ひっそりと群生

ひっそりと持ってるCDの情報やゲームの感想上げたり。購入物の記録など。気ままに。飽きっぽいので途中で止まったらご愛嬌。

【天使の日曜日-ef Pleasurable Box-】感想

【男性向け18禁】



なんとなくminoriのノベルゲーム作品を最初からプレイしたくなったので購入part12。



2010年09月17日発売
minori(解散)』※リンク先公式HP(18禁)
天使の日曜日-ef Pleasurable Box-】(PC)(18禁) ※リンク先Getchu.com(18禁)
以下ネタバレ含めての感想です。








システム面は7でもインストール可。
インストール時コード認証有り、ディスクレス起動可。
プレイ時間は約5時間くらい。


ef - the first tale.』『ef - the latter tale.』(※リンク先感想)のFD。
本編後、群像劇主人公とヒロイン達全員が揃う一日を描いた「After」と、「もしも」を描いた「Another」が収録。
進行順は固定、「After」の1から「Another」のラストまで一本道。
とりあえずノベルゲーム部分のみ読了。
オマケゲームの「リア獣ハンター優子」はアクションが苦手なので未プレイ。



<After>
『After Story1. ずっと、ここにいる』
プレイ時間は約30分くらい。
紘とみやこ視点の一日。
学校を中退し漫画家一筋の紘と、学園で他の主人公達と出会うみやこ。
学園での一日はこの話が一番最初に描かれます。
「ef」主人公達はそれぞれで繋がりがありつつも本編で全員が出会う事は無かったのでとても新鮮でした。
…とは言いつつも、ぶっちゃけ紘は良いとしてもみやこは好みのヒロインでは無く、カプとして紘とみやこはそんなに心が踊らないカプなので本編後を描いた話としては自分の中では普通な感じ。
みやこの傍若無人っぷりが無くなり、周りに合わせるようになっていた姿は成長を感じて良かったです。


『After Story2. 今も夢のつづきを』
プレイ時間は約35分くらい。
京介と景視点の一日。
この二人もまた個人的にノリ切れないカプだった為、「ふぅん…」な印象。
景がしっかりとバスケの才能があって開花させて行ってる姿は良かったです。
こういう本編後を描いたFDは好きなヒロインやカプだとテンション上がりますが、そうでもないカプだとテンションが上がり切らない所が申し訳ないです。


『After Story3. 素敵な試験』
プレイ時間は約40分くらい。
蓮治と千尋視点の一日。
本編で一番好きだったカプなので一番楽しく読みました。
好きな二人過ぎてじっくり読んでるので一番プレイ時間が長いです。
他の主人公達と被っているところが多い為、会話などは一緒だったりしますが、蓮治と千尋が仲良く学園内を歩いて、一緒にお弁当を食べているだけでニヤニヤしました。
一緒のお弁当にみやこがいるのがFDらしいなと。
本編では見れなかった組み合わせを沢山見れたので楽しかったです。


『After Story4. 天使の日曜日
プレイ時間は約35分くらい。
久瀬とミズキ視点の一日。
久瀬は単独行動が多い為、若干他キャラとの一日と違うのが一人だけ学生主人公ではない"らしさ"がありました。
夕と凪との年長組の組み合わせが良い。
FDでようやくミズキが久瀬も優子と関わりのあった人物だと知り、優子の事を久瀬に伝えるので、FDタイトルと同じタイトルなのと本編を含めて「物語の終わり」を感じました。
そういえば本編では久瀬に優子との事は伝えてなかったですからね…
巡り巡って優子の想いが回っている感じが良かったです。



<Another>
『Intermission 夢路の魔女』
プレイ時間は約5分くらい。
「After Story4. 天使の日曜日」の合間の出来事、ミズキがminori次回作「すぴぱら」のヒロインで魔女の「神代アリス」と出会い、「もしも」の夢を見せて貰えるお話。
FDで「お祭り」という意味では一番ユーザーが求めていた物語が描かれていたと思います。


『Another Story1. 君といる未来』
プレイ時間は約25分くらい。
唯一のエロ無しですが、無い事で逆にテンポが良かったですし、清廉な空気が出ていました。
本編の過去で夕と結ばれた優子。
ミズキが車道に飛び出さず、優子が生きていたらの「if」。
夕と結ばれる=夕の妹の茜は亡くなっていて優子は性的虐待を受けているのでその部分は変わりませんが、二人がクリスマスを一緒に過ごす事が出来、豊かとは言い辛くても平穏な日々を過ごし、娘を生み、家族3人になって幸せになる姿は本編をクリアした以上、夢想する姿だったので、夢ではありますが公式で見る事が出来て良かったです。
基本的に本編の主人公達に対し、夕と優子は語り部以上の役割は行わないので、本編の主人公達と幸せになった火村夫妻が関わる姿をもっと見たかったとも思いました。


