ひっそりと群生

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【Wind -a breath of heart-】感想

【男性向け18禁】



なんとなくminoriのノベルゲーム作品を最初からプレイしたくなったので購入part2。



2002年04月19日発売
minori(解散)』※リンク先公式HP(18禁)
Wind -a breath of heart-】(PC)(18禁) ※リンク先wiki
以下ネタバレ含めての感想です。








システム面は7でもインストール可。
ディスクレス起動は最初は不可ですが一度ディスク2で起動後か公式配布の全部の修正パッチを当てるとディスクレス起動可になりました。
プレイ時間は約8時間30分くらい。
ただ、ゲーム内での7ではムービー再生は出来ず音だけ鳴り飛ばせませんでした。


ギャルゲーにハマりたての頃、PS2版の「Wind」を周回した思い出があるので本作は地味に思い入れの深い作品になります。
それまでプレイしていたギャルゲーがヒロインは個別にルート分岐する物ばかりで。
真相でヒロイン全員が横で繋がっている事が明かされる作品の初プレイは本作だったはず。
今のプレイ本数になってしまうとそういう構成はわりと普通に見かける上、物語としてはさほどパッとしない要素ばかりなので今回のオリジナル版プレイでは話的にはさほど心躍る事は無かったのですが、懐かしい気持ちで触れる事は出来ました。


不思議な力を持つ人が生まれる街、1000年前から続くある儀式…こういう部分で見ると一応伝奇物になるのかな?
「街が夢を見ている」などの部分はファンタジー色が強い上、前半はほのぼの学園モノに対し後半から一気に人死にが始まる温度差が激しい所や伝奇物にしては戦闘に疾走感が無い所がネックだと思いますが。
ただ、「想いが力になる」みたいなのが個人的に好きなので世界観は好みなのと、音楽と色彩から溢れる雰囲気は本物で、新海さんの作られたムービーは冗談抜きでオーパーツレベルだと思います。
というか色彩とムービーが本作の全てと言っても過言では無いかと。


今回、PS2移植版を思い出しながらオリジナル版に触れましたが、正直話としては移植版の方が良かったなと思う部分が多かったです。
移植版では、
・かなりの枚数のCG追加。
・ヒロインに別ED分岐がある。
・霞ルートがある。
・彩の救済ルートがある。
という追加があった記憶。
特に彩の救済ルートと霞ルートがPS2版「Wind」プレイ時に好きだったルートだったので、オリジナル版には無く「無いのかよ!!?」と正直驚きました。
いや、あれが好きだったのですが、あれは移植版での追加要素だったんですね…これは移植版の方が好みだなーと。
街と力の物語で話の流れは一応知っていたのですが、PS2版をプレイして自分は「彩の救済の話」だと解釈していたので、オリジナル版で彩ルート後にみなもと結ばれ娘の名前を彩にするEDしか無かった事に驚き。
「オリジナル版では彩は必ず消えるんだ…」と大分印象が変わりました。
それに加えて霞ルートの存在が自分の今の好み、性癖に繋がるくらいに大好きで。
当時攻略を見ながらプレイしたのですが、「勤とあんなにニコイチなのに霞を攻略しても良いの?」となる中、いざルート分岐をすると勤×霞のカプを見守るというまさかの流れで。
作中で主人公が関わらない「どう見ても付き合ってる」と見える男女カプ好きなので、ルートに入って勤×霞の物語が展開された時にはテンション上がった記憶があります。
「ギャルゲーってこういうルートもあるんだ!!」と当時の自分は思いましたが、それ以降こういうタイプのルート分岐する作品には出会えず、本作が異色なだけで残念に思った所があります。
これが原点で主人公が恋愛せずカプの応援をする某同人ゲームが大好きだったり、かなり本作は今の性癖に影響を与えた部分が大きいです。
正直「Wind」、物語の真相や主人公の恋愛模様よりも所々で挟まる勤×霞のエピソードが最高に好きだったので、霞ルートが無いオリジナル版は不完全燃焼な気持ちに。
移植版はエロ要素を削る代わりに追加要素が有ったり無かったりメーカーでマチマチですが、今考えるとアルケミスト頑張っていたなと。
移植版の記憶と今回オリジナル版をプレイして、自分は移植版が好きだったと確信する事が出来ました。


