ひっそりと群生

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【無限煉姦 ~恥辱にまみれし不死姫の輪舞~】感想

【男性向け18禁】



2011年11月25日発売
Liquid』※リンク先公式HP(18禁)
無限煉姦 ~恥辱にまみれし不死姫の輪舞~】(PC)(18禁) ※リンク先Getchu.com(18禁)
以下ネタバレ含めての感想です。








10作に一個は名作と呼ばれている作品を挟んでプレイしないと心が死ぬと学びました。
というわけで、この感想がいつ投稿されるかは分かりませんが、2021年の110作目は「無限煉姦 ~恥辱にまみれし不死姫の輪舞~」に。


プレイ時間は約16時間15分くらい。
7でもインストール可。
ディスレス起動可、初回認証必要、パッチ導入にて認証解除可能。
こちらは再プレイになります。
フリゲや同人ゲームはもう諦めましたが、商業はプレイ本数が少ない為、全部感想を書いていきたいと思い再プレイ。
初見時の感想は書き残して居なかった為、所見の初々しい感想は書けませんが、こうやって何かしら文章として形には残しておきたいと思います。


しかし…別の既プレイで大好きな同人ゲームの再プレイでもでしたが、好きな作品の再プレイは何の感情を捻り出しても「最高」と「大好き」しか言葉が紡げず。
今作も5年くらい前にプレイして「最高でした!!」で終わったのですが、再プレイでもずっと「最高…最高」と鳴き続けていました。
しかし、感想ではそうは言っては居られない為、何とか言葉を紡ぎ出して書いて行きます。


今作は最初は「ハード凌辱物の中で話が良い」という評判を聞きプレイしました。
実際に話自体の構成の良さや真相の驚き、真相の開示の方法なども面白いのですが、それに至るまででも話の無駄が無いというのを再プレイして再確認しました。
和泉さんの作品は本作が初めてで本作以外に触れた事は無いのですが、文章に個性が強いようなタイプでは無く。
けれど、サラリと読める確かな文章力はお持ちの中で、常に何らかの物事が動いていて、ダレるシーンが無く、ストレスが殆ど無かった印象。
一人称視点ではなく三人称視点だったのも、女性主人公凌辱物で主人公視点にすると心理描写が重苦しくなりすぎる部分があり、そうなるとストーリー部分が強い作品では入り込みにくくなるとも思うので三人称は大正解だったと思います。
エピローグのゾワボ中心の物語も三人称視点だからこそ出来る強みでした。
その上、本編も常に物語がサビで、面白く無いシーンが無いという。
むしろダレるのはルート分岐でBADに向かった際の凌辱エロ回収の方で、本筋を通るだけなら時代が進んだり主人公の成長が見れるので面白いシーンしか無いという、凌辱物として異端な作品だったと思います。


