ひっそりと群生

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【日向千尋は仕事が続かない】感想

【男性向け18禁】



2021年03月26日発売
スミレ』※リンク先公式HP(18禁)
日向千尋は仕事が続かない】(PC)(18禁) ※リンク先Getchu.com(18禁)
以下ネタバレ含めての感想です。








プレイ時間は約2時間45分くらい。
7でもインストール可。
ディスレス起動可。


ヒロインが固定されてるタイプの作品に触れたくプレイ。
1年以内(2021年12月現在)に発売された商業ゲームプレイは13作目。


今年(2021年)発売である事と評判の良さから今年のラストにプレイしようと決めていました!
様々な所で高評価で、固定ヒロインゲーとしては高評価過ぎた為、「そんなに凄い?」とちょっと斜めに見ながら開始しましたが…面白かった!面白かったです!!
絵良し、システム良しなのは当たり前、何よりも話に無駄が無さ過ぎました!
あらすじに「順番を間違えた始まり」とあるようにヒロインとの肉体関係から始まる恋愛の為、序盤からエロシーンが盛り沢山。
固定ヒロインゲーの序盤は基本的には関係性の構築の為、想いを通じ合わせる所から始まる事が多く当然のようにエロは無い事が多いのですが、本作は「順番を間違えた始まり」というシチュから入る事で序盤からエロが入りまくっても違和感が無い作りになっている上、更に関係は「恋人」では無いのでエロシーンが入りながらも恋人になるまでの初々しいシーンも盛り沢山という奇跡の融合になっており。
しかも「順番を間違えた始まり」でありながらも「童貞をバカにされている主人公を見かねた高校時代で友人だったヒロインが自分で童貞を捨てさせる」という導入の中でヒロインは処女なので片方が経験豊富などにもなっておらす童貞×処女という初めて同士が大好きな自分にもニッコリの仕様。
ヒロインは「一度抱いたからって恋人面するな」と恋人になる事は頑なに拒否しますが、それは「自分なんかと付き合っても…」という劣等感から来る物で、親はクソ親ではないですが過干渉気味で疲弊しており、高校時代から人の顔色を伺い周りの空気を良くする為に一生懸命周りの空気を纏め上げ、自分が溜め込み損する性格で。
周りの人間の空気が良くなる事や周りの人間が笑う所が好きな癖に一番安心している顔をするのは一人になった時で。
そんなヒロインの事を主人公は高校時代から見ており、再会するまでは仕事が忙しくヒロインの事を忘れていたけれど、高校時代はヒロインの事が間違いなく好きで。
高校時代の想いと一度ヒロインを抱いた事でヒロインへの想いが無視出来ない物になり、「ちゃんと恋人になりたい」と何度もヒロインに告白するけれどもヒロインには幾度も断られ。
あの、自分、好きを隠さずヒロイン大好き一直線で好き好きしまくり何度も告白する主人公×自己肯定感地の底のヒロインのカプがべらぼうに好きなんですが、自分の好きポイントをここまで的確に突いて来る固定ヒロインゲー初めてでビックリしました。
え、何これ?自分の為に用意されたのかな??と思う程に好きなカプ要素しか無く、こんな奇跡の出会いある??と。
そういうカプだからこそ徐々にヒロインが主人公と一緒に居る事で自己肯定感が上がって行き、主人公の想いを受け止められるくらいに自信が付き告白をOKした時にはガッツポーズでした。
もう、可愛い、ヒロインの日向千尋、本当に可愛いです。
自分が損するのは気にならないのに空気が悪くなる事の方が苦痛だったり、主人公が馬鹿にされた事に怒った事から分かるように、自分の事よりも他人が苦しんだり被害を被っている事の方が許せないタイプで、悪い意味では融通が利かない子ですが良い意味では真面目で優しく。
