【男性向け18禁】
1998年06月05日発売
『C's ware(解散)』
【EVE burst error Windows95】(PC)(18禁) ※リンク先wiki
以下ネタバレ含めての感想です。
冬ゲーをしたく、「冬の物語」とあったので90年代の名作、「EVE burst error」をプレイ。
12月の話なので冬ゲーでは間違いないのですが、冬らしい描写は最後の海のシーンで「海水が冷たい」くらいしか無かったので、特に冬を意識しないプレイとなりました。
プレイ時間は約14時間30分くらい。
DL版を購入、7でも起動可。
システム面で履歴が無い部分に過去作の洗礼を受けました。
途中、いかにもエロシーンが入りそうな所でエロスキップが入ったり、エロから明らかに別のシチュエーションに置き換わったイベントが挿入されたので、「18禁カテゴライズを購入したはず…」と思っていましたが、wikiを見たところDL版はR指定版で、セガサターン版の直移植らしいです。
一部の声優さんはエロゲに出ていてもおかしくは無かったのですが名義がそのままですし、その他の一部の声優さんは「この方がエロゲ版に出る事があるのか…?」と思っていたので、セガサターン版そのままの移植には納得でした。
このキャストのメンツがそのままエロゲに出る事は無いですね、分かります。
そもそも、今作は話のメインはエロではないですし、エロから置き換わったであろうコミカルなシーンの方が見ていて肌に合ったので、R指定版でのプレイで良かったと思っています。
本作は間違いなくザッピング作品の元祖にあたる方であり、ザッピング男女主人公モノの金字塔だと思われます。
菅野さんの前々作「DESIRE」は確かに男女主人公モノでしたが、女性主人公であるマコト編がほぼ話としては必要の無い内容だったのに対し、今作は本当に、紛れもなく、どちらの主人公も欠けてはならない完璧なザッピングでした(色々と情報を見る限り、マコト編がほぼエロに全振りしたのは菅野さんの意思を無視した結果だったらしく、本人も遺憾の意だったらしいです…)。
Aの主人公がとある行動を起こす事でBの主人公のフラグになりBの主人公が先に進めるようになる…
今でこそ、ザッピングでは当たり前に行われているプログラムですが、90年代、フロッピーディスク時代にこのプログラムを組んだのは凄いです。
フロッピーディスク時代…畑から耕して野菜作りから初めて料理をするような時代に、こういうフラグ管理を行う技量は正直ハンパないと思っています。
特に小次郎編とまりな編でパソコンに向かうシーンは本当に胸アツシーン。
片方の持っている技術と、片方の持っている権限をお互いに開示しながらパソコン上だけでやり取りをして、一つのデータのプロテクトを共に破っていくシーンは手に汗を握りました。
小次郎とまりな、すれ違ったくらいの認識しか無い二人の主人公がパソコン上で共に政府のプロテクトを破っていく…しかも、このシーンはザッピング必須で、プレイヤーが何度も主人公を入れ替えながら少しずつ状況を進めていくという、激熱システムで「プレイヤーがしっかりと関与している」という実感を持たせながら進んでいく所にゲーム性の高さやゲームの楽しさをしっかりと感じさせる工夫がありました。
主人公二人も自主的に動く積極的な性格でミステリーサスペンスモノの主人公として申し分無く、サブキャラも濃く魅力的なキャラ揃いであり、それぞれ色々と隠し持っている部分がありそれが開示されるシーンでは驚きがある。
まごうことなき90年代の傑作でした。
ただ、傑作ではあるのですが、少し思った所があり…
一つ目は単純に小次郎の90年代によく見かける女癖が悪く、女性に対しては尻軽で、ほぼ全ての女性キャラとフラグを立てていく…みたいな主人公像が苦手なので、その辺りに関しては好みでは無かった所。
上記で書いたセガサターン版のR指定が肌に合ったというのはソコです。
おそらく小次郎編は弥生というメインヒロイン枠の女性が居ながらバッコバコ他の女性と肉体関係を結んでいくと思うのですが、抜きゲー以外でそういうのがあまり好みではなく…
なので、エロシーンカット、もしくはギャグ的シチュエーションに置き換わっていたのは個人的に有り難かったです。
逆にまりなは女性主人公で男性経験豊富…というか男運が無く、フラれたり関係が自然消滅している事が多く、美人でプロポーション抜群なのにどこか残念で若い女性にセクハラをする傾向がありどこかオッサン臭く下ネタ大好き、という、あまり女性主人公では見かけない部類で(というか昨今のエロゲではまず見かけない部類の女性)、見かけない故の面白さがあり、まさに「おもしれー女」でかなり好きでした。
二つ目は最終章である「テラー編」が淡々と進んでしまい、「犯人視点の真相(ようは植え付けられたエルディア前国王の視点)」として見たかったものを見れなかったという残念さがあったところです。