第一時代では主人公の境遇の悲惨さと不死である事の悲劇として凌辱シーンが多く挿入されますが、第一時代でのエロは主人公の背景を描写する為に必要不可欠なエロとしてあり、日常の中に常に存在する凌辱と第一時代の治安の悪さを凌辱により説明されていて、凌辱導入の作りが非常に上手かったと思います。
体験版にも第一時代は収録されているので、エロの方向性で客層を惹き付けるという意味でも第一時代が一番エロが多いのも納得。
第二時代からのエロはギュスターヴとのエロやマリーとのエロで主人公も同意のエロが多い為、第ニ時代からはさほどキツイエロも少なく、話の方にどんどん集中出来るという作りに。
しかも、エロの方も疎かにしているという事は無く、第二時代からはBADの分岐が出て来る為、「ハードなエロを見たい人はBADに行ってね」という仕様で、第二時代以降のキツイ系やマニアック系のエロはほぼBADに集中しており、物語をただ追うだけならばキツイ凌辱は通らなくても良く。
これによってこの作品の純粋なストーリーラインを追いたいだけの人は第一時代以外キツめの凌辱を通らなくてもなんとかなる為、凌辱物としては面白い物語を楽しめる初心者向けになっていたと思います。
まぁ、コンプリートを目指したいのが人の性なのでBADまで回収するとは思いますが、「凌辱は合わないけどどうしても面白い物語は読みたい!!」という人にはわりととっつきやすい作りにはなっているかと。
第一時代の凌辱も触手に輪姦に腹パンくらいなので凌辱らしい凌辱で、凌辱というジャンルさえ知っていれば「これはキツイ…」となる描写は少なめ。
不死者になった少女をいたぶるシーンはあるので文章での残酷表現はありますが絵面でのグロは第一時代では無かった気がします。
あー、一部肩を張り付けにするシーンがありますが、絵ではその一箇所くらいかな。
第二時代以降は攻略サイトを見て選択肢さえ間違わなければストーリーが進みますし、ストーリーが進む中ででのドぎついエロはさほど無かった記憶。
第三時代で一箇所輪姦シーンがありますが、そのシーンではむしろ久し振りの男との性交にちょっと期待してたりするので主人公が逞しくなり過ぎてて笑ったほどでした。
第四時代以降は強い主人公無双ですし、第五時代に至ってはエロすら無いという。
ストーリーラインを進める時にはしっかり話が進み、エロはBADでニッチなのを回収するという部分に話とエロのバランスが良いなと感じ。
話が進む際には各時代での日常が面白く、それぞれの時代で大きな事件も起こり、主人公の成長が見れて、少しづつ真相にも近付いて行くという。
サビサビサビの連続でとにかく話に無駄が無く、エロもダレるとは言いながらも凌辱エロゲというジャンルを決して捨てる事は無く、話もエロも両立していてストーリーエロゲとしても凌辱エロゲとしても完成された美しさを放っていました。


ストーリーもまた最高で、凌辱の要素にも主人公の不死の要素にも、そして最初の第一時代にも全て理由があるという。
どの要素にも裏打ちされた理由があり、まさに「辻褄が合っている」「理にかなっている」「筋が通っている」というもの。
自分は「物事に何かしらの理由がちゃんと付いている」という作品を好む傾向にあるのですが、そういう作品が好きな人には間違いなく超絶ヒットかと。
更に「伏線回収」という言葉に心をときめかせるタイプの人にも満足の行く作品かと。
そういう土台や骨組みがしっかりとしていて綺麗に積み上がり、最後に美しく〆るタイプの作品が大好きなので、本作は本当に好きでした。


