ひっそりと群生

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【はいすくーる★ガールズ】感想

【女性主人公全年齢】



2019年09月14日配信
kunsina』様 ※リンク先公式HP
はいすくーる★ガールズ】(PC) ※リンク先ふりーむ!
以下感想です。








世にも奇妙なはいすくーる。



『はいすくーる★ガールズは、『弁当』『屋上』『宇宙人』『WhiteCraft』『幽霊』『自動販売機』の6本の短編を収録した短編ADV作品です。
 6本の作品には『佐藤ぼたん』『日向ざくろ』『千島なえ』の3人の少女が出演しますが、短編ごとに世界観がすべて異なるため設定や性格は共通していません。』
(公式より引用)


プレイ時間は約40分くらい。
分岐無し。


6つの話で構成される短編集。
舞台が学校、3人の同じ少女達が出る。
これだけを共通点に、SFだったりホラーだったり、新興宗教的だったりシュールだったり、全く異なる6つの話が展開されます。
起承転結がある話もあれば、謎が謎のまま終わる話もあり、後味が良ければ後味が悪い話もあり。
タイトルのポップさからは予想も付かない話ばかりが飛び出し、一話5分ほどで楽しむ事が出来ました。



『システム、演出』
Unity製。
基本性能有り。
サイズは一番大きいサイズが違和感無く見やすいと思います。
履歴だけがマウスロール操作での戻りがあまり効かなかったのが使いにくかったですが、右端のバー操作ではサクサク戻れたので履歴はバー操作推奨です。


『音楽』
素材曲。
ホラー作品で聞いた事がある曲が多く、ホラー系のシーンでの使い方が上手かったです。
曲が変わった瞬間にゾクッとしました。


『絵』
フリゲとして見ると平均的な絵柄。
表情パターンが多く、狂気系の顔がとても怖かったです。
一話に一つ重要なポイントで一枚絵が入ったのが良かったです。


『物語』
話しの顛末は理不尽だったり、シュールだったり、意味を成していなかったり。
全話、全く異なる世界の話でありながら、その全ての世界が不思議な空気で包まれていました。
スッキリした後味を求める方には合わないかもですが、モヤッとしたまま終わったり意味不明な世界での出来事が好きな人には合うと思われます。


『好みのポイント』
「佐藤ぼたん」「日向ざくろ」「千島なえ」、3人は登場する度に、立場や性格が変わるので、一貫したキャラクターを持っておらず。
舞台が学校で違う話が展開するという部分に、3人の舞台劇のように感じた所があります。
学校の文化祭で6つの小話を演じているような空気。
話の内容もあり「世にも◯妙な◯語」的というか…役者が同じな「世にも◯妙な◯語」という感じでした。
「夏の特別編」とかが好きな人には合うと思いますし、自分も「世◯も」が好きなので、どの話の理不尽さも面白かったです。





以下ネタバレ含めての感想です





話は『弁当』『屋上』『宇宙人』『WhiteCraft』『幽霊』『自動販売機』の6編。
「6編それぞれが実は繋がってる…とか来るか?」と思ってましたがそんな事は無く。
6編は完全に独立した話でした。


『弁当』は日常の崩壊というか、日常の中で垣間見える狂気という部分で好きです。
空の弁当を食べ続ける友人、当たり前のように振る舞う行動にどこか怖さがありました。
『屋上』は後味の悪さナンバー1かと。
全く自殺を止める気がない説得に現代っぽさを感じました。
今作後に他の話で「ざくろ」が「自分で死ぬ気はない」みたいな事を言った時に、話の繋がりは無くてもなんとなくニヤリとしました。
『宇宙人』は更に高度な技術を持った生命体に監視をされている…SF的ですね。
いつか他の文明に追い付いた時、必ず滅ぼされる時が待っている。
SFで見かけますが、そういう可能性も無きにしもあらずな所に自分では把握できない怖さがあります。
『WhiteCraft』は目が覚めたらいつの間にか世界が豹変していた系。
謎の宗教(?)が学校内で当然のように扱われ、自分だけが置いて行かれる恐怖。
最後には訳が分からないままに周りと合わせる所が日本人的な行動だなとも思いました。
『幽霊』は途中までは凄くホッコリした良い話だなーと思っていて。
今作で唯一の良い話系かな?と思ったら最後の最後でやられました。
最後、主人公が幽霊になっても幽霊側にすらも可視化されない所に自己を表現出来ていた幽霊とも違い、「主人公はそれだけの存在だった」みたいな辛さがあり。
「存在意義の差」のような物を見せ付けられ、一瞬で心が苦しくなりました。
自動販売機』は作品内で一番のシュール系。
学校の中で販売されているけれども絶対に売り切れている謎のジュースを追い求める話。
いや、でも、こんなのあったら気になるのも分かります。
それを求めて全力を出す主人公に笑いましたし、最後生徒会長が現れ折角買い求めたジュースを200万で買い求める謎さと、最終的に200万に負ける主人公にも更に笑ってしまいました。
結局あのジュースなんだったんだ…
謎が謎のまま終わりましたが、シュール系として好きです。


ホラーだったり理不尽だったりする小話系は好きなので一話一話楽しめましたし、同じ登場人物という部分が劇のようで好きでした。
「はいすくーる★ガールズ」というタイトルで高校が舞台なのは間違いないですが、マトモな高校生の女の子が殆ど出ない所がタイトル殺しをしていた所も面白かったです。