音楽は「BITTERSWEET FOOLS」の時よりも好きです。
「lunch time」はエロゲBGMの中でトップの方に好きで当時ずっと流していましたし、今でも好み。
「闘いの果てに」も戦闘自体はそんなに…な本作で曲はめちゃくちゃ好き。
「再会」「優しい囁き」も上記2曲よりかは低めですが、良い曲だと思っています。
歌は3曲「Wind」「Dream」「つ・ば・さ」、どの曲にもハーモニカが入っているのが作品に合っていて良いです。
EDの「つ・ば・さ」が結構好きで、再び聞いて良い曲だと思いました。
声はminori初のフルボイス。
基本全員年代を考えると有りなのですが、望の方だけちょっと発音とか滑舌が気になりました。
舌っ足らずですが、聞き取りにくい舌っ足らずさで聞いててヒヤヒヤしました。
年代もあって今作がデビュー作の方もいらっしゃり。
エロゲソングの方で有名なRitaさんは本作が声優デビュー作っぽいです。
エロゲをプレイしていると高確率で歌唱の方でお聞きするほど有名な方ですが、よくよく考えたら「Wind」に触れたのがエロゲソング収集前なのでRitaさんと出会ったのは声優デビュー作からだと知りました。
感慨深いものがあります。
演技はまだ発展途上という感じですが当時から個性的なハスキーボイスは顕在で、話し方もあり彩の独特な空気感は出ていたので流石だなぁと感じました。


絵は庄名さんと結城さん。
庄名さんは未プレイですが別会社、Sonoraのエロゲで、結城さんは未プレイですが最近「Little Sister」というエロゲで絵をお見かけしました。
お二人とも絵柄がかなり変わられていて…でも自分は「Wind」のあまり萌えっぽく無いというかギャルゲーっぽく無いというか。
少年漫画っぽさ…ガン◯ン系列っぽさのある絵柄が好きでした、まぁあまりコチラの業界ではこの絵柄は流行らなそうですが。
本作はそういう少年漫画っぽい絵柄も好きなのですが、なによりも配色が凄いと思っています。
EDクレジットを見れば分かるのですが、現在型月にいらっしゃるこやまさんが配色をされていて。
歌月十夜」から型月で配色をされ現在原画を担当されていらっしゃいますが、「月姫」は「歌月十夜」になった瞬間一気に色合いがパワーアップした記憶があります。
歌月十夜」と「Wind」は色が似てるなーと思ってて、配色が一緒の方だったので、絵に詳しくない自分でもこやまさんの色彩はなんとなく分かる所があるくらい、それだけ配色にパワーや個性がある方だと思っています。
新海さんのムービーとこやまさんの配色を見るだけでも見応えある作品です。
未だにこの色合から生み出される空気感や雰囲気に到達できる所は少ないかと。
改めて時代を考えると凄さが伝わりました。



移植版を思い出しながら懐かしい気持ちでプレイする事が出来ました。
話は今の自分で見るとうぅん…な所も確かにありますが、色彩と空気感は最高に好きです。
そして移植版の追加要素が自分好みで素晴らしかったのだなという事が分かりました。
「他ルートで救われないヒロインが最終ルートで救われる」「主人公とは別カプのルート」など今の性癖に多大な影響を与えた部分が移植版での要素だという驚きをオリジナル版で得る事が出来ました。
勤が何の能力を持っているかの件についても移植版のみで明かされますし。
再びまたPS2を引っ張り出して移植版の再プレイをしたいです。



プレイ順は
みなも→ひなた→わかば→望→彩
の順で攻略



『鳴風みなも ルート』
メインヒロイン。
幼馴染、結婚の約束、髪型を変える、などなどでメインヒロインの風格は持っていますが、個人的には好みにはそんなに…という感じ。
というか「問い詰め」のパワーが凄すぎる。
当時意識していませんでしたが、今改めて「問い詰め」シーンを見るとTHE・面倒臭い女の典型型で笑ってしまいました。
まぁ、あの状況は主人公も大概なので両者引き分けな所もありますが、あのみなもの心情を回想シーンなどで入れたり、途中に主人公の台詞を挟んだりすれば多少印象が変わったのに何故連続台詞にしたし。
ですが、連続台詞にする事でエロゲ界の伝説のシーンの一つにもなっているので結果オーライ…なの…かな?
みなもはみなもルートでは謎が謎のまま終わるので地味ですが、本人のルートよりも彩ルートで掻っ攫うので、一応メインヒロインの風格は残ってるとは思います。
料理ダメヒロインですが作中ちゃんと主人公に指摘され、改善していく姿は好きでした。


