ひっそりと群生

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【ナギサの】感想

【男性向け18禁】



MANYOさんの担当されたゲームをクリアしていく企画45弾。



2007年12月14日発売
コットンソフト
ナギサの】(PC)(18禁) ※リンク先wiki
以下ネタバレ含めての感想です。








プレイ時間は約15時間45分くらい。
7でもインストール、起動可。
ディスレス起動不可。
修正ファイル有り、『ニセOICのファンサイト総合トップ(仮)』様(リンク先HP)からDL可能。
CGのラストはスタッフコメント内の「レコンキスタ」おまけシナリオクリア後に埋まります。


コットンソフトのプレイは『ナツメグ』(リンク先感想)プレイ済みで2作目。
義務教育までは勉学が優秀だった主人公は進学校に行った先で自分の限界を知る。
どんなに勉強しても400人中の201位までしか行けず、半分の壁を越えられず憤りを感じていた。
そんな中、主人公の両親はいきなり主人公を連れ出し車で5時間先の海へ潮干狩りに向かう。
しかし潮干狩りに行った先で主人公は両親から置いていかれ、海の町で両親の知人であるハヤカワという民宿のお世話になる事に。
民宿に無料でお世話になる変わりに主人公は民宿の娘である夏生が経営する海の家を5日間手伝う事になった。
田舎ののんびりとした町で過ごし沢山の人に出会い別の世界を見て都会に戻った後、主人公は「どうして勉強をしていたのか、勉強をしてどうなりたいのか」という疑問に行き当たる。
その答えを見つけるべく、主人公は夏の間、休学を申し込み海の田舎町で暮らす事にしたのだった。
という所から始まる田舎の町の物語。
ナツメグ」の由佳子に救われたから由佳子を楽しませたいと行動する主人公とヒロインの関係同様、主人公がヒロインの「海の家で一生懸命働き、海の家を生きがいにする姿」を見て影響を受け、自分の生きがいややりたい事を探すのと同時に、別の生き方の指標を教えてくれたヒロインに対して感謝を感じヒロインの手伝いをする為、「キミに救われたからキミを救い返す」系の物語でとても好みの関係性から始まり、やっぱりコットンソフトの学園恋愛系は好きな要素が多いと感じました。
ルート毎に変わりはしますがメインの夏生ルートでは「なんの為に頑張るのか」がしっかりと回収され、「ナツメグ」同様にキャラが大勢居る時が大変楽しく、ワイワイガヤガヤ系が大好きなので共通など非常に楽しむ事が出来ました。
おそらく効率化をすれば更に時間が短縮出来、10時間くらいで追われると思います。
ですが、「ナツメグ」の「RES」システムから別方向に変化したマップイベント方式はどのイベントが楽しく、「ナツメグ」同様にイベントを全部見たい!と思えるほどにキャラとの掛け合いが楽しく、最終的に全イベントを見てしまいました。
それくらいにヒロイン大勢が居るシーンや濃い男性陣もキャラが立っていて良く、掛け合いは最高レベルに楽しかったです。