そういう好きな要素が詰め込まれている中で、既プレイで物語を語る時に語ってしまうのはやっぱりゾワボの存在になります。
既プレイの方になら絶対に分かって頂けるはず。
もうね、二週目、再プレイになると真相を知っている為、ゾワボ視点の物語として見てしまいました、これはもう仕方ない。
これまでも感情で感想を語って来ましたが、ゾワボを…いえ、ゾワボと主人公の事を語ると更に感情大爆発で語る事しか出来ません。
本作の軸は主人公であり、主人公が間違いなく主人公なのですが、裏主人公は絶対にゾワボです。
歴史は既に決まっていて、世界にはアカシックレコードのような物が存在している。
本来なら正しく歴史が進むはずだったのに、第五時代…現代で普通に暮らしていたはずの主人公は時空の歪みに落ち第一時代に飛ばされてしまう。
第一時代で王と共鳴し不老不死になってしまう主人公は再び時空の歪みに落ち、第二時代に行き不老不死で時代を巡り、人類滅亡後も生き続け様々な術を身に付け、最終的に宇宙の崩壊後も世界に取り残された挙げ句自ら世界を作り上げ、第一時代を作り、別の生き物を生み出し王として君臨する…という流れが外れた歴史の流れとして記録されてしまった。
ゾワボはその記録の修正者として神、もしくは世界そのものに作られた存在で主人公が王になり第一時代を作る運命を修正し本来の宇宙が正しく消滅する形に戻す為に奮闘していた。
というのが今作の肝に当たる部分なのですが、この第一時代こそが実は歴史の最終到達地点だったという真相と主人公=王という真相に当時は度肝を抜かされました。
主人公=王は気付く人は速攻で気付くかもですが、自分はあまり深い予想とかを立てずに進めるので、第四時代ラストでゾワボが語る事には本当に驚きの連続でした。
実はゾワボが歴史を何周もし、正しい歴史にする為に奮闘していた側という。
この時点で裏主人公というか、主人公もプレイヤーも知らない歴史を何周も見てきた側で正しい歴史に修正しようと奮闘してきた側なので主人公とは別の側面での主人公感がありました。
ゾワボは修正するまでは消える事が出来ず、修正出来ないポイントに到達したと神や世界が判断したら再び修正可能ポイントまで飛ばされる。
主人公とはまた別の不老不死として死ぬ事も消える事も許されず、未来を見る事も叶わず、ただ世界に翻弄され続けてきたゾワボ。
最初は自分の使命の為だけに主人公に接して居たけれど、次第に覆せない歴史を知る事で主人公への接し方を変え「じゃあ、主人公に信頼して貰えたら?」という感情が湧く。
変えられない歴史と気まぐれにより、主人公に信頼してもらう道を一度選ぶと主人公は本当にゾワボを信頼し、初めて誰かに信頼を寄せられる事で別の感情も湧き。
信頼を寄せられる道を辿ったり、凌辱から救う道も選んだけれど、結局信頼だけではどうにも出来ず、凌辱を回避しても凌辱を全く受けなかった主人公は心身共に強くなれないままで変われず。
その数々の歴史の修正も全て失敗に終わったけれど、修正の為とはいえ一人の少女の側にずっと居続けた事でゾワボは主人公に修正対象以外の想いも抱いて行くようになる。
そりゃあ、分かります。
最初は義務だったとはいえ、数え切れない程の歴史をループし一人の存在を見続け接していく内に恋か愛か…それは分かりませんが特別な感情を抱いていくの、凄く分かる。
しかも主人公は本来素直で真面目で優しくて…本当に純粋に良い子なんだから尚更に。
色々な歴史を修正していく中でどうすれば第一時代を、不死の王を止められるかも分かって来て。
それは主人公自信が王を殺し、王が死んでいる間に主人公が死ぬというもので。
第一時代から来た主人公が第五時代まで到達した時に、第五時代で時空の歪みに落ちる現代の主人公の代わりに落ち、再び第一時代に戻るという…それこそが唯一歴史を修正出来る方法だと悟り。
自分は歴史の修正者だから王には手を出せず、けれど、今までずっと見続けた主人公も死ぬ事になるのも嫌で。
だから主人公にその事を話し主人公が拒否したとしても決して咎める事はせず、でもその時点で修正は不可能と判断されゾワボは再び修正可能地点まで巻き戻され。
そんな歴史を何度も見て、苦悩し続けたゾワボ。
自分がしている事が酷い事だというのを分かっているから、そして主人公の事をずっと見続けて来て本当に好きだから主人公に無理強いは絶対にせず。
主人公が本当に納得するまでループし続けたゾワボ。
いや、本当に、この作品の時間軸になるまでの彼の事を考えると苦しくなります、本当に裏主人公です。
ようやく正しい道筋として本編の時間軸が進み、主人公は正しく美しく成長し、第五時代で自分の母親とそして自分と同じ存在の少女をずっと見続けた上で自分の不死と、そして今までの出会いと別れと、自分の人生で得てきた物と向き合った上で「人生は限りがあるから美しい」と王を止める決断をした主人公もまた見ていて苦しく。
「死に向かう事が正しい歴史で、正しくある為に不死の自分を殺す」という「永遠は無い」という結論が「これしか無いのか?」となりつつも「これしか無いのだ」と納得させられ。
主人公の苦悩も、ゾワボの苦悩もどちらも重く感じられ、とても辛く、しかしとても美しかったです。
主人公を第一時代から追ってきた奴らが長い歴史の中で全く変化が無く「王の為、階級を上げる為」だけに主人公を追い続ける姿に成長を感じず、そちらには「変わらない事の醜さ」みたいなのを感じていましたが、そういう存在もまた、主人公が王にならない=自分達は生み出されないというのを本能的に察していて追って来ている、ゾワボの修正者の逆の反発力、反発者である事が明らかになり。
彼らの変わらない執着も納得出来た所がまた作りが上手く。
第三時代から出てくる主人公の子宮から作られた娘を名乗る存在のリトルも、一番強い反発力として存在し、最後の最後まで主人公を生かす為だけにゾワボと戦い続け、そして最後の最後のまで主人公に娘と認められない姿がまた、見ていて別の苦しみがあり辛かったです。
主人公を死なせる側がゾワボで、主人公を生かす側がリトルで。
けれど、主人公はゾワボ側に居てリトルと戦う構図で。
普通はこの構図になる事はあまり無い為、戦力図が面白いなとも思っていました。
最後、王を殺し、自分も死に、不老不死の運命から開放され、人としての死を迎えた主人公。
エピローグではゾワボ側の今までの行動が描かれ、本編と同じ結末を迎え使命を全うし消えた後、死後の世界か消滅後の世界なのかそれは分かりませんが二人がようやく安寧の地で出会い安心しながら寄り添うCGはもう、涙無しでは見れなかったです。
「おつかれさま」この言葉を心から両者に送りたいです。