丘野ひなた ルート』
恋愛の過程が一番好きなルート。
ひなたが弱ってひなたへの気持ちを自覚していく所とか好きです。
ただ、ひなたに対して主人公、あまりにも叩き過ぎでは?と思うなど。
みなもルートでの鈍感さやひなたに何度も手を上げる所など、あまり主人公に良い印象が無かったりします。
戦闘もほぼ望が戦って主人公少ししか戦わないし。
ひなたも「うにゅ」とか変な口調でイライラはしますが、みなものように主人公が風邪の時に逆に迷惑をかけたりせず、気になるのは口調くらいで他の方面はバッチリ行動出来るタイプなのでさほどイラつくヒロインになって無かった所が良かったです。
ただ、義理の妹を好きになる展開、好きですが、「妹ではなくなる~」というのはどうかな?と思ったり。
いや、別に妹のまま、女としても愛していけば良いのにはとは少し思いました。
妹から大事な女性なる変化とかは大好きです。


『藤宮わかば ルート』
緑髪に眼鏡という不遇要素を併せ持っている少女。
話し方もお嬢様口調で好みからはかけ離れますが、声優のありすさんの声は品があって超絶好みという。
ヒロインの中で演技も一番上手いのも個人的にはありすさんだったと思います。
分岐的にみなもとひなたを攻略しないと行けないのかな?
彼女のルートでみなも、ひなた、わかばが姉妹なのが明らかになります。
印象に残ってるのがそれくらいなのが悲しいですが…彼女との恋愛関係も今までそういう要素が無くいきなり恋愛の空気になってエロシーンになるのでなんか唐突に感じましたし。
好みも相まってなんか印象が薄いキャラでした。


『藤宮望 ルート』
結構好き、先輩先輩言ってくる後輩好きですし、早い段階で好意が分かってるので。
ただ、わかばルートからの派生の展開で内容はほぼわかばルートと同じなのに加えて物語の謎を持っているのはわかばになる為、不遇なキャラだとも思います。
わかばと望は対になっており、このルート分岐だとオリジナル版では必ず望が亡くなるのもまた不遇さがあって。
みなもとひなたルートではわかばの力で生きている為、生き残るではダメだったのかな?とも思います。
それを考えると移植版には生き残るルートがあった記憶があるので、移植版の方が好きです。


『月代彩 ルート』
全ての謎を担うヒロイン。
自分は「謎を全て背負う」「謎を担っているが故に無口無表情」スキーの性癖を持っているのですが、自分の好みのヒロインの原点の一人になったキャラだと思っています。
街の管理者であり、街の存続の為に力の強い生贄を1000年間殺し続けるしか無かった少女。
オリジナル版と移植版でかなりEDの印象が変わるヒロインでした。
最終ルート固定っぽくオリジナル版では必ず消滅しみなもと結ばれる為、みなも大勝利になるのですが、移植版では彼女の救済があったと思います。
自分はずっと「Wind」は「彩の救済物語」だと思っていたのでオリジナル版では解釈が違い、かなり驚きました。
エロが唯一2回の為、その部分と合わせると彼女の消滅の結末で均衡が取れてると言えなくも無いですが、移植版でラストに全員が揃って彩を救済するシーンが胸熱で好きだったのとやっぱりなんだかんだ大団円が好きなので、彩ルートに関しては移植版派です。
上記の望ルートもですが、「Wind」はかなり移植版での救済や補足が多いのである意味では移植版が完成型だと思っています。
移植版の救済EDラストで主人公と一緒に街の外に出かけ絵を描いているCGが追加されているのですが、そのCGが本当に美しく、今でも覚えているくらい大好きです。
1000年間苦しんだのだからやっぱり彩には幸せになって欲しいです。



振り返るとCGといい追加要素といい、移植版は追加が本当に豊富だったので移植版をベースに18禁に戻して逆移植か、そのままPCに再移植をして欲しかったと凄く思います。
移植版で良い移植が出たら家庭ゲーム機は衰退が激しいのでやっぱりPCでもプレイしたいです。


minori追いで行くとこのままFDの「そよかぜのおくりもの -Wind Pleasurable Box-」をプレイ予定。
色々と賛否が別れるっぽい空気を感じますが、新しいムービーが付くと聞いたので、物語のその後と新海さんのムービーに凄く期待しています。



※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
 参考攻略サイト様:愚者の館(アーカイブ) 様
http://sagaoz.net/foolmaker/
 Wind -a breath of heart- ページ
http://sagaoz.net/foolmaker/game/a/wind.html