…が、どうしても「ナツメグ」には個人的に及ばなかったなぁとも思っていて。
一つは今回主人公が下ネタシーンであまりにオッサン臭すぎた所、なんというか若さが足りない。
エロゲなので下ネタシーンがあるの大好きなのですが、若い子の反応というよりもオッサン的な言動が多すぎて。
あまり若々しさが無く苦笑いになってしまいました。
そういうオッサン臭さは下ネタシーンもですが一部のエロシーンでも発揮されていて。
今回、情報によると共通と夏生と水守が海富さん、あおいが秋津さん、千果が木緒さんらしいのですが、どうも共通の下ネタシーンと夏生と水守のエロシーンで溢れ出るオッサン臭があり、爽やかさをあまり感じませんでした。
ナツメグ」はそうでも無かったのですが、おそらくナツメグは木緒さん色が強かったからだろうなぁと。
どことなくそういうオッサン臭や主人公にウザさを感じ、コンセプトや重要な所での思想は良い主人公なのですが、所々でクセが強く出て大きく合わないポイントが見え隠れしたのが辛かったです。
海富さんは「ラムネ」の多恵ルート、「サナララ」の3章で文章を読んだ事があるのですが、その二つはそういう所はあまり感じなかったので今回どうしてこんなにオッサン臭い部分が出たのか凄く不思議でした。
その中でもオッサン的な下ネタ行動を友人の角川と行うのですが、主人公と角川は同じくらいのアレな行動をしても主人公だけがお咎め無いのがお約束とは言いつつもちょっとズルいとも思い。
ナツメグ」では茂雄が圧倒的に行動でヤバい行動を取りまくっていたのと主人公はそれをやれやれと見ていたくらいだったので、お咎めを食らう際に茂雄だけに矛先が向いても違和感は無かったのですが、今作では主人公も角川も同じくらいの下ネタ行動派だったのでほぼ全てのシーンで主人公だけが許される流れになったのが見ていて理不尽だなぁとも感じました。
もう一つは一部話で整合性が取れてないと感じた箇所が有り。
「イベント選択2」後の話であおいがお粥を作り料理が上手い事を知っているのに「イベント選択3」後の話であおいのお弁当に危機感を覚える描写があったりして、「え…料理の腕は知ってるのに?」となった部分がありました。
どこかは忘れましたが同じ様に整合性の部分で?となった部分がもう一箇所あったので、そういう部分は違和感がありました。
全体的に話の構成、演出は
夏生>>千果>あおい>>>水守
ヒロインの好みは
あおい>>千果>夏生>>>水守
主人公の言動、主人公とヒロインの関係性は
千果>>夏生>>>水守>>>あおい
という感じに。
若干水守先輩だけが浮いていた気はします。


絵関係は立ち絵は大変良き。
種類の豊富さに驚きます、動きが良く、細かい動きまでカバーされていて見ていて飽きませんでした。
ヒロインの洋服も多く、小物関係も文章に反映され立ち絵は文句無し。
ただ、CGが…
CGは立ち絵をそのまま使ったような棒立ちのCGが多くそこはとても残念。
CGはやっぱり一枚絵として立ち絵のような棒立ちでは表現出来ない動きで表現して欲しかったです。


音楽は安定でどれも良いですが、「朝の光」が印象に残っています。
あとは海辺の田舎らしい曲が多く、波音に合う曲ばかりでした。
MANYOさん追いとしては「蝉の鳴く道」は楽器の使い方とかテンポに「らしさ」を感じました。
OPの「ナギサの」は夏!海!という曲でのんびりとした田舎にピッタリ。
個人的にEDの「夏星」が好きです。
MANYOさん補正もあるとは思いますが、入りからいきなりドラムとバイオリンでドン!と来るのがズルい。
「あぁ、これはMANYOさんの曲」と速分かるのと、好みの楽器てんこ盛りで大変好きなバラードでした。
声は夏生役が夏野さん。
夏野さんは「ナツメグ」でも由佳子役をされていて。
センターのメインヒロインがメーカー内で続く事ってあまり無さそうなので面白い配役だと思いました。
由佳子とはまた違うセンターヒロインでそそっかしさがあり合っていました。
あおい役の青山さんも「ナツメグ」の実梨役から続いての登場。
今回も青山さんの「ガナリ」が聞けて良かったです。
見た目が大変可愛いヒロインだったので聞けるか不安でしたが、中身はアグレッシブな娘さんで見た目とのギャップを楽しみながら「ガナリ」を聞く事が出来ました、青山ゆかりさんの「ガナリ」は最高!!
千果役のあくあさんは…その…今作にしか出ていないはずなのですが、声で分かるというか。
うん、特徴的な声の方で直ぐに分かりました。
別作品で主人公の女性をやった時に地の文まで読むという凄まじさを発揮した上で演技完璧なので、やっぱり強い方です。
千果のハイテンションや独特の台詞回しの表現が完璧過ぎました。
千果、個人的に見た目はそんなに…だったのですが、演技で惹かれたキャラだったので声優さんの力を感じました。
水守役の松田さんは声質は品があって好きなのですが、この声質でのお色気系ねっとり喋りがあまり好みでは無く…
むしろ後半の出自が明らかになってポソポソと話しているシーンなどの話し方が好みだった為、また別のキャラでの演技でお聞きしたいと思った方でした。
サブキャラのあおいの妹のさとみはまさに「攻略出来ない魅力的なキャラ」。
芝原さん…他の名義でお聞きした事がありますがベテラン力が強いですし、さとみと委員長一人二役なのも凄いです。
夏生ルートで委員長が登場しますが、早口言葉対決で声優としての力量を遺憾無く発揮されていました。
男性陣も濃く全員上手く、文句無し。
特に角川役の方、「ナツメグ」で茂雄もされていらっしゃり。
その関係なのか茂雄が夏祭りで「ナンパ男」として登場したのが最高に盛り上がりました。
夏生ルートラスト、灯台の落書きのシーンで茂雄から「ナツメグ」主人公への愛の書き置もありましたし。
茂雄こんな所でナンパしてもおそらく全く成功しないし(というか成功する気は無さそう)、将来的にはたった一人の女性と結婚するので、イケメンなのに残念で一途とかやっぱり最高のキャラだなーと思いました。
あとは音関係のマイナス要素でシステムの面の話になりますが右にキャラが居る時には右寄り、左にキャラが居る時には左寄りに振り分けられるのがちょっと聞き辛かったです。
中央に声を置くか、振り分けするかの選択は欲しかったです。