もう…二周目だから冷静に読めてた所はありますが、一周目はボロッボロでした。
ラストエピローグ後のCGは画面が見えなかった事を覚えています。
何が最高かって、このゲーム、ゾワボとのエロシーンが無い所。
散々凌辱ではドエロかましておいて、主人公をここまで見つめて来たゾワボとは全くエロがなく、それどころかキスすらも無い所。
主人公は第五時代でゾワボに対して「興味ないのかな?」など思っていましたが、ゾワボからしたらこれだけ運命を掻き乱した自分が主人公を抱く事は出来ない…みたいな一つの意志を感じて。
最後の最後までプラトニックを貫き続け、包容シーンだけで終わった所に個人的には拍手を送りたいです。
勿論あったらあったで嬉しかったとは思いますが、「エロゲだけど手を出さない、エロゲだからこそエロが無い」みたいな、そういう演出もすこぶるに好きなので、主人公とゾワボの公式の関係は最高オブ最高。
唯一の同意エロシーンはギュスターヴくらいですが、ギュスターヴもまたハーレムの中の一つというか眷属としての行為でもあった為、完全純愛でのマンツーマンエロは無いんですよね。
ギュスターヴとの最初のエロは訳も分からないままに始まりますし、二回目のエロはマリーと一緒に拘束プレイですし。
そういう所に「意地でも凌辱エロゲで作ってるから!純愛エロは作ってないから!!」みたいな凌辱エロゲとしての矜持も感じ。
エロでのプライドが見える所も好きです。
プライドでエロシーンを書く人大好きなので。
主人公とゾワボのエロも確かに見たい、でも、それはもう二次創作で良いというか。
公式…第五時代ラストの最後の夜もプラトニックっぽくフェードアウトして多分プラトニックで終わってるとは思うのですが、明確に「肉体関係が無かった」という描写やその後にそういう文章も無い為、そこに付け入るのは二次創作の仕事だと思っています。
ギュスターヴに好意を寄せていた主人公に嫉妬していたり、でも自分の立場から主人公には触れられないと諦めていたり、ゾワボ飄々とした風を装いながらもめちゃくちゃ内心揺らいでそうで。
そういう所も含めて二次創作で最後の夜を描くのもプレイヤーに委ねられた空白だと思っています。


