ひっそりと群生

ひっそりと持ってるCDの情報やゲームの感想上げたり。購入物の記録など。気ままに。飽きっぽいので途中で止まったらご愛嬌。

TRUE REMEMBRANCEをn週目している人のネタバレ記録 その19

※この記録は里見しば様制作のTRUE REMEMBRANCE-remake-をn週目する人間の記録です。
※軽く片手の指以上の数の周回をしているのでネタバレ込み、伏線に触れまくりの記録になります。
※好き過ぎてスクショ撮り放題です。
※また、同作者様作『送電塔のミメイ』もプレイしてるのでその辺りにも触れています。


前置きは コチラ

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TR記事まとめは コチラ






六話 歌】その①



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ここでセーブを取ると『六話 うすい月の夢』というセーブタイトル。
個人的事情で申し訳ないのですが、実はここまでがストックで記事を書いていて、ここからが時間を置いてからの記事の作成になります。
忙しかったのもありますが、自分でもよく、Amor Kana様製作「BRIGIT」が流れる中でゲームを止めていられたなと思います。
こういう佳境で物語が大盛り上がりの中でもどうにか止められるというのは何周もプレイしてからの強みというか。
初回プレイ時は確かこの辺りからエンディングまで一気に読んだ記憶があります。
一話単位だから一日一話!とか決めて楽しんでましたが、ここからはもう切るのが無理でした、当時徹夜した記憶があります。

BRIGIT」、ネタバレ記録なので言ってしまえば、それはラが歌っている時に流れる曲です。
この曲が流れている時は彼女は誰かを自身の歌で癒やしているのです。
タイトル画面でも優しく鳴り響いている「BRIGIT」の事を考えると彼女はプレイヤーすらも癒そうとしているのか…
ラの歌声はどこまでも優しい。


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黒目の中に響き渡るのは優しいラの歌声。


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六話開始です。
La

ここで初めて、彼女の名前の意味が明らかになります。
初回はこのサブタイトル、正直に言うと?でした。
「だってラはお客様で…」と思ってました。
察しが良い方はここできっと気付かれるのでしょうが。
私は騙されたままで進み、七話でその構成の匠さに唖然とした思い出があります。
今でこそゆっくりとプレイ出来ますが、七話で語られる彼女が自分の名前を決めたであろう理由を考えると、何もかもが黒目と共にある事に気づき、とても切ないです。
もう、『La』という言葉が『』という意味なので、訳す事も無いのですが、私はここは
La
と書き
きれいなおと
と読みたいなと思います。
黒目がラに対してそう語っていたから。


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黒目の朝は、前にラが語ったように眠そうに、ぼんやりとから始まります。
いつも寝覚めが悪い黒目ですが、今日はマリアさんの事だけでなく、ラの歌声も関わっています。
彼女の歌声により部分的に催眠状態になった黒目、彼は今日、徐々にラの事を…


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あの歌について考える黒目。
BRIGIT」は本来マリアさんしか知らない歌。
ラがこの歌を知る経緯と、きっとラはこの歌しか歌を知らない事を考えると胸が苦しいです。


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五話の終わり方があまりにも切ないのと同時に少しの不安感が漂っており、初回プレイ時はラが出ていってしまうのでは?と不安になっていたので、まだちゃんとラが居てくれたと、いつも通りの日常が始まった事に安心しました。
ラが黒目に笑ってくれる日常がまだ残っているのだと。


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昨日の夜に流した涙は彼女のものであり同時に黒目のものであり。
いつも通り明るく振る舞おうとするラがとても健気で儚いです。
二人でいつも通りの朝食が始まります。


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涙ぐましい努力だと同じように思うと同時に、彼女の今までの生活と食事、栄養の事を考えると単に可愛良いだけには思えないのが苦しいです。
きっとこれから成長するだろうし、もっと沢山美味しい物を食べて欲しいなと願います。


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こういうシーンは、「ここでもし聞いていたらどうなっていただろう?」と考える事があります。
黒目がラにここで歌の事を聞いていたらどうなっていたのか。
でもきっとラは聞いても誤魔化すのが下手なりに誤魔化していたのだろうなと。


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自分自身にラはお客様だと言い聞かせる黒目。
黒目の中で確実にラが普通のお客様とは違う存在に変わっていっている事をどうにか踏み止めようとしているのが伝わります。


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いつも通りに見える温かい日常の中で、しかし、確実に変化があります。
いつもは喜んで外に一緒に出かけるラが外に行く提案を断ります。
初回プレイ時は「あぁ、こうやって別れの時は近づいているんだ…」と寂しい気持ちになったものです。
二周目以降はこの後に右手と合う約束があるからだと知るのですが。
ふと思ったのですが、ここで黒目が買い物に出かけるから良かったものの、この日、黒目が外に出かけなかったら右手と合う約束はどうなっていたのでしょう?
冷蔵庫の中身が減ってからの買い出しなので、右手はこの家の冷蔵庫事情を把握してい…る…?(冷静に考えれば、黒目が何らかの用事で出かける時にラが出かけるのを断り、右手に会いに行けばいいので、黒目さえどこかに出かければ問題はないかとは思いますが)


