ひっそりと群生

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【罪恋×2/3】感想

【男性向け18禁】



2016年07月29日発売
Campus』※リンク先公式HP(18禁)
罪恋×2/3】(PC)(18禁) ※リンク先Getchu.com(18禁)
以下ネタバレ含めての感想です。








プレイ時間は約1時間30分くらい。
7でもインストール可。
ディスレス起動可、初回パス認証必要。


今回はダブルヒロイン作品ですが「Campus3周年記念box」を追っている為プレイ。
Campus作品はプレイ4作目。


Campusは「ハルウソ」「天文時計のアリア」「ナツウソ」と3作プレイしましたが全体的に合わないオブ・ザ・イヤーな感じで合わないなぁ…と思っていましたが、今作も見事に合わないという。
まず、序盤、主人公と妹のめぐりと幼馴染のレイナが居て、レイナが放課後誰かと屋上で会った後に落ち、生死の境を彷徨うという所からスタートを切り。
何故レイナが落ちたのか?というミステリー調な所からスタートするのですが、ヒロイン少数のロープライス作品でミステリーは厳しいのでは?というのが正直な気持ちでした。
ミステリーって多人数登場キャラが居るので成り立つと思うのですが、ロープライスでキャラが絞られている為、レイナが落ちた理由も落ちた時の心境も全てが主人公かめぐりに帰結するのが決定していて。
「屋上で二人のうちのどちらかと何かがあったんだろうな」というのが既に特定済みのようなものなんですよ。
その上タイトルに「罪恋」とかメーカーが(一応は)萌え系恋愛を作ろうとしている事から「どうせ色恋沙汰やろ」というのも分かってしまい。
そうなると大体「三角関係の縺れ」という結論にしか行き着かないという。
コレ系はよほど心理描写が上手かったり、「三角関係の縺れ」に見えてて実は…みたいなタイプを書けないと少人数登場ゲーでは厳しいと思いました。
更にはメーカー色でなんとなく「誰かが手を下したとかではなく、物理的な原因は事故である」というのも分かってしまい。
実際に恋愛関係でのゴタゴタが根底にあって、事故があったので真相解明では「まぁ、だよね」としかならず何一つミステリーとして楽しい要素が無いという状態に。


更には今作、「お互いに恋愛感情を抱えている兄妹が悩み合う」という物語が根底の為、完全にめぐりゲーになっていて。
見ていて完全にめぐりが勝ちヒロインでレイナが不憫なんですよ。
幼少期から主人公とめぐりには重ねてきた年数があって、想い合っていて、でも「兄妹だから…」と想いを言い合えず。
そういう二人の間にレイナがやって来て仲良くなる。
ある時、主人公とめぐりの両親が事故に合い亡くなり、主人公はめぐりを支える為に必死になるが心が弱り、それを見たレイナは主人公を癒やす為、甘えさせるに肉体関係を持つ。
肉体関係を続けていたが、主人公はやっぱりめぐりが好きで、レイナはそれを知り自分から今の関係を止める提案をした後、屋上でちゃんと告白する為主人公を屋上に呼ぶ。
めぐりはそれを知り、屋上に行く前のレイナと話し、応援すると自分の心を押し殺す選択をするがレイナはその事に気付き、屋上で主人公と話している中で主人公はレイナ以外に好きな人が居る事を伝え、主人公が去った後一人になったレイナは壊れかけていた屋上の柵にもたれ掛かり事故が発生。
というのが大まかな流れなのですが、ぶっちゃけ「最初から主人公とめぐりは想いを伝え合っていたらこんな面倒な事には…!」と本気で思いました。
自分が兄妹でも好きになったなら関係無いのでは?派なので「兄妹だからとかそういうのは良いから素直になっておけよ…」とも思いますし、そもそも主人公とめぐりは義兄妹でお互い義理の兄妹なのを知ってるんですよ、そんなん両親も居なくなって何を躊躇う事がある?という気持ちで。
両親が亡くなった際に主人公と関係を持つの、めぐりで良かったじゃん、みたいな。
レイナが誘ったとはいえ、主人公が中途半端な気持ちでレイナに手を出すから本当にレイナが可愛そうで。
レイナは主人公の事が恋愛で大好きなのが丸分かりなので見ていて凄く辛かったです。
しかも主人公がめぐりと肉体関係を持つ過程も、レイナが落ちて霊体化した後にめぐりが襲いにかかって、告白もせずに肉体関係を持つ為、こんなのレイナをダシに主人公とめぐりの関係が進んだようなもので…レイナぁ…と。
レイナをダシに肉体関係を持って関係が進むのもアレですが、「レイナが落ちた原因を調べよう!」となってる段階で主人公とめぐりのエロターンが始まる為、「レイナが亡くなった件無視して快楽に身を任せてて良いんかお前ら!!?」状態。
霊体化して学園から出られないレイナを良い事にめぐりが主人公に迫るので、ここぞとばかりに関係を結ぶのにちょっとズルさを感じたというか。
そもそも、主人公もめぐりが好きなので圧倒的にめぐり有利な上でレイナの件がありながらエッチするので…本当に不憫。
主人公も主人公でレイナとの最初の関係もめぐりの事を思ってちゃんと拒否れば良かったのに両親を失って弱っている中、なぁなぁで関係を結びますし、めぐりとの肉体関係もレイナの件があって弱っている中、なぁなぁで関係を結びますし。
主人公が弱っている所をヨシヨシする為にエロシーンが存在する為、主人公が超弱く見えて物語の主人公として良い印象が無いんですよ。
その癖、自分はレイナへの感情が曖昧な中で肉体関係を持っているのにめぐりが他の男子に告白される所を見ると「気持ちが大事」とか抜かしますし。
オメェ、自分のレイナへの行動見てみろや!とマジで思いました。
作中でもそういう自分は良いけど他はダメみたいな癪に障る行動を起こしますし、エロシーンもマイナスな感じでヒロインを抱きますし、主人公にダメさを感じると結構キツイ感じ。