絵は黒石さんの絵がハチャメチャに好きです。
男性キャラも上手いし…というかずっと思ってる事ではあるのですが、男性キャラとかは凌辱絵描きさんの方が上手いと思う事が多いです。
マニアックな構図というか、純愛では絶対に描かない構図とかを描かれたり。
あと単純に輪姦シーンを描く事が多いからか、男性の骨格などは凌辱で描かれる方の方がしっかりしている印象。
それに加えて黒石さんはこの頃の絵柄が好みです。
某所で黒石さん担当の作品絵を眺めましたが最近ではリアル調の絵柄を描かれる事が多いみたいで。
「無限煉姦」「姦獄学園」くらいの等身高めの二次元調の絵柄が好きだなとは思いました。
エロはハードなのもありますが、和泉さんの作品経歴的にハードさは少なめな印象。
未プレイですが他作のお噂はかねがねお聞きしているので。
凌辱メーカーではありますが拷問メーカーでは無いのでさほど…
とは思いましたが、BADの方では肉体改造CGがあったのでBADの方は濃いかもです。
痛そうなシチュとしては欠損CGは無いですが、腹パン有り、肩に杭を打ったり乳首やクリトリスに針を刺すCGは有り。
触手貫通、超乳化&フタナリ化のCGは有りました。
あとはオーソドックスに凌辱という感じですが、BADでのこの辺りはキツめかと。
個人的に第三時代のBADのマリー超乳化&フタナリ化での主人公に本人と気付かせないでのフェラが好きでした。
マリーには「射精を我慢したら主人公を開放させる」と言い、主人公には「射精させたらマリーを開放させる」と言う鬼畜さよ、最高。
マリーが肉体改造を受けたと分かった後の主人公の表情が好きです。
絵はかなり綺麗で好みなので不満点は少ないのですが、一つ不満を上げるなら立ち絵の向きかな…
マリーとか右向きしか無い為、主人公と並んだ時に別方向を向いてるみたいな状態になっていて。
反転でも良いので向き合う立ち絵が欲しかったです。


音楽の上原さんはCLOCKUPのサントラを持っていてよくお聞きしていましたが良い曲が多いなと思っています。
結構この手のタイプの作品では音楽鑑賞モードが無い事が多いのですが、音楽鑑賞モードも有りなのが最高。
メインテーマの「無限煉姦」は壮大で荘厳で作品の象徴として合いまくりで好きです。
各時代の曲も時代に合った曲で聞いてて親和性が高く。
個人的な好みだと「Grasshopper」「襖櫻」が好きです。
「Hunt!!」は凌辱エロで毎回流れるのと曲調もTHE・凌辱!!という感じが良いです。
凌辱はやはりロックだな!!
「Golden Slumber」は思い出補正が絶対あると分かってて好きですし、聞くと涙腺が緩みます。
声は女性のみフルボイスですがコレ系は悲鳴などが凄まじく聞いてて演技の方面で凄さを感じずにはいられません。
喉が強靭じゃないとやってられないよなぁ…と。
主人公役の葵時緒さんは今年「美少女万華鏡」のスピンオフで仲居さんヒロインの役でお聞きしたのと、同人の乙女ゲーの方でヒロイン役でお聞きしました。
さり気なく「無限煉姦」で一番最初にお聞きしてましたね。
乙女ゲーの方でも今作でもですが、最初はオドオドしていて気弱で自信が無く、後半で自信を持ち強くなる系主人公を演じられるのがとてもお上手な方だなと思いました。
乙女ゲーの方もエピローグでの明るい声と前半の気弱な声の対比が良かったのですが、今作は時代を越える事もありその成長が顕著で。
序盤はあまりにもひ弱でプレイヤーも苛立ちを覚える箇所がありますが、第三時代辺りからの成長はもうひたすら格好良く。
第五時代とかもう敵無し!と言わんばかりの強さがありました。
歴史を跨ぎ成長する女性主人公という事もあり、葵さんの声と様々な演技を一番堪能出来る作品なのではないかな?と個人的に思っています。
凄まじい台詞量と凄まじい凌辱演技で喉が焼き切れそうなほどの熱演、最高でした。
他の女性キャラの演技も良いのですが、やっぱり次点ではマリー役の香澄りょうさんかなと。
第二時代から第四時代、清楚で可憐な淑女から美しい老婆まで、全ての時代のマリーをしっかりと演じられ。
若い姿のマリーも美しいのですが個人的には老婆のマリーの美しさがとても良く。
「老いる事の美」というのをその姿と生き様をお声でしっかりと魅せてくれました。
マリーの美しく老いる姿があったからこそ主人公も「永遠は美ではない」という事を知れたのだと思っています。
香澄さんの演技があってこそのマリーの美しさでした。
キャスト陣完璧なんですけどね…一つ言わせて下さい、どうして男性キャラに声が無いんですか!!!
ゾワボもですが、ゲッグ、レヴァーシュ、ギュスターヴ、エルク、ディ・プ…濃い男しか居ないのに何故!!
これほどまでに男性キャラに声が無い事を嘆いたゲームはあまり無いです。
いや、本当に、主要男性キャラのフルボイス版みたいなのが出ないかな?と未だに望んでいます。
望んではいるのですが…男性キャラに声が付いていないからこそ逆に脳内キャスティングが固定されている所もあり。
ゾワボとか完全にCV石田さんとか櫻井さんの男ですし、ゲッグは高◯渉さん、レヴァーシュは森◯智◯さん、ギュスターヴは大◯明◯さん、エルクは朴◯美さん、ディ・プは若◯規◯さんあたりで脳内で固定されてしまっていて。
なんか、今から脳内ボイス変更が難しい領域まで来てるのでフルボイス欲しいけど違和感ありそうだなとも思ってます。
これも男性キャラが濃いのが問題なんだ!そこが最高なんだけど!!
ボイスが欲しい、でもあったら困る、そんな二律背反な気持ちです、でもフルボイス版出たら嬉しいです。



