ひっそりと群生

ひっそりと持ってるCDの情報やゲームの感想上げたり。購入物の記録など。気ままに。飽きっぽいので途中で止まったらご愛嬌。

【ドトコイ】感想

【乙女全年齢】



2019年09月20日配信
黒城ろこ』様 ※リンク先公式HP
ドトコイ】(PC&ブラウザ) ※リンク先ノベルゲームコレクション
以下感想です。








「どとこい」の乙女ゲーム版がついに出た!
攻略キャラの見た目の解像度が低い状態からスタートという相変わらず発送の源がズルい意欲作!!



『高校2年生になった主人公は、転校先の学校で新学期を迎える。
 ウキウキ気分で新しい通学路を走っていたところ、
 曲がり角でぶつかったのは、■の姿をした喋る物体。
 主人公は「イケメンの解像度が低くなるおまじない」をかけられていたのだった。』
(公式より引用)



一応ギャルゲー版「どとこい」を数年前にプレイ済みなので、コンセプトとノリは分かった上でスタート。
キャラクターや物語はテンプレな中、「攻略キャラの解像度が上がっていく」という一点を付け加えただけで異彩を放つ作品として仕上げているのが流石だと思いました。
誰も考えつかなかったその発想の大勝利に完敗です…
記号的で分かりやすい性格のキャラクター達ですが、ドットであるという一点だけでとても愛嬌たっぷりのキャラになっていて。
正直乙女ゲーが得意ではない方なのですが、粗いドットのキャラクターが微妙に表情を変えるだけで和やかな気持ちになりました。
最初からイケメンでスタートだったらこの和やかさは味わえないと思うので…ビジュアルの印象って大事なんですね…
好感度が上がると元の解像度(イケメン)に戻るという内容なのですが、イケメンの画像になった時に「元のドットに戻って!!!」と思うくらいにはドットの彼らに心を奪われている自分が居ました。


一周は15~20分くらいあれば行けるというサクサク感も大変有り難い…集中力が無いのでこれくらいが丁度いいなとも思ってしまったり。
特に深く考えなくても良く、サクサクとプレイ出来とてもお手軽な中で個性とクオリティで攻めてくる作品でした。
ゲームをしていると途中で他の事を始めてしまう自分が全く他の事に触れず最初から最後まで全てのEDを突っ走れました。
「どとこい」の時も思いましたが本当にセンスが良く様々な配分がお上手な作者様だと思いました。



『システム、演出』
ティラノ製。
基本性能は全部揃っていて履歴も見やすく、そして色によって選択肢が分けらているという大変有り難い仕様なので攻略に躓く事は無いと思います。
メインの4人以外にも隠れ攻略キャラが居て隠れ攻略キャラは多いのですが、ある程度のキャラまでは自力で攻略出来るのと作者様が独自に攻略ページをHP上に作られていらっしゃるのでそちらを見ればサクサクと進めると思います。
一つ攻略でネックだったのはEDが飛ばせない所。
EDで流れるイラストもとても素敵だったのですが、攻略キャラ多いのでクリックで一枚づつ飛ばせたら良かったなーとは思いました。


『音楽』
ドトコイの世界に合うほのぼのとしていて良い選曲だと思います。
ほのぼの曲、ポンポンと鳴る木琴っぽい音がゲームに合いすぎてます。


『絵』
ドットの時もイケメンの時もお一人で担当されてるみたいで。
「どとこい」の時も女の子可愛かったですし、今回友人キャラの翔子も可愛かったですし…
男性キャラも女性キャラもお上手で凄いです。
元の姿(イケメン)の時もお上手なのですが、何よりドットの時の小さな表情変化が細かく大変好きでした。
ドットの表現を少し変えるだけでウィンクしてるように見せたり…ドットには無限の可能性があると思います。


『物語』
話は3ヶ月間のストーリー。
たまの日常と学校行事のイベントでサクサク進みます。
文章も分かりやすく、解像度関係をネタにした文章には毎回笑ってしまいました。
展開は速いですが、その速さもこのゲームらしく重苦しくならずとても良きです。
でも速い中でもしっかりとキャラの個性を掴んでくるイベントは随所に盛り込まれているのでゲーム進行のセンスの高さを感じます。
終わった頃にはこの3ヶ月後のイベント、学校行事も見たい!となってる事間違いなしです!


