ひっそりと群生

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【雪神一雫】感想

【男性向け18禁】



2004年04月25日発売
雨傘日傘事務所』様 ※リンク先公式HP(18禁)
雪神一雫】(PC)(18禁) ※リンク先DLsite.com(18禁)
以下感想です。








彼女は彼の元へ降り続ける―――。



『舞台は神社兼書道教室、とある母娘との生活を綴ったノベルゲームです。
 10年以上前に主人公の前から姿を消した女性が、ある日突然娘を連れて彼の前に現れました。
 その母娘との生活の中で、主人公は彼女らの微妙な異変に気がつきます。
 おおらかで穏やかな物腰の母と、すこし無口な娘。
 彼女らに感じた異変が形になって現れたとき、主人公にできることは…』
(公式より引用)



雨傘日傘事務所作品、5作目の「雪神一雫」をプレイ。
雨傘日傘事務所様作品のプレイは7作目。
プレイ時間は約4時間くらい。
分岐は無し。


人に仕える神である氏神
氏神姉弟は白石という家に仕えていた。
弟である左近は白石の娘、志津絵の学生時代から祀られている神社で良くしてもらっていたが、志津絵は町を出ていってしまう。
10年が経ち帰ってきた志津絵には娘、真白がおり、真白は「自分が幸せを感じると周りを不幸にする」という呪法から高校に行けなくなっていた。
左近は人間に変化し神社で書道教室を行っており、そこに真白をお手伝いとして招き入れる。
志津絵は裏にある教会で働き、裏にある教会の神父ジェレミィは毎度左近をからかいにやって来て楽しげな毎日が続いていた。
ある日、左近はジェレミィから志津絵がおかしいという事を聞く。
志津絵の異変、真白への呪法…楽しい日々は静かにゆっくりと変化して行き…


というのが大体のあらすじ。
雪がしんしんと降り積もり音さえも消してしまうような冬の時期。
文章や舞い散る雪から感じ取れる静謐な空気がとにかく美しく。
そしてその中でもプレイのハードさや後半の戦闘描写は変わらず凄まじく。
色々とハードな展開や熱い展開がありながらも冬の空気が壊れる事は無く、そして純愛要素もまた深く。
空気感、キャラクター、エロ、戦闘の黄金比が素晴らしかったです。



『システム、演出』
吉里吉里製。
プレイ中不便に思う箇所は無し。
今回は吉里吉里特有の雪の演出も入り、一層世界観を引き立てていました。


『音楽』
使われている音楽は今までの作品と同じ曲が多いです。
和風の話ですがクラシックが合わないと思う箇所は無く。
今回は冬、雪も合わさり、クラシック曲が作品の空気にとても合っていました。


『絵』
目パチやクリック単位での表情変化は当たり前。
目も目パチだけでなく、かすかに開き方が変わる瞼でキャラクターの今の心情を表現されていらっしゃるのは流石でございました。
真白のシラーっとした半目が好きです。
戦闘も更に進化、今回は後半で呪を発動した際の演出がたまらなく。
五芒星を描いたり、臨兵闘者皆陣烈在前を描いたりするシーンの演出がとてつもなく格好良く。
古い作品から追っていく毎に進化されていて凄まじさを感じます。


『物語』
静けさの中にありながらも彼女や彼との生活がとても楽しくて…
楽しかったからこそラストはもう……
雨傘日傘さんの作品は今までラストは明るかったり、または爽やかなEDが多かった中で、今作はとにかく切なくて切なくて。
最後の真白の選択からED、そしてエピローグまでの流れがジワリと心に響いて。
自分の心の琴線に触れ、余韻が素晴らしい作品でした。


『好みのポイント』
神父!神父!!!
いや、あの、深く語れないのですが…クリア後のおまけでやられました。
元々のアッパラパーな性格も好きな上であれは…ズルいです…
ああいうの…とても、自分の性癖です(暴露)





以下ネタバレ含めての感想です





世界を滅ぼすと言われる雪神と雪神を産む母と共にある事を決めた青年の物語。
あー…前世物、好きです。
某雪の英語名を持つ商業タイトルに最初に骨抜きにされてから前世者は性癖です。
前世、雪、母と娘…こんなん好きに決まってるじゃないですか、好き。
現代でも志津絵と真白の母と娘に囚われているけど、何百年も前から主人公は雪神(雫)とその母(静)に囚われているというこの対比がすっごく良いですね…


主人公と真白の二人も好きだけど、主人公が志津絵さんを抱くのも仕方ない…というか嫌じゃないと思ったり。
勿論最初はカプ厨として「え!?真白が想ってるのに!!?」と思ったりしたけど、志津絵の過去の出来事や境遇を思うと志津絵もきっと左近の事が好きで…その上で教会のせいであんな目にあって辛い中で、それでも、左近は自分の娘と一緒に居て欲しいとも願ってて。
志津絵も本当に切ない人なので、左近と肉体だけでも繋がるのも有りだなーと思ったり。
雨傘日傘さんはそういう固定のカプが居ても尚、他のヒロインを抱いたり他のヒロインが抱かれたりする描写に納得出来る様々な事情を組み込ませる手腕がお見事過ぎます。
結構ガチガチの固定カプ厨なのですが、その自分を納得させるの…凄い事だなと。
エピローグで志津絵さんの想いに少し応えたり(というかある意味では真白が帰ってくるまでの癒やしでもあっただろうなぁ志津絵さん)、ジェレミィの真相を知った上でジェレミィの気持ちに少し応えたり(この真相に関してはズルい、男装キャラ…好きです…)。
確かに他エピローグで志津絵とジェレミィを抱くけれど、でも、真白とは滅んだ世界で永遠を生きる事を考えると…二人の永遠に比べるとほんの些細な事のように感じて。
本当に、浮気(?)とか、そういう…他の女性を抱くみたいな描写を納得させて描くのがお上手です。
どう足掻いても左近は真白をずっと思い続けているから納得出来るんだろうなーと、あと、志津絵とジェレミィという真白が消えた出来事に関わっている人達だから納得出来たのだろうなと思います。


世界を滅ぼすと言われていた雪神。
けれど決して滅ぼす事は無く。
世界を滅ぼすくらいならと主人公の上に優しく雪として降り積もる。
…世界とヒロインを天秤にかけた時に、真っ先にヒロインを選んだ左近も好きですが、自分と世界が天秤にかかった時に真っ先に世界(主人公が居る側)を選んだ真白も好き過ぎるんだよなぁ…
真白は自ら選び、雪になる。
この辺りで切なさが頂点に達しました。
その上でエピローグまでの流れが完璧過ぎて。
最後のエピローグ「だいすき」はもう…至高。
人が滅び絶えた世界、何万年後。
左近と右近などの人でない存在しかもう居ないような世界。
その中でようやく追われる事も無く、安心して主人公と再会する真白。
こんなん…好きに決まってるじゃないですか!
オタクは「滅んだ世界」とかに弱いんですよ!!?
前世といい、真白が消えるEDといい、その後のエピローグといい…なんか…後半に好きが詰まりに詰まっていて。
人も滅んで本当に音が消えた世界で、左近と真白が仲良くずっと、誰にも邪魔される事無く、一緒に暮らして欲しいと心から思いました。