「自分が馬鹿にされる事よりも他人が馬鹿にされる事の方がモヤモヤする」というようなタイプの人間は強く共感出来るキャラクターなんじゃないかな?と思います。
そして主人公も、下手したら千尋の親よりも千尋の事をしっかりと見ていて、一途で一生懸命で最高。
話の流れも再会→セフレのような関係に→仕事が続かない千尋に主人公が自分の会社を勧める→一緒に仕事→ちゃんと恋人に→しっかりと力強く告白、の整った流れがあり。
どのシーンもダレる所が無く全部サビのような作りで、飽きる事無く読み進める事が出来ました。
ワンシーンが短い上にアイキャッチがかなりこまめに入るのでストレスフリーだったのと、肉体関係から始まってるのでコンスタントにエロが入りダレさせない作りがとても上手かったです。
主人公が仕事仲間から童貞を馬鹿にされていたところを千尋が見て怒った所からスタートで、千尋が同じ職場になった事でちゃんと職場で「主人公が童貞じゃない事」を牽制し、主人公をこれ以上馬鹿にさせないような空気を作り上げ、序盤での問題を解決する構成も優秀。
その場面で一番馬鹿にしていた上司が酔って眠っている為、もう少し上司にも牽制出来たらなーと思った所はありますが、主人公の職場での不名誉を払拭した所は序盤のモヤモヤがなぁなぁにならずとても良かったです。
明確な「恋人関係」ではありませんが、一緒に少し出かけたり、ご飯をお互い作ったり、千尋にお弁当を作って貰ったり。
傍から見てると「もう恋人じゃん」とニヤニヤする要素ばかり。
というか、「セフレ」という関係は「他に本命が居て、その本命へ想いが通じないから他の人を抱いたり、本命と付き合ってるけど浮気対象として他を抱く事」を「セフレ」だと自分は思っているので、お互いにお互いしか見ておらず、お互いがそれぞれ一番同士ならもうそれは「本命」じゃないか!という関係性の中で、ただ千尋が自己肯定感が低く「好き」を受け入れられないというのが最高で最高で。
自分は「想いを伝え合った上での関係」が好物なのですが、本作はちゃんと「順番を間違えた始まり」といのがコンセプトである事があらすじなどで説明されている為、「主人公の告白を受け入れない」という事が上手く話に効いており、その状況の中で「傍から見るともうコイツらカップルじゃん!」という「付き合ってないのにカップルに見えるカプ」が大好きな自分にはどこもかしこも刺さりまくって、またまた最高で。
褒めてばかりですが、それだけ固定ヒロインゲーとして"良さ"しか詰まってない一作でした。
本当に、「職場での性的な弄り」が単純にリアルでの地雷である為、職場の全員に牽制出来た時にはスカッとしつつも個人的に上司にもう少し牽制したかった!という気持ちと、あとはギャルゲエロゲでは文化の一つなので仕方ないですが、主人公=プレイヤーとして名前変更システムがあり、作中で千尋から主人公が名前を呼ばれる事が無く、千尋は「呼ばれて嬉しい」というシーンがありますが、主人公が良い奴だった為、「主人公も呼んでくれーーー!!!」という気持ちになった部分、あとツールバーを消した後に画面丈夫にマウスカーソルを持って来るとツールバーをが出たり引っ込んだりする所以外は本当にマイナス要素がほぼ無かったです。
しかもその気になった部分もちゃんと職場の弄り自体は解決しているのと、ギャルゲエロゲシステム的な仕方無さや他システムが完璧なのでさほど気にならなかったりする超個人的な好みだと納得出来る部分であり、話としてのマイナスでは全く無く、作品としての完璧さは貫いていました。
というか、何度も千尋に断られてもネバーギブアップの精神で告白を諦めない主人公が大好物なのでこれだけでご飯何杯もいけます!