以下、各時代の軽く感想
二周目の為、ゾワボ寄りになってしまうのがご愛嬌。



『第一時代』
悲惨な日々の中で明らかにCV石田さんとか櫻井さんの胡散臭い男が出て来るけど、二周目で真意を知っていると言ってる事がわりと全部本気なのが面白かったです。
「キミの舞を見たい」「キミのファン」などなど寄せてくる好意は本物なんだよなぁ、ゾワボ。
胡散臭い言動も今までのループから導き出した最も効率がいい態度なんだとも思いますし(とは言いつつ、エピローグを見ると結構最初から胡散臭さを持っても居たので、持って生まれた胡散臭さに更にループの中で得た演技での胡散臭さが絡まって、最強の胡散臭さになる、みたいなそういう)。
初見の時は第一時代の気味の悪さや主人公の境遇、王の怖さに翻弄されていた記憶がありますが二周目は全てを知っている為、王を見てもどこか悲しさや憐れみがあったり、新しい見方をしていたと思います。


『第二時代』
この時代のゾワボの事を考えるとギュスターヴに想いを寄せている主人公を見て歯噛みしていただろうなぁと。
実際作中「嫉妬で狂いそうになった」と言ってますし、そういう気持ちは本当なんだろうな。
主人公がドレス着てるのを似合うと思ってたり、主人公にドレスを着て欲しいと言ったりするのもこの時代からの思いですし。
ギュスターヴと対面した際にすこぶる面白く無さそうにしていますが、初見だと主人公への介入を止められた事で不機嫌になっただけだと思っていましたが二周目だと複雑な男心も感じてゾワボが可愛く見えてニヤけます。
上記でゾワボとの関係をずっと語りましたがマリーとの関係もまた本作で最高のポイントでもあり。
ギュスターヴの姫同士で出会い行動を共にしますが、長い時間の中で信頼以上の関係と感情を持ち。
主人公とマリーのお互いへの気持ちも本物で、百合としても完成度が高いんですよね本作。
一人の男のハーレムの中の女性同士なのに仲良くなる…その過程や人間関係を納得させる作りも上手く、他作だとこういう関係もあまり見かけないので主人公とマリーの関係、ギュスターヴの眷属、姫、ハーレムの構図もまた面白かったです。
普通だとハーレム内でいがみ合いとか起きそうなのに、姫が身寄りが無い所とハーレムを完全に同列に扱っている、そしてギュスターヴにカリスマがあるからこそ成り立つ関係という。
ギュスターヴの眷属になった事でマリーは主人公ほどでは無いとしても長い時間一緒に居られる生命力を得て主人公のかけがえのない存在として時代を共に生き抜くので、この時代が最初に訪れる時代で本当に良かったと思っています。


