ひっそりと群生

ひっそりと持ってるCDの情報やゲームの感想上げたり。購入物の記録など。気ままに。飽きっぽいので途中で止まったらご愛嬌。

【Strawberry Nauts】感想

【男性向け18禁】



2011年11月25日発売
HOOKSOFT』※リンク先公式HP(18禁)
Strawberry Nauts】(PC)(18禁) ※リンク先wiki
以下ネタバレ含めての感想です。








プレイ時間は約22時間15分くらい。
7でもインストール可。
ディスレス起動不可。
公式配布の「修正+六角すずめルート追加」ファイルと予約特典の「上級生女子C 攻略パッチ!」導入済み。


イチャラブ系は固定ヒロインはプレイしても複数ヒロインは意識的にプレイしないと触れ無さそうなので面白そうな作品を定期的にプレイしたいと思い開始。
HOOKSOFTは一応初回特典のCD目的で「Like Life」を持ってはいましたがプレイした事は無かった為、プレイは初。
よくイチャラブ系では評判が良い事をお聞きしていたHOOKSOFTですが、噂に違わぬ出来でございました。
とにかくイチャラブ系としてマイナス点が少ない、不満要素や不快要素を極力排除しており、確実に堅実にイチャラブの土台を築き上げ最後までそれを壊す事無く全ルートで綺麗に物語を完成させていました。
「全ルートで嫌な気持ちになる箇所が無い」、イチャラブ系どころか純愛系でもコレは中々に見ないタイプ。
いやぁ、良い、本当に良い。
「HOOKSOFTはイチャラブを求められている」というのをメーカーがしっかりと分かっており、ラーメンを食べに来たユーザーにしっかりと美味しいラーメンを提供した素晴らしい作品でした。
餅は餅屋とは言いますが、餅屋なのに餅に変なアレンジをかまして別の食品にするメーカーが多い中で、しっかりとニーズにお答えする商業としてちゃんとユーザーを意識しているメーカー様だという事が分かり、HOOKSOFTの人気の高さに納得しました。
個人的に違和感を感じたポイントもありますが、その箇所も正直少なく、好きだった点の方が多いので間違いなく「楽しめた」作品でした。


