ひっそりと群生

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【親友が美少女になって帰ってきた。】感想

【男性向け18禁】



2011年08月13日発売
夜のひつじ』様 ※リンク先公式HP(18禁)
親友が美少女になって帰ってきた。】(PC)(18禁) ※リンク先DLsite.com(18禁)
以下感想です。








変わってしまったものと、変わりゆくものと、変わらないもの。



『もう「親友同士」じゃいられない、かも?
 長期入院中だった親友が無事帰ってきた――とびっきりの美少女になって。
 唐突な再会をきっかけに、主人公の生活は一変します。
 親友の以前とはかけはなれた外見。けれど昔のままの明るくて人懐こい性格。
 いったいどう接すればいい?
 男として? 女として? 昔のまま? 新しい関係?
 3種のマルチエンディングで送る、笑いあり涙ありのTS(性転換)青春エロコメディ!』
(公式より引用)



孤独に効く百合』(※リンク先感想)から続き夜のひつじさん作品プレイ。
こちらは再プレイになります。


プレイ時間は一周2時間ほど。
タイトル通り、元男だった親友が女になって帰ってくる…TS物だと思います。
三人称で語られ、性別の違いで感じてしまう違和感や戸惑いが丁寧な文章で描かれていました。


『システム、演出』
吉里吉里製。
安心の夜のひつじ全システム完備…と言いたい所ですが、今作はウィンドウモードにすると少し大変でした。
ウィンドウモードにした場合、下にあるセーブロードやコンフィグのボタンが小さすぎるのか隠れてしまい…
画面サイズもコンフィグからしか選べないので、全画面でないとセーブロードが出来ませんでした。
パッチも無いので、プレイは全画面でのみ推奨します。


『音楽』
今作もオリジナル曲。
どの音楽も最高ですが、やっぱりEDで流れる曲が一番キました。
他の過去作も再プレイ予定ですが、夜のひつじさんのEDで流れる曲は盛り上がりが素晴らしいです。


『絵』
「孤独に効く百合」とはまた違い、今度は淡さは無くしっかりとした絵柄に。
男性主人公なのもあり、ギャルゲー寄りの絵柄です。
一條さんもあゆむ君も可愛らしいく表情が多く見てて飽きませんでした。


『物語』
文章はサクサクと読め、本当に読みやすいです。
夜のひつじ節とも言える細かい心理描写というか…真理を突いてくる描写というか…
そういう表現がとても好きなのですが、今作では一番その表現があったのが一條さんのルートな気がしました。
メインはあゆむ君ですが、一條さんルートとても好きです。


『好みのポイント』
選択肢により純愛ルート、陵辱(NTR?)ルート、一條さんルートに分かれます。
夜のひつじさんは純愛系の作品や、ファンの間で闇ひつじと呼ばれているダークな作品があるのですが、今作はその両方が一本で味わえるようになっていたのでとてもお得だと思います。
一本に純愛と陵辱2つのルートを入れた分、それ一本に絞った作品に比べると密度は若干薄めな気はしますが、闇ひつじ入門編としては闇は軽めでとても良い作品だと思います。





以下ネタバレ含めての感想です





あゆむ君が元男故の性の疎さと元々の鈍感さで発生する数々のトラブルを楽しむお話。
まさにこれだと思います。
男性でもある程度危機感を持ってたり、そもそもパーソナルスペースが狭い男性なら男の状態でも女の状態でも躱わせそうな出来事ですが、基本あゆむ君自身が危機感が0の子なので、女性で…更に美少女になった事で毒牙を受ける受ける。
三人称で描かれるあゆむ君の日常の変化の戸惑いがかなり繊細でした。
とは言ってもこの作品、治安がかなり悪いなとも思ったり(笑)
いや、純愛と陵辱に分かれるゲームなのでゲーム的に仕方ないかもですが、男性の世界と女性の世界はこんなにも危険が違う…としても周りにクソ野郎が多いなとも思いました。
それとも美少女ともなればこんなに危険がいっぱいなのでしょうか…美少女じゃないからその辺り分からないです。