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一人で食材の買い出しと、そして心に抱えていた諸々の用事を済ましに行く黒目。
心の中でラがもうお客様を超えた存在になってきてしまっている事に焦ります。


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私は、ここの描写が凄く好きです。
表情の変化が乏しい黒目が、心の中ではラとの居心地の良さに焦っているのは辛い事だと思いつつも、最高だなと思ってしまいます。
「ただの知り合いだった→特別な存在になってしまっていた」
の切り替わってしまう部分、自覚してしまう部分はどんな物語でも最高だと思うのです。
今までの物語、出来事でゆっくりとラへの想いが形を変え、ここでもう、ラは特別な存在になってしまったという自覚を初めて言葉、心情を心の中で吐露します。
TRでの黒目の心の自覚点はここだと思っています。
勿論、過去を考えると既に特別な存在ではあるのですが、プレイヤーが進んでいく範囲での最初の気持ちのブレってここだと思うんですよね。
なので、ここでの心情の変化、自覚が凄く好きです。
いつも無表情でラから見れば余裕しか無い黒目が、ラの事でこんなにも心乱されているのがとてつもなく最高です。


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今はラから距離を置きたくて、逃げるように様々な場所に行く黒目がまたいつもと違い子供っぽく可愛く見え、同時に黒目の人間らしさを感じます。


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ラとの時間を置く為に五番街の自分の家に戻る事にした黒目。
細い道や路地が多く昔住んでいた街に似ている五番街
けれど白く清潔で、黒目が住んでいた街とは似ても似つかない五番街
彼はそれでも自分の住む場所を五番街に決めたのだと思うと、やっぱり自分の過去、マリアさんとの思い出は忘れられないんだなと思います。
新境地で全く違う場所、三番街とかに住んだりしない辺りが、忘れたり捨てたり消したりする事を選ばない黒目らしいです。


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黒目の自室にある、黒目の買った覚えのないワンピース。
この辺りを黒目はスルーしますが、プレイヤーはかなり不思議に思うはずです。
実際、初回プレイ時は「え!?スルーしていいの!!?」となりました。
自分の家に勝手に誰かが入って服を置いてる…とか怖いはずなのにスルーするの!!?みたいな。
今考えるとここではもうラの記憶処理が施されていて、かなり曖昧になってる状態なんですよね。
いつもの黒目なら取らないような行動を取ることが多いです。


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プレイヤーから見てもかなり不安定に見える黒目。
そんな不安定な中、黒目はいわくつきの五番街の廃教会へ。
ラが連れ去られた場所、アナライが居た場所、ラが住んでいた場所、そして物語の最後を飾る場所。
様々な出来事が集約される廃教会。


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アナライ、猫、マリア。
黒目の様々な記憶が現実と虚構を織り交ぜて語られます。
この辺りの黒目はもう物語を語る視点としてのキャラクターとして信用はほぼ出来ない状態です。
彼の語っていることが何が真実で何が偽りなのか、初回プレイではもう推測する術はないでしょう。


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それでも、マリアさんとの事はきっと事実なのでしょう。
彼にとってのマリアさんが深く語られるのはここだけなのでとても重要です。


マリアには一度も言葉で気持ちを伝えたことがなかった。


二周目以降だと、この言葉が後にちゃんと意味を成し、今度こそ自分の大切な人には大切だと言葉で伝えようとする黒目を思い出します。
言葉は、伝えないと伝わらない。


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さり気ない伏線回収も本当に素晴らしいです。
二話でも書きましたが、ラから見た黒目は、



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朝食をたべながらぼーっとする、食器を洗いながらぼーっとする、食後のコーヒーを飲みながらぼーっとする……。
 普段から真剣味のない黒目だが、朝は特にひどかった。


と単に朝が物凄く弱い人に見えますが、黒目にとって明け方はマリアさんとの様々な過去を、入り組んだ黒く染み付いた物で汚れた街に居た頃の事を思い出すのでしょう。
それに、マリアさんが記憶処理を行った時の事も。


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大分時間を潰す事が出来た黒目は、『AROMA』へと向かう事に。
五番街あたりから主人公としては、物語の視点のキャラクターとしては物凄く不安定に感じる黒目。
ラを心配しつつも、どことなく所々から彼のおかしさ、歪さを感じ、ゆっくりと、黒目の記憶からラの記憶がこぼれ落ちるのを感じます。

この辺りから伏線回収が凄まじいので、前のスクショを多々引用する可能性がある事を先にお伝えしておきます。
この言葉は、この文章はあの時に繋がるでは…?と思う部分、前プレイからの引用スクショは画像の上に※印を書いておきます。



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