好きだった点と個人的に気になった点を一応上げたいと思いますが、好きだった点で締めたいので、まずは気になった点から。
個人的に気になった点は2箇所ほど。
まずは主人公アゲが激しく登場ヒロインは初っ端から好感度MAX、作中周りのモブからもアゲが入り、更には作中特有の機能「PIT」(学園BBS、学園内の2ch(現5ch)のような物)でもとことんアゲが入ります。
今作はプロローグの構成が若干特殊で、「新入生として入学→同級生ヒロインとサブヒロイン教師とサブヒロイン上級生に出会う→特に恋愛の進展無く一年が背景の四季だけで経過→2年になり下級生ヒロインが入学」ここまでがプロローグになっています。
プロローグ序盤で同級生ヒロインと初対面を交わすのですが、その段階で結構好感度高い上に、一年がサクッと経過するので、「その一年間で同級生ヒロイン達と好感度を上げるなんらかの交流があったんだろうな」と察する事は出来ますが、プレイヤーから見ると「いつの間にか好感度がMAXになっていた」状況になっていて。
その為、2年になって唐突にハーレム展開が始まるので「ヒロインは主人公のどこに惚れたのか」が上手く理解出来ない部分がありました。
下級生ヒロインも好感度は最初からMAXとはいえ、わりと彼女のルートの中で彼女を沢山助ける展開があるので主人公に惚れていく流れが分かるのと、彼女の性格面から「日常生活の中で助けてくれる人」に好意を持つのが分かるタイプなので違和感が無いのですが、同級生ヒロインの好感度MAXはもう少し「飛ばして経過した一年」の中での交流が少しの文章と絵だけでもいいので描写があったら良かったなとは思いました。
同級生ヒロインは役2名は特殊な事情から主人公に惚れているのが分かるのですが、他2名はもう少し主人公に惚れる要素を描いて欲しかったです。
主人公アゲが激し過ぎる為、正直主人公に歯向かってくるタイプのサブヒロインの方が「謎のモテ」をしない分、プレイヤー的には新鮮で好感度が高いという状況になっていました。
主人公が本当にモテのモテなのですが、作中では「料理が上手い」くらいしか言及が無いのも問題かなと。
もう少し「スポーツが出来る」「頭が良い」とか「顔が良い」くらいの要素を強調して欲しかったというか。
イケメンとしての言及も一部ルートで数カ所しか言われないのであまり主人公に紐付いておらず。
ヒロインは一緒に生活しているのと「経過した一年」がある為、「生活の中で好感度が上がるなにかしらの要素があったんだろうな」と納得する事が出来ますが、モブキャラのアゲ評価だけはどうも納得出来ず…
あと単純に周りがワッと盛り上げるタイプの表現も自分には合わず…
せめて「10人中10人or9人が振り向くレベルのイケメン」くらいの設定があれば納得出来たので、もう少し主人公にイケメン設定があっても良かったなとは思います。
なんだかんだ「顔が良い」事による補正納得は大事。
ただ、主人公のアゲに関しては自分がなろう系主人公のアゲや周りが騒いでアゲアゲしていく作り…「理由が分からないアゲ」が苦手な為、完全に好みの問題で、こういう「周りからの持ち上げ」が大好きな方もいらっしゃるのが分かりますし、他からの話題や噂で聞く限りでのHOOKSOFTのメーカー色を考えると「とにかく主人公のモテ至上主義」になってもおかしくは無いので、ユーザーのニーズには合っているのかなと。
ハーレム系主人公物の作りとしては普通…というか時期的な流行りの作りになっているとは思うので、自分の好みには合いませんでしたが時代のニーズに合わせたしっかりした作りだとも思いましたし、ここまで主人公アゲが徹底されると苦手な要素でも最早芸術にも見えます。
そういう意味でもまた凄さがありました。
2点目の気になった所は「PIT」の表示。
「PIT」自体は面白いシステムで場を盛り上げてくれましたが、BBSの書き込みが5つずつしか表示されない為、書き込みが4つくらいあると「PIT」を見て→本編→「PIT」を見て→本編~を作中何度も繰り返しました。
システムは面白いですがシステムの表示方法に難がある感じ。
ただ、これに関しては後にシステムをリメイクした「Strawberry Nauts HD Renewal Edition」で「PIT」の新規書き込みがプレイ画面上に表示されるようになったらしく、改良されているシステムなので、旧版でプレイした自分の問題です。
物語は仕方ない部分があるとしてもシステムでの悪い点を無視したままなのは本当に駄目だと思っているので、リメイク版を出し改良出来る物はしっかりと改良していくメーカーの姿勢にも好感が持てました。