その上、ミステリー調の形を取りながらレイナと最後に話したのは主人公なので「主人公が一応の真相を知っている状態」でそれを隠しながら進んでいる流れになっていて。
いや、そんなん、ミステリーとしてズルいというか、ならそれを最初から開示してくれよ…みたいな。
プレイヤーだけがただひたすらに置いてけぼりをくらうので絶妙にノリ切れないという。
別に主人公が犯人だったり全てを知ってるミステリー物を否定はしませんが、そういうミステリーは「地の文でもそっと読み手に気付かれないように証拠物をさり気なく隠す」みたいな手法を使ってて、「主人公が知ってる事自体を読み手に悟らせない」という工夫があるからこそ面白くなるのに、本作はそういう気もないという。
まぁこういうゲームでミステリーに期待したら負けなのは分かっているので仕方ないですが。
それを差し引いても主人公とめぐるはずっと「俺が殺した」「私が殺した」と地の文でしきりに言うので、登場人物が明るそうに見えてめちゃくちゃネガティブなのが作風にあまり合ってないという。
唯一明るそうなレイナも真相編でかなりネガティブ感情を持ってる子なのが分かり、「このゲーム、作風明る気なのに明るい奴居ないじゃん…」と心が淀む結果に。


最後はレイナが二人に自分の心内を語り、霊体化が解け、実はレイナは病室で生死を彷徨っていて生き返りハッピーエンド…ではありますが、主人公は完全にめぐると付き合っている為、レイナの想いは報われないという。
もういっそ、こんだけの二人の想いを知ったなら主人公二人共娶れよ!!と本気で思いました。
レイナが唯一めぐるに勝ったのは主人公の初体験を奪えた事くらいなんじゃ…
それもそれで、「ヒロインが完全に固定になるなら最初から固定のヒロインだけとのエロシーンにしてくれ」派の自分としては微妙というか、レイナは助言キャラで告白をするくらいで最初からめぐるへの気持ちを悩む主人公だけ描いてレイナとの肉体関係無くて良かったじゃんという気持ち。
中途半端に抱かれた事がレイナが逆に可愛そうに見えて。
ダブルヒロインで選択肢無しの時点で覚悟はありましたが、完全めぐるゲーでレイナ不憫ゲーでした。
せめて要所要所で選択肢くらいはあって、ED分岐は欲しかったです。


エロはシーン回想で7回。
レイナが過去回想で3回、めぐりが4回。
やっぱりめぐりゲーだなコレ。
エロの方向性は必要なものが揃った純愛系という感じ。
絵は好みで言うならそんなになのと、絵自体は綺麗で立ち絵とかは悪くないのですが、バックの体位とかになるとちょっとバランスが…
顔の大きさと体の大きさのバランスが合ってない感じ。
Campusがキャラの後ろ姿の立ち絵を多様して距離間を作る手法は好きです。


音楽はCampus作品共通。
OPの「Small sin to the love」は好きです、バイオリンの旋律が良い。
佐咲さん歌がやっぱり上手い、声の伸びが凄いです。
ゲームは未プレイですが作曲者、けんせいさんの「Sugar+Spice!」がかなり好きだったので明るい曲調が合う方だと思っています。
声はめぐり役の立花さんは今年「となこいFD」で非攻略キャラでしたがとても良い追加キャラのお声を担当されていました。
こういう物静かで、でも時々口調が荒く感じるようなキャラを演じられるのが凄く上手い方だというのが分かりました。
結城さんは初聞きの方でしたが、明るく元気なキャラの溌剌とした声が良いなと思いました。
ただ、エロでの喘ぎがちょっと出だしが独特な感じ。
聞いてて少しだけ気になったのですが、エロゲデビューが(この名義では一応)2015年で今作が2016年作品なので、発展途上段階だったとは思っています。
明るい時のお声が良いので今後のエロシーン演技に期待しています。


音楽とか声は良かったのですが、話に関しては常にプレイヤーが何も真相が分からない中でキャラクターが勝手に「俺のせい」「私のせい」と落ち込み続けるので暗くなり、しかも真相自体は別に謎を解くまでもなく何となく察する事が出来る「知ってた」という事柄で、「ぶっちゃけ主人公が下手にレイナと関係を結ばずめぐりと気持ちを伝え合っていれば」な事だった為、ミステリーとしてもシリアスとしても恋愛としても微妙なラインを漂い続けていた作品という印象でした。
次回はCampus作品では「Triangle Love -アプリコットフィズ-」を予定、コチラもダブルヒロインなのである程度の覚悟を決めないと…
Campus作品、つくづく相性が悪いと思っていますが、どこかで好みに会える事を祈っています。