『好みのポイント』
隠しキャラですが、かなり多く…メインキャラよりも多いのに驚きました。
でも登場キャラは基本全員攻略出来る!という勢いは物凄く好きなのと、どのキャラも攻略する際に少しは考えないといけないけれども、そこまで深く考えなくても頑張れば行けるくらいの難易度調節がとても良い塩梅だったと思います。
メイン4人も良いですが、個人的に隠しキャラ達が最高にヒットしました。





以下ネタバレ含めての感想です





全員テンプレだけれども愛嬌がたっぷりでした。


分かりやすいツンデレ御曹司の二階堂 政宗
二階堂と幼馴染のちょっと(?)貧乏で礼儀正しすぎる青木 真。
帰国子女でナルシストだけど面倒見の良い斉藤 ルイ。
少年の心丸出しなアホの源 英司。


まず、このメインキャラ4人のわかりやすさ。
テンプレって何度も使われると「また来たか…」となりがちですが、一つ見た目などで個性的な事(今作では解像度)に振り切っていたり尖った作品だと逆にキャラクターや物語はテンプレにした方が有り難い事ってありますよね…
今作はまさにそれを地で行く作品でした。
主人公もこんな大変なおまじない(呪い)にかかったのに結構淡白というか…サラッとこの状態を受け入れたりサッパリとした性格で。
選択肢も明らかに高感度が上がるのと下がるのが分かりやすい選択肢で、下がる方の選択肢の辛辣っぷりが凄く選択肢で個性を発揮するタイプで面白かったです(ただあまりに辛辣なので、人によってはもっと優しく接してよ!!と思いそうですが…好感度的に分かりやすいので個人的には有り)。


メイン4人もとても良いのですが、なによりも個人的にヒットしたのは隠しキャラ達。
レオンのパリピなのかネットスラング使いなのか微妙に分からない会話が楽しかったり、女友達も攻略出来たり、先生の恋愛ではないけれども今後もしかしたら…な展開に胸をときめかせ、前作同様諸悪の根源であるキャラ(今作はタヌキ)も攻略できたり。
…ってかタヌキはED後にエピローグ入るので特別感が凄いです、流石諸悪の根源…
何よりも個人的にビジュアルでドヒットだったのはまさに完全「隠れキャラ」の神崎さんでした。
野暮ったい眼鏡男子は無理です、好みです、好きです。
神崎さんはちょっと効果が違うけど主人公と同じ呪いを受けていたり…前半全く登場しないのに後半で一気に掻っ攫って行きました。
全員が明るく下手に鬱なキャラが居ないのもGOOD!
男性の攻略キャラで闇属性というか性格的に鬱な方面のキャラが出るとテンション下がるタイプなので大変有り難かったです。


最後の最後、隠しキャラの端々まで手を抜かず、EDまで作り込まれていて。
友人の翔子とかドット絵本編に登場しないのにしっかりと用意されている所には脱帽。
さり気にドット絵じゃない人間の姿の立ち絵で洋服の差分一番多いのが翔子な所にも笑いました。


話も「どとこい」の時と同様に恋愛恋愛と甘ったるくならず、このくらいの距離感や終わり方が好きなのでとても爽快にプレイする事が出来ました。
「どとこい(ギャルゲー)」、「ドトコイ(乙女ゲー)」と来たのでこのシリーズは終わりなのかもですが…
個人的に百合ゲーverやBLゲーverも同じようなキャラとの距離感で見たいです!
そんな風にこのシリーズにはまだ続いて欲しいと願いつつ、最高の楽しい時間を有り難う御座いました!!