ひっそりと群生

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【相思相愛ロリータの生活】感想

【男性向け18禁】



2016年08月14日発売
夜のひつじ』様 ※リンク先公式HP(18禁)
相思相愛ロリータの生活】(PC)(18禁) ※リンク先DLsite.com(18禁)
以下感想です。








これが二人の、ハッピーエンド。



『おはようのキスからおやすみのえっちまで。

 いつもの部屋に花を飾ろう。
 いっしょに歩いて帰ろう。
 幸せもなやみも分けあおう。

 手をつないでいっしょに眠れば
 朝起きたときにはぜんぶ元通りになってるよ。

 「きょうはいい一日だった?」
 もっとなかまではいって、
 あたたかくしておやすみなさい。

 まいにち中出しロリユートピアノベル。』
(公式より引用)



夜のひつじさん作品16作品目プレイ。
こちらは再プレイになります。
プレイ時間はゆっくり読んで約2時間くらい。
前編約55分くらい、後編約1時間くらい、エピローグ5分くらい。
分岐無し。


前作『相思相愛ロリータ』(※リンク先感想)のFD的作品。
基本情報は本編の方で語っているので省略。


前作「相思相愛ロリータ」の本編後とエピローグの間の物語。
既に出会い結ばれた二人のお話なので「出会い」や「結ばれる」程の劇的な変化は無いのですが、緩やかな時間の中で穏やかな日常を営む当たり前の日々を過ごす二人が丁寧に丁寧に描かれていました。
ぴよ寺さんの柔らかそうでふっくらとした絵柄は変わらず愛らしく、新規のまこちゃんの立ち絵がふんだんに使われ。
既存のCGもありますがエロシーンは全て新規描き下ろし。
少女特有の幼い表情もある中で、主人公に既に抱かれ「女性」になったまこちゃんの色っぽさが新規の立ち絵とCGから溢れ出ており、そのギャップに非常にドキドキさせられました。
紫乃小文さんの全てを包み込む幼い聖母のようなお声も健在。
再びまこちゃんボイスに出会えた事で脳がとろけ落ちそうでした。


話も不穏な影などは一切無く。
ただずっと、二人の暖かな日常が描かれ、そしてイチャイチャの仲良しエッチが描かれるという。
まさに顧客が必要としていた物、FDの正しい形と言わんばかりにただ二人が隣に居続ける甘々な生活が描かれていました。
穏やかに朝は暖かな日差しの中で、夜は月に見守られ続く日常。
けれど時は確実に進み、二人は一つの起点を迎えます。
それは、同じ深さの寂しさで結ばれた二人の一つのハッピーエンド。
「相思相愛ロリータ」、二人の恋愛は本編と今作を持って綺麗に完結しました。
とても美しい最後でした。
現在、そして「今はまだない場所」でも二人が幸せでありますように。





以下ネタバレ含めての感想です





凄く綺麗に、二人の関係が納得する形で型に嵌まりました。
今までは孤独だったからこそ「幸せになって不安になる」という部分がしっかりと描かれ。
真面目なおかくんだからこそ本編後で「幸福の先の不安」が描かれ、とても納得しました。
二人の関係は、愛は永遠である、でもだからこそ不安な部分もある。
今まで得られなかった幸福により反対側に不幸も見えてしまう部分が非常に真面目な人間の考え方で。
けれど、その不安も不安ではありますが二人の愛がとても大きく。
「不安はあるけれど、でも大丈夫」と言わんばかりにまこちゃんの大きな愛に包まれ、大きな悪い変化にはならず、安心して生活を続けていける所が非常に作風とマッチしていて良すぎました。
まこちゃんの存在はおかくんの不安には確かになる、けれどそんな不安を取り除けるのもまこちゃんだけである。
まさに運命の二人と言わんばかりの流れで、読んでいてずっと笑みが止まりませんでした。