『第三時代』
裏切りの時代。
エルク、ただひたすらに最悪最低でしたが、「死なず生きる事で罪を償う」という結末になったのは個人的に良かったです。
こんだけの事をして楽に死ねるとは思うなよ、オメェ…という気持ちだったので。
話としてはリトルが出て来たり、色々な事が起こりますが、個人的にBAD分岐が最も多い時代だとも思っていました。
これはエピローグのゾワボ中心の話でも分かりますが、この時代が一番波乱だったみたいで。
BAD分岐が多い分、凌辱のバリエーションも多く、一番エロでのニッチな要素が多かった印象。
肉体改造に薬漬け、乱交などなど、エロでの一番の抜き所はここかな?と思っています。
BAD方面に行くと主人公かマリー、どちらかが超乳フタナリ化するのが最高。
あまり歓迎されないと分かっていますがフタナリ百合が大好きなので、主人公とマリーの厚い信頼に百合を感じつつ、フタナリにエロを感じエロ方面でとても楽しみました。


『第四時代』
主人公が強くなりレヴァーシュすらも圧倒したシーンが印象深いです。
主人公、強くなったなぁ…と親心のようなものも抱いていました。
ゾワボもこんな気持だったのかも。
時代のキャラについては時枝はめっちゃ良い子だけど静香ぁ…という気持ち。
まぁね、静香が妖術に当てられ男を誘い処女を散らすシーンに関しては「主人公、見てるなら止めたれよ!」とは思ったし、エロシーンが必要とはいえ静香可愛そうだなとは思いました。
でも、退魔師とはいえ、頼ってその頼りを引き受けてくれた主人公が人でないと分かった瞬間に一気に見切りをつけるのはどうなんだろう…みたいな。
そういう静香の態度が主人公が色々考えるキッカケにもなりますが、静香の態度は我儘な部分もあるなぁとも思いました。
あとは静香の立ち位置は完全にエロ要因で第四時代序盤のエロ担当なだけだったとも思ったり。
後半は時枝が色々と助けてくれるので静香はプレイヤーからしたら忘れられる位置に居るキャラで不憫でもありました。
BADの方面は時枝が良い子過ぎるので悲惨さが凄い。
時代のゲストキャラで明確に死ぬシーンとCGがあるのって時枝くらいなのでは?
触手貫通シーンはグロめで凌辱グロとしては見応えがありました。
でも一番最高のシーンはやっぱりマリーが亡くなるシーンです。
亡くなる時、ギュスターヴと姫達が迎えに来てくれて、最後、昔の姿で別れるCGに当時は涙腺が崩壊しました。
二周目でも素敵なシーンだと再確認しました。


『第五時代』
この時代はもう、ゾワボとのイチャイチャ(概念)の日々ですよ!
第四時代ラストで全ての真相を明かされ、王の事とゾワボの苦悩を知り、ゾワボと共に時空の歪みが出るその時まで共に暮らす主人公。
決して肉体関係は無いけれど、二人が仲良く暮らしているだけで二周目ではニヤニヤが止まりませんでした。
本来の名前を知っても最後にゾワボから貰った舞美という名前で居続けたり、どんなに長生きしてもマリーやゾワボよりも料理が上手くならない主人公もまた可愛い。
本当の時代でダンスをしていたからこそ主人公の舞は美しく。
その舞に惚れ込んだゾワボに舞を見せる約束をし、見せるだけでなく一緒にダンスをするシーンが最高過ぎて膝から崩れ落ちそうでした。
エロでは無く、こういうダンスなどの健全な接触で親愛や情愛を表現する手法に弱いので、何もかもが素敵過ぎました。
ゲッグとレヴァーシュ、そしてリトルとも決着を付け、最後を覚悟して時空の歪みに自ら向かう主人公の姿は本当に勇ましく。
最後の木が立つ丘での別れのシーンはズルいですし、王を討った後、自害する際にゾワボに向けられる告白もズルい。
「死に向かう結末」などが好みの自分には大変刺さりました。
とても切ないけれど、これが正しい歴史で、そして「死ぬからこそ、消えるからこそ美しい」というのを体現したラストでした。
「生きるのではなく生き抜く」、生き抜き、そして決断した主人公は本当に「物語の主人公」だったと、そう思っています。



