ひっそりと群生

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【コイ×ミツ ~八重練紗祈と赤い糸の王子様~】感想

【男性向け18禁】



2021年04月30日発売
とるてそふと』※リンク先公式HP(18禁)
コイ×ミツ ~八重練紗祈と赤い糸の王子様~】(PC)(18禁) ※リンク先Getchu.com(18禁)
以下ネタバレ含めての感想です。








プレイ時間は約7時間くらい。
共通ルートが約4時間15分くらい、個別ルートが約2時間30分くらい。
アペンドが2つ合わせて15分くらい。
7でもインストール可。
ディスレス起動可。
「コイ×ミツ」シリーズを全3巻揃えているとアペンドに2つエロ有りのアペンドショートストーリーが追加出来ます。


ヒロインが固定されてるタイプの作品に触れたくプレイ。
このゲームをプレイ時が2021年の7月なのですが、1年以内に発売された商業ゲームをプレイするのが凄く珍しいです。


少女漫画が好きな主人公と少女漫画が好きなヒロインが出会う時、そこに少女漫画空間が出来上がる!!
内容はもう、甘々!砂糖菓子を散りばめたように甘々!!
お互い惹かれていく過程や想いの伝え合い方も丁寧ですし、付き合ってからも下手なシリアスが発生せずずっと甘く。
固定ヒロインイチャラブゲーとしては、良かった!満足!!そんな一作でした。


主人公が彫りが深く目付きが悪く見える自分の見た目にコンプレックスがあり、その事で周りに恐れられているという外見コンプレックス持ちだったのが珍しく。
そういうコンプレックスがある中で、ハーフで地毛なのに金髪だから見た目が軽く見えるという理由で友人達からは恋愛マスターと呼ばれ教師からは疎まれているヒロイン、紗祈とひょんな事から同じ恋愛漫画が好きな同士だと分かり接点を持って行く所からスタート。
自分が外見にコンプレックスがあるからこそ紗祈が外見だけで悪い方向に言われる事に耐えられなかったり、自分も紗祈を外見だけで「ギャルで自分とは反りが合わない」と勝手に決めつけていた事に対して反省したり。
そういう同じコンプレックス持ちだからこそ理解し合える関係と、同じ少女漫画が好きなようにお互い恋愛への憧れのスタンスが似ていたり。
作中で静玖が「月」で双鳩が「太陽」なら紗祈は「地球」と例えたように、まるで母星のように自分と近い価値観、考え方を持つ少女で同じコンプレックスや恋愛での考え方を持つ存在の安定感のようなものがありました。


結構外見がどうのこうの言い出すと色々と言われるようなこの時代でしっかり「外見をコンプレックスに持っている」という設定を出してくれたのも嬉しかったり。
どんなに「問題にしてはいけない」とは言ってもそういう悩みを持つ存在が消える事は絶対に無いので、こういう自由度がエロゲのアングラさでやっぱり好きだなーと思いました。
主人公もまた良い奴で。
年相応の調子のこき方もしますが、基本外見の怖さで遠ざけられてきたような人間なので人の苦しむ気持ちや悲しむ気持ちには敏感で。
どんな時でも相手を優先して考えようとする姿勢はとても好感が持てました。
特に「少女漫画が好き」という設定がある為、恋愛に対しての憧れや憧れているからこそ大事にしている誠実さは本物で。
お菓子制作と恋愛相談両方を兼任する「スイーツら部」という部活を設立した後、「全員に恋愛経験が無いのは問題なのでは?」という状況になり、静玖と双鳩と紗祈と3日間交代交代でお試しデートする流れになりますが例えお試しでも「とっかえひっかえしてるみたいで嫌だなぁ」と思ったり、後半、共通ルートで名前が登場した初恋の人のジョセフという少女に対し「主人公の初恋」という部分で紗祈が悩んでいると思うとジョセフから貰った手紙を捨てる程に「紗祈が一番好きだから」と誠意を表わしますし。
紗祈も「それは違う」と制してくれますが、そうやって過去へ嫉妬したヒロインに対しても頑張って今の自分の気持ちを見せようとする姿がとても良かったです。
何よりも、共通が終わり紗祈の物語に入り紗祈への気持ちに気付くとずっと紗祈に対して好き好き言い出すんですよ!
台詞でも言いますし、地の文、モノローグでも紗祈への好きが溢れていて。
それが、もう、なんというか、最っっっ高!!
自分は主人公からヒロインへの好きという感情が大好きなので、モノローグでここまで好意を隠さない態度にひたすらニヤけました。
好きも隠さない上に、手紙の一件のように、まず紗祈の気持ちを優先して考えていて、もう花丸、最高。
手紙の一件も「それで実は主人公が初恋の相手を引きずっている~」とかはあまり無く、「確かに初恋はあったけど、今はもう紗祈一筋で、むしろ紗祈が気にしている事を気にしている」という状態な為、「紗祈、絶対第一」に揺るぎが無く。
一応3作品のシリーズ物なので、他の話でその部分が回収されそうだなーという要素としては残りますが、紗祈との恋愛の障害にはならず、重苦しくならなかった所がとても良かったです。
固定ヒロインゲーでは固定ヒロインだけを愛でたい自分として、初恋が主人公の恋を揺るがすクソ重展開にならなくて本当に良かった、良かった…


