持ちの問題として「TRUEいらんだろ…」となりました。



正直、闇子とクリソベリルがいらん事しなければ全員フワフワとしながらも誰も欠ける事無く図書館で家族のように暮らせたのでは?と思うとやるせないです。
妃はどうあがいても死ぬ以上、かなたエンドでもTRUEエンドでも、どちらのエンディングでも妃が欠けた中、あの図書館で全員が笑い合って生活していくのだと思うとなんかこう…いや~な気持ちになります。
まぁ、妹キャラが特別な存在であり、作中トラウマレベルでイベントを起こし、永遠にプレイヤーの心に残り続ける構図はルクルさんらしいとは思いますが…
それでも、作者の「推しキャラは殺す」嗜好、ヘキが炸裂した上で、一度蘇らせた上でまた嫌~な感じで殺し、最後には主人公含め全員笑い合う中でそのキャラだけが居らずプレイヤーだけがモヤモヤし続ける…そういう感じの「なぜころたし」で心に残らせ続けるのは…なんか違うよなぁ…と。
『設定』がある上でかなたが好き(一番マシ)だったとは思いますし、演劇や演じる系、ジャンルとしてはとても好きなのですが、それでもやっぱり本作を好きになれないのは「物語が全て演劇上のもので、キャラが演技をしていたとしても演技外でのキャラクター本人の意思や信念、演技に対しての矜持などが描かれる」から面白い訳で。
本作はキャラが物語を演じるばかりなのに加えて、別に今作のキャラは役者でも無いので演じる事に対しての矜持などは特に無い上、更には本人の事や思想がほぼ見えず…「じゃあ本人の意思はどこにあるの?」となり、結局全員の上辺しか見れなかった所が没入度を下げていました。
『設定』で進む物語…それはそれで有りなのですが、それでも、そういう『設定』の上で魅力的に振る舞い、『設定』の中に『設定』を踏まえた上での揺るぎない自我を感じる、人間性を感じる、主義を感じる…そういうキャラクターが好きなので、やっぱりどうしても「好き」にはなれなかったです。


ルクルさんの作品は『空想彼岸』から『紙の上の魔法使い』とプレイしましたが、初めて完全に合わない作品に当たった感じでした。
しいて言うなら作品からキャラクターを『設定』で縛り操っている作者のドヤ顔が透けて見えるのが無理でした。
ルクルさんの作品は好きだけど、本人の顔が見えたら話は別なんですよ…
「仄かに嫌いなキャラクター達がネガティブな方向に話を引っ掻き回して、ネガティブなヒロインは『設定』と展開に苦しめられ救済が無く、最後はポジティブな『設定』のヒロインと諸悪の根源が救われる」…文章にすると本当になんだコレ?という感じです。
感想では好きだったという部分も上げる事が多いですが、ギリギリ好きと言えるのは「(例え『設定』で与えられた嘘でもそれを貫き通す)かなたのポジティブさ」と「妃の女の情念」くらい。
というか、そもそも、自分はキャラ厨な所が大きいので、好きだと思えるキャラが居なかったら作品を好きになり切れないので、今作はかなり厳しかったです。
今までのルクルさん作品が好きだった分、かなり残念な気持ちになりました。


機会があればルクルさんの他作にもまた触れていきますが…しばらくは間を開けたいと思います。



※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
参考攻略サイト様:誠也の部屋 様
https://seiya-saiga.com/
 紙の上の魔法使い ページ
https://seiya-saiga.com/game/uguisukagura/kamimaho.html