ひっそりと群生

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【Follow me, please】感想

【ツクール系全年齢】



2018年12月12日配信
sayuki』様 ※リンク先公式HP
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以下感想です。








罵倒の言葉選びや笑ってしまうタイプの人を小馬鹿にした仕掛けの数々が本当にセンスが良く素晴らしい一作。
アンドロイド少女に罵倒され、皮肉を言われ、からかわれながら進み、全ての「音声データ」を回収し謎を解いた先に待ち受けるものとは…



『主人公は唐突にどこかの施設内で目を覚ます。
 目の前には白い少女、少女は施設から脱出する為に主人公を導く。
 しかし、途中で主人公は穴に落ち白い少女とはぐれ、どこかの一室に閉じ込められてしまった。
 主人公と同じ部屋に落ちてきたのは自分は黒幕だと口を滑らせ名乗り、善良なアンドロイドと訂正したデビルという少女のアンドロイド。
 今度はデビルが主人公を罵倒しながら導く事になるのだが…』



1プレイ初回だと1時間程。
謎解きで難しい要素は殆ど無く、サクサクと進む事が出来ました。
そもそも迷う要素が無いのですが、一度クリア方法が分かると色々と裏道を行けたりします、便利。


プレイ時間もお手軽な上で、しっかりと物語として掴む要素は掴んで来ます。
デビルさんの痛快で語彙力とセンスのある罵倒に笑わされ、数々の人を小馬鹿にした笑える意味で腹立つ仕掛けの数々に1フロア、1シーン進む度に笑ってしまいました。
笑いのポイントは人それぞれなので絶対に笑える!!とは言い辛いのですが、私の笑いのツボはしっかりと抑え込まれ突かれまくりでした。
しばらくシリアスなゲームが続いたのでゲームで久しぶりに大笑いしました、有り難うございます。


そんな風に笑わされながらも進む度に拾う音声データや数々のマップで得られる情報から物語の全貌が明らかになっていきます。
笑いを取りながらもしっかりと物語には芯が有り、起承転結を描いていたのは流石の一言。
ただ笑えるだけではなく、SF物としてもとても良い物語だったと思います。
ゲームらしく、最初の方で辿り着けるEDはその場で見ても?だったりしますが、一度全貌が明らかになると意味が分かる仕様も素晴らしい。
そういう構造、ゲーム的で凄く好きです。


笑いあり、涙…は分かりませんが人の心に訴えかけてくるものがあり、進んで行く内にキャラクターが魅力的に見える要素あり。
久しぶりにゲームで爆笑でき、どのEDも好きだと思えた良い作品でした!



『システム、演出』
常に高速スピードで動けたり、一度EDを見ると途中から攻略出来る仕様は凄く有り難かったです。
特に、「音声データ」の統合は物凄く有り難い。
音声データを回収し、何らかのEDさえ迎えればデータが保存され、取り逃していたとしても別データに引き継ぐ事が出来ます。
他のツクール系でも是非採用して欲しいくらいでした。
おかげで取り逃した「音声データ」があっても、サクサクと統合して回収出来ました。


『音楽』
ピアノのシーンで流れる曲のネタ。
最初の分岐で行った先で流れるBGMが危険なのに痛快なBGM。
様々なシーンでの選曲がセンスの塊でした。
とある条件で聞ける音楽鑑賞モードですが…大笑いしました。
是非条件を満たして聞いて欲しいです。


『絵』
素材絵かな?
とにかく話もありデビルさんに愛着を持ちまくりでした。
寝起きのデビルさん…可愛いです……


『物語』
ただ罵倒されるゲームに見えながらもちゃんと起承転結はしっかりしている良い構成でした。
特に途中で見つける「音声データ」を読む事で登場はしていないけれど確かにそこに居たキャラクター達の存在を感じ、何が起こったかを把握していくのはゲーム的で大変好きです。
ゲーム世界にある資料を自分で読む事で世界の情報を得ていくのはゲームの醍醐味だと思ってます!
EDの分岐の仕方も大変好みで「最初では意味不明なEDも後から見れば意味が分かる」のもまたゲームらしく…
戦闘は無い…無い…まぁ無いですが(笑)、操作系のゲームで久しぶりに「ゲーム的な要素」を絡めたお話で、その内容も面白く大満足した一作でした。


『好みのポイント』
全ての真相が明らかになった時にドドンとキました。
過去のキャラ含めて、某3人の関係が凄く好きです。
3人揃っても好きですが…やっぱりどうしてもデビルさんの魅力が素晴らしいですね。
あまりにも魅力的で、EDの中の一つのその後とか見たいな~と思うほど魅力的でした!!