以上が合わなかった所ですが、本作はその点を越えて「良かった」と思ったポイントが多く非常に面白かったです。
まずは「エロゲーというよりもノベルゲームユーザーにとことん配慮された作りになっていた事」。
本作、とにかく5分~10分置きにアイキャッチが入ってくれる為、区切りが付けやすくサクサク進みます。
ノベルゲームをプレイするにあたって一番問題なのは「同じシーンをグダグダと続ける事」だと思っているので、シーンの切り替わりが多く設けられている本作は本当に神。
10分くらいで1シーンが終わる上、一日が3、4シーンなので一日経過が速くコンスタントにプレイする事が出来ました。
その上でメッセージウィンドウに入る文章が2行までなのも有り難く。
全画面表示なら分かりますが、メッセージウィンドウ形式は3行辺りから読み辛く感じるので、1、2行で文章がサクサク切り替わる作りと短く、そして読みやすい文章に全く苛立ちを感じる事無く読み進める事が出来。
22時間くらいプレイしましたが「疲れた」と感じる箇所がほぼ無く常に「楽しい」が維持されていました。
そういうノベルゲームとしての作りの上手さもですが、イチャラブ系として不快な要素をとことん排除しているのも好印象。
「しっかりと告白して付き合ってから関係を持つ」「ヒロインと途中で別れる展開無し」「三角関係で暗くなる要素無し」「シリアスは一瞬で終わる」。
とにかく抑える所は全て抑えられていた印象。
特にシリアスに関しては「無い」とは言いませんが、最後の一日で一瞬だけ描かれ速攻で解決するという優れもの。
話の最後に盛り上げ要素として必要なのは分かるので入るのも分かりますが、グダグダと数日に渡って描かれる事が無く、最後の最後で提示されるけれど「二人の愛のパワー」によって即解決する流れに手を叩いて喜びました。
そう、このくらいで良いんですよイチャラブのシリアスは。
無駄に数日悩むとかいらないです、これはイチャラブゲーなので「二人の愛のパワー」で軽く解決して下さい!!
そしてイチャラブゲーらしく主人公の行動や性格がそれはもう最高に良く…
周りからの主人公アゲ自体は好みでは無いのですが、主人公自身は良い奴でプレイヤー好感度高いんですよね。
なのでモブのアゲは分からなくても、「この主人公と一緒に暮らしてたら好印象だろうなー」とは思うのでヒロインが主人公と暮らている事で思いを寄せるのは凄く分かります。
だからその点はもう少し主人公とヒロイン達との「空白の一年」の生活が描かれていたら…とは思いますが、話のスムーズさ的にこれが最上級の流れだとも思うのでちょっと高望みだとも思っています。
純愛物の主人公としてしっかりと告白→付き合うの過程を大事にしますし、モテていてもルートに入ったヒロインを一途に想い続けますし。
特にルートに入ったら主人公もルートヒロインを意識するのですが、意識して行く流れが凄く丁寧で、「ヒロインの一生懸命さに惹かれる主人公」の心理が綺麗に描かれていました。
「主人公がヒロインに惹かれる描写」が凄く上手く、下手したら「ヒロインが主人公を好きになる描写」よりも描かれている為、ヒロインよりも主人公の方にキャラクターとして意識が向かう程。
抱く事だけでなくキスも触れる事も何もかもヒロインを気遣うので、「そりゃモテますよ」と納得。
話の展開で「周りが囃し立てたり、周りが勘違いして恋人だと思っている」という描写はあっても、「ヒロインと主人公の間だけで「恋愛の練習」のような形で擬似恋人になる」とか「ルートに入ったのにルートヒロイン以外のヒロインとフラグを立てる」や「ルートヒロイン以外のヒロインが茶々を入れてくる」という展開も無し。
ギリギリあっても「一応デートっぽく一緒に買い物をする」までなので、そういう「練習で擬似恋人」や「ルートヒロイン以外のヒロインの介入」展開が苦手な自分はこの展開が無い&「演技の恋人は嫌だ」と思えるような主人公というだけで主人公への好感度爆上がりでした。
純愛やイチャラブ系の主人公は本作主人公くらい一途であってくれ…頼む。
メインヒロインは5人ですが、立ち絵が登場するヒロインはほぼ攻略可能な上、立ち絵が無くボイスのみだったモブもパッチで攻略可能という恐ろしい作り。
6人以上攻略可能とか「ToHeart」プレイ以来かも。
「登場女性(ほぼ)全員攻略可」をここまで徹底されると上記の主人公アゲと同様にある種の美学を感じます。
ここまで全力で女性キャラクターに向き合われるとぐうの音も出ないです。
更には1ヒロインでも攻略するとオマケのモードで各ルートの日数を確認出来る為、終わりが見えている方がプレイスピードが捗るタイプのプレイヤーにはとても有り難い仕様で。
「これは◯日までの物語」というのが明確に分かるので、心理的にも軽くプレイが出来ました。
「PIT」も旧版のシステム自体の使いにくさはありつつも「PIT」システムでのBBS会話劇はめちゃくちゃ楽しく。
2ch(5ch)のノリなので好みは分かれそうですが、「主人公達とは全然関係ない所で関係ない人達が独自にワチャワチャ騒いでいる」というような描写が好きで、そういう描写は結構漫画やドラマでは多いのですが、こういうニッチな好みをイチャラブ系で刺激してくれるとは思わず…
所々での主人公達とは全然関係ない場所でのモブの生活や掛け合いを見れて笑わせて頂きました。
主人公が恋愛的に大勝利をするのはジャンルとしては当然ですが、「PIT」の住人達もイイ奴ばかりだったので皆どこかで成功したり彼氏彼女が出来たりして幸せになって欲しいと思いました。


