【男性向け全年齢】
2004年07月22日配信
『Fly me to the sky!』様 ※リンク先公式HP
【Beyond the summer】(PC) ※リンク先Vector
以下感想です。
人生は一度きり、この夏も青春も一度きり。
新たな出会いを求める為、ふと、人生のレールを逸れてみませんか?
『晴れた空、焼けつく太陽。
梅雨だというのに、夏の予告編のような天気。
オレは、今日もいつものように学校へと向かう。
いつもの毎日は、いつものまま。
そんな変わりのない毎日にうんざりしながらも、
どこかで、あきらめてるのかもしれない。
そんな時、ふとある考えが頭をよぎる。
「このまま、どっか行くか……」
もしかしたら、なにか見つかるかもしれない、
オレはいつもの駅を乗り過ごした。
あの夏。
オレはそうしてあの人に出逢った。
ハートウォーミングな青春恋愛ストーリー。』
(公式より引用)
一周30分程。
とにかく小気味よく物語が進むのでサクサクプレイできました、攻略を見ながら一日にED4つを見るくらいの流れでクリア。
作中が一日だけの物語なのも無駄に長くならずGOOD、必要な物を必要なだけの描写がフリゲらしく、やっぱりフリゲのサクサク感は好きだなぁととても思いました。
様々な選択肢が出て様々な寄り道が出来るのですが、どの寄り道も凄く楽しく、その先で出会う女性たちも個性的で。
立ち絵は無く文章と背景と音楽だけなのですが、話し方や考え方などで差別化がしっかりとされていて攻略対象は4人なのですが4人共とても魅力的なキャラクターでした。
同級生、年下、年上が揃っているのも大変好きです。
逃避行したい主人公なので若干「広く浅く関係を築いているけど世間とはあまり相容れてない」タイプなので人によっては鼻につくかもですが、この性格だからこの物語は成り立つので有りかなと思ってます…そうじゃないと逃げ出しませんし、根は良い子で良いキャラしていたと思います。
ED数は多いですが有志の方の攻略がネット上にあるので見ながらだとサクサク行けると思います。
背景、雰囲気から夏の空気を感じ取れる良い夏の逃避行ゲーでした!
『システム、演出』
NScripter製。
とても使いやすかったです。
画面の切り替えが遅いのは少しだけ難点でしたが、既読スキップもちゃんと読んだ所のみ飛ぶので安心しました。
一点言うなら、おまけモードで右クリックで前の画面に戻れたら有り難かったです。
もどるボタンを押さないと戻れなかったので…
『音楽』
フリゲを何本もプレイすると良くお聞きする曲ですが、合っていました。
同じ素材サイト様からの曲を使う統一感好きです。
『絵』
立ち絵無し、背景のみ。
背景の写真が本当に素晴らしかったです。
THE・夏という感じで。
作者様ご自身の撮影らしく、とてもセンスが良いと思います。
そして写真だけでなく、デザインセンスもとても良かったです。
メッセージウィンドウ、写真、周りを彩るデザインのセンスがとても夏で…好きです。
『物語』
とにかく読みやすく無駄がない。
人によっては描写少ない…と思う方も居るかも知れませんが、個人的にこのくらいの方がサクサクと読みやすいです。
必要な描写と必要なイベントのみな所がとてもフリゲ的でフリゲらしくて好きです。
ED数も多いので、このくらいが丁度よい塩梅だと思います。
『好みのポイント』
「おまけ」でそれぞれのヒロイン側の視点があったのが嬉しかったです。
それも無駄に長くならず、後日談だったり前日譚だったり、どのお話も良い感じに本編を補完していたのでとても良かったです。
一つ気になる所を上げるとしたらメインEDが皆綺麗に恋愛で終わるのが個人的な好みとは少しズレたかなという気持ちでした。
恋愛ED以外だと終わりのコメントで「もっと上があります!」と言われて…私はどんな関係でも何らかの方向で一歩進めば好きなタイプなので…
恋愛物というジャンルなのでそこを言うと野暮なのですが、一人くらいは恋愛で終わらない…みたいなEDがあっても良かったかも(それがサブEDなのかもですが)。
そういう意味ではメインED以外のEDが個人的に好みだったりします!
【以下ネタバレ含めての感想です】
逃避行した一日のお話なのでネタバレというネタバレも無いのですが、一応。
それぞれのヒロインのお話を思い出しながら個別で感想を書きます。
『キャンプ篇:三崎ひろか』
クラスメイトその①
「頑張って周りの女子に合わせないと」「頑張って女の子らしくしないと」みたいな葛藤が描かれて、それと一生懸命向き合う彼女が好きでした。
主人公と結ばれて沢山遊ぶ事でそういう葛藤を少しでも遠ざけられるようになればいいと思います。
彼女は袖降山篇に行く為に出会っても別れてフラグを折るみたいな展開があるので若干不憫にも感じました。
『袖降山篇:御子柴悠里』
年下系。
不登校の原因がかなりリアルで、あぁ、ありそう…と唸ってしまいました。
恋愛観なんてそれぞれですよね…大切に育みたいと思う人もいれば速攻で結ばれたい人も居る。
主人公との出会いを考えると案外彼女も速攻型に見えなくもないですが、運命だと思って仲良く今後のお祭りも楽しんで欲しいです。
『姫浜海岸篇:支倉渚』
年上系。
方向音痴のおねえさん。
海岸の伝承と絡めて真相を追っていく少しミステリーじみた流れが好きでした。
好きって言われた相手から別れを切り出されるとか「なんじゃそりゃ」ですが、世間ではかなり沢山ありますよね…
でも分かれたからこそ主人公と結ばれたと思うと良かったのかも…?
本編ラストで主人公がビキニに大人らしさを感じていますが、おまけでビキニが初めてな所が実は初々しくて好きでした。
『中央公園篇:渡瀬陽子』
クラスメイトその②。
実は最初から主人公の事が好きだったキャラはこの娘だけかも。
色々と家庭環境が大変な中で、ずっと好きだった人と羽を伸ばす…ある意味一番メインヒロイン感ありますね…
おまけで前日譚が語られて他の子の恋のキューピットをしながら主人公の事が好きだという事が描かれるのが健気です。
…やっぱりメインヒロイン感が…最初から主人公を好きなキャラは少しだけズルいかもです(笑)
役目を終えた風船を見送るシーンが好きでした。
どのヒロインも魅力的で立ち絵は無い中で凄く個性的だったと思います。
どの逃避行先も魅力的ですね…一度は人生で寄り道をしたくなる一作でした!!
最後に。
さり気に、どこにも行かなかったり、フラグをとことんへし折って物語が何一つ起こらないEDが物語そのものに反してて中々に面白かったので好きです。
※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
参考攻略サイト様:泉獺 様
【http://ifs.nog.cc/i-otter.hp.infoseek.co.jp/kouryaku/index.html】
BEYOND THE SUMMER ページ
【http://ifs.nog.cc/i-otter.hp.infoseek.co.jp/kouryaku/beyond.html】