以下ネタバレ含めての感想です





「罵倒」は描き方によっては本当にただひたすらにムカつくものになります。
正直、「アンドロイド少女が罵倒する」という作品の惹き方は人によっては、「ただムカつくだけじゃん…」と思う事でしょう。
正直私も始めるまではそう思っていました。
某所の2018年のノミネートに入っておらず、その要素だけを見てたらプレイしていなかったと思います。
けれど、信頼している方が推していらっしゃた。
「これは何か意味があるはず…」と思いプレイしましたが…正解でした。
罵倒は罵倒で間違いないのかもしれませんが、とにかく言葉にセンスが溢れ出ている。
デビルさんの一言一言がセンスの塊で。
そして彼女がふっかける謎解きもまたセンスの塊で…
「罵倒」と聞いた時から「乙女ゲーとかで見かけるオラオラ俺様が主人公をなじる時タイプか?」と不安に思いましたが全く違う物で。
言葉って、センスが有るのと無いのとでは大きく変わるのだなと本当に思いました。
上記でも書きましたが自分のツボに合った事もあり、デビルさんの言葉に何度も何度も笑わされました。
そして、彼女が罵倒する事にもちゃんと意味がある、小馬鹿にしたような謎解きをさせるのにも意味がある。
ちゃんと意味があった所、その意味が主人公を想っているが故の行動だと知った時に素直に好きだと思いました。


キャラクターも、作中で実際に登場するのはマリアだけで、「音声データ」でしか登場しない他のアンドロイドや人間もまた個性的で。
「音声データ」の情報だけでとても個性的に描かれ、彼らが存在していた時のこの場所は賑やかだった事が情報だけでもしっかりと伝わりました。
だからこそ彼らの決断はとても重い物で…人類の存続という大きなものに賭けた彼らの願いもまた伝わって来ました。
ダライアス軍曹のキャラクターと、ジルヴィアの「家族」に対しての想いがとても好きです。


EDも、「落胆」と「退屈」は最初の方で行けますが、最初の方で行っても意味が分からず。
全部の謎が明かされて改めて見ると意味が分かる所が本当に好きです!!
「終末」も、唯一残された人類の二人…果たして二人だけで生きていけるのか、そもそも外は人間が生きていける世界なのか…
デビルさんからの言葉から色々と深読みしたり。
おそらく正史のED、分岐する「新たな日々」と「新たな命」もどちらも魅力的で。
「新たな命」はEDが流れる事から人類が存続するという意味では正史EDなんだろうなと思ってます。
主人公の願い…というか希望は叶い、デビルさんだけが永遠を生きる。
主人公の意見を尊重した所といい、世界の終わりまできっとデビルさんは存在し続けるだろう所といい、こちらもまた素敵です。
ですが、個人的には「新たな日々」がベストでした!
「他に滅んだり大変な事になるけど、んなこたぁどうでもいい!今を、自分達の人生を、自分達だけの幸福を貫く!!」
というようなEDがめちゃくちゃ好きなので、ちょっと「新たな日々に」軍配が上がりました。
きっと人類の可能性は絶たれたかもしれないけど、3人で末永く幸せに暮らして欲しいです!!
ってかさり気に主人公のハーレムED感ありますね。
ハーレム、好みでは普通ですが、こういう終わった世界で3人ぼっちとかのハーレムは好きです!


いや、でも、やっぱり最高なのはデビルさんの主人公への想いですね!
主人公の自らを殺す判断が人類全体を考えると正しい事を理解しながらも気に食わないから罵倒する事しか出来ない。
罵倒したりからかったりするけれども、心の奥底では敬愛している。
そして全てを管理しているラスボスでもある。
…ラスボス系ヒロイン好きなんです……
しかも最初から最後まで主人公に対して超特大のデカイ感情を向けてる所が…最高です。
「新たな日々」でも諦める事はしてなさそうな所が良きです。
他のアンドロイドの件も背負ってますからね…彼女はきっとその事も理解してると思うので、諦めずに、それでも3人での生活の幸福を享受して欲しいです。


2周目から行ける「茶番」も、ゲームらしくて大変良きでした。
「オープニングを飛ばす」と言っておいて「茶番」が始まるの、本当にこの作品らしくセンスが溢れていました。
「茶番」などのギャグパートでエミリーのキャラが若干掘り下げられたりするのも好きです。
ギャグでキャラを掘り下げるのとかに弱いです。
「茶番」を一度見るとちゃんとオープニングを飛ばせるようになるのもまた…


戦略などは無いですが、ゲームでしか出来ないゲームらしさ、笑い、ネタ謎解き、キャラクター、真相、何から何まで好みだった!!そんな作品でした。
自分のツボにハマる笑えるゲームで物凄く楽しかったです!!


「新たな日々」後の主人公とデビルさんとエミリーのハーレムほのぼの生活(?)短編でもありませんかね?
デビルさんが主人公とエミリーを罵倒しながらもツッコミ役に回ってしまうような短編…多分無いですよね…でも、見たいです!!
と、ここに表明しておきます。