ひっそりと群生

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【eden* They were only two, on the planet.】感想

【男性向け全年齢】



なんとなくminoriのノベルゲーム作品を最初からプレイしたくなったので購入part10。



2009年09月18日発売
minori(解散)』※リンク先公式HP(18禁)
eden* They were only two, on the planet.】(PC) ※リンク先wiki
以下ネタバレ含めての感想です。








システム面は7でもインストール可。
インストール時コード認証有り、ディスクレス起動可。
プレイ時間は約4時間15分くらい。
分岐無し、一本道


星の最後の恋愛物語。
はるのあしおと」で培った演出力を全力で発揮し、「はるのあしおと」「ef」の現代物語とは違い、星の終わりが確定している世界を描いた本作。
人の知能を越え、長寿で不老はあるが不死では無く寿命を迎えつつある人工生命体「フェリクス」の少女のシオンと共に二人だけで終わりゆく星の元に生きるというSFファンタジー色で纏め上げた高演出の世界観、雰囲気ゲー。
短~中編の手に取りやすい長さで、結末は「ヒロインの死」と「世界の終末」と確実に未来が決まっている流れを背景、音楽、カメラワークを駆使し、全力で王道的物語を手堅く纏め上げ上げた一作でした。
他の人類が宇宙に発った後、最後に星に残った人類としてシオンという少女と共に彼女の最期の時まで共にする物語である為、ゲームとしては完全に固定ヒロインゲー。
パッケージにここぞとばかりにメイドさんや軍服女性が居ますが、物語は一本道であり主人公が選ぶのは中央ヒロインのシオンのみとなります。
固定ヒロイン作品が大好きなので、一人のヒロインと終わる星で添い遂げる空気感はそれはもう最高で最高で。
美術力も相まって雰囲気ゲーの固定ヒロインゲーとしては最上級の物を頂く事ができました。


ただ、若干展開がスピーディー過ぎて主人公とヒロインの近付いて行く速さに急さを感じ、いつの間にか構築されていた二人の関係性にノリ切れなかった所があったり。
あと、これは完全に好みの問題なのですが、自分が主人公とヒロインの二人だけ、「二人の世界」で話が回る固定ヒロインゲーが好みなのもあり、作中で話が回る際には必ず他キャラが介入する事で話が動いたので、その点は若干好みから外れたり。
主人公とヒロインが二人だけになり、二人だけの生活が始まるのが本当にラストのラストなので、「二人の世界」としての好みは最後の方にだけに凝縮されていたなという印象。
二人の生活を綴りながら過去の館編を挟んで話が進行したら、もっと好みに近かった構成になったと思います。
後半には記者の真夜が登場して話が回りますし…もっと二人の、二人だけの緩やかな生活を堪能したいという気持ちもありました。
館編のラストも、館でシオンを拘束し管理をしている少佐が主人公とシオンが脱出する際に簡単に身を引く為、ちょっとあっけなさも感じたり。
勿論、少佐にも過去があり、主人公の姉のような存在で主人公が軍入りする前の一時期を主人公と過ごした「フェリクス」のナツメを元々居た館へ連れ戻していおり、ナツメと色々な事があった上で主人公とシオンを逃したのだとは思いますが、もう少し戦闘シーンがあって、「戦ったけど負けてしまった」みたいな建前くらいはあっても良かったのでは?と思ったり。
少佐が簡単に身を引く為、軍側でシオンとの脱出を阻止しようとするラヴィに対し、シオンと同じ「フェリクス」でありシオンの教育係のエリカがラヴィから守ってくれてラヴィの攻撃で傷を作り、「フェリクス」の寿命も合わさってエリカは死にますが、「この館で軍のトップの少佐がこんなに簡単に身を引くのなら、ラヴィとエリカは戦わなくても済んだのでは?」「エリカは深手を負わず死ぬ事は無かったのでは?」となった部分は若干モヤッとしました。
表立って「主人公とシオンの脱出を阻止しない」とは言えないとは思いますが、せめて上官のラヴィには「逃がすつもり」と言ってても良かったのでは?と。
もしくは最後にせめて戦闘をして「止めようとしたけど止められなかったぜ」くらいの行動くらいは見せて欲しかったです(というかminoriの超演出での戦闘を見たい気持ちもありました)。
エリカはあの場で死ななくても良かった道があったと思うのに、「主人公とシオンの二人きりで生活をさせる為」にわざわざ排除したような構図になっているのが都合を感じ、あまり納得出来ませんでした。


そういう館編での結末だったり、軍関係の規範を軍人キャラがあまり守っておらず、結構軍事関係の統率がボロボロだと感じた部分はありますが、雰囲気ゲーという部分で見ると許容範囲内ではありました。
「今まで100年間、人類を宇宙に逃がす宇宙船の開発の為に館に閉じ込められていた少女が、最期の時に連れ出してもらう事が出来、外の世界を知る」「最後の人類として、滅びゆく星の上、二人だけで最期の時を共にする」とにかくロマンが詰まった一作だったと思います。
はるのあしおと」「ef」は長編だったのですが、minoriの超絶演出を手軽く楽しめる一作として、進めやすく纏まった良「二人の世界」ゲーでした。


絵は女性キャラ担当がちこたむさん、男性キャラ担当がKIMちーさん。
ちこたむさん担当原画は初。
シオンがメインヒロインではあり、等身が低い女性が多いのですが、個人的にエリカの等身が好みでした。
エリカの泣きぼくろがどこかセクシーで、メイド服の構造が凝っていて見ていて飽きませんでした。
KIMちーさんは「はるのあしおと」「ふぁみ☆すぴ」でお見かけした事がありました。
どことなく蔓木さんの絵柄を彷彿とさせる男性キャラでSkyFishの系譜を感じました。
背景は素晴らしい、流石。
OPでゆうろさんのお名前をお見かけし、安心と納得をしました。


音楽はminoriでおなじみの天門さんと今回minori初参加の柳さん。
前半は軍が関わる為、勇ましい曲が多く。
後半は終末的な静かで切ない曲が多かったです。
Android」とOP曲アレンジの「To the new world」が好きでした。
OP曲もおなじみの原田さん。
閉じた世界から飛び立つようなサビがシオンに合っていました。
OPムービーは今回から新海さんはいらっしゃいませんが、力ある方が居なくなっても落ちないクオリティにminoriのOPへのパワーを感じました。
声はエリカ役の中島さん、真夜役の後藤さん、少佐役の遠近さんは安定というか…安心というか…
魂の双子というか…とても良かったです。
今回は主人公も初のフルボイス。
主人公の亮役の間島さんは堅物軍人らしい話し方が良かったです。
シオン役の志村さんは可愛らしくも100年生きた落ち着きがあり、年輪を感じさせる演技でした。
ラヴィ役の中村さんは明るく振る舞いつつも10代で軍に入ったラヴィの過酷な過去を感じさせる気難しさを見事に演じられ、上手かったです。


中編で触れやすい起承転結綺麗に纏まった終末SFゲーでした。
minori初の全年齢作品ですが18禁アペンドディスクとして「eden* PLUS+MOSAIC」があるので、そちらも続けてプレイしたいと思います。
話は本編で完結しているのと、完全にシオンゲーなので、おそらくお祭りゲーや「if」のような感じでエロがあるのかな?と。
本編を補完する内容などは無さそうですが、本編とはまた違う「もしもの世界」のヒロイン達の姿が見れると思っているので楽しみにしています。



※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
 参考攻略サイト様:誠也の部屋 様
https://seiya-saiga.com/
 eden* They were only two, on the planet. ページ
https://seiya-saiga.com/game/minori/eden.html