絵の担当のむうつきさんは未プレイですがCOSMIC CUTE作品で絵はお見かけした事があり。
他作では「サルテ」のサブ原画家でお見かけしていました。
同じスミレ系列みたいです。
等身高い絵柄が好きななのでどの絵も見ていて好きな絵柄だったのと、ちょっと違和感を感じる距離感がありつつも、どの角度からの絵もとても綺麗でした。
千尋しか出ない作品ですが、その千尋がキツめの顔をしつつも周りに合わせる気配り上手という性格でギャップがとても良かったです。


エロは回想で6シーン。
序盤からコンスタントに入るので後半にエロが詰まる事無くバランスがとても良かったです。
あと、自分はバック大好き教なのですが千尋がバック好きな為、純愛の中ではバックが多かったのも嬉しく。
主人公の性格も最高に好み、ヒロインの性格も最高に好み、エロのシチュも最高に好みとか…どんだけ好みで埋め尽くされてるんですかね?
自分の性癖を全部見越された上で作られてるのかと驚きました。


音楽は全10曲にOPEDの歌唱曲2曲。
BGMは主題歌アレンジの「キノウとキョウと輝く明日」が明るい日常アレンジで好きだったのと、「イマとムカシと未来のキミと」がノスタルジックを感じて好きです。
主題歌アレンジBGM大好き。
というかOPの「ステディホリック」が最っ高です!
この曲のフルが欲しくてサントラも買いました。
本当はもうお互い大好き同士で想い合ってるのに上手く想いを繋げないもどかしさがある歌詞と、どこか社会人らしさや大人の雰囲気を纏った曲調がマッチしていて、この作品に絶妙に合っていました。
サントラ届いて無限ループするくらいに好きです。
声は千尋役の葵さんは「無限煉姦」の再プレイで主人公役、「美少女万華鏡」のスピンオフでヒロイン役、「サルテ」の謎の少年クルーン役で今年お聴きしていました。
葵さんはこう、語尾でどことなく「普通の女の子or女性or少年」っぽくなるのがとても好きで好きで。
なんとなく語尾が特徴的なんですよね、語尾が良い意味での素朴さがあるというか。
色々な境遇があっても「普通」さを忘れないみたいな語尾で、そこに人間味を感じて。
そこが今回千尋と上手く絡まっていて。
「恋人じゃない」と言いながらも主人公の事が大好きで、でもどこか想いを受け取る事に恐怖を持っていて。
何気ない日常の中で他人へどこか恐怖を持っていて、それを必死に隠して生きている…みたいな所が本当にお上手でした。
これは同人の某乙女ゲーでのヒロインでもそういう演技が上手かったので、葵さんの十八番なのかもです。
エロ方面に関しても黒パケゲーに沢山出ている方なので粘液系の演技はもうGOOD、神。
ふと素になりツッコミを入れるシーンの演技もとても良く。
人間らしい当たり前の「怯え」があるキャラがとてもマッチしている声優さんで、今後も出演作に当たったら楽しくお聞きしたい演技をされる方です。


評判違わず、間違いなく今年の固定ヒロインゲーの中で一番の出来でした。
世間の評判は伊達じゃなかったです。
「もうお前が今年ナンバーワンの固定ヒロインゲーだ!」と真正面から言いたいです。


絵のむうつきさんが好みの絵柄だった事、他作はまだ触れていませんがシナリオの早瀬さんが今かなり気になってるHOOKSOFT系列のSMEEで沢山シナリオを書かれていらっしゃる事と、企画の雪仁さんがシナリオを担当された「Strawberry Nauts」を今年プレイしてイチャラブの良さに感激したので、かなり期待大だった所があるのですが、期待以上のものが返ってきました。
スミレは複数ヒロインのイチャラブを作りながら今作のように固定ヒロイン作を作り、姉妹会社では「サルテ」などダーク作、そして同人の方では漫画でNTRや逆NTR漫画や音声作品で抜き特化作を作られて、多岐に渡り様々なジャンルと分野で精力的に活動されているみたいで。
純愛だけじゃなく、そしてゲームだけでは無く色々な媒体やジャンルに手を向ける姿勢など大好きなので、今後気になった作品があったら応援したいです。


素晴らしい作品を年度末に出来ました。
今年ラストに今作を持ってきてよかったです。
今作はどうやら音声作品として後日談があるらしく。
自分はノベルゲーム専門で音声作品は買わないのですが、音声作品以外でもまたFDなどでこの「千がない」の世界を見たい!と思えるほど素晴らしい作品でした。
ひょっとしたら音声作品も買うかも…?というレベルで良かったです。
また素晴らしい固定ヒロインゲーを楽しみにしています!



※ゲームの攻略で検索される方がいらっしゃるみたいなので参考にさせて頂いた攻略サイト様を失礼します。
参考攻略サイト様:誠也の部屋 様
https://seiya-saiga.com/
 日向千尋は仕事が続かない ページ
https://seiya-saiga.com/game/smile/himukaichihiro.html