犯人が誰かは分かった、で、犯人はどうやって小次郎やまりなの視界をくぐり抜けて犯行を行ったのか?小次郎とまりなが何をしている時に犯行を行ったのか?という、「これこれこういう時間帯にこの犯行をこんな風に行った」というのを見たかったのに、犯人としての視点(人格)ではなく、真弥子視点として進むので、「いや、違うんだよ、真弥子の気持ちも確かに知りたいけど、犯人として起こした行動を知りたかったんだよ」となりました。
三つ目は同じく「テラー編」なのですが、最後の真弥子の蘇生(?)はちょっとよく分からず…
小次郎編、まりな編までは理路整然としていて、話がカッチリしていたのに対し、「テラー編」になって話がポヤーっとぼやけたところがあるというか、「考えるな、感じるんだ!」みたいな空気になっていったというか。
自分は物語はキッチリカッチリした展開が好きなので、雰囲気で進む、みたいな流れになっていったのが残念で。
確かに真弥子は悲劇の少女だったので、行った罪は罪として償うとして、「生きてて償ってほしかった」ので最後、生きててくれたのは嬉しいのですが、やっぱり彼女が蘇生するまでの流れも見たかったです。
まぁ、ただ、大元がフロッピーディスクなのを考えると「テラー編」で「容量が…」と言われてもそれもまた分かるんですよね。
「テラー編」をああいう真弥子の日記の回想として、ちょっと情緒的に描いていき、状況をキッチリと描かなかったのは当時の容量の限界だったのかな…と思ってしまう部分もあります。
あと、真弥子がプリシアのクローンであり、急成長を遂げた存在で実質生まれてから一年しか経っておらず、エルディア前国王の器である…みたいな設定が明かされたとき、某RPGの主題歌が頭をよぎりました。
四つ目は小次郎の桂木事務所前所長逮捕の話と、まりなの飛行機テロの話が本編中少しでも回想などが入って欲しかったのに無かった所。
OPのアニメーションで過去回想だと思われるムービーが流れることしか概要が分からないんですよね…
サブキャラとの関係性がそこの過去ありきで話が進むので、過去を本編でもう少し詳しく描いて欲しかったです。
エルディア国家の件も、書面上の情報くらいしか分からない国だったので、もう少し国家情勢の深堀りがあったり、語られて欲しかったところ…
これもまた容量の関係などありそうですが。
五つ目は真弥子が最後、小次郎をフィアンセとして迎え入れたのには???でした。
真弥子とまりなはまりな編によって関係を深めていったので、深い関係になるのは理解できるのですが、真弥子と小次郎、途中で一回暴漢から助けてもらった(しかもその後、まりなが暴漢にトドメを指す)くらいで接点が無かったので、真弥子が小次郎に想いを寄せているみたいな展開は素直に???でした。
いや、いくら小次郎がエロゲの男性主人公的に女性とフラグ立てまくりでも、接点があまりにも小さすぎて納得出来ないというか…
むしろ、まりなとの関係の変化の方に心を奪われいたので、まりなよりも小次郎の方に想いを寄せる~みたいな流れに納得出来なかった部分があります。
まりなと真弥子の関係は小次郎も介入出来ないくらい強固なモノであって欲しかったです。
絵は「DESIRE」と同じく移植の際に一部アニメーション化。
ほんっとうにこの時代はバブリーです。
アクションシーンで動き回るのはアニメーションの強みですし、今作は銃撃戦シーンが沢山あるのでめちゃくちゃ画面映えしました。
ちょっと残念なのは、OPのアニメーションでゲーム内のアニメーションがほぼ使われるので、ある程度のシーンのネタバレを食らう事でしょうか…
アニメーション映えすると同時に「このアニメーション、OPで見た!」と進研ゼミのような感覚になりました。
声は平成前期の声ヲタの自分大歓喜なキャスティング。
聞いた事が無い人が居ないレベル(特に男性陣)でした。
今ではもう大御所の凄い方ばかりなのですが、若本さんと茶風林さんに関しては、「このお声で善人…?」と疑いながらプレイしていたら案の定の配役だったので声優さんでの悪役バレ凄まじいなと(ア◯ゴさんや目◯警部には目を逸しながら)。
個人的には3大好きな男性声優さんのうえださんがどう見てもヤラレ役で主人公に対して噛み付いてくる小物系の演技が聞けたのが最高だったのと、本部長役の野沢さんは流石でした。
軽そうに見えてでもやる時にはやるカリスマ性があって、上司の中の上司みたいな演技が素晴らしい。
今作、鬼籍に入られた方も数人いらっしゃり亡くなられた事は惜しみつつも、こういう名声優さんの演技が残っているのはとても嬉しいです。
過去の名作は残ったりリメイクされ続けるべき。
女性声優人も凄い方ばかりですが、真弥子役の岡本さんと弥生役の本多さんだけちょっと役にしては舌っ足らずだった印象。