絵は松下さん、羽鳥さん、もとみやさん。
松下さんは現HOOKSOFTには参加されていませんが、2016年くらいまでいらっしゃった印象。
HOOKSOFTは「LikeLife」のイメージが強いのとパッケージでの橙子と穂海の優遇さで今作は松下さんの原画が中心という印象。
羽鳥さんは3人の中では絵が浮いているイメージ。
松下さん、もとみやさんとは絵柄の印象が異なりました。
もとみやさんは「キミのとなりで恋してる!」で見かけた事がありました。
ただ、もとみやさんの絵柄が「とな恋」とは若干違ったので、あえて松下さんの絵柄に合わせているような感じ。
絵柄を他の方に合わせられる事が出来る方なのだろうなと思うと画力の高さを感じます。
好みの絵柄は、
もとみやさん>松下さん>羽鳥さん
でした。
エロはメインヒロイン5人は各4回、サブヒロインは1回。
エロの量で差が出る事無く全員横一列で優遇も無い為、そういう所もとても好印象。
全ヒロイン処女+主人公も童貞で初体験描写はヒロインと主人公共に丁寧。
幼馴染は居ますが過去に付き合ったりキスしたり、主人公の人生を変えるほどのヒロインが居る事も無く一人のヒロインが一歩リードする事が無い為、全員綺麗に横一列で自分の好みド真ん中。
イチャラブ系は全部こうあって欲しい、お手本のようなヒロイン横一列スタートで大満足でした。
そしてメインヒロインの全員にフェラ完備。
ただ、エロの内容は差があった…というよりも自分の好みでの差が確実にありました。
エロさは、
愛姫=上級生女子C>みかも>千代里>耶央>すずめ>橙子>穂海>朝霧&秋沙
な感じ。
個人の性癖での主観がかなり入りますが、愛姫と上級生女子Cは超エロかったです。
予約特典パッチは一部の層の方が絶対に好きだと思われるので旧版を購入の際は一緒に購入が良いと思います。
クリア後のオマケで5分くらいのメインヒロインとのイチャラブ小話と、エロメインの小話有り。
エロメインの方は本編のCG流用ですが、オマケなので許容範囲内なのと、「ループH」というヒロインとのエロシーンだけを描いた小話があり、純愛系エロで抜く方にしっかりと向き合った作りになっていてそこも好印象。
回想モードはどのエロゲも普通に搭載されていますが、オマケで抜き目的の純愛エロがあるのがエロゲとしての矜持を感じてとても好きです。
抜きに使う部分としてシステムとして射精カウントダウンが欲しいなとは思いましたが、純愛系エロゲにしてはエロに力を入れていて好感が持てました。
こういう所でユーザーの好感度をしっかりと上げていて、流石です。


音楽はOPの「a little more」もEDの「夜明けの星空」もとても好き。
霜月さんと片霧さんはとても良き。
OPはグッと強さで惹きつける曲調なので一発目から好き!となります。
EDは何度も聞くと曲の良さをジワジワと感じて来るので所謂スルメ曲という感じ。
BGMは「平和も突然やってくる」が好きです、各ルートラストの方に流れますが、今後の明るさを想像させるBGMで作風に合っていてとても好き。
というかどのBGMもエロゲBGMとしてのクオリティが高く、聞いてて飽きませんでした。
声は橙子役の佐藤さんは本作が唯一の参加…に見えつつ名義的にはまぁ、はい。
今年プレイだけで4キャラくらいお聞きしてます。
やっぱり明るい陽キャ系が本当に合う方でした。
愛姫役の木村さんはお聞きするのがお姉さん系や舌っ足らず系が多かったのですが、古風な口調も良かったです。
穂海役の鮎川さんは物静かな役のイメージがあったのですが、その系譜でありながらもお嬢様らしい品の良さが有り。
耶央役の井村屋さんはイノグレ作品でお聞きした事もあり、落ち着いたお姉さん系の声…三次元系のお声の印象でしたが、クーデレというかポケーっとしているタイプの二次元系の演技もとても好きでした。
みかも役の桜川さんは高いはわわ演技もいいのですが、個人的には「姫さまっ、お手やわらかに」での恋心くらいの高さの声が好きだなーと思ったり。
ですが、はわわ演技は恋心もでしたがやっぱり上手かったです。
他のサブヒロインの声優さんは下記の各キャラの項目で語ります。