色々考えると「ナギサの」が「ナツメグ」ほどにはグッと来なかったのはやっぱり茂雄の存在もある気がします。
角川も良いキャラでしたが茂雄には及ばなかった感が…
あとは「ナツメグ」は全員が「由佳子の為」と頑張っていた一体感が好きだったので、今作は集まってワイワイガヤガヤするけれど根底での一体感はあまり無く、全員が別方向を向いていたのが好みとは違った気がしました。
全員がゴーイングマイウェイなのも好きですが、「ナツメグ」の一体感が至高過ぎて。
あとは「ナツメグ」からの期待値が高かったと思うので、そういう部分は仕方なかったとは思っています。



プレイ順は
夏生→あおい→千果→水守
の順で攻略



『早川夏生 ルート』
夏生は「めっちゃ」という言葉が口癖で言葉通りめっちゃ聞くので、「ナギサの」=めっちゃという構図になってます。
彼女の話は構成や演出では一番好きでした。
夏生の海の家への姿勢を見続けた事で「休学している自分はこの町を逃げ場にしてはいけない、夏生の為に自分だけが出来る事をしたい」と決めた主人公は「自分だけが出来る事」として勉学の道を決め、都会の街に戻るという流れ。
主人公がその道を決めた事を喜びながらも、「自分はこの町を越える事は出来ない、町の最後のカーブミラーから進む事は出来ない」「主人公が居ないと町から出れない」と「行かない」のではなく「行けない」自分の限界を突き付けられる夏生。
どんくさくて、勉強が出来なくて、先に進めないと主人公と離れて嘆く夏生だったけれど…最後の最後でやってくれましたね。
進学校に戻った主人公の元に、都会のカーブミラーがある場所で、夏生は主人公と同じ進学校の制服を着て。
今まで「行けない」と自分の限界を嘆いていた夏生が努力して努力して限界の壁を越え、元々近眼で幼少期の男子からのからかいにより壊されてしまった眼鏡のトラウマからどんなに主人公が似合うと言っても決して掛けなかった眼鏡を掛けないと見えない程に勉強を重ね、眼鏡を掛けて再会する。
ただ嘆くだけのヒロインではなく、自分から主人公の隣に立つ為に限界を超える努力を重ねたヒロインでひたすらにラストが最高でした。
転んだ後も立ち上がり、立ち向かい突き進むヒロイン、好きだ!!
あの町で泣いて嘆くだけだったら好みじゃ無かったのですが、ラストで一気に駆け上がってきたのでその努力に敬服しました。
田舎町での学力底辺から都会の進学校の学力に行く努力は並大抵の努力では無く。
主人公は夏生が居るから200位の壁を超えられた、夏生は主人公が居るから進学校の壁を超えられた。
こういう「貴方が居るから超えられない壁でも超えられる」系の流れに弱いのでひたすらに好きな流れでした。
話の本筋や構成はとにかく最高、流石センターメインヒロイン!という作りでとても美しかったです。
ただ、だからこそエロシーンでの主人公のオッサン化がどうにかならなかったのか?とも思ったり。
あのオッサン的な言葉責めで一気に萎えが来るのが勿体なかったです。
あとは、夏生との関係はとても良いけれど、恋に気付いていく過程はそんなに上手く無く。
唐突に恋に気付きエロになるのでもう少し段階を踏んで欲しいなとも思いました。
それ以外は本当に完璧でした、眼鏡ヒロインはそんなに好みになりにくいのですが夏生の眼鏡姿は別格で。
今作をエロゲ初期の方でプレイしていたら眼鏡萌えが植え付けられていたと思える程に凄まじい破壊力でした。