エピローグでゾワボメインでの話が始まりますが、数々の分岐の中で主人公が第五時代の主人公の幸福に妬みを向け殺し、狂う歴史や、一周目クリア後の第一時代分岐での主人公が狂い王を殺し、自らが王になるなどの主人公狂いルートがBADの中でかなり好きだったりします。
というか狂った時の主人公の演技が良すぎて…葵さんやっぱり上手いなぁと狂気の演技を楽しみました。
あとは各時代後のサブエピソードにあるミルディオームと科学者の話が好きだったりします。
主人公とゾワボといい、ミルディオームと科学者といい、肉体関係の無い男女が好きなので自分に刺さります。
ミルディオームも最低な奴だったけれど、最低だったからこそ彼女の死に際は「憐れ」という言葉が似合っていてザマァwという気持ちも確かにありますが、最早なんだかなぁ…という気持ちにも包まれました。
今作は「成長」や「変化」というものが重要な中、ゲッグとレヴァーシュといいミルディオームといい成長出来ず変われなかった者の悲惨さが出ているのも好きです。


戦闘描写も「ジャンル間違えたか?」と思う程に良く、全てが好きなのですが、一つだけ気になる部分があるなら「卵が先か鶏が先か理論」がある事。
王の発生と主人公の発生、主人公が最初に不死になったのは何処になるのだろう…みたいな事は考える所があります。
まぁ、面白い物は面白い為、そこを考えるのは野暮だとは思いますが。
事の発端を知りたい気持ちは好きな作品だからこそありました。


初回プレイ時の真相を知った際の純粋な驚きでの感想はもう、ちょっと、捻り出せない為、主人公とゾワボの関係がいかに最高だったかという一種の萌え語りしか出来ない所が残念ですが、やっぱり再プレイしても面白い所しか無く。
再プレイでも長編の方の作品ではありましたが、飽きは全く感じず、「何度プレイしても面白い物は面白い」という結論になりました。
実は公式HPのクリア後のオマケSSをまだ読んでいなかった事に気付いたので、これから読みに行こうと思います。
気付かなかった要素も気付けたので感想の為ではありましたが好きな作品を再びプレイできて良かったです!!



…で、これは完全に余談ではありますが、「一人の人間を軸に別の人物がループしており、その人物こそが実は裏主人公である、そしてラストは軸になった人間の消滅でED」という構図、これ、凄く「ま◯マ◯」を思い出して。
実は「◯ど◯ギ」が2011年の4月放送で、今作が2011年の11月発売なんですよね。
プロットとか制作期間を考えると時期が被りまくっている為、たまたまだとは思うのですが、こういう作品が同じ時期に出るのって面白いなーとなんとなく思いました。
そういえば「すば日々」と「俺つば」も同時期だったなと思ったり。
こういうのって被る時は被るんですよね、創作物って面白いなぁと。
ゾワボは主人公の死ぬ未来を掴む為、ほむほむはまどかが生きる未来を掴む為、で方向性は全く違いますが、「一人の人間の為にループする」という点では同じで。
こうやって一人の人間の為にループし続けてありえないくらいの時間を生きるとそりゃあ特別な感情を抱くのも分かる為、この二名の主人公への執着はめちゃくちゃ分かるなぁと思ってしまいます。
ゾワボは主人公とせめて消滅した先で、ほむほむは反逆の先で(?)、ループを頑張ったキャラには何らかの形で報われて欲しいなと、そんな風に思いました。



※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
参考攻略サイト様:愚者の館(アーカイブ) 様
http://sagaoz.net/foolmaker/
 無限煉姦 ~恥辱にまみれし不死姫の輪舞~ ページ
http://sagaoz.net/foolmaker/game/m/mugenrenkan.html