ひっそりと群生

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【森の奥に住む座敷童子は報われない】感想

【女性主人公全年齢】



2016年02月09日配信
おざしきわらし製作所』様 ※リンク先公式HP
森の奥に住む座敷童子は報われない】(PC) ※リンク先ふりーむ!
以下感想です。








最後に一瞬でも報われれば、それは幸せ。



『――人間と関わってはいけない。なぜなら私たちは、不幸を呼び寄せる「座敷童子」だから。
 昔々のお話。
 ある村に、かの有名な「座敷童子」が住んでいた。
 この頃、座敷童子という妖怪は人となんら変わりのない生活を営んでいた。
 戸籍もあり、人の家に化けて出るのではなく一軒家を持っていた。
 しかし、ある座敷童子の一族は、世間で言われているように幸福をもたらさなかった。
 村民は激怒し、その一族を村から深い深い森の奥へと追放するのだった。
 数年の歳月が経ち、新しい命が誕生したが、その娘は座敷童子でありながらアルビノを患っていた。
 その娘、藁辺鏡子(わらべ きょうこ)は、母に言われた通り、人間との干渉を避け続けたが…
 展覧会用に作成したゲームです。』
(公式より引用)


プレイ時間は約30分くらい。
分岐無し。


不幸にする体質を背負った座敷童子の少女と人間の少年が出会い。
少年との交流で機械的に過ごしてきた少女の心情が変化しながらも座敷童子の運命からは逃れられず。
それでも、少女は幸せを追い求める。



『システム、演出』
ティラノ製。
文字表示速度変更と履歴は無し。
文字速度はプレイ時間的にさほど気になりませんでしたが、履歴は欲しかったです。


『音楽』
素材曲。
どの曲も場面場面に合っていたと思います。


『絵』
展覧会用出展作品との事で、絵は人物画、背景含めて全てオリジナル。
男女共にお上手で、主人公鏡子の儚く消えそうな感じがとても絵に表れていました。
後半登場のとある性格悪いキャラの性格悪そうな顔が腹が立つ感じで良かったです。


『物語』
話の始まりや鏡子の境遇もあり、今作がどこに辿り着くかはなんとなく予想は出来てはいました。
綺麗に型に嵌る民話や童謡のようなお話で、辛い所はありますが、それでも鏡子は幸せだったと思いたいです。
若干時代が分からない箇所がありますが、昭和初期の物語かなと思っています。


『好みのポイント』
ボーイミーツガール(暗)が好きなので鏡子と陽太郎が凄く好きでした。
鏡子が陽太郎の事を名前で呼ばず、「少年」と呼び続けるのがなんとなく好きです。





以下ネタバレ含めての感想です





全編通すとお母さんが本当に酷い。
お見合い相手はまぁ分かりやすく嫌な奴ですが、お母さんの無自覚自分の幸福押し付けが凄まじく。
見ていてダメ親が地雷の自分はお母さんの行動に苦虫を噛み潰すような顔をしていました。
結局「自分のように不幸になってほしくない」と言いながら自分の幸福を娘に押し付けていた上に、その幸福は全く鏡子の幸福では無かったという。
典型的自己満親でした。


最後、鏡子は自害の道を選び、陽太郎も後を追うように落ちて来ますが、「一緒に死のう」じゃなく、陽太郎が自分の意思で落ちてきてくれた所が凄く好きでした。
心中ED、好き嫌い分かれそうですが、自分は納得できるタイプなら好きです。
「一緒に死のう」と言わずに落ちた鏡子を追って来るなんて、陽太郎は本当に鏡子が好きだったんだなと思うと辛いけれど、最後に一瞬でも報われたと信じています。


ラストの「実は座敷童子など関係無く流行り病だった」という流れも、その流れがある事で母親が更に報われず。
ちょっとざまぁ見ろと思った所はあります。
鏡子もその流行り病のせいで報われない子ではありましたが、まぁ死後に分かった事なので、生きてる時に知るよりかはダメージが少ないだろうと。
生きている母親にはそういう真実や鏡子の事を背負って生きて頂きたいと思いました。


最後の最後で好きな人に出会えて、好きな人に想って貰えた鏡子は報われないかもしれないですが幸せには近かったと、そう信じています。


この流れで次回は今作のR18版に触れて行こうかなと。
本編やってR18が入る流れがあまり想像出来なかったので、どこでどのような形で入るのか楽しみです。