むしろヒロインの方が確かに可愛いのですが前半は主人公の事を怖がっている側で、主人公が自分を嫌っていると勘違いしているので当たりがキツく。
しかも後半では恋に盲目になり前半でのキツめの行動を無かった事にしている気があるので、「それはなんだかなぁ」となったというか。
いや、恋に盲目になってイチャラブするの大好きなのですが、過去を無かった事にはして欲しく無いというか、「あぁいう態度取ってたけど、ゴメンね」みたいな態度の方が個人的に好ましいというか、そんな気持ち。
序盤仲が良いヒロインでは無い為、弱ツンデレな子ではあり、そういう態度の変化も楽しむ要素だとは思いますが、「無かった事」にする程、恋に盲目になって欲しくは無いなぁという。
担当声優さんがキャストコメントで「キツい言い方が多くて、それを許してくれる主人公が優しかった、紗祈ちゃん今後は大人な対応になろうね」的な事を仰ってるのですが、キツめの対応に対しても主人公が優しいので主人公の方に好感が持てるという珍しい構図に。
ですが、手紙の件で「大事だった想い出は別」とちゃんと言って主人公の手紙を守ったりするので、良い子で優しい子である事は間違い無く。
ツンデレの少女漫画が好きで自分の見た目にコンプレックスがある子で、そういうキツイ部分も可愛い要素として受け止める事が出来、不快感は少なかった所が良かったです。
ツンデレ系は苦手なのですが、苦手な自分でも「ん…?」となった要素は「恋は盲目からの過去の忘却」くらいだったので良ヒロインだったと思います。


エロは回想モードで6回、アペンドで2回。
固定ヒロインゲーとしては少ない印象がありますが、エロシーン多くガツガツ入れられるよりも固定ヒロインゲーはイチャラブシーンに割かれた方が嬉しいタイプなので、イチャラブ要素の方が多く満足。
想い合ってからエロが入るので抜きゲー感も少なくイチャラブとして良し。
エロも純愛で欲しいのは揃っている&エロシーンの1つのヒロインの自慰シーンがあるので文句無し。
その上、エロシーンでも2発当たり前で3発以上が普通にありましたし、一回が濃厚なので問題も無く。
童貞×処女の初体験スキーとしても初体験が丁寧なので嬉しかったです。
初体験で挿れて耐えられず速攻で出してしまう描写大好きなので、その点でも性癖に刺さりました、有難う、本当に有難う。
最後のエロシーンも夜が明けるまで抱き続けて精液まみれというエロさの自乗で大変エロく大変良きでした。
アペンドのエロは1つ目は普通にエロ要素ですが、アペンド1ラストで「お試しデートで行った所を本格デートで行きたい」という話が出て、アペンド2でそのデートをする&お試しデートでのお姫様風ロリータ服でのエロが入る為、物語での重要要素は無いですが本編の補完要素にはなっており「本編が好きなら見たほうが吉」にはなっていました。
3作同時購入特典ではありますが、今作を買って好まれた方は全作買うと思うのでアペンドは当てた方が良いです。


絵は3ヒロイン全員原画家が違う為並ぶと若干の差は感じましたが塗りでカバーされてはいました。
地味に各ヒロインのちょっとした変顔が好きです。
紗祈担当のイチリさんが個人的に一番絵柄では好みだった為、見ていて楽しかったです。
CGもちゃんと文章に反映されてるのが良く、お揃いのキーホルダーがCGで反映されたり、ラストCGでもスーツケースに付けられていて「おっ!」となりました。
主人公、後半で顔が出ますがイケメンだったので「彫りが深くて怖いと言われるけど実際はイケメンとか…阿◯寛さんか?」となり。
「この顔でモテないの嘘だろ…」ともなってしまいました。
主人公の顔は設定もあるので最後まで隠れてる方が良かったなーと思ったり。
でも、まぁ、どんなに顔の造形が良くても本人がコンプレックス持ってて下を向いていたり行動が駄目だったらダメダメになるので、そういう部分で損してきたタイプだとも思うので、そういう意味でも「イケメンでも雰囲気や言動が駄目だと逆に顔が良い分恐れられる」みたいなリアルさがあったとは思います。
あとは…キャストコメントでも仰られていましたが、紗祈の髪を下ろした姿は見たかったです。
アペンド前にキャストコメント聞いたので浴衣とか髪下ろし来るか!!?と期待しましたが来なくて…「無かったよチクショウ!!」となりました。


