TRUE REMEMBRANCEをn週目している人のネタバレ記録 その25
※この記録は里見しば様制作のTRUE REMEMBRANCE-remake-をn週目する人間の記録です。
※軽く片手の指以上の数の周回をしているのでネタバレ込み、伏線に触れまくりの記録になります。
※好き過ぎてスクショ撮り放題です。
※また、同作者様作『送電塔のミメイ』もプレイしてるのでその辺りにも触れています。
前置きは コチラ
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TR記事まとめは コチラ
【七話 雨と仔猫と終わってしまった話】その④
秋雨が降る中、少女と黒目は歩いて本を買いに出かけます。
ここの『この冷たい雨が、冬になると雪にかわる。』という表現、シンプルだけど好きです。
秋雨と書かずに、今の季節が秋だという事を表しているんですよね。
ただでさえ『冷たい雨』と言われる雨が更に『雪にかわる』という表現に聞いただけでもこの街の雪は物凄く冷たい物だという事を想像させ。
文章で温度を想像出来るの素晴らしいです。
そして、里見さん作品恒例(?)の相合い傘!!
ミメイでも出てくるのですが、作中のメイン男女二人が相合い傘をするのたまらなく好きです!
違和感無く、ナチュラルに必要だからするのが良いんですよね…
※
周りの風景に夢中になると足元が見えなくなる姿も変わらず。
とても可愛らしいのですが、とても危なっかしく。
本編で転ぶシーンが無くて良かったと思います。
ここで買った本は『意識の門番』なのか、それともそれ以外なのか。
黒目にもアナライにも言及されないので、少女しかこの本の事は知らないのですが、この本が『意識の門番』だったら…かなり胸が熱くなります。
しかし、黒目は少女が買った本が『意識の門番』だろうがそれ以外だろうが深く追求しないのが良いですよね。
少女が選んだ物を何も言わずにただ買ってあげる、良い保護者だと思います。
楽しいお買い物も一瞬で凍りつく黒い背広姿。
黒目とラはなんとかして黒い背広の男をやり過ごそうとします。
このシーンはいつ見てもドキドキしますね…
黒目の機転が利き、どうにか男を撒いた二人。
こういう行動が黒目やっぱり凄いなと思います。
慌てず、騒がず、普通を通し相手を撒く。
長年で培われた能力なのでしょうが、やっぱり今まで生きてきた人生が大変なものだったのだという事を感じさせます。
KAWAII DEATH!!!
お互いがイチャイチャしようと思ってなくて発生するイチャイチャはどうしてこう至高なのか…
黒い背広の男を撒き、安心する二人。
※
この言葉は黒目が断片的に見た記憶の中にありました。
そう、ここでおそらく黒目ははじめて名前を呼ばれたのです。
男を撒くのがどきどきした、怖かったという事で印象に残ったのもあるでしょうが、あの断片的な言葉が黒目が少女との思い出で印象に残ってるシーンならば、きっとここで名前を呼ばれた事が黒目の中で色濃く残っているのでしょう。
少女が黒目の名前をはじめて呼んだから、名前を呼んだ記念日。
黒目はいつも言動が余裕そうに見えますが、この言葉は嘘では無く、変化を恐れたり、内心で恐れている物はきっと多いのだと思います。
家に帰った少女は疲れたからか、直ぐに眠ってしまいました。
彼女がよく眠るのは教会ではよく眠れないからでしょうか…
少女がいつかどこかでゆっくりと深く眠れる場所を見つけられる事を願います。
訪れるアナライ。
パスタと野菜で夕食を作る事をご所望です。
この、「誰かと話をしたいから言葉を覚えた」って素敵ですよね。
少女とアナライは『S級封士』同士だからか、それとも、言葉を話さなくても良いくらいに信頼している「家族」になっていたからか、言葉を必要とはしない関係でした。
…もしかしたら、言葉を話さずに生活している程の冷めた「家族」という受け取り方も出来なくも無いですが、私はその可能性は低いと思います。
最後は愛し、愛され永遠に別れた二人が冷めた「家族」だとは思いたくありません。
アナライと少女は、気付かない内に血は繋がって居ないけれど、強い絆で「家族」になっていたんだと思います。
そんな強い絆を持った大事なアナライに対してすら必要がないとはいえ覚えなかった言葉を、誰か一人の為に、「話したいから言葉を覚える」という行為自体がもう…なんというか…尊いです。
黒目の存在は「家族」とはまた違うけれど、少女の中でとても大きな存在なんだなぁと(後に別の形態で「家族」になるかもですが)。
少女の言葉は全て、黒目の為にあるのです。
これを尊いと言わずしてなんと言いましょう…!!
「誰かと話したいから誰かの為に言葉を覚える」という萌えは間違いなくTRで培われました!!有難うございます!!!
何周しても最高の萌え&悶えポイントだ…と唸る中、料理が出来上がります。
ここ、実はずっと気になっている部分なのです。
ここで作られたのは『サラダとパスタ』。
※
「【ニ話 逃げて行くひと】その②」のプレイ記録(※リンク先記事)でも書きましたが、『サラダとスープは黒目が作ってくれたときに訊いたからわかる。』とラが言っています。
そして、
※
前に振る舞われたスープとパン。
TR本編でプレイヤーから見える範囲で黒目から二話の段階で振る舞われているのはシチューのみ。
もしかしたらプレイヤーが把握できない空白の日数で振る舞われていたのかもしれませんが、このTRはプレイヤーが把握できる所にしか基本情報が置いてありません。
空白の部分に情報を隠すとかもしない優良な作品なので、ひょっとしたら、ラが言っていた『サラダとスープ』はここの、五番街で振る舞われた物だったのではないかと推測しています。
食べ物一つでこんなに考察する事でも無いかもですが、二話の段階でラが五番街の黒目から振る舞われた料理の記憶を大事に持っていると思うと個人的に胸熱です。
何気なく生活で過ごしていた事、食べていた物とかが胸の奥底に凄く残っている…みたいな描写に弱いです。
そして少女を託される黒目。
アナライが少女を託すのは、自分がもう長くない事をきっと知っているから。
その『「愛していない」』という言葉はあまりにも重く。
利用する自分は少女を愛してはいけないと、まるで言い聞かせているようで…
それから、アナライと少女が姿を現さなくなり。
黒目は少女を心配します。
黒目の日常の中に少女が居る事が当たり前になっていたのだと。
黒目の変化を感じます。
今話はセーブタイトルが変わる事は無いのですが、長いのでここで一旦〆ます。
アナライの『「愛していない」』という言葉には何度聞いても胸を締め付けられます。
きっと何度も言ってしまいそうになりながら、言葉を飲み込んだのでしょう…
自分が深く傷付きながらも、どこまでも優しい人が多い世界だと本当に思います。TR大好き。
次回 →→→