『柳生あおい ルート』
金髪ツインテールで見た目がお人形のように可愛いのに漁師の娘で母が居らず、家の留守を妹の世話を任された結果強い女の子になり、腕っぷしが強く逞しい女の子になってしまったあおい。
ナツメグ」のお嬢様、セリスに近い容姿を持ちながらも父の呼び方が「父ちゃん」でパワータイプでCV青山さんで「ガナリ」有りという個人的に最高に好きなキャラでした。
暴力系ヒロイン苦手ですが、あおいは強い事に理由がある家庭環境だったので彼女の強さには納得。
キャラクターは好き、ラストのシーンも好き、ただしこのルートの主人公の言動がダメ、そんなルート。
あおいと親密になり昼にあおいの家の仕事である漁の手伝いをしつつ、夜にはあおいが目指す淑女の特訓の為、夏生の母の元で特訓するあおいを見つめ続ける主人公。
過ごす内に距離も近づき、嵐の夜に船を仕舞うのを手伝った後、主人公はあおいと肉体関係を持つ…ここまでは良かった。
この段階で「これで両想いか~」と安心していました。
が、しかし、肉体関係を持った後、ピロートークも無く速攻で夜中に帰った後、あおいの事を「彼女」と聞かれ言った言葉が「彼女じゃない」で???に。
いや、待って、え…あおいの事好きじゃないの?好きじゃなくて抱いたの??あー純愛ゲーでそう来るタイプ???
と思っていたら主人公の脳内では「あおいは淑女を目指しているのだから俺と付き合うのは淑女とは反するんじゃ…」「あおいは友人だと思ってるだろうから…」とか意味不明な事を考えているという。
いやいやいや、「淑女に反する恋愛」とか意味分からんし、「あおいが友達だと思ってる」という部分も、そもそもあおいが淑女を目指す理由は「映画の紳士的な恋愛に憧れたから」でそういう創作の恋愛物に憧れて淑女を目指すような乙女チックな女の子が「友達だから」という理由だけでセックスするか?と。
どう考えても恋愛的な好意が無いとセックスとかしないような女の子でしょう?お前そういう乙女チックなあおいの事何だと思ってるの?「友達でもセックスは出来る」みたいな女だと思ってるの?セフレとか作るタイプだったりお水のお仕事のようにセックス出来る子に見える?とマジで頭を抱えましたし、あおいの目の前で「彼女じゃない」とか言っちゃうからただただ最悪で。
そんなのあおいからしたら「あ、やっぱり淑女じゃないから好きになってくれないんだ、セックスはしても彼女にはなれないんだ…」になるじゃないですか!
「創作物の恋愛物に理想を寄せる女の子」の時点で乙女心分かるだろ…どんだけ鈍感なのか…と苛立ちました。
初体験後、あおいが起きるのも待たずに速帰った時点で怪しいと思っていましたが、まさかここまでとは…
最終的にあおいの所作が女の子らしくなった事で他の男からアプローチを受け。
その男との約束をすっぽかされたと思ってあおいがいる場所に駆けつけた事であおいの本心を知りますが…「乙女チックな女の子」のルートで肉体関係だけを結び彼女じゃないと言う流れがあまりにも酷すぎて苦笑いが漏れる程でした。
というかそういう「友人か恋人か分からない関係で肉体関係だけ結ぶ」という話の流れと「乙女チックな女の子ヒロイン」って相性が悪いと思われ…せめて全体的に女っ気無いを貫かないと厳しいと思うんですよね。
その結果、ダダ漏れの乙女心が分からずセフレ関係を築く主人公が爆誕し目も当てられない状態に。
あおいのキャラクターは好きなのと、ラストの淑女の目を瞑って真っ直ぐ歩くバランスの特訓が過去にバランスが取れなかった小舟で立ちバランスが取れ、今度は落ちずに済むという流れは好きでした。
いかんせんこのルートの主人公がダメ過ぎました、マシになって出直して来い。
あおいだけエロシーンが2回で一番少ないのですが、このルートでの主人公がダメ過ぎるので少なくて良かったと思ってます。