音楽は音楽鑑賞モード無し。
曲名不明ですが、とあるBGMがエロシーンで流れるにしては旋律が不穏で「凌辱ゲー?」となったBGMが一曲ありました。
あとは普通に純愛ゲー曲だったのですがあの一曲は一体…
OP曲は無しEDに歌有り。
イチャラブゲーの曲として普通に良かったです。
にしても安田さん最近良くお見かけします、自分は某同人ゲームで最初に歌をお聞きしたのですが、可愛らしい歌声だと思います。
声は紗祈役の夏峰さんは初聞きでした。
「ぷちコロがす」はまだ良いとしても「ぷちコロがされろ」とか「ら行」が来ると本当に言いづらそうだなと。
キャストコメントで嘆いていらっしゃり心労お察ししました。
明るいギャル系の演技は聞いててサッパリとしていて良かったです。
静玖役のあじさんは今年「となこい」をプレイして妹役でお聞きしましたが、こういう大人しいというかマイペースな役も良いなぁと。
その中でも個人的に双鳩役の杏花さんの演技が好きでした。
キャラもあるとは思いますが、ふとした時に素っぽい台詞回しをするのが凄く良く、スッと低めの素っぽい声になるのが最高でした。
台詞内での切り替えが上手かったです。
今回非攻略キャラでしたが、非攻略キャラ特有というか、背中を押す仲人キャラ特有の演技での良さが双鳩にはあり、とても好きでした。


あと、システム面の話になりますが、7起動だったので起動時毎回「サポート外だよ☆」というアナウンスが入ったのは邪魔でした。
分かってる、分かってるので、注意は一回で良かったです。
射精カウントダウンがあったのは神でした、カウントダウン大事。


固定ヒロインゲーとしてはとても良い作品だったと思います。
…が、一点申したいとすれば構成かなぁ。
今作、おそらく前半は「共通ルート」になっていて、3作品どれも前半一緒だと思われます。
で、後半で各ヒロインの物語になるタイプなのですが、こういう構成になっていると正直、「後半分岐前に一つ選択肢挟んでフルプライスでも良かったのでは?」とも思ってしまい。
フルプライスだったら固定ヒロインを求めている自分のようなタイプは買わなかったので、こういうのも有りだとは思うのですが、今後他2人のヒロインに触れる際にどうしても前半を飛ばす為、他2人のヒロインが短く感じてしまうと思われ。
固定ヒロインゲーは横一列に平等になっていて欲しい派なので、「最初のヒロインが圧倒的に長くなる」という作りはどうかなーと。別会社の「ろけらぶ」というシリーズも3作品同主人公の固定ヒロインゲーだったのですが、それは主人公は同じでも前半から主人公の境遇が少しづつ違い、その違いが各ヒロインとの繋がりを生む流れになっていて。
前半の差別化が上手い具合に同主人公の固定ヒロインゲー内での差別化が出来ていると思いました。
今作はそれが無い為、前半での差別化は無く、言ってしまえば「フルプライスでも良いじゃん」な作りになってしまっていました。
固定ヒロインゲー好きとして、そういう「固定ヒロインだからこその出会いなど導入の違い」というのを求めているので、そこはちょっと…となるのと、そもそも固定ヒロインは「複数ヒロインの際に共通でヒロインが主人公に惹かれた時、ルート分岐で選ばれなかったヒロインに罪悪感を感じたくない」という理由があって好んでもいる為、「共通ルート」がある事に加えて「共通ルート」でヒロインが主人公に惹かれていく描写があると、「「共通ルート」で各ヒロインが主人公に惚れるなら固定ヒロインでもヒロインの話に行った際に罪悪感が生まれるじゃん!!」となり減点ポイントだなーと思っています。
イチャラブゲーとしての話自体は面白かったのですが、面白かったからこそ、「紗祈だからこそ!の前半が欲しい!」とも思ってしまい。
そういう部分はちょっと残念でした。
固定ヒロインゲーとしての良さはある為、他ヒロインもプレイ予定ですが、共通ルートの同一化は凄く勿体無いなぁと思いました。



※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
参考攻略サイト様:誠也の部屋 様
https://seiya-saiga.com/
 コイ×ミツ ページ
https://seiya-saiga.com/game/tortesoft/koimitsu.html