区切りの良さ、不快な展開の無さ、主人公の一途さ、プレイのしやすさ、自分の求めているイチャラブ学園恋愛物が詰まっていました。
ユーザーへの配慮が行き届き「ストレスフリー」が徹底されていたと思います。
面白そう+評判が良い作品で選びましたが、大当たりを引けてとても嬉しかったです。
HOOKSOFTは最近の作品も評価が高く、自分の求めている純愛イチャラブ系が描かれていそうなので、また合間合間に面白そうな作品に触れたいと思います。



プレイ順は
橙子→愛姫→穂海→耶央→みかも→朝霧&秋沙→千代里→すずめ→上級生女子C
の順で攻略



『日和橙子 ルート』
人工島の学園で放送部をやっており、ラジオのパーソナリティで島全体に放送が流れる為、島での半芸能人扱い。
放送部が第一放送部と第二放送部に分かれている為、放送部関係で色々ありそうだなーと思っていたら実際に「どっちの放送が面白いか勝負」になるという。
敵対する第一放送部の部長もタカビーではありますが、分かりやすい「昭和のライバル系お嬢様キャラ」なので全く嫌味が無く。
戦って負けるとちゃんと負けを認めるので、本当に胸糞になるようなキャラは居ない所がやっぱり「ストレスフリー」が徹底されていると思いました。
半芸能人扱いの橙子と付き合っている事はなるべく隠した方が良いと友人に言われ、それを貫きますが、隠して付き合うのは嫌だと思った橙子が自身のラジオで主人公への想いを語り、語った事で引退しようとするのを病気で寝込んでラジオを聞いていた主人公が一生懸命放送部の元へ向かう展開はベタだけど胸熱。
ラジオのリスナー達がラジオを聞いて「ここを通りたかったら俺達を倒せ!」となるのに「何でだよ!!」とツッコミつつ、リスナーの妨害に他ヒロインが駆け付け助けてくれる流れに笑いと熱さを内包した良い展開でした。
「ラジオがあるから付き合えない」とかでは無く、「皆に付き合ってるのを言えないのが辛いし、それを言えないならパーソナリティを辞める!!」なのが良いですね、恋愛を一番に取る姿勢、イチャラブ物で大好きです。
他ヒロインが駆け付けたりRPG的な王道さがあり、センターヒロインに相応しい出来でした。


『八束愛姫 ルート』
主人公の幼馴染。
でも、幼馴染らしく一歩他ヒロインよりもリードしている…という事は無かったのが逆に好印象。
他ヒロインと同じ立ち位置で正々堂々挑むのが愛姫らしいと思います。
幼い頃の「告白…結婚の約束をかけた決闘の約束」も、その約束の果たし状を主人公が受け取っておらず、約束の場所に主人公が現れず愛姫は「一度フラレている」と勘違いしている状態。
そういう状態もあり、顔やスタイルなど高スペックなのに「自分は強く女性らしく無いから相応しくない」と思っているのが自己肯定感ダダ低ヒロイン好きに刺さります。
生徒会で色々と抱え込み、喧嘩の仲裁で女子生徒に少し怪我をさせてしまった事で学園を出ていこうとする愛姫を人工島から唯一出られる橋の上で引き止める所はカッコいいというか…
「出入り口が橋しか無い人工島」という世界観が上手く繋がった流れだと思いました。
バスの前に飛び出し引き止める姿は昭和名作の「僕は死にません!!」に近い物を感じます。
イチャラブ系ですが所々で恋愛物の古典の王道展開が入るのが良いなーと。
ラストは果たし状の件も解決し、結ばれ、運動部の揉め事に二人で駆け込み、お互いの背中を預けられる関係になった姿は「相応しくない」と言っていた愛姫とは全く違う関係になっていて。
愛姫は嫁ではあるけど、「後ろを歩く嫁」では無く、「後ろを守る嫁」なのもまた愛姫らしい並び方で主人公との関係が最高でした。
あと、エロが一番エロいと思います。
後ろから突かれるの好きになってしまい犬のように夜通しエロをするシチュが性癖にぶっ刺さりました。


