ひっそりと群生

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【Clover Heart's ~looking for happiness~】感想

【男性向け全年齢】



MANYOさんの担当されたゲームをクリアしていく企画42弾。



2004年08月26日発売
GungHo Works(Interchannel、NECインターチャネル)(解散)』※リンク先公式HP
Clover Heart's ~looking for happiness~】(PC) ※リンク先wiki
以下ネタバレ含めての感想です。








プレイ時間はオリジナル版部分を飛ばして約9時間15分くらい。
7でもインストール、起動可。
ディスレス起動可。


こちらは2013年09月27日発売の「ALcot Classic Works 2013」に収録されている
Clover Heart's』(※リンク先感想)のPS版移植のPC版移植になります。
レーティングは全年齢のまま。


これは「Clover Heart's」の感想でも書いているのですが、名作と言われている「Clover Heart's」が個人的にそんなに肌に合わず。
理由がメインヒロインである双子姉妹が合わなかった事と、雰囲気のわりにエロが多過ぎて抜きゲーに近くなっており肝心の雰囲気を壊していたように感じ自分には合わなかった部分があります。
が、今回全年齢になった事で後者に感じていた違和感が綺麗に無くなっていました。
かなり安全策を取った移植になっており、エロだけでなく露骨な下ネタやChapterタイトルですら露骨に性を感じるタイトルはカット。
それが今作の雰囲気を絶妙に壊さないようになっていて、正直雰囲気で言うなら移植版の方がかなり上。
純愛エロは良いとしてもオリジナル版のマニアックエロとか下ネタは本当に作風に合っていないと思っていたので。


移植の内容も00年代の気合が入った移植の方でエロをカットした際に追加されている要素も豊富。
3章とかオリジナル版はほぼエロで進む章でエロゲとしては正しくも「もう少し二人が心理的に寄り添って行く姿をエロじゃなく見たい…」となったので、そういう気持ちだった側としてはChapterタイトルが多数追加されていてエロ無しで関係が深まっていくのがとても良く。
正直関係の深め方としては移植版が最高に好きでした。
夷月ルートは初っ端から先輩とのエロでスタートしてどう移植するのか?と思っていましたが、喧嘩シーンに変わっており、どこまでも健全を貫いていて。
ベッドシーンから始まらなくても夷月らしさを全面に出した始まりで安心しました。


おそらく話も絵も声もオリジナル版のスタッフで編成されていると思うので追加要素に大きな違和感は無し。
若干CGで違和感があった箇所があったので絵に関しては別スタッフが居るかもですが、大きくズレる程の違和感は無し。
キャストは完璧、完全にオリジナル版のまま、というか名義もオリジナル版のままでビックリ。
結構移植だと表名義になる事が多いのですが、そのままは珍しい方かと。
追加キャラである愛理の声優さんも成瀬さんで、これはもうこのまま18禁に戻し再移植出来たのでは?と思いますが、今作はこのPC版以外で個別に再移植はされていないんですよね。
まぁ話的に愛理は愛理との恋愛では無い為、エロには成り得ない話とキャラなので「18禁に戻して再移植の必要は無し」と判断されたとは思いますが、単品でPCにそのまま戻しても良い程の出来で「Clover Heart's」の雰囲気を重視した移植になっていたので、このセットのみ同梱はちょっと勿体無い気がします。
コンシューマ機器はどんどん進化してPS2ももう過去の機器ですし、PCならわりとずっと残っていくので、出来の良い移植はそのままで良いので再移植されると嬉しいなーとは思いました。


話の根幹は双子姉妹の話で、デリカシー無く勝手に人の領域に入り込み自分のせいなのに何故か逆ギレし弁解する玲亜と、偽りとはいえ既に関係が構築されている先輩との間に割り込み正しくないと持論をぶちまける莉織の大筋部分は変わらない為、双子姉妹に対しての印象は変わらず苦手なままですが、追加要素の出来が良く、特に愛理ルートはPC版よりも家族になっていく姿が丁寧だと感じたのでとても良い移植だったと思います。
最近の移植は分からないのですが、気合の入った移植はやっぱり良いなと思いました。