『Another Story2. ふたりで描く明日』
プレイ時間は約1時間20分くらい。
夕と凪が結ばれる「if」。
震災で夕の家族が死ぬ事は無く、両親も妹の茜も生き残り、一緒には暮らして居なくても手紙で交流し続け。
明良の妹の明里も死ぬ事は無く、明良は狂わずに優子は雨宮の家に引き取られ、仲良し3兄妹として暮らしており。
夕は茜を失って居ないので優子に茜を重ねる事も無く、優子も性的虐待を受けていないので陰鬱な空気を出さずイジメも受けておらず普通の学生生活をして。
夕には家族が居る為、金銭面にも余裕があり学生生活にも余裕があって美術部に居るという「もしも」。
全ての過去が幸福や幸運で動いていたら…夕は凪と結ばれたのだなぁと。
本編の過去で凪が好みのキャラだったのもですが、「夕と凪が結ばれる事で優子は救われない」みたいな所謂「Ka◯on現象」も起こらずしっかりと優子も救済した上での「if」だったので、「Another」の中で「皆が幸福」で一番好きでした。
本編でも非攻略なのが勿体ないくらいに濃くて良いキャラだったので凪との「もしも」が見れて楽しかったです。
そして凪役の三咲の凛々しい女性声はやっぱり格好良く、流石のベテランな方でした。


『Another Story3. プリンセス・サマー』
プレイ時間は約45分くらい。
過去に蓮治が溺れた従妹の水姫を助けていて水姫が生きていたらの「if」。
FDとしては「もしも死んでいたキャラが生きていたら」はお約束であり、ユーザー的にも見たかった話だとは思っています。
思ってはいるのですが…
すいません、自分には地雷でした。
何故なら本編での蓮治と千尋が自分の中で一番好きなカプだったから!!
ちょっと…流石に…本編での「物語一緒に書き上げる事で交流を深めていく」という流れや「13時間しか記憶を維持出来ない少女」という部分などで二人の関係性が強すぎました。
特に上記の夕と凪の「Another」と違い、この話で千尋は「事故に遭っていない」など千尋への救済も無いんですよね…
なので、蓮治と水姫が結ばれたら千尋は永遠に一人じゃないですか…
水姫は蓮治に救われたとはいえ健常者で普通の女の子なのに対し、千尋はそうでは無く…蓮治が居ない彼女の事を思うとどうしてもこの話で「ifが見れて楽しかった」とは言えませんでした。
せめて「千尋は事故に遭っていない」などの何らかの救済を見せて欲しかったです。
個人的に救いだったのは蓮治が「お姫様と王子様みたいな恋愛が良い」と言っていて彼の恋愛観は千尋との恋愛の方が近いと思った所。
理想と運命という意味では千尋なんだろうなと思うと、やっぱり蓮治は千尋と結ばれて欲しいです。
そういうカプ厨の面倒くさい感情が入ってしまい「もしも」としても楽しめなかった話でした。


『The end of the fairy tale.』
プレイ時間は約5分くらい。
「夢」を見ていたミズキが夕に起こされるエピローグ。
特に物語も無いですが、ミズキが夕に「また明日」と言うのが、現実の彼らはこれからも現実で生きて行くというのを感じ、好きでした。
「夢」は「夢」だから美しくあり続ける。



ユーザーが見たかった物を公式の超演出力で見せてくれたFDだったと思います。
ただ、こう…もっと見たかった物もあり。
「もし、紘が最初から景を選んでいたら」「もし、千尋が事故に合わず蓮治と出会っていたら」「もし、久瀬の病が無かったり治ったりしたら」そういう「if」が本編を辿った身としては見たかったです。
本編で死んでいたキャラの「もしも」も魅力的ではありますが、本編に居るキャラの「もしも」の方が個人的には感情移入している分「見たい!」となるので。
そういう意味では凪の「Another」は理想でした。


「efシリーズ」は本作をもって完結しますが、ちゃんとFDで「全主人公が揃う」や「本編では出来なかった展開」をしてくれたので、その辺りは満足です。
演出も決して手を抜く事無く本編と同様の美麗さで見ていて飽きませんでした。
次回、minori作品は今作で登場した「神代アリス」とつながる「すぴぱら」を予定していますが、「すぴぱら」は未完結なのでその辺りを分かった上でプレイしようと思います。
未完作品ですが演出力は変わらず凄いと聞くので、また超技術に期待しています。