『寿々苗穂海 ルート』
本作唯一のSF話。
たんぽぽ=穂海はなんとなく察してはいました、髪の色と目の色などで(中の人だけ違うのでその辺りで確信は出来ませんでしたが)。
ただ、上手いと思ったのはたんぽぽが個別ルートに入ってから登場するのでは無く、共通ルートから登場だった事。
個別ルートからだとあからさまになって来るので、共通から出して個別で纏め上げたのは上手い構成だなと。
「過去で出会った男性に恋心を抱き、元の時間へ帰っても初恋を忘れずに思い続け、再会後に結ばれる」こちらもまた恋愛物の王道さがありとても良かったです。
最後、穂海に渡す筈だった指輪をたんぽぽに渡し、過去へ戻し、現代で穂海が指輪を付け「ピッタリ入るようになりました」と見せてくるシーン、小物で魅せて来るシーン好きにはグッと来ます。
穂海の家…寿々苗グループは事故とはいえ時間移動させたり凄まじい企業ですが、人工島があったり世界観がハッチャケてもいるので納得できる世界観の構築も良かったです。


『楠耶央 ルート』
「絵を描く」という内容から「才能」の話には行くかな~と思っていたので、耶央の才能が認められスカウトされるというのはなんとなく察していました。
が、そういう耶央がスカウトを受けた事で主人公が「耶央の才能に自分は邪魔なのでは?」となり別れるかを悩むのはうぅん…
いや、分かります、「自分の存在が相手の才能に邪魔なのでは?」となるのは分かる、分かるけど、これだけ周りをイチャラブで固めている中で「別れる、別れない」の話になっていくのは好きでは無かったですし、主人公が例え嘘でも耶央に別れ話をするのは好きでは無かったです。
他ルートでヒロインを一途に想っていた主人公だからこそ、情けなくても「別れないといけないのかもしれない、ごめん、でも別れられない」くらい言って欲しかったというか。
そういうヒロインへの想いを貫いて欲しかったというか。
自分も自己肯定感低いので「自分が相手の才能の邪魔になるのでは?」と思うのは分かる、分かるけどさぁ…
そうやって別れても主人公を失った事で逆に耶央は絶対に成功の道から外れるのも分かるので最善じゃないのがモロ見えなんですよね。
だから「耶央の事を想うなら「別れたくない」を貫き通せ、主人公!!」とずっと思っていました。
珍しく重いシリアスが関わってくるルートなのですが、救いだったのはそのシリアスが最後の一日で終わり一瞬で解決した事。
嘘を吐き「ただ付き合ってみたかっただけ」と酷い言葉で別れを切り出しても耶央の方が「嫌だ別れない」と言い、「私は感情を出すのが苦手でそういう私と一緒に居てくれる人達が本当に優しいのを知ってるからこそ、人を傷付ける言葉で別れを言う主人公を信じない」「一生懸命感情を出そうと頑張ってきたから分かる、主人公は嘘を吐いてる」と看破して来た時には震えました。
「主人公は別れたいと思ってない」「そもそも私が主人公と別れたくない」と言い張る姿は格好良すぎて。
とにかくこのルートは耶央が漢前で漢前で滾りました。
嘘を看破された事で耐えられず泣き崩れる主人公を優しく包み込む耶央。
こんなん、主人公の方がヒロインじゃないですか!
全ルートで駄目主人公だったら流石に萎えますが、主人公はこのルートだけで駄目さを発揮するので、許容範囲内でもあり。
主人公の駄目さによって耶央の格好良さが引き立ったので、姫系主人公×騎士系ヒロインが好きなので、耶央の性格がツボでツボで。
一瞬でシリアスが解決した事と、ヒロインの漢気を見られたので、「夢と別れを天秤にかける」が苦手な自分でもかなり受け入れやすいルートでした。
耶央、とにかく格好良かったです。