オリジナル版のキャラルートの感想はオリジナル版の方で書いたので省略。
以下、新キャラ愛理ルートの感想。



『桃瀬愛理 ルート』
「Clover Heart's」はキャラの関係がかなり特殊で、玲亜と恋人になったところにちまりが入ってくる白兎ルートと、先輩と偽りの恋人関係を築いている所に莉織が入ってくる夷月ルートに分かれた構成になっています。
どちらも「一度関係を築いている二人の間に他の女性が入ってくる」構成を取っている為、新キャラを追加するとしても恋愛として入れると再び「新しい女性が入り込む」流れが出来、それは流石に…となる所で、玲亜と莉織のルート確定後に子供である愛理を追加キャラに入れ、愛理との交流で家族を見出していくという構成は非常に上手かったです。
恋愛ではなく親愛を描くのがこの構成での追加としては完璧、あと個人的に親愛が好きなのでそういう流れに行ったのが最高でした。
ルートによって愛理との出会いが変わり、食べ物の好みなどは変わりませんが、愛理の性格が若干変化します。
白兎ルートでは二人の妹的存在として明るくも若干落ち着きがある女の子、夷月ルートでは夷月に一目惚れし元気でオシャマな女の子になっていて、その性格で話の流れが変化。
どちらでも明るく可愛らしい部分は変わらず、父親が入院しており父親に昔借りがある久遠が引き取るという内容。
恋愛では無い為どちらにもルートがある作りにも納得出来、それが上手い具合にハマっているという。
愛理という無邪気な少女との出会いと、愛理を通じて愛理の父親に出会い父性に触れる事で自分達の父親を思い出し、そして愛理からパパとママと呼ばれる事で家族を感じ、冷え切った家族が温まっていく流れは本当に良く出来ていました。
無邪気な子供だからこそ出来る家族の温め方で、こういう親愛物に弱いので愛理を通じて父親を思い出したり全員の仲が深まっていく流れに始終ホッコリとした気持ちに。
正直、オリジナル版の夷月ルートのラスト、急に敵襲が襲ってくる謎シリアス展開からの兄弟の絆を取り戻すという流れよりもしっかり順を追って関係が築かれたような気が…
全てがオリジナル版の後半よりも出来が良く感じました。
愛理も嫌味無く、純粋に良い子で可愛く素直な子供で、そして所々で幼いながらも根性があり、かなり好きなキャラです。
出会いがあれば別れもあるように、最後愛理と別れるシーンでは地味にグッと来ました。
恋愛には決して発展しませんが、また再びどこかで愛理と皆が会って遊ぶ事を願います。



クリア後の「Extra Story」もPC版よりも充実。
凛、久遠、ロベルトと一緒にちまり、円華も追加。
ちまりと円華はそれぞれのルート後のアフターストーリーになります。
久遠とロベルトの話はPC版と変わりませんが凛は描き下ろし。
凛が夷月を想っている事は察していましたが、若干その部分が深堀りされていました。
ちまり、円華、凛、それぞれきちんと補完されていて、満足のいくアフターストーリーでした。
というか白兎が玲亜と結ばれた際にちまりと雄基が良い感じの関係になりますが、その辺りも移植版で充実度が増してたと思います。
選ばれなかったヒロインが他キャラと幸せになるの大好き派なのでこういう深堀り好きです。
好みは絶対に分かれそうですがもっと流行れ。


苦手なキャラが根幹なのでそこは変わらないのですが、とても良い移植と追加要素だったと思います。
雰囲気を下ネタでぶち壊さなかったり、「ここはこうだったらな…」と個人的に思っていた要素が綺麗に変わっていました。
かなり納得のいく移植版で自分はPC版よりも好きです。
移植はたまにオリジナル版よりも好きな物をぶっ込んで来るので油断が出来ない所が良いなと。
勿論悪い意味で油断が出来ない時もありますが、それもまた一興。
この逆移植の為に「ALcot Classic Works 2013」を購入して良かったと思いました。


ただ一点だけ申したい事があるなら、愛理ルートでの追加曲が音楽鑑賞モードに無い事!
音楽鑑賞に実装されていないの何でですか…?
音楽が良いALcotなのでそこは是非欲しかったです…


MANYOさん追い、次回はまた18禁作品に戻ると思いますが、PS2版に移植した作品なども触れて行きたいと今回の移植に触れて思いました。
PS2を引っ張り出したり、動かない時は再び買い直そうかなと思います。



※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
参考攻略サイト様:ぐるぐる☆ちょっぷ 様
http://www.material-book.net/
 Clover Heart's ページ
http://www.material-book.net/game/clover/index.html
※3章の最初に愛理ルートの分岐選択肢が出ますがそれ以外はPC版と攻略は変わりません。