あゆむ君を助け続けると純愛、見捨て続けると陵辱、中途半端に助けると一條ルートへ分岐する選択肢が出現します。
純愛ルートは「あゆむは親友なのに…」という分かりやすくも共感しやすい葛藤が全面に出ていてそのドギマギっぷりが大変楽しかったです。
基本、崇はあゆむに対して「元男なのに…」という部分で葛藤せず「親友なのに…」という部分で葛藤してた所は好きでした。
性別よりも「友人」という部分に悩む所が崇が良い人である事を感じて。
だからこそ陵辱ルートに進む為に見捨てるのに違和感があったというか…
分岐的に仕方ないのですが、「この崇が見捨てるか?」と純愛を一度でも見ると余計に思ったり。
どんな事があっても助けそうな主人公に感じたのでそこだけは引っかかりました。


ただ、陵辱ルートのあゆむ君の堕ち方は大変好きというか…こういう繊細さが大変夜のひつじさんだと思います。
崇に助けて貰えない事や、自分も元男なのに元男だから分かっていたと思っていたのに、自分とは全く違う思考を持つ他の男達や男そのものへの諦め。
そういう細かい心理描写、心理的な絶望や諦めは読んでて大変胸を締め付けられ流石だなぁと思いました。
最後に一條さんまで巻き込まれるのも大変美味しいです。


純愛ルート、陵辱ルート、基本はタイトル通りあゆむ君を中心に進みますが、個人的に好みだったのは実は一條さんルートで…
一條さんとの約束を守り続け、崇は汚い部分を汚れ役を背負う。
綺麗な所から眺めているだけの一條さんは口だけの自分を嫌悪して自分も傷付く道を選ぶ…
そういう内面の葛藤、凄く大好きなので、とても印象に残りました…というか再プレイまで忘れていたので当時どんだけ適当にプレイしていたのかが分かります、良くないですね。
特に一條ルートラストの、


『できれば最初の出会いからやり直したい。
 そんな願いはかなうわけがなく。

 だけど何度だって出会うことはできる。

 君が私の知らない私を見つけたとき。
 私が君の知らない君を見つけたとき。

 その新たな出会いは清冽かもしれない。陰惨かもしれない。いつか想像した優しい思い出にはならないかもしれない。

 だから私は――そのたびごとに、君の持っていないものだけをうばおう。

 いま、この手のなかからこっそりうばったみたいに。』


の文章はたまらなく好きです。
あぁ、これぞ夜のひつじ。
夜のひつじさん作品を読んでいて良かった!と心から思えた瞬間でした。


最後に三つ、どうしても気になる部分があり…
個人的な好みの問題ですが、あゆむ君の男時代、見たかったなぁと。
崇、あゆむ、一條の3人がつるんでいた中学生時代を凄く見たかったです。
過去が「多分こんな事があったんだろうな~」と思うくらいにしか表現されないんですよね…
TS物だからこそ男時代の崇とあゆむの関係を見たかったというか。
拳を封印して一條さんと約束した時の状況を知りたかったというか。
ただ、これに関しては夜のひつじさん特有の描写なのですが、過去に色々とあっただろう事をあえて語らない表現をされるんですよね。
そこがまた特有の美しい表現だとも思っているので、完全に個人的な好みの問題だとも思っています。
あとはあゆむ君が長髪なのは男の頃からなのかが若干気になった所です。
男の頃から長髪だったらあゆむ君の好きな髪型だと思いますが、女に変化してから伸ばしたなら…結構女になった事を受け入れて割り切りが良いなとも思ってしまい。
「僕は男!」と男の部分を強く主張してて女になってから伸ばしていたら…結構女の部分を受け入れてる気がしたのでなんとなく気になりました。
長髪=女性ではないので私の凝り固まった固定観念に引きずられている気はしますね。
あゆむ君が長髪が好きならそれでいいや(笑)
素晴らしい作品なのですが、どうしても好みの部分で好きな要素と引っかかる要素の板挟みな気持ちでもどかしい、というのが最終的な素直な気持ちです。
最後は今作かなり時事ネタというか数年前のサブカルネタが多かった気がします、「おっぱいおっぱい」とか。
正直この手のネタは時が過ぎた時に厳しくなるのと、古いサブカルネタが合う方もいらっしゃいますが、夜のひつじさんには合わないなぁと少し思い、若干雰囲気や世界観がへし折れた気持ちでした。


本作は再プレイだったのですが殆ど覚えておらず、当時あまり考えて無くプレイしたのだなぁとしみじみ思いました。
夜のひつじさん作品をじっくりプレイしたかったので今後も再プレイや初プレイしていく予定です。
今回は後で振り返った時の為に、「こんな作品でこんな感想だったなぁ」と思えるように感想を書けたので良かったと思います。
次回の夜のひつじさんも再プレイですが、思い出しながら再プレイしたいと思います!