『青兎みかも ルート』
ドジっ子ワンワン後輩。
ただのドジっ子だったら迷惑かけるだけになりがちなのであまり好きではないのですが、みかもは自己分析が出来ていて「迷惑でも頑張らないと、頑張ってる自分すら居なくなったら自分の居場所を失う」という事を知っているので、出来ない系の人間にはぶっ刺さる所がありました。
一生懸命頑張って、主人公に支えられ、ドジではありつつも怖かった水を克服し泳げるようになったり。
他ヒロインに「空白の一年」があるのに対し、みかもはその一年が無く、ルートの中で主人公に沢山助けられるので惹かれて行く描写が結構分かりやすく。
ヒロインから主人公への恋愛感情が一番わかりやすかったルートでした。
最後には主人公に教わった泳ぎで溺れている子供を助けたり、ちゃんと主人公の教えが最後に影響する構成は凄く上手い作りでした。


『千奈朝霧&瀧秋沙 ルート』
サブヒロイン。
常に一緒に居るので同時攻略なのは分かりますが、この作品の主人公は一人のヒロインを一途に想うタイプなので、正直ルート分岐して欲しかったです。
3Pシチュではありますが、一途過ぎて3Pとかハーレムとか似合わない主人公だとは思います。
朝霧役のサトウユキさんとかめちゃくちゃ好きですし、秋沙役のひなきさんの演技も良かったのですが、いかんせん「今作に3Pが合わない」と思い一番ノリ切れないルートでした。


『読丸千代里 ルート』
ロリ先生。
良い歳してるけど見た目がロリのせいで色々とコンプレックスがあったり。
生活態度が悪く口も悪いトラブルメーカーだったりで場面を楽しくしてくれました。
唯我独尊系トラブルメーカーキャラ好きなのでキャラ的には一番好き。
千代里役の金松さんは演技関係で色々言われていますが、個人的には自分好みの当たりキャラが多い為、さほど評判ほどの事は感じないのと、ぶっちゃけ千代里先生の口の悪い叫び演技はめちゃくちゃ好きでした。
このレベルのロリ声になると一気に歌ってる時の名義と声質が一致しますね。
演技では歌ってる時の声質とあまり被らない為、千代里先生はモロ被りで「あ、やっぱりあの方だ」と納得していました。
教師と生徒の恋でありながら生徒と教師全員から全力で祝われている辺りに千代里先生の人徳を感じます。
なんだかんだ問題児でありながらも良い先生な所が好きです。


『六角すずめ ルート』
公式配布の追加パッチにより攻略可能。
寮生で唯一主人公にキツく当たって来る後輩。
愛姫の家の道場に居た際にリボンを盗まれた所を取り返してくれたけれど引っ越してしまった少年に恋心を寄せている少女。
愛姫ルートをクリアすると分かりますが愛姫の過去で実は主人公が取り返した少年である事が明らかになり、すずめの過去語りで主人公は気付かずにモヤモヤしますがプレイヤーはなんとなく察するという仕様。
「初恋の人は居るけれど、主人公に惹かれつつある自分も居て、自分の心に迷っている」そんなすずめが過去の初恋の相手=主人公と気付いた時には「やっぱりな!」という気持ちと「という事は結局どっちの恋も主人公相手じゃん」という気持ちになりニヤニヤしました。
自分を助けてくれた少年が主人公と分かり結ばれるとそれはもうデレモードを発動するのが流石のツンデレ
旧家の娘でヒロインの中で珍しく料理が出来る為、主人公と共に台所に立つ姿は若妻の姿で大変可愛らしかったです。
パッチ追加キャラでありながらも本編ヒロインのルートの設定をちゃんと生かした上で成り立っているルートで構成の上手さを感じました。