TH2の春夏さんはそうでも無かったので、平成後期ではそうでも無いのかもしれませんが、当時の演技はこんな感じだったのでしょう。
まぁ演技に関してはどうしても皆さん時代が時代なので90年代演技ではあるので、そこはもう仕方なし。
とにかく全員今見るととんでもない方々ばかりでした。
リメイク版や続編で数人でも同じ方を集められたらしく…素直に驚きです、スタッフさんの手腕に天晴です。
『まりな編』
まりなが本当に「おもしれー女」なのでかなり楽しんで読めました。
内閣調査室などなど実力も有り経歴が凄い人なので、過去に色々と活躍してそう…その辺りは別作で語られているのかも。
今作では真弥子の護衛にあたるのですが、最初は険悪だった真弥子との仲がどんどん深まっていく流れが良く、真弥子とのシスターフッド的関係がとても良かったです。
だからこそ、上記で書いた通り、真弥子が小次郎とフラグが少しでも立ったのが許せないのですが…
真弥子はまりなとだけフラグが立ってて欲しかったです。
まぁ、まりなはまりなでオジサマ(鈴木)とフラグが立つのですが。
ラスト悲恋で終わるのと、シンプルに個人的にオッサンと女主人公のカプがあまり好みではないので、見ていてトキメキ的なのは薄くはありましたが、真弥子が小次郎とのフラグよりは拒否感は無かったです。
鈴木が明らかに裏がありまくり(実際あったし、小次郎の元上司であり親友である弥生の本当の父)なので、「まりな、今までも絶対こういう面倒な男に惚れてたんだろうな…」というのが察せられて、彼女の恋愛遍歴を現在の恋愛から察せられるのは面白かったです。
なんとなくですが、他作でも面倒な男に惚れてそう…イイ(面白い)女主人公です。
『小次郎編』
まりなに比べて「よく見るタイプの90年代男性主人公」なので面白みは少なかったです。
とにかく出会う女性という女性にフラグを立てまくる一級フラグ建築士。
弥生や恭子、プリン(プリシア)までは分かりますが、シリアにまで立てた時には笑いましたし、真弥子と立った時には素直に憎しみすら感じました。
性別の違う主人公の見どころとして、片方では同性だから敵対する相手が片方だと異性だからフラグが立つというのもまた見どころでセオリーだとは思いますが、「こんなに全員とフラグが立つほどイイ男か?」とはなる部分があります。
ただ、まりなとは全くフラグが立たず、お互い「頭は良さそうで切れ者だろうけどいけ好かない奴」みたいな印象同士なのは良かったです。
男女主人公同士が全くフラグが立たず、良い印象は無く、でも相手の才能は認めて良いコンビにはなる…みたいなの大大大好きなので。
後半に編が統合され、船に閉じ込められたシーンで言い合う姿は好みの関係が描かれてとても好きでした。
小次郎編で合っていた孔がまりな編にて実は別人だった事が判明するシーン、鈴木が小次郎の元上司(弥生の父親)と判明するシーン、男性だと思っていたロイド首相が女性で小次郎編で会っていたアクアと判明するシーン、などなど、驚くべきシーンでは素直に驚かせて頂きました。
特に鈴木の正体判明はまりな編でアッサリと語られるので「え!?今なんつった!!!?」と履歴が無い事を悔やみました、履歴があったら絶対もう一度読んでました…
プリンの薬での二重人格化はちょっと…流石に出来すぎていて驚きはあまり無かったのですが、当時だと斬新だった…のかも。
あとは上記でも書いた通り、パソコンのシーンは名シーンで、今でも話題に上がりそうだなーと思いました。
コマンド総当りモノなので、その辺りは現代のプレイヤーには多少キツさを感じそうですが、「常に何かを選択させ続ける」というのはゲームにおいては重要で、
選択肢の全く無い作品よりも選択肢が所々にある作品の方が進みが早く感じる」と個人的に思っているので、もう少し緩くすれば総当りコマンドを現代で採用するのも悪くないのでは?とは思いました。
進行フラグにはなりませんが、色々な場所をプレイヤーが任意で調べられて、調べる場所によって主人公の反応が変わる、というのは読むだけの作品では出来ない成功体験だと思います。
ザッピングの醍醐味といい、そういう、「ゲームとしての楽しさ」が詰まった作品でした。
EVEシリーズはその後続いているのですが、最近発売された2作品が高評価らしいので、いつかそちらにも触れたいと思いました。
※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
参考攻略サイト様:作品データベース 様
【https://sakuhindb.com/】
EVE burst error Windows95 ページ
【https://sakuhindb.com/howtoj/7_EVE_20burst_20erro/6_BDBDB7E6BDB8/】