今まではまこちゃんの言葉くらいでした語られなかった「先生」が登場したのも印象的で。
世間的に見れば受け入れがたい二人の関係をスッと受け止める「先生」は「愛」の下に生きている人なのだと強く感じました。
夜のひつじさん作品は「愛」の為に生きる事を全肯定し、「愛」の為に生きる人を応援し、「愛」の為に生きる人が多いのですが、「先生」も例に漏れず、「愛」があれば二人を祝福する姿勢を取っている所が夜のひつじさんの聖職者らしく、「先生」が二人の関係を否定せず、変な障害にならず安心しました。
まこちゃんの「先生」がこの人で良かったです。
逆に少し語られるまこちゃんの実の両親とおかくんの家関係に本編から察してはいましたが居心地の悪さを感じ。
あのまこちゃんが、「わたしのたからものは、きっと大切にされない」「お父さんやお母さんのたからものも、わたしは大切にできない」と言うほどの親の時点で色々と察せられて。
ずっとまこちゃんは本編では「二次元の少女」という感じで人間の悪しき部分はあまり描かれない子だったのですが、親に対しての思いだけはとても人間的で、「二次元の理想」のような少女のまこちゃんをが人間的な考えを見てしまうほどの親で。
まこちゃんの人間味を見れた事が喜ばしくもあり、同時にまこちゃんの生みの親がどんなに自分勝手な存在かを察して震え上がりました。
でも、それでも、二人でその事も含めて話して行き、沢山話した先にその事を他の人にも話せるようになる時が来るかもしれない、と、「本当の親と折り合いが悪くても、二人は絶対に離れないし、二人で居ればきっと大丈夫」だという結論になったのがまさに「おかくんとまこちゃん」らしくて本当に本当に好きでした。
どんなに生んだ親でも、自分の大事な物を大事にしてくれない人の大事な物を大事にする必要は無いですし、自分を大事にしてくれない人を大事にする必要は無い。
生んだ親に大事にされず、他の誰かが自分の事を生んだ親以上に大事にしてくれるのなら、生んだ親を優先せずに大事にしてくれる人を優先しても良い。
そういう一つの解答を提示してくれて、非常に心が救われた所があります。
人間、自分を大事にしてくれる人を大事にすれば良い、大事な事だなぁと思いました。


最後も本当に綺麗で。
まこちゃんが今まで住んでいた場所で、そしてそこが教会で。
光が差し込む教会でのプロポーズなんて、なんてロマンチックなのかと。
一つの女性の夢だと思います、教会でのプロポーズ。
まこちゃんはお母さんとして振る舞おうとしたり、お姉さんとして振る舞おうとしたり、女の子の部分が強く。
作中何度も「夢見がちな女の子」の部分が垣間見えていました。
そんな彼女に教会でプロポーズをするおかくん。
こんなの、まこちゃん、絶対に嬉しいです。
おかくんのプロポーズだけでも嬉しいのに、教会、そして「先生」の花の冠も合わさり完璧な花嫁さんで。
ブカブカの指輪をあげる所、そしてその指輪の隙間、「今はないもの」を含めてまこちゃんの全てが欲しいとプロポーズするおかくん。
本編でもそうでしたが、FDでもこの瞬間にただのロリゲーになっておらず。
少女の成長なんてロリゲーでは良い事では無いのに、指輪が埋まるその成長まで全てを愛する…
やっぱり、おかくんはまこちゃんがまこちゃんだったから、まこちゃんはおかくんがおかくんだったから好きになったのだと。
どんなに歳を重ねても二人は永遠に隣に居続けるのだと、二人は「運命の人」なのだと痛感し、グッと拳を握り締めました。
「運命の二人」という関係、大好きです。
こんなの、今の二人も、指輪の隙間が埋まる二人も、そして埋まってからずっと先の二人も、どんな二人も祝福するしかないじゃないですか!


四つ葉のクローバーを見つけるのは難しい、でも二人は四つ葉のクローバーよりも見つけるのが困難な「運命の人」に出会えた。
…好き過ぎて溜め息が出ます。
これから訪れる「幸福」により、また不安が出てくる事もあるかと思いますが、それでも、二人は大丈夫。
そんな不安も二人でなら解決して行けるし、そういう不安も含めて「幸福」であると、言える二人なのだと感じました。
二人の幸福を願わずには居られない、そんな素晴らしいFDでした。


二人の見たかった日常も、そして満足出来るエッチも満載で、FDとしては欲しかった要素はほぼ揃っている完璧なFDだと思います。
EDを本編では見られなかったプロポーズで締めるのも中々にニクい。
プロポーズをしてEDというだけで満点!と言いたくなります。
見たかった物全部盛りという話で非常に充実感に溢れる一作でした。
夜のひつじさんとしては初のFDでしたが、FDのお手本のような作品でした、有難うございます!


…、で、これは個人的な要望になるのですが、「ゆびきり婚約ロリイタ」の方はFD出ないのでしょうか?
個人的に一番好みの話しと好みの二人は啓人と鈴佳なのですが、コチラは無い…のかなぁ…
発売から大分経過しているので無さそうですが…
夜のひつじさんが活動を続けられる限り永遠に「ゆびきり婚約ロリイタ」のFD、待ち続けます!
啓人と鈴佳にもまた再びFDで会える事を願って!!