『岩波千果 ルート』
主人公とヒロインの恋愛関係では一番好きです。
過程が良く、一番恋愛していたと思います。
主人公が千果と一緒に居る事で心地よさを覚えていき、千果への気持ちを自覚していく流れがとても丁寧でした。
主人公の方がヒロインに惚れ込んでいく描写が好みなのもありますが、単純に「恋愛」の描き方は木緒さんが一番上手い気がします。
どんどん千果への想いがダダ漏れになっていく主人公に対し、千果の祖父は千果の過去を語り主人公に千果への想いを諦めさせようとする。
千果の過去が本作の中で一番重苦しく、「両親が事故死した事で一度記憶を失っている」という記憶系、精神系の為、シリアス要素、泣き要素が強かったです。
千果の精神面が実は危うい事を知っても尚、気持ちを諦められず、千果の為に生き、医者になる事を決めた主人公。
千果の祖父はそれを見て呆れながらも安心し、医者の道として町医者である自分のツテを教える事に。
この「ヒロインの為に人生を決め、職業を決める」とか恋愛物の主人公らしくてとても格好良かったです。
夏生ルートの選択や流れも好きですが、やっぱり恋愛物としてはヒロインの元で難しい選択をし、共に居続ける道を選ぶとかの方が個人的に格好良さがあります。
千果に想いを伝えて恋人として一緒に居て、医者の道の為に勉強する主人公。
後半は記憶、精神系らしく、祖父と主人公が都会の街に行き千果を一人にした際に千果の本来危うかった精神が限界を迎え、千果の記憶が再び退行。
自分の事を忘れても側に居続ける主人公と「知らないお兄さん」と主人公を呼び続ける千果という展開で「ちゃんと記憶が戻るEDになるのだろうか…」と心配しましたが、ラストは千果が父と母と約束した場所に主人公と共に行き、「何もない場所だけれど、一緒に行った人と楽しいと思えたのならその人は好きな人」という母の言葉を思い出し、帰りの中で千果が記憶を取り戻しハッピーエンドで本当に良かったです。
千果の精神を安定させるため、失っていた「両親を失った」という記憶を戻したくて医者を目指していた主人公ですが、「本来の記憶を取り戻した時、自分を忘れるのではないか?」という怖さもあり、完璧に全力では目指すのを恐れていた主人公。
しかし、今回の件で千果が退行した際の記憶は「過去の記憶」として残り、記憶喪失中に主人公にしてもらった数々の事が「幼い頃に会ったお兄ちゃん」という記憶として忘れずに残っていたのが好きでした。
主人公の優しさは消えずに残り続けてるんだなぁ…と。
後半、記憶や精神が絡むので一種のエロゲー、ギャルゲーのセオリーがありましたが、王道の中ででも丁寧さがあり、好感が高いルートでした。
何よりも主人公とヒロインの関係がとても良い!一番好き!!
他のルートが恋愛になる前に肉体関係を築くのが殆どだったり恋愛の流れは微妙だった為、一番「恋愛物読んだ!!」という気持ちになったルートでした。
千果との交流も面白かったのですが、千果のツンデレ爺さんとの攻防戦も面白くルート全部が満遍なく楽しかったです。


