ひっそりと群生

ひっそりと持ってるCDの情報やゲームの感想上げたり。購入物の記録など。気ままに。飽きっぽいので途中で止まったらご愛嬌。

【毒味メイドと嫌味シェフ】感想

【乙女全年齢】



2020年04月01日配信
しぐれいん』様 ※リンク先公式HP
毒味メイドと嫌味シェフ】(PC) ※リンク先ノベルゲームコレクション
以下感想です。








世界は二人のラブの為にある!
どう足掻いてもハッピーエンド!!!



『とある帝国で毒味係として働くメイドのユーリャ(名前変更可)は、
 ことあるごとに喧嘩を売ってくる腐れ縁のシェフ・システィと顔を合わせるたびに嫌味の応酬を繰り返していた。
 密かにシスティに想いを寄せるユーリャは、本心では素直になりたいと望みながらも、喧嘩友達である現状に甘んじていた。
 素直になれない二人を見かねた世話好きの陛下は、ドッキリ大作戦を提案するが…!?』
(公式より引用)



プレイ時間は約1時間くらい。
分岐有り。
移動や選択肢でセーブ推奨。
移動箇所で一箇所2回イベント有り。


毒味係の主人公、ユーリャとシェフのシスティのバカップルの言い争い!
どう見ても両想いなのが丸わかりな二人が嫌味の応酬を繰り広げる姿は見ていてまさに「爆発してしまえ!!」な気持ちに。
二人のバカップルっぷりは陛下の世話焼き仲人なりたがりを抜きにしても後押ししたくなる気持ちが分かります。
上質な読み切りの少女漫画的ケンカップル話を堪能出来ました。
良い糖分摂取でございました!!


攻略も簡単で分岐は選択肢でセーブさえ取っていれば問題無いのと、移動選択肢でとある場所を二回周ればイベント回収、そして、おまけモードでユーリャのアイコンをクリックするとキャラ紹介と最後のCGを回収が出来、非常に優しい作りでした。



『システム、演出』
ティラノ製。
ティラノのシステムは完備の上、文字表示速度やスキップなども早く、とても良くカスタマイズされていました。


『音楽』
城内の物語なのもあり優雅な曲が多かったです。
盛り上がる箇所で音楽がしっかりと変わるのも印象的で。
後半の告白後のワルツの曲が好きでした。


『絵』
ユーリャ、システィ、陛下、他のメイドのサシェ、近衛兵のイヴァンにイラスト有り。
それぞれ表情豊かで明るい人達ばかりで。
塗りもどこか柔らかめで暖かく、背景の加工も豪奢になりすぎない程度に華やかで、城内から平和な国を感じさせました。


『物語』
カップル最高だよ、バカップル。
カップルがケンカップルする話!で間違いは無いのですが、他の部分も丁寧で非常に好きでした。
嫌味(…というかユーリャへの気持ちが丸分かりなので最早ツンデレ)シェフ×毒味メイド。
二人は作中で描かれる過去は回想の過去告白時の事しか無いのですが、10年前からずっと一緒に居て気心が知れているのが会話や言葉の隅々から伝わり。
ユーリャにはシスティしか、システィにはユーリャしか居ないし、二人の間には誰も割り込めない関係が築かれているのが最高でした。
過去の告白も失敗はしていますが、お互いの心の準備がまだだった事ですれ違った結果だったり。
システィの「毒味役は替えが効く存在」という言葉にユーリャは傷付きながらも自分の仕事を誇りにしているからこそその言葉が正しく言い返せない過去の言い争いがあったり。
システィも自分の仕事に誇りがあり料理に対する情熱があったり。
短い中ででもユーリャとシスティのバカップルの部分だけでなく、二人の仕事に対する矜持や在り方、そしてお互いそれを知っている姿も見えて、ケンカップルとしてだけでなく仕事人として認め合っている事も伝わり、非常に良い関係の二人だなと思いました。


『好みのポイント』
陛下最高。
陛下の仲人的お節介な気持ちと自分の気持ちが完全にシンクロして、他人のように感じませんでした。
常に楽しそうなお城で。
この王城がある国、良いな~と思える素敵な世界観でした。





以下ネタバレ含めての感想です





短めな中で綺麗に登場人物全員の性格や関係が纏められていたと思います。
皆分かりやすく、そして真っ直ぐだからこそ愛おしい。
それぞれが自分の想いに一生懸命なんですよね…こんなに一生懸命なキャラばかりだと応援したくなるに決まってます!
システィも「嫌味」とタイトルにあるので、「俺様系か…?」と俺様系男子苦手な自分はヒヤヒヤしましたが全くそんな事はなく。
普通にユーリャの毒味の行動が行き過ぎて食べ過ぎたりするから注意する上でお互いにヒートアップしていき嫌味の応酬になるだけでした、どっちもどっち(笑)
むしろ内に秘めた想いダダ漏れな人でツンデレになっていて可愛らしい人でした。


EDが3つありますが、どのEDも結局告白してハッピーエンドになる仕様には大喜び。
この作風で告白が成功しないEDがあったら少し悲しかったので、どう進んでも告白成功!で安心しました。
勿論ケンカップルのままで居続けるEDでもそれはそれで良かったのですが…告白失敗は過去の一回で十分です!!


全クリ後の番外で女王陛下中心の物語があったのは大変嬉しかったです。
今作で一番ある意味ポジションが近く感情移入したのは女王陛下でしたので。
本編でおやおやおやぁ?だったサシェとイヴァンもまたくっついた所にニヤニヤしました。
この城、城内カップル多いよ!女王陛下の仲人力半端じゃないです!!
…とは言いつつ、女王陛下が色々とドッキリを仕立てて後押ししますが、どのEDに行くルートも、そしてサシェとイヴァンも、自分の気持ちを伝えるのは結局自分達の力で何とかしている所が非常に好感が持てました。
女王陛下は後押しするだけで、最後の最後で一歩を踏み出すのは本人の力なんですね…そこは非常に大事だと思います。


丸分かりバカップル、ケンカップルスキーな人にはたまらない関係と展開でした。
抱き締めたりキスはあっても甘々し過ぎない所が非常に好みに合っていて。
途中挟まる現代的なツッコミやギャグも良い感じに笑わせて頂きました。
平和で明るい王城の日常の一コマ、大変楽しかったです!