『上級生女子C ルート』
予約特典の追加パッチにより攻略可能。
何が凄いかってこのキャラ、公式HPにはキャラ紹介で居るのですが、本編中どのルートでも一切姿が出ない所が凄い。
一瞬くらい出るのかな?と思ってたら本当に出ません、所々でモブの声として「上級生女子C」として声が入るくらい。
でも、そんな子がCVまいきづみさんなんですよ…こんな大御所がこの時代にモブな事ってある???と思いますが、なんと予約特典のパッチ導入でようやくルートに入る事が出来ます。
このルートの内容が…その…結構変化球というか。
イチャラブ系としてはかなり異端な内容になっていました。
一言で言うなら「エロゲへのアンチテーゼ的な要素が好きな人は導入したら楽しめる」そんなルート。
そして、「少女漫画の目立たない系の女の子が見初められる系の話」であり「モブがキラキラした表舞台に引き上げられる系の話」です。
「上級生女子C」は最初から最後まで名前が登場せず、自分がキラキラした表舞台の人間では無い事を知っています。
そんな彼女がエロゲ主人公という表舞台の王子様に見初められるお話。
色んなゲームに一応触れては来ましたが、「完全モブを攻略出来る」というのにはあまり当たった事が無く。
なんだろう…エロゲなんですが「どんな脇枠の女の子でもキラキラと輝く主役になる事が出来る!!」みたいな強いメッセージを感じたというか。
結構女性向け作品では見かける要素なのですが、エロゲで徹底して描かれる事は無く凄く新鮮で。
「少女漫画」「夢小説」…そういう要素が楽しめる人にぶっ刺さるお話でした。
ようするに「シンデレラストーリー」なんですよねこのルート。
更にまきさんの「脇役としての諦めの混じったような演技」がめちゃくちゃに上手く。
「諦め」「空虚」「ダウナー」この辺りを演じられると本当に上手い方です、まきいづみの闇演技は良いぞ。
その上、パッチ導入キャラですが、ぶっちゃけ1、2位を争うレベルでエロがエロいという。
エロ一回しかないのにどエロくて焦りました。
「予約特典だからこそエロに力を入れよう!」と思ったのでしょうか?超エロゲを理解されていて最高です!!
特典が本編よりもエロくなるの大好き。
ヒロインの自慰描写、このルートにだけあるんですよね。
更には本編には全く無かったヒロインと主人公の自慰の見せ合いもあるという。
一回のエロで4回くらい発射しますしマジでエロい。
本編だと愛姫が一番エロいと思っていますが、タメ張れるくらいにエロいです。
…というか下手したら一番抜きとして使えるかも…自分の性癖には一番ぶっ刺さりました。
「例え本人が助演女優でもベッドの上では主演女優級」という表現が入りますが「本当にそれな」レベルでエロかったです。
旧版のパッケージを買う時に予約特典パッチどうしようか悩みましたが一緒に買って良かったです。
イチャラブエロゲで予想外の「完全モブキャラ攻略シンデレラストーリー」と「思った以上に性癖に刺さるエロ」を堪能出来ました。
「モブキャラが表舞台に引き上げられてスポットライトが当たり王子様と結ばれる話」そういうのが性癖な方、是非、是非「上級生女子C ルート」を宜しくお願い致します!!



雪仁さんのシナリオに触れるのは初でしたが、とてもユーザーに配慮されたとても良い物語と文章でした。
個人的に気になった部分はありつつもそれを払拭するほどの「ストレスフリー」と「楽しさ」を兼ね備えた作品でした。
イチャラブ楽しすぎて「もっと続けば良いのに…」と思ったり、サブキャラが良すぎて「サブキャラももう少し話が長ければ良いのに…」と思った複数ヒロインタイプのゲームは久し振りでした。
この世界にどっぷり浸かっている時間が楽しかったです。
HOOKSOFTは他作はFDなどを出していますが今作にFDが無いの、リアルバグなのでは???と思っています。
あまりにも楽しかったので移植版の方も購入を検討しようと思います。


また、定期的にイチャラブ系に触れて行こうと思いますが、このレベルの作品に沢山触れられる事を願っています。
「Strawberry Nauts」の世界、本当に楽しかったです!!



※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
参考攻略サイト様:誠也の部屋 様
https://seiya-saiga.com/
 Strawberry Nauts ページ
https://seiya-saiga.com/game/hook/strawberrynauts.html