『沢木水守 ルート』
えっと…今作での一番印象が薄かったルートです。
水守先輩の独特な考え方は好きだったのですが、ルート中盤の教室のシーンで先輩は「主人公への想いに気付いた」と言いますが、ルート前半に「キミが好きだから抱かれても良い」と言うので水守先輩に対し「想いの流れが良く分からない人」という印象になっていて。
実はお嬢様キャラで親の敷いたレールから逃れる為、この町に一種の「逃げ場」としてやって来て、「同じ様に人生に行き詰まった主人公の境遇に惹かれた」と共通ルートなどで主人公にしきりにアプローチていたり主人公にだけ寛容だった理由が後半で分かるのですが、それがラスト直前の後半でようやく分かる為、前半は「主人公にだけ性的にアプローチをかけてくるエロゲ的に都合が良いヒロイン」にしか見えず、「ただのエッチなお姉さん」にしかなって居なかった為、あまり他キャラに比べて魅力が薄いというか。
しかも話も、実家が何か絡むか?と思いきや全く絡まずただ先輩と逃避行しただけで終わったり。
先輩はラスト一度実家に帰りますが、そこからいきなり再び学校に戻って来て実家で何があったかも語られず町の学校に再び通えるようになりEDを迎えるので、「人生に行き詰まった自分探し」の結論も無いままで終わり。
まぁ、「再び町の学校に通える事」が彼女の結論だとは思いますが、所々で挟まる「星の王子さま」の引用をする事で空気感や雰囲気だけで押し通し一番見たい要素が全部すっ飛ばされてた、そんな風に見えました。
覚えてるのは雰囲気が幻想的だった事と先輩がお嬢様だった事と逃避行した事と一番エロが多かった事くらい。
恋愛になる過程も雑めで、いつの間にか沢山エロして終わってた記憶。
エロシーンは夏生と千果が3回、あおいが2回なのに対し、水守先輩だけ4回という破格ですが、話の薄さをエロでカバーしてたようにも見えます。
そもそもそんなに松田さんは声質は好きでもねっとりエロ演技の方向性が好みでは無かった&エッチなお姉さんキャラは好きじゃないという。
お姉さんキャラは好きなのですが、「実姉的なお姉さんキャラ」が好きで、そういう世話焼き姉要素無くエッチなだけのお姉さんは性癖には刺さらない為、「ふーん」な気持ちで見てました。
そういう意味では「ナツメグ」の円先輩は強かったです、本当に…
独自の世界があり、マイペースで主人公に裸を見られても気にしない豪胆さは好きでしたが…そういうキャラクター性に加えて雰囲気や空気感に全振りしてたルートだと思っています。



個人的に「ナツメグ」超えや同列にはなれなかった…そんな作品でした。
キャラが揃った時のワイワイガヤガヤは本当に好きだったので、もう少し、もう少しだけ恋愛になる過程を丁寧に書いてくれれば…!と思いました。
そう言えば「ナツメグ」から茂雄もですが、夏生ルートで「レコンキスタ」からのキャラもゲストで居たみたいですね。
レコンキスタ」は未プレイなので分からず、CG回収の為におまけシナリオを飛ばしてCGのみ回収をしました。
MANYOさん追いでのコットンソフト作品プレイは本作で終わりですが、いつかコットンソフトでの面白そうな作品はプレイして行きたいです。
あと、プレイして自分は木緒さんの主人公とヒロインの作風が好きみたいなので、担当された他作にもいつか触れたいと思いました。



※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
参考攻略サイト様:愚者の館(アーカイブ) 様
http://sagaoz.net/foolmaker/
 ナギサの ページ
http://sagaoz.net/foolmaker/game/n/nagisano.html